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28.瞬殺した婚約破棄で得たもの

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「ローゼ……。本当にこの令嬢達を祝賀パーティーに招待するのか?」

 二か月後に行われる挙式後の結婚祝賀パーティーに招く招待客リストを眺めていたハロルドは、やや眉を顰めながらローゼリアに確認した。
 現在、二人はハロルドが臣籍降下の際に承った領地の屋敷で、挙式関連の打ち合わせを行っている最中だ。

 ローゼリアと正式に婚約してから一ヶ月後、臣籍に下り東国との南側貿易窓口の領主として侯爵位を賜ったハロルドは、新たに統治する領地にマイスハント領内から醸造手法に詳しい人材を招き入れ、東の隣国で特産となっている果実を使った酒を新たな特産品として売り出す体制作りを早々に始めた。

 その手始めに東の隣国との貿易窓口になっている北側領地を治めているミオソティス家のルシアンの協力で、自国で製造した果実酒を小出しに販売を開始させ、まずはその果実酒の付加価値を高める事を始めた。

 結果、マイスハント家監修の下で生み出されたその果実酒は、芳醇な味わいと甘味の強い果実の甘味を程よく抑えながらも、どこか高級感を感じさせる果実酒として、隣国で一気に注目されるようになる。
 同時に柑橘系の果実との相性を追及した果実酒も開発し、こちらは国内での流通に力を注いだ。

 リーズナブルな価格で楽しめる爽やかな香りの柑橘系の果実酒は、女性だけでなく男性からの需要も多く獲得する。この戦略で、当初マイスハント家が計画していた『果実酒は女性が好む酒』という概念をまず国内で払拭させた。
 すると、東の隣国内でも男性の果実酒の需要が高まり、更に二ヶ月後には東の隣国から果実酒の貿易取引の話がマイスハント家に舞い込んだ。

 その話し合いにハロルドも同席し、材料の調達方法や取引価格に運送のルート等、その際に発生するコスト等の取り決めをし、僅か半年で自身の領内に隣国の果実を使った醸造ギルドの基盤を構築させた。
 尚、東の隣国に留学していた際、警備関係の強化で貢献したハロルドが話し合いに参加した事で、隣国の商人達の態度が軟化した為、足元を見られる事もなく、話し合いは円滑に進んだらしい。

 そしてハロルドが侯爵位を賜ってから四カ月後には、本来の目標であった東の隣国との有益な交易品として取り引きする事が確定となる。
 マイスハント領内の伝統的な手法で熟成された醸造酒は、隣国の果実の強い甘味を程よく押さえつつもどこかお洒落で高級感を感じさせる為、甘味の強い果実との相性が非常に良く、国内では取引先などへの贈答品として重宝される定番商品となっていた。

 だが、主力の交易品として輸出希望の声が高まっている中、ハロルドは敢えて自分達の挙式日ギリギリまで、交易取引の開始日を先伸ばしにした。
 まずは土産物でしか手に入らないという付加価値を高め、自国への観光客を増やそうと目論んだらしい。
 その期間、マイスハント家ではハロルドが治める領地内に醸造業者を増やす事に専念し、実際に交易が開始される頃には品薄にならないよう体制を整えている最中だ。

 その為、ローゼリアの兄クライツは、視察やら新たな取り引き先開拓やらで、日々忙殺されているらしい……。一週間程前に挙式の打ち合わせに参加してくれた際、目の下にクマを張り付かせながら、義弟となるハロルドに感謝の言葉と愚痴を同時に訴えていた。

 そんな経緯でマイスハント家が計画していた果実酒貿易の体制をあっという間に整えてしまったハロルドだが……。
 その目標に対する原動力は、実にシンプルなものだった。

『一刻も早く婚約者との挙式日を早めたい』

 たったそれだけの理由で、ここまでの体制を僅か半年で整えた婚約者の執念には、贅沢過ぎる危機感をローゼリアは抱いてしまう。
 このままでは挙式後の自分は、この深過ぎる愛情に溺れて頭がおかしくなってしまうのではないかと……。

