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好きな人の好きな人は親友だった
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僕には意識してしまう人がいる。でも、その人にはその想いは伝わっていない。
僕は、その人が好きだ。
しかしどうやらその人にも好きな人がいるらしい。この間、女子トークしているのを聞いてしまった。
「私の好きな人はね、俊介くん。」
僕の親友の名前だった。そう、僕の好きな人は、親友である俊介が好きなのだ。
こんなに辛いことがあるだろうか?いや、ない。
この恋が叶う確率は低いだろう。それ以上にこの上なく辛い。嫉妬しようにもできない。だって、親友だもん…………。
この気持ちをどうにかして抑えたい! どうすればいいのか、誰か教えてくれー!!!!!
「おい俊介!」
「なんだよ。」
「お前って好きな人いる?」
「えっ!?︎いないけど。」
こいつ…贅沢だ。あれだけかわいらしい子に(主観)好かれていながらまだ好きな子がいないだと?
「あっそっか~!俺もいま好きな子はいないよ~」
親友の僕を嫉妬させるだけあって彼は完璧だ。容姿端麗で運動神経抜群、おまけに勉強までできる。
それに比べて僕は、身長が低くて、勉強はできないし、運動はからっきしダメ。顔も普通だし、背丈もない。本当に不釣り合いだ。
親友と思っているのも僕の一方的な認識かもしれない。
「おっ!また明日な~!」
「おう!じゃあな!」
彼が帰ってしまった後、僕はいつも通り、一人で帰る。一人ぼっちで歩く帰り道は嫌だが、それでも彼と一緒に帰るよりかはマシだ。
翌日、彼女と彼が話し合っているのを見た。係活動だ。いちいち嫉妬心で見てしまう僕が情けない。今日も一人寂しく帰宅する。最近は、家に帰ると、親がいないことが多い。仕事だ。
家に帰ってまずすることは部屋の掃除だ。埃一つ落ちているだけでイラついてくるほど潔癖症になってしまったようだ。
「ただいま。」
誰もいないけれど、とりあえず口にする。自分の部屋に入るとすぐに制服を脱ぎ捨てる。着替えながらベッドに横たわる。そしてスマホを手に取る。するとメッセージアプリの通知が来ていた。『俊介』からのものだ。
【今日暇?】
なんだ?珍しいな。今までそんなことなかったぞ。まぁ別に予定はないから大丈夫だけどさ。
【全然空いてるよ。何?』
【美玖さんから遊びに誘われたんだけど、君もこない?】
は?おい!それは彼女の一世一代の大勝負だぞ。これは混じってはいけないパターンだ。しかし…羨ましい…
どっちだ?どっちが正解なんだ…行くのか?行かないのか?
【俺は行きたいかな。】
悩んだ末にそう返した。
【オッケー!じゃあ2時に駅前集合ね!】
嘘だろ!?︎なんでOKしたんだ!?︎バカなのか?邪魔したくないよ…?
待ち合わせ場所に行くとすでに二人が待っていた。美玖さんはすでに頬が紅潮して緊張している。俊介に告白するつもりなんだろう。
「ごめん待った?」
「いえいえ今来たところですわよ。」
俊介がふざけに来た。面白くないけど。でも美玖さんの笑顔を見れただけでも良しとしよう。
「じゃあいこうか!」
「うん!」
三人で並んで歩く。僕は一番外側で歩いている。気を使ってくれてるんだろうか?
「ねぇねぇ俊介くん。」
「はい?」
「今日の私変じゃないですか?」
「いや、いつも通りの可愛い女の子ですよ。」
「本当ですか!?︎良かったです!」
なんかすごい会話してる。そうか、可愛いとは思っても好きとは思わないのか。
美玖さん顔が真っ赤じゃないか。恥ずかしいなら聞かなきゃいいのに。
「あの…俊介くん…あとで二人でお話したいの…」
「え?でも健介いるし…」
「ぼ、僕は別にいいよ?」
このぐらい言えないとな。やっぱり僕はお邪魔虫じゃないか。
「ほら!健介くんもいいって言ってるし!」
「わかったよ……じゃあ二人きりで。」
二人は少し先の公園まで走って行った。このあと告白する流れだろう。どうなることやら。
しばらく待っていると俊介だけが戻ってきた。
「あれ?美玖さんは?」
「好きです、って言われたんだけど、断ったよ。」
「そっか。」
「うん。」
「それにしてもさっきの美玖さん可愛かったな~!あんなにかわいい子に告白されたのに断っちゃうなんてもったいないよ。」
「君は美玖さんが好きだったのか。」
「えっ!?いやいや、その…」
はいそうですと言いにくい…というか言えるわけがない。心底こいつが羨ましい夜だった。
僕は、その人が好きだ。
しかしどうやらその人にも好きな人がいるらしい。この間、女子トークしているのを聞いてしまった。
「私の好きな人はね、俊介くん。」
僕の親友の名前だった。そう、僕の好きな人は、親友である俊介が好きなのだ。
こんなに辛いことがあるだろうか?いや、ない。
この恋が叶う確率は低いだろう。それ以上にこの上なく辛い。嫉妬しようにもできない。だって、親友だもん…………。
この気持ちをどうにかして抑えたい! どうすればいいのか、誰か教えてくれー!!!!!
