524 / 586
第二部 第三章
金風習々
しおりを挟む息が弾む。小さく開いた唇から熱い吐息が零れて白く棚引いた。体はどんどん前へと進む。苦しさは段々と心地よさに変わり、頭の中身はまるで青空のように澄み渡ってゆく。
昼過ぎにも関わらず太陽に力は無く、黄ばんだ色の光線が斜め上から差し込んでいた。
ソフィは小さく呼吸を繰り返しながら前へ前へと走った。
前には誰もいない。競争相手のカールは遥か後ろにいるようだ。町で折り返した後、家の前を通り、再び村の中央へと近づきつつある。残りわずかというところになって、ソフィは後ろを振り返った。
視界にカールの姿は無かった。大きく遅れているのだ。それだけの差がついたことで気分も良くなった。
最後の力を振り絞って速度を上げる。圧勝しているのだからこれ以上力を振り絞る必要も無いかもしれない。それでも、村長やイレーネに自分が圧倒的な勝利を収める場面をしっかりと見せてやりたい。
やがて村の中央へと辿り着いた。
「妾のっ! 勝ちなのじゃーっ!!」
声を上げながら線を飛び越えた。思わず両手を高く上げてしまう。
ここで待つ村長やイレーネの反応を見ようと首を横に向けた。
「って、誰もおらんではないか?! なぜじゃーっ?!」
いるはずの村長やイレーネの姿は見当たらなかった。せっかくカールに圧勝し、かっこいいところを見せてやろうと思ったのに、誰もいなかった。
カールは呼吸を整えながら歩いた。さっきまで走っていたが、リディアに歩こうと提案されてそれに従った形になる。歩き始めた後から急に体が熱くなってきて、額に大玉の汗が滲んだ。
風の冷たさが今は心地よい。
勝負には負けたが、体を動かしたせいか爽やかな気分ではあった。隣のリディアは長く赤い髪を風に靡かせながら歩いていた。陽光を受けた髪はまるで光を宿したかのように煌いている。髪の先に流れた光が風に舞って流れてゆく。
リディアの横顔をチラチラ眺めていると、何か悪いことをしているのではないかという気になってしまう。
カールは大きく首を振った。
「いやいや、僕にはソフィちゃんが……」
確かにリディアは美人だが、見とれている場合ではない。こうやって歩こうと提案してきたのはリディアだった。おそらく何かしらの話があるのだろう。
それはリディアが以前言っていた頼みごとに関係するのかもしれない。リディアは自分に何かを頼むつもりでいるらしいが、その内容についてはまだ聞いていない。
自分のような子どもがリディアの力になれるとは思えなかった。自分に出来るようなことであれば、アデルに頼んだほうがよっぽど良いはずだ。
心臓はいつもより速く弾んでいる。緊張の中で神経を研ぎ澄ましていると、リディアが口を開いた。
「平和ね」
「えっ? あ、はい……」
予想外のことを言われて一瞬戸惑ってしまった。
「うんうん、いい村よね。平和でのどかで豊かだし、村の人たちもいい人が多いみたいだし」
「はぁ……」
自分の村が褒められるのは嬉しいが、素直に頷けなかった。そもそも、自分は世の中のことをあまり知らないから、この村が他の村と比べてどうなのか判断はできない。
世の中は広いけれど、自分は世界のことはまったく知らない。生まれてから今までの間、ずっと遠い場所に行ったことはなかった。
大人になればもっと遠い場所に行ったりすることもあるかもしれない。アデルも遠くに行ったこともあるし、海も見たことがあるらしい。
自分にはそんな経験はない。ただ、そんなアデルにとってもこの村は良いものだと言うから、きっと広い世の中でもこの村は良い村なのだろう。
リディアは細い指を顎の先に当てて小さく頷いた。
