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浮気相手の方が感触良いだって!?

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彼氏はちょっと変な人だ。告白するときも、付き合ってからも、ずっと私のことをからかってばかりいる。でも私はそんな彼が好きだ。彼のことが大好きなんだ。だから今日は思い切って言ってみる。「愛してる」って。きっと彼は照れながら、「俺もだよ」と返してくれるだろう。そして私達はキスをするんだ。そう、そのはずだったのに……!
「えっ?」
突然視界が真っ暗になる。どうやら彼に目隠しをされたらしい。そして次の瞬間、何か柔らかいものが唇に押し当てられる。それが何なのか分からないほど私は鈍くない。これは紛れもなくキスだ。しかしなぜ?どうして急にこんなことになったのだろうか?混乱する頭で必死に考える。だが、その答えが出る前に彼は唇を離した。
「あのさぁ……」
流石にこの不意打ちはどうかと思う。せめて一声かけてくれれば良かったものを……。
「なんですか?」
平静を装いながら答える。すると今度は耳元で囁かれた。
「好き」…………!!!!!!! ああもうダメだ。頭がおかしくなりそうだ。心臓の鼓動が激しくなる。顔が熱くなる。今すぐここから逃げ出したい気分だった。しかしそれは叶わない。なぜならば彼は既に私を強く抱きしめていたからだ。私は為す術なく彼の腕の中に収まる。そして再び唇を重ねられた。……おかしい。今日の彼はいつもと違う気がする。普段はあんなに余裕そうな顔をしているのに、今はまるで別人みたいだ。まさか本当に別人格が入っているのかしら?それとも二重人格とか?でもそんな話は聞いたことがないし……。
「ねぇ」
そしてそのまま私の胸のモノを触ってきた。「ひゃあっ!」
思わず変な声が出てしまう。恥ずかしくて死にたくなった。だが彼はお構いなしといった感じで続ける。
「君さ、感度微妙だよね?もしかしてわざとやってる?」
彼はニヤリと笑った。やはり普段とは全然違う。こんな彼は知らない。一体どういうことなのだろう?今日は随分Hだ。
「な、なんなの今日は!?」
「そろそろこういうことする時期じゃない?」「こういうことって……」
そこでハッとする。そういえば最近ご無沙汰だったかもしれない。最近はテスト期間ということもあって全くそういう雰囲気ではなかったのだ。つまり私は欲求不満ということになる。……正直、すごくしたい気持ちはある。だけど素直には言えない。恥ずかしいし、それに何より怖いのだ。もし拒まれたりしたらどうしよう……。
「嫌なら別にいいけど」
「えっ!?」
予想外の言葉に戸惑う。まさか向こうから誘ってくるなんて思わなかった。嬉しいような悲しいような複雑な気分である。だが、ここで断るのは不自然だ。だから私はこう言った。
「べ、別に嫌ではないけど……」
「じゃあ決まりね」
結局押し切られてしまった。まあいいか。たまにはこういう日があっても悪くないだろう。
「ひゃっ!いやぁん!」さらにお互い生まれたままの姿になった。
「恥ずかしい…」
「今更何を言ってんだよ」
そして再び口づけされる。舌を入れられ激しく絡ませてくる。
「ちゅぱっ!ふぅん……。もっとぉ……」
「はいはい」
彼は私をベッドの上に寝かせた。いよいよ始まるようだ。
「いくよ。」
「ひゃうっ!あんっ!やんっ!」
身体中に快感が走る。彼が動くたびに頭がおかしくなりそうになる。
「気持ちいいか?」
「うん……。きもちぃ……。しゅごい……。」
呂律が回らない。もう限界だった。「イキたい?」
「いきたい……」
「俺のこと愛してる?」
「あいしてゆ……」
「よし、よく言えたな。ご褒美にイカせてやる」
「ありがとう……。うれしい……。」
彼の動きが速くなっていく。
「きゃぁん!はぁん!イクッ!イッちゃう!!」
「イケ」
「だめぇ~!!!」絶頂に達した。凄まじい快楽が全身を襲う。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ありがとう。気持ちよかったよ。」「こっちこそありがと……。」……あれ?なんか眠くなってきた。瞼が重い。もうダメだ……。意識が遠のいていく……。
「おやすみ」
最後に聞こえたのはそんな優しい声だった。目が覚めると朝になっていた。隣を見ると彼はいない。昨夜のことは夢だったのだろうか?……いや、そうではない。服は着ているし、体液の跡もある。おそらく私が気絶した後、後始末をしてくれたのだろう。とりあえず起きよう。
そう意識が朦朧とする中、起きようとすると、いきなり近くから喘ぎ声が聞こえてきた。驚いて声のする方を見る。そこには信じられない光景が広がっていた。
「いやぁん!はげしい……。」
なんと彼氏が激しく女を責めていたのだ。一体どういうことだろう?
「もっといくよ。」「きて……。いっぱいちょうだい……。」……まさか浮気!?でも彼は私を愛してると言っていたはずだ。なのにどうしてこんなことをするのだろうか?
「ひゃぁん!あぁっ!いぃやぁぁん!……くっ!」
彼はフィニッシュを迎えたらしい。激しい水音が響く。そしてしばらくして二人はこちらを見た。
「おはよう」
「お、おはよ」
動揺を隠せない。いったいなぜ彼は私以外の女性とヤッているのか?
「あーごめんごめん。君よりさ、感触いいんだよね。」「ど、どう言う意味ですか?」
「そのままの意味だよ。」
「わ、私だってそれなりにあると思いますけど」
「えっ?君さ、感度微妙じゃん。しかも体力無いし、色気ないし、太股も硬いし、おまけに貧乳だし、他にも欠点ばっかでしょ?」……言い過ぎじゃないかしら?流石に傷つくんだけど……。
正直スタイルにはそれなりに自信があった。なのに…なのに…
「う、浮気相手の方が感触良いだって!?」思わず叫んでしまう。
「ああ、そうだよ。てかお前うるさい」
「ひどい……」
「何泣いてんだよ」
「泣くに決まってるじゃない!!あなたにとって私はその程度の存在だったのね……」
「おい、勘違いすんな。そこまで重宝されていると思っていたのか?」「えっ?」
「俺はな、誰でも良かったんだよ。たまたまお前を選んだだけ。それに俺には好きな人がいるから。」
「そ、そうなんですか……」……なんだ。やっぱり私の片想いなのか。
「あのさ、このこと黙っててくれないか?」
「えっ!?」
「頼むよ。俺達付き合ってるわけでもないしさ。」
「分かりました……」
「じゃあまたね」そう言って彼は部屋を出て行った。
「はぁ……」私はため息をつく。
「う、う、うっ…ぐずんっ……。うわぁ~ん!」とうとう我慢できず泣き出してしまった。失恋のショックもあったが、それよりも悔しかったのだ。今まで散々尽くしてきたのに……。あんな扱いを受けるなんて思わなかった。もういっその事、このまま消えてしまいたい。
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