 そんな危機感を抱かれている事など微塵も気付いていないハロルドは、先程からローゼリアの隣で眉間に皺を刻みながら、王城で開催予定の結婚祝賀パーティーの招待客リストを睨みつけていた。

「やはり彼女達は招待されるべき人間ではないと思うのだが……」

 ハロルドが渋い表情で招待客リストを確認しながら、不満を零す。
 するとローゼリアがふわりと口角を上げて、その理由を語りだす。

「確かに彼女達には悪評を広められるような行為をされましたが……。そのお陰で、わたくしはハロルド様のような素晴らしい男性と巡り合える機会を得ましたので、感謝の気持ちをお伝えしたいと思いまして」
「物は考えようだな……。私には彼女達がフィオとの婚約をぶち壊し、悪意からあなたを陥れようとしたとしか思えないのだが……」

 不満げな表情のハロルドが、鬱陶しそうにそのリストをテーブルの上に乱雑に放つ。リストに書かれている半数以上の令嬢達は、まだローゼリアがフィオルドの婚約者だった頃に悪評を吹聴していた令嬢達だった。そんな彼女達をローゼリアは、敢えて自分達の祝賀パーティーに招待したいらしい。

 何故、嫌がらせをしてきた人間をローゼリアが率先して招待したがっているのか、ハロルドには理解出来ない。その事で悶々としている婚約者の様子を眺めていたローゼリアが、苦笑しながらその理由を語り出す。

「以前、フィオルド殿下が彼女達について調査された資料をお持ちくださった際、わたくしはそこまで気に留めていないとハロルド様にお伝えしたのですが、覚えていらっしゃいますか?」
「ああ。確か……『悪評と言っても噂話程度だから、いちいち目くじらを立てていては、社交界でやっていけない』と言っていたような……。フィオも抗議の声を上げるかどうかは、あなたの判断に任せるべきだと、珍しくまともな内容で主張していたな」

 顎に手を当てて思い出し始めたハロルドだが、何故か急に不満げな表情を露わにし始める。

「そう言えば……あの時のあなたとフィオは、何故か示し合わせたように私に悪評を吹聴した令嬢達のリストを見せないようにしていたと思うのだが?」
「それは……」

 急に別な部分で追及してきたハロルドに思わずローゼリアは、視線を逸らして明後日の方向へと顔を向けた。その反応にハロルドが小さく息を吐く。

「大方、私にリストを見せてしまえば、その令嬢達にかなり重い制裁を加えると懸念しての事だろう。フィオにしては、随分とまともな立ち回りをしたと思っていたが、その判断をさせたのはあなたの誘導かな?」
「そのような事は……」
「だが、それでも目だけであなたと考えを示し合わせていたフィオには、今でも思い出す度に面白くないという気持ちが込み上げてくる」
「その……フィオルド殿下とは婚約期間が長かったので……」
「それでも相手が元婚約者の愚弟という部分が、非常に腹立たしい」
「ハロルド様……」

 明らかに嫉妬に駆られた様子のハロルドが、右手を何度も開いては閉じる。その行動に気付いたローゼリアが弧を描いた口元を引き攣らせる。
 もし次にこの兄弟が顔を合わせた時、確実にフィオルドは兄に顔面を鷲掴みにされる制裁を受けるだろうと……。

「それにしても本当に彼女達を招待するのか? 元王族の祝賀パーティーに招けば制裁どころか、彼女達のメリットにしかならないと思うが……」

 腑に落ちない様子のハロルドが呟くと、ローゼリアが最近よく見せるようになった柔らかい笑みを浮かべる。最近はその柔らかい笑みを見慣れてきたハロルドだが、不意打ちでされてしまうと未だに目を奪われてしまう。

「いいえ。招待する事で、わたくしは確実に彼女達へ報復する事が出来ます。何故なら彼女達は、祝賀パーティーの間、ずっとハロルド様の隣で幸福な笑みを浮かべているわたくしの姿を見せつけられるのですよ? それだけで、かなりストレスを与えられるかと」

