名も無き農民と幼女魔王

寺田諒

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第二部 第三章

若き指導者

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 アデルは重たい足取りで村の中央へと向かった。秋の爽やかな風ですら、胸に溜まったもやもやを吹き飛ばしてはくれない。
 空は高く澄んでいて、遠くには赤く染まり始めた木々が見えた。短い秋が過ぎれば、すぐに厳しい冬がやって来る。
 アデルは村の中央へと向かい、水場の傍へとやってきた。広場には一台の馬車が停まっていて、そこに繋いであったであろう馬は水場の傍でのんびりと水を飲んでいる。
 栗毛の馬が桶の中に鼻先を突っ込んだまま、機嫌よさそうに尻尾を揺らしていた。

「なんじゃ、カウフさんが来ておるのか」

 この馬は確か商人のカウフが馬車馬として使っている馬だ。昔、この馬が道から落ちて身動きが出来なくなったことがある。
 当時は強い雨が降っていて、馬がどれだけもがいても蹄が滑っていたのだ。カウフに助けを求められ、この馬と荷を道へと引っ張り上げてやったことがある。

「まったく、恩など忘れて暢気なものじゃのう」

 それ以来、何度もこの馬を見かけてはいるが、こちらに懐く気配はない。それどころか、つん、と冷たくされてばかりだ。
 馬はアデルに気づいていないかのように、清らかな水を飲み続けている。


 馬になど構っていても仕方が無い。アデルはとりあえず村の倉庫のほうへ向かおうとした。
 ちょうどその時、村人たちがぞろぞろとこちらに歩いてくるのが見えた。

 先頭にいた四十過ぎの男が、がっちりした体型をゆっさゆっさと揺らしながらこちらに歩いてくる。
 不機嫌なのか、その男は仏頂面だった。
 アデルは男に向かって片手を上げた。

「おお、どうしたんじゃクニッゲさん、難しい顔をして」
「おいアデル、お前聞いたか?」

 クニッゲは眉をしかめながら、ごろごろとした低い声で尋ねてきた。
 聞いたかと言われても、何のことだか分からない。

「いや何の話じゃ?」
「ロルフがな、まだ鋤起こしが足りないから、気になる畑をもう一度耕すってよ」
「んん?」

 畑の鋤起こしならもう終わっているはずだ。それぞれの畑につき、重量鋤が三度往復していることになる。これだけやればもう十分で、これ以上やるのはただの徒労のはずだ。
 重たい重量鋤は、牛や馬のような動物に曳かせなければ動かせない。その上、ひとつの重量鋤に対して、動物を導くもの、鋤を持つもの、動物を追い立てるもの、少なくとも三人は必要になる。
 はっきり言って辛いし面倒な仕事だ。

 アデルは首を捻りながらクニッゲに尋ねた。

「しかし、もう三回耕しとるじゃろ、なんでまた?」
「ああ、でもロルフは一箇所気になるところがあるって言うんでな」
「ふむ」

 一体何が気になったのかはわからない。しかし、ロルフが言うからにはそれなりの理由があるのだろう。
 そのロルフの姿は広場になく、アデルは辺りを見回しながらクニッゲに尋ねた。

「ところでそのロルフは何処におるんじゃ?」
「今、カウフさんと話しこんでる。つまり俺たちでやっといてくれってことだ」
「ふーむ」

 クニッゲが不満そうにしている理由はわかった。必要かどうかもわからない重労働を他人に押し付けた格好になっている。クニッゲの後ろにいた男たちもどこか不満そうだった。
 確かに、鋤起こしに何らかの不備があったとは思えない。

 アデルにはひとつ気になることがあった。

「村長はなんと言っておるんじゃ?」
「それが、村長が言うには、ロルフがそう言ってるんだったらそうしろって。せめて耕地を見に行ってくれればいいのに」
「ふむ、なんじゃ村長め」

 自分の家にやってきて美女と二人きりでお喋りしてる暇があるなら、畑をちょっと見に行くくらいやってくれればいいのに。
 そんな自分も美女とよろしくやろうとしていたのだから、村長を非難することも出来ないが。

「クニッゲさんは畑を見たのか?」
「ああ、そりゃな。でももう十分な気がするんだが」
「ううむ……」

 畑の鋤起こしが悪ければ収穫に影響は出る。しかし、そこに播くのは冬小麦で、そこまで深く鋤起こしを行う必要は無いはずだ。
 野菜の場合とは違って、小麦を播く畑はさほど深く耕す必要はない。むしろ害悪になることさえある。ロルフもそれくらいのことは当然知っているし、今更何か余計な仕事をする必要があるとも思えない。