「あたしもね、色んな土地に行ったことあるから色々知ってるのよ。生きるだけで大変なところも沢山あったわ。災害とか色々あって、もう食べるものが無くなって大変な村とか見たことがあるし、ルゥ……、じゃなかった、あたしの知り合いと救恤に行ったこともあるわ」
「きゅうじゅつ?」
「貧しい人を助けて施すことらしいわ」
「へー」
よくわからないが人助けをしたということで間違いないのだろう。リディアがそんなことをしていたとは知らなかった。いや、リディアという人間について自分はまったく知らないのだから、知ることすべて新鮮なのは当然かもしれない。
しかし、人助けが出来るのは余裕がある人間だけだ。リディアは人に施すほど余裕のある生活をしていたのだろうか。
「ともかく、いい村だわ」
「はい」
「あたしもね、この村で生活していくわけでしょ。この村の村人として生きていくわけじゃない」
リディアはこの村でずっと生きてゆくつもりらしい。アデルと一緒に暮らしてゆくということは、アデルと結婚するのだろうか。もしそうだとすれば、アデルを尊敬せずにはいられない。
あまり詳しく尋ねたことは無いが、アデルもそのつもりなのかもしれない。こんな美人と一緒にいたら、好きにならずにはいられないだろう。
「それでね、あたし思うのよ。やっぱり、この村で生きていくんだったら、村の人たちと仲良くしたほうがいいんじゃないかって」
「はぁ……」
「まぁ、気の無い返事だわ」
「いえ、別にそんな」
「あたしもね、やっぱり村の人たちと仲良くしたいと思ってるわけよ」
「それは、いいことだと思います」
リディアがそうやって村の人たちと仲良くしたいと思うのは良いことだろう。
「でもね、どうも上手くいかないのよ」
「そうなんですか?」
「そうよ、本当だったら今頃ね、村の人たちからリっちゃんリっちゃんって呼ばれていっぱいお話とかしたりしてるはずなのよ」
「はぁ……」
そういえばそんな呼び方をしてくれと播種の日に言っていた気がする。
「でもなんだかこう……、みんなに避けられてる気がするのよ」
「そうなんですか?」
「そうなのよ」
リディアが頷く。少し驚いてみせたが、村の人たちの心情も理解できる。リディアのような美人が相手なら、近寄りがたいと思っても仕方が無いはずだ。自分だってリディアがこうやって話しかけてこなければ、気軽に話をすることもなかったかもしれない。
「そこでね、カールちゃんにはちょっと協力して欲しいの。あたしがね、村の人たちともう少し仲良くなれるようにね」
「協力ですか」
「そうそう、村の人たちがあたしのことをどう思ってるのかとか、そういうのを内緒で調べて欲しいのよ」
「調べる……」
そんなことに何の意味があるのかよくわからなかった。村の人たちと仲良くしたいのなら、こんなことをしなくてもアデルやソフィの仲介で話せばいいだけのように思えた。
わざわざ調べるようなことでもない気がしてしまう。
「あの……、村の人と仲良くなりたいのなら普通に話しかけたりとか、アデル兄ちゃんとかソフィちゃんと一緒になって話したりとかすればいいんじゃ」
「うんうん、まぁそう思うのも無理はないわ。でもね、アデルは忙しいし、ほら、変なことで心配させたくないし。ソフィはほら、あれよ、ソフィにこんなこと相談するわけにはいかないでしょ」
「どうして相談できないんですか?」
「決まってるじゃない、ソフィにこんなこと言えるわけないでしょ。いい、ソフィには内緒よ」
「え? は、はぁ……」
まったく説明になっていなかったが、リディアは当然とばかりに念を押してきた。こうなってくると自分の察しが悪いのではないかという気がしてきた。
リディアには何か深い考えがあるのだろうか。
しかし、リディアの目的が村の人たちと上手く付き合っていきたいということであれば、わざわざ調べさせたりする必要は無いはずだ。