 その言い分にハロルドは一瞬だけ瞳を見開いた後、盛大に吹き出した。

「た、確かに……。自身が陥れようとした相手の幸福な様子を長時間見せつけられては、かなりの屈辱だな……」

 くつくつと笑うハロルドの様子をローゼリアが満足げに眺める。
すると、ひとしきり笑ったハロルドが、またしてもローゼリアの頬へ手を伸ばして来た。

「それにしても私の婚約者殿の報復方法は、随分と可愛らしいものだな」
「そうでしょうか? それなりに意地の悪い方法かと思いますが……」
「ならば、当日は私も協力し、これ見よがしに幸福に溺れている姿を皆に見せつけなければならないな」

 そう言って、ハロルドは添えていた手でローゼリアの頬を優しく撫でる。
 婚約したばかりの頃は、その甘い接し方を急に始めたハロルドにローゼリアは戸惑っていたが、今は余程の甘さがないと動じなくなってきた。
 それどころか更に甘い接し方を密かに期待してしまう自分がいる。

 しかしハロルドは、頬や髪等に優しく触れる以上の事はしてこない。
 兄達から『ハロルド殿下は本命には手が早そうなので注意するように!』と強く忠告を受けていたローゼリアだが……。

 真面目過ぎる性格のハロルドは、触れる回数は多くなっても、一線を越えるような接し方はしてこない。それは婚約期間が半年以上続いている今でも守られており、頬や髪に手に優しく口付けをされる事はあっても口付けにまで発展した事は未だになかった。

 それだけハロルドは、ローゼリアを大切に扱っているという事なのだが、ここ最近は、それだけでは物足り無いとローゼリアは感じていた。
 同時にそう思う自分は、かなりはしたない人間のようにも思える。
 
 しかし今の自分はハロルドに触れられると、それ以上の甘さを与えてくれないかと期待してしまうのだ。その期待を訴えるように上目遣いで視線を向けると、ハロルドが一瞬だけ動きを止め、困り果てた様子で微笑む。

「ローゼ……。最近、私があなたに触れている際、誘うように上目遣いをしてくるのは自覚しての行動なのか?」

 一瞬、何を言われたのか理解出来なかったローゼリアだが、すぐに自身の密かな欲望をハロルドに見透かされた事に気付き、慌ててハロルドの手から逃れようと身を引いた。

「そ、そのようなつもりでは……。その、何となくハロルド様を見つめ返してしまっただけで……」

 羞恥心から頬を赤らめて俯いたローゼリアの様子にハロルドが満足げに目を細めながら笑みを浮かべ、ローゼリアが求めている欲望をあっさりと見透かした。

「こちらとしても許されるのであれば、もっと過剰に甘い接し方をしたいのだが……。一度でもその誘惑に負けてしまうと、一瞬で理性が消し飛ぶ可能性が高い。その為、挙式前は出来るだけ私を刺激しないで欲しい」

 そう言いつつも、ハロルドはローゼリアの髪を先程から弄び続ける。すでに習慣化しつつあるこの愛情表現では、やはりローゼリアは物足りなさを感じてしまう。すると、急にハロルドが悪戯を企むような笑みを向けてきた。

「だが、挙式後は今まで抑え込んでいた愛情を全力であなたに注ぐつもりなので、ある程度は覚悟しておいて欲しい」

 何故か宣戦布告のように告げられた言葉にローゼリアが一瞬、息を呑む。
 その反応を面白がっているハロルドは、更に不敵な笑みを深めた。

「ローゼ、私はあなたが思っている程、紳士的な男ではないぞ?」

 先程までハロルドが瞳に宿していた甘さは、いつの間にかギラギラとした光に変わり、ローゼリアに一瞬の緊張感を与える。
 自身の欲望を見透かされ、更に近い将来それを満たすと宣言されてしまったローゼリアは、恥ずかしさから俯きながら呟く。

「肝に銘じておきます……」

 するとハロルドが、満足そうに目を細め、指に絡め取っていたローゼリアの髪に長めの口付けを落す。その一連の動作にローゼリアが魅入っていると、何かに気付いたように急にハロルドが顔を上げた。

