名も無き農民と幼女魔王

寺田諒

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第二部 第三章

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 その後、リディアが際限なく色々なものを突っ込んできた。途中から随分と楽しくなってきたようで、あれもこれもと持ってきたのだ。
 シシィのほうはさすがに冷静で、もし消失してしまったらと考えてさほど大事なものは入れようとしなかった。それに、シシィが担当している炭や焼き物は丸太と違って運ぶのがそれほど大変ではない。


「リディア、そのあたりにしておいたほうがいい。もしなくなったら、困る。それに、そろそろ帰るべき」
「えー? まだ時間は大丈夫じゃないの?」
「一旦家に戻ってそれから入れたものを出して並べなければいけないから余分な時間が必要。それとソフィの魔法がどのような条件で消えるのか、今後適当な木材で試してその条件を割り出したい」

 シシィが言うには、不要な木の切れ端を沢山用意し、それに日付を書き込むのがよいらしい。それらを魔法の穴に入れて置いておく。
 そしてもし切れ端が無くなっていた、入れてからどれくらいの日数で消えたのかがわかるとのことだ。
 シシィが示した方法は確かに有効そうに思える。しかしそれはあくまで特定の日数が経過して消えることが前提になっていた。


「いや、妾の記憶が確かであれば、それなりの日数が経っても消えぬものもあればすぐに消えるものもあったのじゃ」
「もしそうだとすると、条件を割り出すのは難しい」
「ここ最近は消えておらんかったはず……」

 少しずつ薄くなった空を見上げて記憶を辿る。そもそも最近はこの魔法を多用していなかったので、それほど自信があるわけでもない。
 ただ、この村で生活を始めた頃、もしもの時のために銅貨と食べ物と服を入れた。それらは今も消えずに残っている。

 そんな話をすると、シシィは軽くうつむいて考え込んでしまった。一年近く残ることもあれば、一週間と経たずに消えることもある。
 さすがのシシィも、どのような条件で消えるのかは見当がつかないようだ。




 考え込んでしまったシシィをよそに、リディアはあくまで快活だった。
 美しい顔に穏やかな笑みを浮かべ、パンッと軽く手を叩いた。

「まぁ、いいじゃない。早く出すにこしたことはないんだし。さっさと帰って向こうで出しておけば無くならないんだから、多分大丈夫よ」
「そうかもしれん。しかし保証はできんのじゃ」
「消えたら消えたでその時よ。またあたしが頑張ればいいわ」

 今日リディアが入れた木材をもう切り出すというのはかなり大変な作業に思えるが、リディアにとってはそうではないのだろうか。
 いや、リディアでも苦しい仕事に違いない。それでもそう言うのは、もし消失したとしても自分が変に責任を感じないようにするためだろう。

「そうよ、あたしがソフィに頼んだんだから、それで失敗したって別にソフィのせいじゃないわ。あたしがまた頑張ればいいことはまたあたしが頑張るのよ。妹を支えるのが姉の役目なんだから、ソフィもそんなに気負わなくていいわよ」
「うむ……、わかっておる」

 ここはリディアの好意に甘えておくべきだろう。すると今度はシシィも声を発した。

「わたしも、もし消えていたとしてももう一度作ればいいだけだから。ソフィは気にしないで」
「うむ、では気楽にやるとするのじゃ」

 シシィは後から慌てて乗っかかってきたような格好だが、こちらが素直に受け入れたことでほっとしたらしく、胸を撫で下ろしていた。
 その豊かな胸の盛り上がりが今はよく見てとれる。シシィはここに来る時は厚着をしていたが、作業が始まると上に着ていたものを脱いでしまっていた。
 下に着ているのはワンピースだったが、シシィの体型に合わせて作られているのか、胸のあたりがしっかりと収まるようになっていた。
 細い腰はそのままぴったりと張り付くように作られている。あんな服を作る人はなかなか大変だったに違いない。
 布という平面であんな立体を包むものを作るとなれば、非常に高い水準の技量が求められるはずだ。

 こちらがシシィの胸の谷間のあたりを凝視していると、シシィはわずかに首をかしげた。
 柔らかい金髪が揺れる。翡翠のような瞳でこちらを見つめていて、その妖しい輝きに目を奪われそうになった。

 シシィの胸を見ている場合ではない。

「おっと、妾としたことが……。さて、帰るのであったな。魔物を消しておかねば」

 どうせ使わなくなったのだから、もっと早い段階で消しておくべきだったかもしれない。

「あ、それだったらあたしがやるわ」
「む? って、これリディアよ! 斬らんでよい! なんじゃその野蛮な思考は!」
「え?」

 リディアは本気でキョトンとしている。リディアは剣の柄に手をかけたまま止まっていた。
 おそらく、リディアは魔物を消すと聞いて、魔物を殺すつもりでいたのだ。

「わざわざ殺さずとも、もう一度扉の向こうに送ればよいのじゃ」
「へー、そうなのね」

 リディアはちょっと感心したように目を少しだけ大きく開いた。きっと、リディアにとって魔物とは討つべき対象でしかなかったのだろう。だから、さっさと殺してこの世から消し去ればいいと思ったに違いない。
 しかし今は魔王たる自分がここにいる。この世からその魔物を消すのに、わざわざ倒す必要はない。

