上 下
263 / 383

下−188 呪いの番組

しおりを挟む

その日、イサムは特にすることもないし、なにもなさそうなので亜空間部屋にこもって漫画を読んでいた。

イサムの持っている漫画は、基本的には”何度読んでも面白い”ものばかりだ。
流石に本棚を一気に3周とかすると飽きるが、日を置けば、その時はまた面白いと読み切るほど。
昔はそういう漫画が多かったので、それらを揃えられたイサムは幸せだった。
いつの間にかメフィが食事も持ってきてくれるし、、、w

そん中でもお気に入りの、御厨さと*の”裂けた旅券”だ。これ読んで、俺もいつか海外に住みたいなぁ、、とか思ったもんだった。今は海外どころじゃねーけどな!

また、「地球(テラ)へ」という、少女漫画家の名作がある。これも好きだが、特に宇宙に行きたいとか思っていなかったが、超能力には少し憧れていた。
今は超能力どころじゃねーけどな!!

あと、オゲレツ漫画だが、ある意味すごい名作な「稲中卓球部」というのがある。画がひどいし、、と思ったが、なんか引かれる(≒引くw)ところがあるので少し立ち読みしたらハマり、全巻買った。
これは今のイサムには全く関係していない。
が!
タカシとか、アラタとか、、登場キャラ系どころじゃないのが周囲にたくさんいる。


なんかの呪い?ああ、神様の呪いかぁ、、
酷いよな?ww

などと思いながらも、今の世界を楽しく思っている。
それがイサムクオリティ・・・

天界の賭けはどうなっているのだろう?

今までが今までだった。
なので、イサムが早々にリタイアするほうが大半だった。
それらはもうとうにすべて負け確定だった。数年程度で負ける賭けをしていた神がほとんどだったから。
もうそんな年数過ぎていた。

が、、
イサムとよく殴り合いしていたある女神?のみ、長期、あの世界の神がイサムを連れ戻すまで、で賭けている。
賭けた本人も忘れ去っているが。
ウチ神(その女神)も、自分がパワーアップして、イサムもそれなりになってるのがわかったので、途中から掛けに参入した。途中からだから倍率低くなっちゃうけど。

今ではガチ長期だな、と思われてしまってるので、もう人気のない賭けになってしまっている。

さて、
人気の賭けは、画伯だ。
内容は、画伯とゆーしゃがひっつくか?だ。しかも時期あり、年単位で。なので倍率はよくなる。皆おもしろがってこがねを賭けている。
画伯のアニメがいつまでつ続か?終了は人気落ちか、過激なんで強制打ち切りか?とかもあるし、、何でもネタになるならやってるのだ。

もちろん天界ビジョンで画伯のアニメを見ることができる。
が、神共でそれを見たことがあるものは少ないし、継続して見ている者などほとんど居ない。
皆耐性が無いようだ。

で、
イサムの部屋のビジョン、天界ビジョンである。

漫画を読むのが疲れてきた時、気が向いたらスイッチを入れ、てきとーに回す。

天の廃材wか、たまたまなのか、スイッチを居れたらいきなり画伯アニメが映る。
通常、テレビの企画の時代のメニュー画面になるのだが、、
イサムのはチャンネルをガチャガチャ回すタイプなので、画伯の時代と違うはずなのだが、、、

よく見ると、「特別配信!」とかになっている。
ふーん、でも汚ねぇ画だなぁ、、とか思いながらそのままに、、

いつの間にかイサムの目はまばたきひとつせずに画面から離すこともできず、、
こわいんだけど、、目を離したら襲われそう、、みたいな、、

アニメだよ?洋物の実写じゃない。なのに、、

ちなみに、ノーカットで今まで放映されたものをつなげてそのまま全部一挙放映、とからしい、、
小さいテロップが下に流れているのだ。

声も出ないし念話も送れない、、、麻痺しているんだろうか?
呪い?アニメで?
それはそれですげーな?だから放映したのか?嫌がらせのためにw、うん奴等楽しんでやるよなそーゆーコト、、

などと思いながらも、こめかみあたりから、時折冷や汗が流れ落ちる。

どうしよう?何時間あるんだ?
あ、テロップでた、、128時間?え?128?
・・・・いや、先程メフィが昼飯持ってきてくれたんだ、夕飯まで数時間頑張れば、、、、

ログアウトできる、と思ってフルダイブMMOに入った者たちがどうなったか、、、
イサムの時代にSAOはまだ無かったw!!


ただ、イサムも、他の者たちもだが、肝心なところがわかっていなかった。
音声があるのだ。目に(画)に気を取られて話の内容を気にしなくなっている。
本気でこのストーリーを気にすれば、このアニメはハートフルストーリーだとわかるはず。
その時点で呪いは解け、自由になるはずだったのだ。

己で己に呪縛を掛けているだけであった、イサムも、他の視聴者の大半も。

「それが良い!!」とか言う者も多いけど。

亜空間部屋なので外がわからない。時間がわからない。5分だけなのか、3時間くらいたったのか、、まったくわからない。

どうしようおしっこたれながしちゃう、、、
おしっこの転送すら、できなくなっている。そらそーだ、瞬きすらできないんだから。

もう目、かぴかぴ、とか思ってるが、実際は涙だだもれで目を守っている。そのことにも気づかないイサム。




どれほど時間がたったろうか、、もうこの状態が、、逆に、よくなってきた?などとも、少し思い始めた頃、、
かちゃ、、
「ユーハンですよー」メフィ

ちゃぶ台のうえにお盆を置いて、イサムを見ると、
!!!ぷっつ!!ぷぷぷぷぷぷーーーーーーーーっつ!!!!
「主様!何の遊びしているんですかーっつ!!!ぶーっつ!!!」

で、ビジョンとイサムの間にメフィ頭が入った、メフィがビジョンを見ようとしたのだ、
今だっつ!!
と、イサムは後ろにすっころがった。
いきなり首を動かすことも、めをつぶることも、できないかもしれない、うごかないかもしれない、
なので、倒れるのは、可能だ、と思ったのだった。

「・・・はぁー、、、、助かったよ、、メフィ、、、」
・・・・
メフィ?

ビジョンに見入っているメフィ。微動だにせずっつ!!!

イサムはおしっこに行って、顔洗って、部屋にもどって食事を終え、お茶を飲んでから、ビジョンを消した。

「おもしろかった?」イサム
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~

こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。 それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。 かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。 果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!? ※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

全校転移!異能で異世界を巡る!?

小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。 目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。 周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。 取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。 「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」 取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。 そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。

突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます

ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。 何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。 何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。 それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。 そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。 見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。 「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」 にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。 「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。 「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。

死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~

未来人A
ファンタジー
主人公、田宮シンジは妹のアカネ、弟のアオバと共に異世界に転移した。 待っていたのは皇帝の命令で即刻処刑されるという、理不尽な仕打ち。 シンジはアンデッドを自分の配下にし、従わせることの出来る『死霊王』というスキルを死後開花させる。 アンデッドとなったシンジは自分とアカネ、アオバを殺した帝国へ復讐を誓う。 死霊王のスキルを駆使して徐々に配下を増やし、アンデッドの軍団を作り上げていく。

処理中です...