「おい俊介!」
「なんだよ。」
「お前って好きな人いる?」
「えっ!?︎いないけど。」
こいつ…贅沢だ。あれだけかわいらしい子に(主観)好かれていながらまだ好きな子がいないだと?
「あっそっか~!俺もいま好きな子はいないよ~」
親友の僕を嫉妬させるだけあって彼は完璧だ。容姿端麗で運動神経抜群、おまけに勉強までできる。
それに比べて僕は、身長が低くて、勉強はできないし、運動はからっきしダメ。顔も普通だし、背丈もない。本当に不釣り合いだ。
親友と思っているのも僕の一方的な認識かもしれない。
「おっ!また明日な~!」
「おう!じゃあな!」
彼が帰ってしまった後、僕はいつも通り、一人で帰る。一人ぼっちで歩く帰り道は嫌だが、それでも彼と一緒に帰るよりかはマシだ。
翌日、彼女と彼が話し合っているのを見た。係活動だ。いちいち嫉妬心で見てしまう僕が情けない。今日も一人寂しく帰宅する。最近は、家に帰ると、親がいないことが多い。仕事だ。
家に帰ってまずすることは部屋の掃除だ。埃一つ落ちているだけでイラついてくるほど潔癖症になってしまったようだ。
「ただいま。」
誰もいないけれど、とりあえず口にする。自分の部屋に入るとすぐに制服を脱ぎ捨てる。着替えながらベッドに横たわる。そしてスマホを手に取る。するとメッセージアプリの通知が来ていた。『俊介』からのものだ。
【今日暇?】
なんだ?珍しいな。今までそんなことなかったぞ。まぁ別に予定はないから大丈夫だけどさ。
【全然空いてるよ。何?』
【美玖さんから遊びに誘われたんだけど、君もこない?】
は?おい!それは彼女の一世一代の大勝負だぞ。これは混じってはいけないパターンだ。しかし…羨ましい…
どっちだ?どっちが正解なんだ…行くのか?行かないのか?
【俺は行きたいかな。】
悩んだ末にそう返した。
【オッケー!じゃあ2時に駅前集合ね!】
嘘だろ!?︎なんでOKしたんだ!?︎バカなのか?邪魔したくないよ…?
待ち合わせ場所に行くとすでに二人が待っていた。美玖さんはすでに頬が紅潮して緊張している。俊介に告白するつもりなんだろう。
「ごめん待った?」
「いえいえ今来たところですわよ。」
俊介がふざけに来た。面白くないけど。でも美玖さんの笑顔を見れただけでも良しとしよう。
「じゃあいこうか!」
「うん!」
三人で並んで歩く。僕は一番外側で歩いている。気を使ってくれてるんだろうか?
「ねぇねぇ俊介くん。」
「はい?」
「今日の私変じゃないですか?」
「いや、いつも通りの可愛い女の子ですよ。」
「本当ですか!?︎良かったです!」
なんかすごい会話してる。そうか、可愛いとは思っても好きとは思わないのか。
美玖さん顔が真っ赤じゃないか。恥ずかしいなら聞かなきゃいいのに。
「あの…俊介くん…あとで二人でお話したいの…」
「え?でも健介いるし…」
「ぼ、僕は別にいいよ?」
このぐらい言えないとな。やっぱり僕はお邪魔虫じゃないか。
「ほら!健介くんもいいって言ってるし!」
「わかったよ……じゃあ二人きりで。」
二人は少し先の公園まで走って行った。このあと告白する流れだろう。どうなることやら。
しばらく待っていると俊介だけが戻ってきた。
「あれ?美玖さんは?」
「好きです、って言われたんだけど、断ったよ。」
「そっか。」
「うん。」
「それにしてもさっきの美玖さん可愛かったな~!あんなにかわいい子に告白されたのに断っちゃうなんてもったいないよ。」
「君は美玖さんが好きだったのか。」
「えっ!?いやいや、その…」
はいそうですと言いにくい…というか言えるわけがない。心底こいつが羨ましい夜だった。
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