 アデルは独り言のように呟く。

「なんでまたロルフはそこが気になったんじゃ……」
「さぁ?」

 クニッゲは冷たい返事を寄越し、不満そうに顔をしかめた。収穫に関わる仕事なら多少辛くても張り切って取り組めるが、広い農地を耕すのはなかなかに辛い。
 牛二頭と三人がかりでも、ひとつの農地を耕すのに一日かかる。その間中ずっと重たい鋤を操作したり、牛が逸れないように注意したり、神経を使い続ける。今からやるとすれば、終わるのは日暮れかその辺りになるだろう。

 そんなことを考えていると、クニッゲは自身の茶色い髪をガリガリと掻いた。

「まったく、ロルフの奴、最近は馬に乗ってぶらぶらしたり、馬の世話ばっかりしたり、まともに村のこともやりもしないのに、こんな時だけ押し付けやがって」

 クニッゲの言葉に、後ろに居た男たちも頷いた。
 口々に不満を言葉にしてゆく。

「こういう時こそ村長がビシッと示してくれればいいのに」
「そもそも村長はなんでロルフに村のことを任せようとしてるんだ?」
「いや村長も歳だから、色々と任せようってのはわかるけど、ロルフで大丈夫なのか?」

 顔を見合わせながら、男たちが渋い表情をしている。どうやらロルフや村長に対して疑念を抱いているようだ。
 確かに、村長もそろそろ自身の寿命を察してか、自分がいなくなった後のことを考えるようになっている。その手始めが、ロルフに様々な仕事を覚えさせるというものだった。
 村長はロルフに次の指導者としての働きを期待しているが、ロルフ自身はあまり乗り気ではない。

 そういう流れの中で、村の人たちも不安を感じ始めているようだった。
 これはまずい。ロルフに不安を感じるのはわかるが、それでも村人一丸となって仕事に当たらないと村は立ち行かなくなる。

 アデルは両手を胸の高さにまで上げた。

「まぁまぁ、落ち着いてくれ。わしもよくわからんが、とりあえずロルフに理由を聞いてみようと思う。もう一度耕すか耕さないかはその後で決めればよいではないか」
「そりゃそうだけど」

 アデルはクニッゲからロルフの居場所を聞き出し、まずはロルフの元へと向かった。どうやら倉庫の中でカウフと話しこんでいるらしい。
 村の倉庫は扉が大きく、前面の殆どが開くようになっている。倉庫のほうへ行くと、その扉が完全に開かれているのが見えた。様々な道具が壁際に積まれていて、その中でロルフが椅子に座って何やら紙を持って難しい顔をしている。

 アデルは早足でロルフに近づき声を上げた。

「おーいロルフよ」

 声をかけるとロルフが顔を上げた。それから顔を綻ばせ、こちらに答えた。

「アデル、いいところに来た。ちょっと手伝ってくれ」
「いや、手伝いたいのはやまやまじゃが、それより」
「これなんだけどさ、この数で合ってるのか?」
「人の話を聞かんかい」

 こちらにも尋ねたいことがあったのだが、ロルフは持っていた紙をこちらに示した。それを見るよりも先に、アデルは椅子に座っていたカウフに声をかけた。

「おお、カウフさんこんにちは。わざわざ来てもらって悪いのう。今日は何の悪巧みで儲けようとしておるんじゃ?」
「人聞きの悪いことを言わないでください。僕は真面目に、誠心誠意やっています」
「それはよかった。それならばこちらも大して考えずに済むでのう」

 そう言いながらアデルはロルフの持っていた紙に目を落とした。どうやら村から出る商品と、仕入れた商品について書かれているようだ。
 村からは亜麻布、亜麻仁、穀物や染料などが出て、代わりに蝋燭やら薪、細々とした物が運び込まれる。
 その数が合っているのか、値段は適正なのか、そういったことを調べなければいけない。

