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下−213 チャンスとは  チンスとは

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チャンスってのは、その社会の者達が優秀だと、その社会にチャンスはあふれる。人びとが持ついろいろな可能性の芽を伸ばすことが出来る。
だが、
その社会の者達、特に上の者達が無能極まりないと、チャンスが無い。

チャンスが無い社会は、学歴や資格に頼るように成る。芽が出ないから。でもそんなので人間が優秀になるわけがない。
学歴等自分の中身では無く肩書に頼る(すがる)しかない資質になるなのだから。

で、そんな奴がその社会を構成する側に回る仕組みができあがる。
そうなると、もう優秀な者達が、良い社会を作る可能性がなくなる。
無能は優秀を認めることができない。資質的にも気持ち的にも。
数少ない、自分のちからのみで萌芽させた優秀の芽は踏み潰され、排除されるから。

学歴や資格を気にしない会社のオーナー。
学歴や資格を気にしない国などの組織。
そのような社会であれば、まともな「人間らしい社会」を維持できる。


「ひとを見る目」というのは、人間が持ってて当たり前の能力。多くの生き物が持っている能力。
それすらなく、肩書などにすがる欠陥のみのひともどきしかいないと、それは社会ではない。ましてや「人間」などと呼べるものではない。

権利・義務、と言う奴が、責任ある言動をしたことを見たことがない。
そいつらは責任という言葉を理解できないから権利・義務という言葉にしがみついているだけだ。責任を知っていれば、権利や義務なんぞ存在の意味すら無いと判るのだから。
逆に言えば、責任を理解させたくないので、権利・義務という概念を先に植え付けたのかもしれない。



ということで、このイサムの同盟内だけは、そういったのとまるっと無縁な世界だ。

いや、ちんこケース屋とかがチャンスを活かした者達とか言わないし。あんなの一時期の流行を少し利用してみようかな?程度でしかないし。どーせすぐ廃れるだろう。あんなのが廃れないで長く続く世界とかすんげーイヤだよね?
あ、二十年もののちんケ、、、あのマンジャロウ作のっ!!!
とか怖いよね?精神疑うよね?その社会全体の精神をっつ!!

冒険者も、訓練を二度ほど受けて強くなってがんがん狩りまくれば、勘も働くようになって安全度もかなり上がる。
なのでたまに借りに出るくらいでも生活はそれなりに安定するし。それ以外の日は土地を持って田畑を耕すか、なんか自分用のちっさな工房持つか、店を持つのでも良い。嫁さんもらって一家でのんびり幸せに暮らしていくことができるだろう。
これも一つのチャンスである。平和で幸せな生活を手に入れる、という。

「ちんこケースいかがっすかーー!!」とか言いながら一日過ごすより精神的にすごく良いだろう?幸せだろう?
ちんこケースに幸せは見いだせないよな?

・・・
・・・
・・・

「なぁ、、メフィ、、」
「はい?」
「燃やしていい?」
「ダメです。好き嫌いしてはいけません!」
いや、にんじんとかぴーまんじゃないし、、

「そういや、ピーマンって、人の名前からとったものらしいですね?」メフィ
「え?そうなの・・・・(いや、ぜってー嘘だ!!)」

「唐辛子とか、あーゆー中が空洞の実の仲間で、ほんとはあれに実が詰まっていたそうです。」
「へぇw(とりあえずきいてみよ、おもしろいかも、、)」

「で、それを懐かしんだ料理、それをそのまま再現したのが、ピーマンの肉詰めです」
「もともと肉が入っていたんかーいっつ!!!!」

「きもいですよね?ちゃんと内蔵していたんですって、ぱかっと割ると、ピーマンの中で心臓どっくんどっくんとか」
「やめい、、」

「それはそーと、こいつら燃やしていいのか?」
「だからダメですって、、」


目の前に広がっている光景。
刈り取られた原っぱ一面に、ちんこケースを作る者達がうじゃうじゃうじゃうじゃと、、、
その原っぱの端にテーブルが並べられ、仕上がったらしくちんケ職人が持ってきたちんケをチェックしている。
チェックを通ったちんケは買い取られるらしく、金が渡されていた。ダメだったのは指でなんか指摘され、突き返されている。ちんケ職人はそれを持って帰り、自分の場所で再度作業を始めている。

「ダメだろ、、これ、、どーみても・・・」イサム
「主様のあのお言葉wも、全く効いていないですねぇ、、」メフィ
先日魔物の森の宿の食堂でイサムが言った言葉のことだ。

「んじゃ、どーすんだよ?お前は楽しいかもしれんが、世界中にちんこケースが広まって、どいつもこいつも装着して歩いている光景なんぞは。」
「・・・・想像してみると、、それほど楽しいものでもないですね、、ここだけだからばか臭くって面白いのかもしれませんね」
・・・・・・・・・・

「で?」
「少々、、いや、今日中にどうにかしましょう」
へ?一日で?燃やすんじゃなくって?

「あっはっは!もっと効果的な事をしますよ、見ててくださいな」
メフィ、自信ありげだが、、、

ーー

その日の夕方、いきなり街なかのビジョンが映った。
魔国の闘技大会以外では最近はめずらしい。
人びとはなんだろう?なんか楽しいことなのかな?と群がった。

放映が始まる。

いきなりアラタ、ちんこケース付きっつ!!!

「きゃーーーー!!!、、うーんぶくぶくぶく、、がくっつ」
と、隠れアラタファン達が街のそこここで泡を拭いてひっくり返る。

「・・・にあわねぇ、、、」
「つか、すんげー嫌がってるよな?」
「強制的に?」
「嫁の命令?」
「夜のお供?」

ビジョンの音声がいきなり大音量で
「似合わん!!!こんなのが似合う男は男としてどーしょーもないっつ!!そんな奴のちんこはみなぶったぎれっつ!!」
桜の声が轟く!

「んじゃ、はずすよ?」アラタ
「ああ、もう痛々しくってみていられん、わるかったな、、」
「うん、ボクもこんな恥ずかしい思い、前世でも今世でも無かったよ、、、」
と、カメラの前でチン子ケースをはずすアラタ、気づいていない様子。
どっこん!

「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」
世界中(の男達と、一部の女)が泣いた!!!

爆笑しているのはメフィ
苦虫1万匹くらい食った顔しているのはイサム
「また引き合いに出されるのは俺だろう、、」
ともう想像ついていたようだ。


(あれじゃん?神が、”これあるんだから他のチートとかいらないよね?”とか思ったんだろうな。)イサム
(あっはっはっはっは!そーかもしれませんねっつ!!!アラタを送った神、男なんですね!!あっはっはっはっはっは!!!)

その後、同盟内の女性たちは、草履の国の桜姫の”モノを見る目”の凄さにあやかりたいとかたくないとか、、
なんか桜の花びらや花をかたどったお守りとかを持つ者が増えたそうな、、


でかけりゃいーってもんじゃねーよな?


**顛末**
桜姫のダメだしくらったちんこケース。特に女性から人気無く忌避感が強く、街なかで装着する男はほぼ居なくなった。罰としている保輔、敬太だけになった。
各街のゴミ捨て場にはケースが溢れていた。
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