「そう言えば……シャーリー嬢は祝賀パーティーだけでなく、式にも招待しているのだな」
「はい。今現在の彼女はわたくしの数少ない親友のお一人ですので」

 そう答えながらも、まさかあの婚約破棄未遂が切っ掛けで、ここまでシャーリーとの親睦が深まるとは、ローゼリアも夢にも思っていなかった。
 だがハロルドが力技でフィオルドの暴走を止めた際、シャーリーだけでなくローゼリアもその被害者として扱ってくれた事で、お互い親近感が芽生えていたのも事実だ。

 そしてその後のフィオルドの暴走が加速した事で、接する機会が増えたローゼリア達の仲は、あっという間に深まった。そういう意味では、フィオルドが起こした婚約破棄騒動は、ローゼリアの人生を良い方向に導いてくれたように思える。そんな事を考えていたら、目の前のハロルドが何故か苦笑する。

「ハロルド様? どうかなされましたか?」
「いや。このような考えは不謹慎かと思うのだが……。私とあなたの接点をもたらしたのは、あの愚弟の起こした婚約破棄未遂騒動が切っ掛けだったなと思ってしまって……」

 そのハロルドの言い分にローゼリアが、不思議そうに首を傾げる。

「わたくしにとっては、まさにそうなのですが……。ハロルド様も?」
「ああ。愚弟がした事は許される事ではない……。だが現状の私は、愚弟があのバカげた行動をしてくれた事に思わず感謝したくなる衝動に駆られる事がある……」

 苦笑しながら語るハロルドにローゼリアも同じ様な笑みを返す。

「確かに。公の場で婚約破棄を始められたフィオルド殿下の行動は、誰もが眉をひそめてしまう行いでしたが……。ですがあの時、大々的にフィオルド殿下が婚約破棄を突き付けてくださらなければ、恐らくわたくしは、生涯不幸な結婚生活を強いられていたと思います」
「あなたにとっては、将来を大きく左右する重要な分岐点となる出来事だったようだが、私にとってはまさに僥倖な出来事でしかなかったからな」
「僥倖……ですか?」
「非常に不本意だが、あのバカの愚行が私に良縁をもたらしたと言っても過言ではないのでな」

 力ない笑みを浮かべ零されたハロルドの言葉にローゼリアが、思わず吹き出してしまった。

「ではフィオルド殿下は、わたくし達にとっては良縁をもたらした天使のような存在という事になりますね」
「あんなにも対応が面倒で可愛げのない天使など、私は願い下げだ……」

 心底嫌そうに眉をしかめたハロルドにローゼリアの笑いが更に誘発される。
 するとハロルドが、自分の右手をジッと見つめ始めた。

「当時はいくら急を要する状況だったとは言え、実の弟を全力で殴りつけた事は、やりすぎだったと反省していたのだが……」

 そう言いながら、ハロルドは見つめていた右手を何度か開いては閉じる。

「今では思いきりあのバカを殴りつけて、むしろ良かったと思っている」

 清々しい程、はっきりと言い切ったハロルドの言葉にローゼリアが肩を震わせ始め、必死で笑いを堪え出した。

「ハロルド様……そのような言い方をされては、フィオルド殿下がお可哀想ですよ?」
「今でもあの愚弟には振り回される事が多いのだから、このような扱いは当然だろう」

 そう言ってハロルドが、意地の悪い笑みを浮かべる。
 そんな雑な扱いをされているフィオルドだが、現状は未だにシャーリーの事を諦めきれず、その心を射止めようと奮闘していた。その一つとして、兄ハロルドが侯爵位を賜った際、フィオルドも子爵位を賜り臣籍に下ったのだ。

 過去の事例では王族が臣籍降下した際、最低でも伯爵位を賜るのが常なのだが、フィオルドは男爵令嬢であるシャーリーを将来的に迎えやすい体勢を作ろうと、敢えて子爵位を望んだと言う。
 しかもフィオルドは賜る領地を敢えて、兄ハロルドが治める侯爵家領地の傘下である土地を希望した。この時点でハロルドは、この先一生弟に付きまとわれる覚悟を決めたらしい……。

