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第七十話 ふつうの日常 剣技と魔法をはじめる。
しおりを挟むガンダさん達銀月メンバーは、年長の子どもたちの中で冒険者に成りたい者達から、是非お願いします!と要請を受けて、渋々訓練を始めた。
「ホントは危険がない普通の仕事に付いてほしかった」と、銀月メンバー全員。
それは満月の者達も一緒であった。
銀月や満月のメンバーが冒険者になったのは、それ以外に道がなかったから。
今のドラゴニアの子たちにはいろいろな道が開けている。なのに、わざわざ最も危険な冒険者を選ぶとは、、、
ただ、彼らは知らない、というか気付こうとしないのか?
「ガンダ達みたいなりたい、という気持ちが強いから、皆冒険者になりたい、と強く思ってるんですけどねぇ、、」
とダンマス。
うんうん、と、そこらはよくわかるのか、ドーラがおおきく頷いている。
ダンマスのダンジョンで特訓受けてきたニヤも顔出して、魔力を感じるようになる方法を教え、その後は魔力の練り方、魔力容量の増やし方など教えている。
テイナは、魔力がある程度付いたら、細かく魔法を教えていくつもりだと、ニヤと役割分担している。
ここの子たちは、5歳位になれば、たいがい皆周囲の誰かしらが魔法を幾分使えるので、その者達から基礎を教えてもらって、火を付けたり手洗いくらいの水を出したりすることはできるようになっている。5歳位から仕事の手伝いを始めるからだ。
ただ、どうにか使える程度、なので基礎ができていない。また、まだ使えない子もいる。
なので、学校でも教えるようにする、とテイナ達は決めた。
「剣術、体術、弓があるのに、魔法がないのはバランスが悪い。魔法も武器も使えてこそ、だと思うでしょ?」
と言われりゃ、そーですね、としかいえないだろう、冒険者ならば。
読み書き計算武術魔法、がドラゴニアの学校の基本授業になった。
「自分や仲間を守れてこそ、俺達らしさ」だと、逆に子どもたちから言われる始末のガンダ達だった。
魔法に関しては前から一部希望者にテイナとニヤが教えていた。
その子達は結構一人前になっているので、初心者の子たちの教官として呼んだ。
皆喜んで学校の教官になってくれた。それでも授業ない時は元の持ち場に行って手伝っていたりする。
皆はらたきものだし、元の班の者達とも仲いいからだ。
ガンダ達が剣を教え始めた時は驚いた。
皆そこそこできるのだ。
「おまえら、、どうやって覚えた?」と驚いて訊いた。
「そりゃ、、冒険者の人に訊いて。少しでも時間あるときにいくらか教えてもらったり、、そっから自分達で考えてやったり、、いろいろ?」
・・・・・
その子達は、自分達だけでどうにか強くなるために動いていたのだ。
「これじゃ、、本気で教えるしか無いな、、」とガンダ、ジオ、ザク。
とりあえず太め、長めの、重さが剣より少し重めくらいのものを皆で集めてきて、柄の部分だけ握りやすいように各自加工する。
更に、ユータに少し厚めの木剣を作ってもらう。折れにくいから厚め。
とりあえずの間は、棒振りの時は枝の方を使う。稽古の時は木剣を使う。
で、ガンダはダンジョン側の街の鍛冶屋に剣を注文した。
魔獣は相手の頭と腹を狙う。なので基本守るのはそこなのだが、
「鎖帷子が良いと思うが、、、」ガンダ
「皮の当て物は動きにくいか?」ジオ
「訓練も中程に行ったら、両方着用して訓練すればいんじゃないか?」ガンダ
まぁ、慣れるなら、そのままで。なれなければまた考えよう、ということになった。
夕食時、ガンダがジョニーにも訊いたら、
「あー、、俺の時は何もなかったからなぁ、、、」ジョニー
「・・・よく今まで生きているな?」ガンダ
「まぁ、逃げるのうまいから、かな?」
そうか、それも重要なんだなぁ、、と知ったガンダ。
「よかったら、俺も教えるぜ」
とジョニーが言ってくれたんで、ガンダは頼んだ。
そういうのを見ていると、ユータは、自分の時は特殊だったんだなぁ、、と思う。
穴が在ったので入った。
そこで剣を拾い、
そのまま知らずにダンジョンに入っていた。
で、目の前で人が襲われている!その魔獣を後ろから切り倒した。
そんままそのパーテーの仮メンバーに。
で、そのまんま本メンバーになった。
ちなみに、剣道もやったことがない。
仮メンバーに入ってから魔法が使えると判明した。
こんな経歴である。
入れたマキもマキだが、、でもそれからユータ、なぜか剣を使えて、、ぎこちないけど魔獣を狩っていた。
謎は、大魔法使いが残したであろう、あの見た目安物の剣にあるのだろう。
いーろいろ付与してるみたいだからね。
「そーだな、そーゆー奴だからこそ、俺の相棒が務まるってもんだ!」ドーラ
「そんなもんなのかな?」ユータ
「ああ、そんなもんなんだよ!」
ちなみにドーラ。剣を使ったのをユータは見たことがない。でも「俺、剣使えるぜ?」とは聞いている。だがしかし、大概、拳という物理で解決してしまうドーラ。もしくは魔法。なので剣は必要ないらしい。
「ユータも拳を使えばいいのに。俺近くまでになるんじゃないか?ガタイ良くなったし、魔力ずげーし。」ドーラ
うーん、、、、、、、、どうだろう?近くまで行くの怖いし、、、
「まぁ、、んじゃ、、後衛が一番敵と遠いかな、、」
「あ、でも剣くらいの距離有ればダイジョブだと思う」
「・・・・・1mくらいに、どーゆー意味が在るんだ?」ドーラ、少し怒り気味に訊くのはなぜ?
「手が届かない?」ユータ
ああ、なるほどね、、、
つか、、、闘いだぞ?動いてるんだけど、、、
つまり、剣一本分の間がありゃ、捕まらねーよ俺は、と言っているわけだな?
と理解するドーラ。
魔獣、前足が長いやつ多いけどね、、まあユータの気分なんだろう、、1mの安心感、て。
院長先生がほかの孤児院に問い合わせする時に、うちには学校が在り、そこで武術と魔法も教えていると付け加え始めた。
そうしたら、相手先の孤児院の年長者の大半は「行きたい」と希望したらしい。
図らずとも国民増やすことに貢献していることになった。
まぁ、上達した子達が下の子たちを教えていくようになるから、負担はないけど。
逆に子どもたちの「教える」という経験は伸びる。
「うちのダンジョンで働いてくれる子も、そのうち出るでしょうかね?」ダンマス
「出るんじゃね?」ドーラ
ダンジョンで人間が何するんだろう?
「まぁ、そのうちお肉調達班ができるんじゃないか?訓練兼ねて。」ドーラ
「あー、ありそう、、、」ユータ
そのドーラの予測は、半月もしないうちに現実になった。
「まじ、上達早いよ、、、」ガンダ。
剣が出来上がってきたのを待って、すぐさま森に実戦しに行き始めたのだ。
まぁ、前から自分たちで冒険者に訊きながら鍛錬していたというからね。
第一陣は、ダンジョン出入り口側の街に行って、それぞれ鎖帷子と皮の防具を買ってもらった。
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