リディアの取ろうとしている方法はまったくもって遠回りだとしか思えない。
もしかすると、リディアは案外人付き合いが苦手なのだろうか。あれほど美しいと逆に人間関係で苦労するのかもしれない。
自身の美しさゆえに人には理解されない苦悩を抱えたこともあったのだろう。
確かに、普通の人はリディアほどの美人に気後れするはずだ。リディア自身は気取ったところもなく、明るい性格で偉ぶったところもない。好ましい性格で、ソフィにも随分と慕われているようだ。
やはりこの美しさが人を遠ざけてしまっているのだろう。
そうなると、リディアが取るべき道は人に調べさせるのではなく、普段通りのリディアで村の人たちと接してゆくことではないかと思えた。
「あの……、やっぱり普通に話しかけたりとか、そうしたほうが早い気が」
「うんうん、でもね、やっぱりまずは色々準備とかしてからのほうがいいわ。カールちゃんがね、村の人たちがあたしのことどう思っているのか調べて、その結果を知ってから話しかけたほうが上手く行く確率も高いと思うの」
「はぁ……」
なんだか筋が通っているのか通っていないのかよくわからない論法だった。
リディアは歩きながらさらに続けた。
「例えばよ、カールちゃんが町で可愛い女の子と知り合いになって、惚れちゃったとするでしょ。その子が自分のことどう思ってるのか先に知っておいたほうが、後々上手く立ち回れると思わない?」
「う、うーん」
首を傾げてしまう。確かに、相手が自分をどう思っているのかコッソリ知ることが出来たら、対策も立てやすいかもしれない。ただ、村の人たちと話すのはそこまで大変なことだとは思えなかった。
好きになった相手が自分をどう思っているかは重要なことかもしれないが、村の人たちとはそうまでしなければいけない相手だとは思えない。
渋っていると、リディアが人差指を立てながら言った。
「とにかく、そんな気負わなくていいから、誰にも内緒で調べてね。上手く行ったら今度はもっと強くなれる方法教えてあげるから」
「はぁ……」
なんだかよくわからないまま押し切られてしまった。
まだ正午を過ぎて間もないにも関わらず、まるで夕方のように日差しが傾いていた。眩しいほどに黄色がかった光が長い影を作る。
不安を抱えながら、ゆっくりと村へ向かって歩く。冷たい風がさーっと流れた。
0
お気に入りに追加
253
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃり無双 ~まんまる女子、『暴食』のチートスキルで最強&飯テロ異世界生活を満喫しちゃう!~
空戯K
ファンタジー
ごく普通のぽっちゃり女子高生、牧 心寧(まきころね)はチートスキルを与えられ、異世界で目を覚ました。
有するスキルは、『暴食の魔王』。
その能力は、“食べたカロリーを魔力に変換できる”というものだった。
強大なチートスキルだが、コロネはある裏技に気づいてしまう。
「これってつまり、適当に大魔法を撃つだけでカロリー帳消しで好きなもの食べ放題ってこと!?」
そう。
このチートスキルの真価は新たな『ゼロカロリー理論』であること!
毎日がチートデーと化したコロネは、気ままに無双しつつ各地の異世界グルメを堪能しまくる!
さらに、食に溺れる生活を楽しんでいたコロネは、次第に自らの料理を提供したい思いが膨らんできて――
「日本の激ウマ料理も、異世界のド級ファンタジー飯も両方食べまくってやるぞぉおおおおおおおお!!」
コロネを中心に異世界がグルメに染め上げられていく!
ぽっちゃり×無双×グルメの異世界ファンタジー開幕!
※基本的に主人公は少しずつ太っていきます。
※45話からもふもふ登場!!