 早速扉を出して、牛と馬の魔物、それとゴーレムを向こう側へ送り返してやった。



「うむ、ご苦労であった」

 そう声をかけたが、魔物に言葉が伝わるはずもない。魔物たちはのんびりとノシノシ歩いて扉の向こうへと消えていった。
 この場面を見ていたシシィが疑問を発した。

「ソフィ、魔物を送った場所と、さっき物を沢山入れた場所は同じ?」
「むむ……、いや、それは妾にもわからんのじゃ」
「わからない……」

 その答えが意外だったのか、シシィは垂れ目がちな目を少し大きく開いた。それから今度は目を伏せて、小さな唇の下に指を当ててなにか考え始めてしまう。
 シシィのように頭の良い人物が本格的に思考に耽ると、長くなりかねない。普通の人で思い至ることであれば、シシィなら即座にたどり着くだろう。
 そうやって沈思されても、待っている側は辛い。

 案の定、リディアがパンッと手を叩いて声をあげた。

「はいはい、シシィ、考えるんだったら歩きながら考えればいいでしょ」
「それは、そうかもしれない」

 シシィもその点については同意したようだ。
 その後、三人で家路についた。シシィはなにか一人で考えているらしく、ほぼ何も言葉を口にしない。
 リディアは今日あの黒い穴に入れたものを、どこに置くか考えているらしい。

「さすがに一気に入れすぎたかしら。アデルにも手伝ってもらわないと、丸太を並べるのも大変ね」

 そんなことを話しかけてくる。具体的な作業手順となると、自分はどうも役に立てない。基本的な知識が無いのだ。
 丸太も横に寝かせておくより、ほんの少しでも片方を持ち上げておいたほうがよいらしい。そんなことも知らなかった。
 そもそもどうしてそんなことをリディアが知っているのかも謎だ。










 自宅の前に戻ってから、リディアに言われた通り穴に入れた丸太などをすべて吐き出した。
 シシィが言うには、今日入れたものはすべて揃っているらしい。間抜けな話だが、リディアも自分も、何をどれだけ入れたか記憶することを忘れていた。シシィだけが冷静に覚えていてくれたようだ。
 地面にゴロゴロと丸太が並んでいる。相当な太さがあるが、リディアは難なくそれらの端を持ち上げて並べ替えていった。

「こうやって丸太を一本枕にして、あとはこうやって並べてっと」

 アデルに手伝ってもらうと言っていたはずだが、リディアは一人で仕事を終えてしまった。
 それから疲れたふりをして額を手の甲で拭っている。

「ふぅ、こんなものね。ソフィ、危ないから近づいちゃダメよ。もし足の上に落ちてきたら大変なんだから」
「わかっておる」

 今のところ、隙間なく並べているので丸太が横に転がったりすることはなさそうに見える。それに、あれだけ重い丸太なら例え自分が上に乗っても、全力で動かそうとしても微動だにしないはずだ。
 シシィは炭の入った袋などを蔵の中へと運んでいたが、それも終わったらしく、こちらに向かってきた。

 冬の寒さが耳に痛い。歩いていたから体はそれほど冷たくなっていないが、さすがに耳はどうしようもない。
 手も段々と冷たくなってきた。そろそろ家の中に入ってぬくぬくするべきだ。
 そんなことを考えていると、リディアがにんまりと笑みを浮かべた。

「お手柄よソフィ、本当に、こんな魔法があれば家造り、春にならなくてもできるかもしれないわ」

 よっぽど嬉しいのか、リディアは美人に似つかわしくないニマニマした笑みを浮かべていた。

「それにね、ソフィ、その前にすごいの作ることにしてるの」
「すごいの? なんじゃ?」
「ふふ、それはね、できてからのお楽しみよ」
「そんなことを言われてものう。そんなすぐに出来るものでもない気がするのじゃ。おそらく、作っておる途中で妾も気づくのじゃ」
「そう言われるとそうかもしれないわね。さすがに一日じゃできないもの。まぁいいわ、教えてあげる。あたしとシシィがね、家を作る前に、練習で作りたい建物、それはね、お風呂よ!」