 ロルフは椅子から大きな体を乗り出し、普段から細い目をさらに細めた。

「これなんだけどさ、去年と値段を比べたらなんか違う気がして」
「ふむ……、いやまぁ物の値段は色々変わるから、いきなりではなんとも言えんが……」

 まだ見ている最中だったので、はっきりとしたことは言えない。
 こちらが考えていると、カウフは男にしては長い髪に指を通しながら言った。

「いえいえ、適正だと思いますよ」

 カウフの言葉にロルフは首を傾げた。

「そうなのかな? うーん」

 未だにこれで合っているのかどうかがよくわからないらしい。そもそも、ロルフが頭の中で計算をしているのかどうかさえ怪しく思えた。
 こういうことは村長の仕事のはずだが、今回はロルフに任されたらしい。

「のうカウフさんよ、村長からなんぞ言われたりとかは?」
「村長さんからですか? ええ、これからはロルフさんと交渉するように、と」
「ふむ……、そこでカウフさんはロルフならば騙せると吹っかけてきたわけじゃな」
「ふ、吹っかけてませんよ失礼な」

 カウフは目を逸らしながらそう言った。そこは少し怒ってますという表情をしてみせれば、まだ説得力もあっただろう。カウフもカウフで、商人としてはどこか抜けている気がしてならない。
 この様子だと、カウフもこれを機会に自分のところの儲けを増やそうとしているのだろう。それはそれで仕事熱心で感心なことだが、こちらは困る。
 双方に利がある程度にしておかないと、

 とりあえず、アデルは紙の上に目を落とした。紙の中央に縦線が引かれ、右側にうちの村が出荷する商品が、左側に入荷する商品の名前が書かれている。それらの下に値段が書いてあり、紙の一番下の部分でお互いの商品交換によって生じた差額が書かれていた。
 後はこれでお互いが署名すれば契約は成立する。お互いに信頼関係があるから、それほど深く考える必要など無いのだが、ロルフもカウフも少々怪しい。


 アデルが目を凝らしていると、村の男たちが倉庫へとやってきた。先頭にいたクニッゲが帽子を片手で軽く上げてカウフに挨拶をした。

「おや、カウフさん、まだ何か用でも?」
「いえ別にそういうわけではないのですが、こちらの提示した値段についてロルフさんは少々思うところがあるようで」
「へぇ……」

 クニッゲはロルフに一瞥をくれて、それから首を捻った。ロルフはアデルの返答を待っていて、椅子に座ったままアデルの様子を見ている。
 それが気になったのか、クニッゲはロルフに尋ねた。

「おいロルフ、どうしたってんだ。何か問題か?」

 そう問われて、ロルフは短い顎ヒゲを指で掻いた。

「いや、俺にもよくわかんないから、アデルに見てもらってる」
「アデルにって……、こういうのは村長かお前がやらないとダメだろ」
「そうなんだけど、こういうのは俺よりアデルが得意だし」
「……いや、そうかもしれんが」

 クニッゲも後ろにいた男たちも、ロルフに対して呆れてしまったようだった。自身でやらなければいけない重要な仕事を丸投げしているのだから、ロルフに呆れるのも無理はない。
 しかし、これではロルフに対する不信感がさらに増してしまう。

 なんとかしなければいけない。アデルはロルフのほうへ顔を向けた。

「おおっ! 見ろロルフ、おぬしが言った通り、ここの値段が去年と比べて少々高いな! カウフさん、どういうことじゃ?!」

 ロルフもカウフも、どの商品を指しているのかわからなかったらしく、二人はアデルの手元の紙に視線を落とした。アデルの指先にある文字を見て、カウフが慌てて声を出す。

「いえ、これは適正です。不漁があったので、干し魚の値段が少々上がってますから。それはもうロルフさんにお伝えしましたよ」
「なぬっ?!」

 驚きの中で、アデルはロルフへ視線を向けた。ロルフは何ら慌てた様子もなく、鷹揚に頷いた。

「うん、それは聞いた」
「聞いとるんかい!」

 それならこの紙に書いてある値段はそれほど大きく間違っていないことになる。おそらく、ロルフはすべての計算が頭の中で出来ていないから、これでいいのかどうか悩んでいたのだろう。
 カウフは椅子から少し体を乗り出し、小声でロルフに言った。

「あのう、これでいいのかどうかを早く決めて頂かないと困るのですが。それか村長さんを呼んで頂くか」

 カウフもまだ仕事があるわけで、いつまでもこの村に滞在しているわけにはいかない。次の村へ向かわなければいけないと考えているのだろう。
 この時期は商人も何かと忙しいから、無駄な時間は使っていられないはずだ。

 ロルフはカウフに急かされて、大きく頷いた。

「じゃあこれで」

 あっさりと決めてしまった。




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