 フィオルドにとっては兄の傘下であれば、この先領地経営で躓く事があっても助けを求めやすい環境となる。同時に義姉となるローゼリアが意中の相手でもあるシャーリーと親しいので、シャーリーとの関係醸成を図りやすいと言う部分も計算しての動きだろう。

 シャーリーに対して一途と言えば聞こえはいいが、どう見ても執念に近い愛情を抱いているフィオルドには、周囲だけでなく被害に遭っているシャーリーも最近は呆れ気味だ……。
 そんなシャーリーは、今では一周回ってフィオルドに対し、愛着のような感情を抱きつつあると零しているのだが……。それはローゼリアからすると、以前聞かされた愛犬への愛着心と同じではないかと思ってしまう。

 それでも何故か憎めない部分が多いフィオルドを応援したいという気持ちが、ローゼリアの中には存在している。その事に気付いているハロルドからは、『あまり弟を甘やかさないで欲しい』と釘を刺されているのだが……。
 そんなハロルドも弟に助けを求められると律儀に対応してしまうので、長男である王太子リカルドからは「バカな子ほど可愛がってしまうのは、世の常だな……」と呆れられている。

 そんな二人がフィオルドを邪険に出来ないのは、あの婚約破棄未遂があったからだ。あの騒動が切っ掛けで、今の自分達の幸せが動き出そうとしている。
 そうなると、どうしてもフィオルドは憎めない存在となってしまう。
 この先、高確率で手の掛かる義弟になる事が予想されるフィオルドだが、頼られてしまえば二人は何度でも手を差し伸べてしまうだろう。

 するとハロルドも同じ事を考えていたようで、何とも言えない微妙な笑みをローゼリアに向けてきた。

「何はともあれ、あのバカげた婚約破棄を阻止した事で、まさかこのような幸福が手に入るとは夢にも思わなかったな……」

 脱力するように零された婚約者の言葉で、先程から必死で笑いを堪えていたローゼリアは目じりに涙まで浮かべて、口元を手で押さえる。
 しかしその努力も空しく、堪えようとすればする程、笑いは込み上げた。
 すると、珍しくローゼリアに対して不満を露わにしたハロルドが、抗議するかのように小さくと呟く。

「ローゼ、笑い過ぎだ……」

 そしてローゼリアの顔に手を伸ばして目じりの涙を拭うと、そのままゆっくりと顔を近づけてきた。

「どうやら、その笑いを鎮める事に私は手を貸した方が良さそうだな」

 不敵な笑みを浮かべ始めたハロルドの様子にローゼリアが一瞬息を呑み、ピタリと笑いを止めた。だが、ハロルドは悪戯めいた光を宿した瞳をしながら、更に顔を近づけ、首を下から傾げながらローゼリアの顔を覗き込む。

「しばらくは、その笑いの発作が起こらぬように……」

 そう囁いたと同時にハロルドは、すでに治まっているローゼリアの笑いを封じ込めるように、その唇に深い口付けを落とし込んだ。







――――◆◇◆あとがき◆◇◆――――

 これにて『瞬殺された婚約破棄のその後の物語』は完結させて頂きます。
 こちらの作品、実は書き始めたきっかけが、最近の異世界恋愛物の作品の傾向が、ざまぁ描写8~9割で恋愛描写1~2割しかない作品が多い事に筆者がモヤーンとしてしまい、その不満から「なら自分で逆の割合の話を書いてやろうじゃないか!」と自己満足で書き始めたお話になります……。(苦笑)
(筆者は異世界恋愛好きな元読み専ユーザーなのでw)

 その為、タイトルも敢えて、ざまぁを彷彿させるような題名にしてますが、中身はガッツリ無駄な空回りをする恋愛展開なお話にしてみました。(笑)

 ざまぁ好きな方には制裁が激アマなので、かなり物足りない作品になってしまったかと思いますが、恋愛作品好きの方の需要を満たせる作品の一つになればいいなーと思いつつ考えたお話になります。

 まさかHOTランキング一位というありがたい機会に恵まれるとは思ってもみなかったので、お手に取ってくださった方々はもちろん、お気に入り登録や感想コメントを下さった方々には、もう感謝の気持ちでいっぱいです!