 リディアが明るい笑顔でそう言った。そこに蔵から戻ってきたシシィが加わる。

「そう、お風呂を作るつもりでいる。お風呂があれば、いつでも体を綺麗にできるし、温かいお風呂は気持ちが良い」
「ふむ……、まぁ良さそうなのじゃ」

 この返事に納得できなかったのか、リディアが大げさに眉を上げた。

「あらソフィ?! 嬉しくないの?! お風呂よお風呂、すっごく良いじゃない。ソフィもね、きっと気に入ってくれるわ」
「うむ、しかし風呂など薪も水も大量に必要なのじゃ。もったいないではないか」
「なに言ってるのよ、魔法使いがいるんだからそれでなんとかすれば安くできるじゃない」

 確かに言われてみればそうだ。自分もシシィも、炎を出す魔法なら簡単に使える。それを使えばお湯を沸かすくらいのことはわけはない。
 それに最初から熱い湯を空中から作り出すことも可能だ。お風呂に使う量となると、空気中の水分をかなり使うので、よく晴れた日には少し時間がかかるかもしれないが、それも問題はないだろう。


 シシィはリディアの案に補足を加えた。

「もちろん、魔法使いがいなくても沸かせるように設計するつもりでいる。井戸水を汲むのも、今は力仕事になっていてソフィでは持ち上げられないけど、そのあたりもどうにかするつもりでいる」
「ふむ……、なんぞ色々考えておるのじゃ」

 シシィは頭の良い娘だ。その頭の中にどのような計画があるのか、自分ではまだわからない。すべき事柄がシシィの頭の中では列を作って並んでいるのだろう。

「とりあえず、今晩にも少しだけ作業をしたいから、丸太を程よい長さに切断して蔵に持っていきたい。わたしは即席の火鉢を作る」

 家に帰ってきたのにまだなにかするつもりでいるらしい。リディアは意見も尋ねられることなく仕事を作られてしまった格好だった。何か言いたいのか目を閉じて眉間に一本の線ができるほど眉根を寄せていたが、もう諦めたのかため息を吐いた。

「わかったわよ、あんたのことだから考えがあるんでしょ。やればいいのねやれば」

 どうやらリディアは素直に従うようだ。剣の入った袋をほどき始めた。
 それを見てシシィは満足したようだ。次にこちらに向かって言う。

「ソフィはわたしの手伝い」
「うむ、わかったのじゃ」

 もう家でゆっくりぬくぬくしていたいが、そんなことを言える雰囲気でないのは自分でもわかる。
 後少しだけ頑張るとしよう。

 その後、シシィはよくわからない作業を始めた。外の竈で鍋の中に砂を入れて炒り始めたのだ。
 砂を大きめの桶の底に敷き、今度はその上に灰を敷き詰めた。

「本当はもっと灰が欲しかった」

 木材を灰にするのは簡単だが、それなりに多めの木材を燃やしても得られる灰というのは意外に少ない。
 もっと燃やせばいいのかもしれないが、それも時間がかかるからやらないのだろう。

 手伝うように指示されたが、結局ほとんど手伝いというほどの手伝いをしていない。
 シシィは最後に桶の内側に水と砂と石灰とを混ぜたものを塗り始めた。コテも使わずに素手で塗りつけているので、その厚みは均一でもないし表面はデコボコとしている。
 しかしそれでまったく問題は感じてないようだった。

「なかなかよくできた」
「そうかのう?」

 思わず首をかしげてしまう。シシィは満足げだが、別に素直に褒め称えるほど素晴らしい品だとは思えなかった。
 シシィは少し残念そうに眉を下げたが、気を取り直したのか一緒に蔵へと運ぶようこちらに指示を出した。


「しかしこんなもので蔵が暖まるとは思えんのじゃ」
「確かに気休めにもならないかもしれない。それでも無いよりはいいと思う」
「そういうものかのう」

 さっき塗った石灰はまだ硬化していない。シシィによると、まだまだ時間がかかるらしい。おそらく表面がヒビ割れるので、その都度また石灰を塗り込む必要があるそうだ。
 蔵の中には、人の身長ほどの長さに切断された丸太が転がっていた。

 リディアが言う。

「さて、とりあえずこんなもんね。次はみんな手を洗って夕食の準備よ。アデルが帰ってくるまでにそれなりにやらなきゃ」
「なんと……、しかし今日は疲れたのじゃ。ゆっくりとするのがよいのじゃ」
「ダメよ。もっとがんばってアデルの役に立つの。それに、夕食って言っても別にそんなご馳走作るわけじゃないもの。すぐ終わるわ」
「ふむ……」

 リディアの言う通りで、普段から手をかけた料理ばかり食べているわけではない。はっきり言って、ジル親方の作ったライ麦のパンと少量のチーズと、酸っぱいキャベツさえあればなんとか足りるのだ。
 それにしても、最近のリディアは随分と真面目に働く。もっとふんぞり返ってても良さそうな顔をしているが、将来のために色々とすべきことをやろうとしていた。
 
「うーむ、ついていくのが大変なのじゃ」

 そう一人でつぶやいた。








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