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
追い出された万能職に新しい人生が始まりました
東堂大稀(旧:To-do)
ファンタジー
「お前、クビな」
その一言で『万能職』の青年ロアは勇者パーティーから追い出された。
『万能職』は冒険者の最底辺職だ。
冒険者ギルドの区分では『万能職』と耳触りのいい呼び方をされているが、めったにそんな呼び方をしてもらえない職業だった。
『雑用係』『運び屋』『なんでも屋』『小間使い』『見習い』。
口汚い者たちなど『寄生虫」と呼んだり、あえて『万能様』と皮肉を効かせて呼んでいた。
要するにパーティーの戦闘以外の仕事をなんでもこなす、雑用専門の最下級職だった。
その底辺職を7年も勤めた彼は、追い出されたことによって新しい人生を始める……。
もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!
をち。
BL
公爵家の3男として生まれた俺は、家族からうとまれていた。
母が俺を産んだせいで命を落としたからだそうだ。
生を受けた俺を待っていたのは、精神的な虐待。
最低限の食事や世話のみで、物置のような部屋に放置されていた。
だれでもいいから、
暖かな目で、優しい声で俺に話しかけて欲しい。
ただそれだけを願って毎日を過ごした。
そして言葉が分かるようになって、遂に自分の状況を理解してしまった。
(ぼくはかあさまをころしてうまれた。
だから、みんなぼくのことがきらい。
ぼくがあいされることはないんだ)
わずかに縋っていた希望が打ち砕かれ、絶望した。
そしてそんな俺を救うため、前世の俺「須藤卓也」の記憶が蘇ったんだ。
「いやいや、サフィが悪いんじゃなくね?」
公爵や兄たちが後悔した時にはもう遅い。
俺には新たな家族ができた。俺の叔父ゲイルだ。優しくてかっこいい最高のお父様!
俺は血のつながった家族を捨て、新たな家族と幸せになる!
★注意★
ご都合主義。基本的にチート溺愛です。ざまぁは軽め。
ひたすら主人公かわいいです。苦手な方はそっ閉じを!
感想などコメント頂ければ作者モチベが上がりますw
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ
柚木 潤
ファンタジー
実家の薬華異堂薬局に戻った薬剤師の舞は、亡くなった祖父から譲り受けた鍵で開けた扉の中に、不思議な漢方薬の調合が書かれた、古びた本を見つけた。
そして、異世界から助けを求める手紙が届き、舞はその異世界に転移する。
舞は不思議な薬を作り、それは魔人や魔獣にも対抗できる薬であったのだ。
そんな中、魔人の王から舞を見るなり、懐かしい人を思い出させると。
500年前にも、この異世界に転移していた女性がいたと言うのだ。
それは舞と関係のある人物であった。
その後、一部の魔人の襲撃にあうが、舞や魔人の王ブラック達の力で危機を乗り越え、人間と魔人の世界に平和が訪れた。
しかし、500年前に転移していたハナという女性が大事にしていた森がアブナイと手紙が届き、舞は再度転移する。
そして、黒い影に侵食されていた森を舞の薬や魔人達の力で復活させる事が出来たのだ。
ところが、舞が自分の世界に帰ろうとした時、黒い翼を持つ人物に遭遇し、舞に自分の世界に来てほしいと懇願する。
そこには原因不明の病の女性がいて、舞の薬で異物を分離するのだ。
そして、舞を探しに来たブラック達魔人により、昔に転移した一人の魔人を見つけるのだが、その事を隠して黒翼人として生活していたのだ。
その理由や女性の病の原因をつきとめる事が出来たのだが悲しい結果となったのだ。
戻った舞はいつもの日常を取り戻していたが、秘密の扉の中の物が燃えて灰と化したのだ。
舞はまた異世界への転移を考えるが、魔法陣は動かなかったのだ。
何とか舞は転移出来たが、その世界ではドラゴンが復活しようとしていたのだ。
舞は命懸けでドラゴンの良心を目覚めさせる事が出来、世界は火の海になる事は無かったのだ。
そんな時黒翼国の王子が、暗い森にある遺跡を見つけたのだ。
*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる