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下−136 憂うメフィ
しおりを挟むメフィは憂いていた。
何に憂いていたかと言うと、、なんだろう?
とにかく憂いていたのだ。
虫歯が痛いとかいう落ちではないので先に行っておく。まだ理由がわからんだけだから。
ここんとこ、何もかもがそこそこそれなりに旨く進んで、しかも主様がかかわらずとも進んでいる。
こんなんでいーんだろうか?いやよくない?なぜ?いんじゃね?でも、 お も し ろ く な い だろう?
そこだ!!そこなんだっつ!!!
ということらしい。
ふーん?で済んでしまうところだろう、一般人ならば。
でもメフィなのである。
「どうしてくれよう?」メフィ
何がそこまでにくたらしいんだろう?
なので、メフィは訓練場に落とし穴をいっぱい掘ってきた。
今日はベテランの3回目の訓練だ。これを終え、実践である程度経験を積むと、異界に行く前の銀翼レベルに近くなるのだ。
各国各地の隊長レベルはこのレベル。勿論蘇生魔法を使える。5分程以内ならば蘇生できる程度だけど。
宿で仕事をしながら遠視で見ていたメフィ。
最初に1人2人ひっかかったが、その後はさすがベテラン、罠を探知できるようで、皆避けて走っている。
「くっそう!!」
何がメフィをそこまで?
仕方がないので、今度は王都ギルドのギルマスルームにちょこっと行って、椅子に地雷魔法を仕掛けてきた。
見ているとギルダーが入ってきていすに、よっこいしょっ、といいながら座ってドッコーーン!!天井に頭がぶっささり、ぶらーんと揺れているギルダー。
少しスッキリしたけど、、まだまだだな、、と思うメフィ。
ちゃんと獲物を選んでいるところが、安心安全だね!!
うーんん、、と悩んでから、ダンジョンの下層の方に行き、おもいっきし魔力を放出してきたメフィ。
帰って食堂で仕込みしながら遠視で見ていると、
うっわーーーーー、、と奥から冒険者たちがわらわら逃げてくる。ほくそ笑むメフィ。ゴーストやアンデットやちっさいリッチーまでもが湧いてきていたのだ。
その後、なんかすごそうな、、一時期の銀翼か銀猿みたいな感じの一派がやってきて、皆武器に魔力を纏う、、白系の魔力、、、
「あ、やべぇ、、」メフィ
あっという間にリッチーまで浄化されてしまった。
チッ!!
その時、念話が入ってきた。
(メフィさん、イサムさんいないんですか?)アラタ
(あ、亜空間部屋にいるんで通じないですね、どうかしたんですか?)メフィ
(なんか、南の海に大量にクラーケンとか湧いたみたいで、、僕らじゃ対処できないで、、できたらお願い出来ないかなーと思って、、)
(そのくらいなら私が行ってきますよ)
(忙しいのにすみません!お願いします!)いつも丁寧なアラタであった。根がいいやつだからね!
んじゃ、少し仕事が入ったんで、南の海に行ってきますね、と、そこに居たメギィに言って跳ぶメフィ。
シュン!
サーチででっかい魔力を目指して海に出たメフィ。
「ほう!」
確かに”湧く”ほど、、うじゃうじゃキモいほど、一気に踏み潰したくなるほどいた。小山ほどあるイカの群れ。
メフィに気付いてビームを放ってきたが、指一本出すまでもなく弾くメフィ。
あ!やべ!と、流石に強い魔獣の親方、メフィの強さをわかったらしく逃げようとするが、周りにもみっしりクラーケン密集地帯があるので、つか、その中にいるので、身動きとれない。
にたり、、
そのメフィの顔を見て滝のごとく汗を流し必死にもがいて逃げようとするクラーケンA!!
メフィの右手にポン酢の瓶が現れる。左手には箸だ!
今明かされるメフィの秘密っつ!!!メフィが左利きだったのだ!!!
どーでもいいことですけども。
ポン酢を見たクラーケンの必死の表情ときたら!!!
と、メフィ腹を抱えて大爆笑!!!
ポン酢の蓋を開け、内蓋の封印を剥がす!
クラーケン、目が飛び出るほどにっ!!てイカの目は出ているけど、、もっと、びよーんってほどにっつ!!
更に大爆笑で、息ができなくなっているメフィ、、ひーひー言っている、、、
瞬間移動ではなく、ゆっくりと宙を飛んで、そのクラーケンAの上からポン酢をかけるメフィ!!
もう海に潜ろうとしても下にもクラーケンがみっしり!!前方に逃げようとしたが、さきほどまで開いていた前方にもいつの間にかみっしり!!!
すんげーもう狂ったようにもがくクラーケンA!!!
箸を、魔法ですすすーーーーと伸ばし、、イカのエラの部分をちょい、とつまむ、、
更にくるったようにもがき暴れ墨を吐き周囲のイカに噛みつき足を隙間にぶちこんだり他のクラーケンを持ち上げよとしたり、、でも他のクラーケンはその他のクラーケンたちと足が絡み合って個体だけをドーにかできる状態ではないwww
結構すっきししてきたんで、そろそろ終わらすかなー、と、、
!!ぴん!!
小瓶を用意したメフィ。
ながーーーくなった箸で、クラーケンAをつまみ上げ、その小瓶に、、シュルリン!!!と入ってしまった。ストレージみたいなもんか。
で、金魚鉢を懐から引っ張り出して、ちょいと、人差し指をふるって、そこらにいた全てのクラーケンが、5mmほどになって金魚鉢の海水の中に入った。100匹ほどいる?
「クラーケン養殖鉢、、ぷっwww」
シュン!!
宿に戻り、
「これ、食材に使ってください。クラーケン養殖鉢です。100匹ほどいるかな?捌く時は元の姿にすれば2-3日分の食材になるでしょう。あまり怖がらせると臭くなるんで、わからないうちに捌いてくださいね!」
とメギーに渡した。
さて、、と仕事に戻るメフィの表情は今朝とは全く違っており、清々しいほど賢者になっていた。
溜まっていただけなんですかね? 憂いじゃねーじゃん、、
爆笑させるのがいいのか?
一応この世界では最年長らしいので、他のだれもメフィの生態を知らない。
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