 そしてラスト4話でネタばらしに入った時にたくさんのコメントにニンマリしつつ。(笑)
 予め先読み展開されている読者様もいたので、同時にヒヤヒヤも。(^^;
 そんな状況だったので、作品を読んで頂く事で、筆者自身もとても楽しい思いをさせて頂きました!
 コメントくださった方々、本当にありがとうございます!

 何よりも一番に感謝したいのは、短くもない当作品に貴重なお時間を割いてお手にとってくださった方々です。
 2人の長きにわたるジレジレにお付き合い頂き、本当にありがとうございました!

ハチ助
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感想 67

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みんなの感想(67件)

Sugar0117
2022.12.26 Sugar0117
ネタバレ含む
ハチ助
2022.12.27 ハチ助

Sugar0117様

二度もご感想頂き、ありがとうございます!
そして誤字報告……ご丁寧にその箇所が分かりやすくご報告頂き、本当~に感謝です!
そして27話、誤字多いようで……申し訳ない!
(実はSugar0117様でご報告してくださった方が二人目です)
早急に修正させて頂きました! 
ご報告、ありがとうございます!

あと完結予告に関しては、現在筆者がアルファポリス様に投稿している作品がすでに執筆済な作品なので。
基本『エタらせない』をポリシーにしているので、その部分では安心して頂ければと思います。

お話に関しては、確かに男性陣の恋の支援が凄かったかも……。
それだけ某武闘派王子のヘタレ具合に周りがヤキモキさせられたのでしょうね。(笑)

次回もまた空回りしている感じの恋愛要素が強い作品をこちらにも更新する予定なので、その時はまたお手に取って頂けると嬉しいです!
長々とジレジレさせてしまった当作品に最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました!

解除
pekoe&lapis
2022.12.25 pekoe&lapis
ネタバレ含む
ハチ助
2022.12.26 ハチ助

pekoe&lapis様

ご感想と完結祝いと労いのお言葉を頂き、ありがとうございます!
背中に飛び蹴りwwww
いや、もう書いている筆者も「いい加減にしろよ!」とツッコミながら書いていたので、読者様方には大変ジレジレさせてしまい、申し訳ございませんでした。(笑)
その反動で最後は激甘です。(*´▽`*)

あとローゼの婚約者候補だった貴族達ですが……。
当初は確かに本気でローゼを望んでい男性もいたと思いますが、ある一場面で全員諦めモードになっていたと思われます。(苦笑)
それがダンスシーンですかねー。
当人達はあまり気付いていませんが、あの二人の様子を見たローゼ狙いの男性は身を引いたと思うので。(^^;)
その後はハロルドの中だけで彼らはローゼにとっての有力な婚約者候補という扱いになっていただけかと思います。(苦笑)
まぁ、どちらにせよ最後のハロルドは「恥ずか死ぬ!」は決定でしたけどね。(笑)

長きジレジレ展開に最後までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました!(*´▽`*)

解除
こねこ
2022.12.25 こねこ
ネタバレ含む
ハチ助
2022.12.26 ハチ助

こねこ様

連載中、たくさんのご感想頂き、本当にありがとうございます!
やっとです! 大変長らくお待たせしてしまい申し訳ございません!(笑)
この作品は、ほぼ仕掛け人だらけですね。(^^;)
ダンスの誘導は、完全にシスコン兄の策略です。(笑)
作中お互いの兄'Sが、さり気なく何度も話をしている部分も実は……。( ̄ー ̄)ニヤリ

フィオに関しては、本当にこれからが彼の物語が始まる感じですね。
まぁ、かなり爆走劇場になりそうなのでシャーリー頑張れになりますが。(^^;)
機会があれば、彼らの話も書いてみたいなーとは思っております。
なんにせよ長きにわたるジレジレに最後までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました!

解除

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