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前篇:夢の通ひ路
第二十四話 其の一
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筆を取っては硯の上に置き、また筆を取っては迷って硯に戻す。
何度繰り返しただろうか。既に墨は乾き始め、目の前の紙は真っ白なまま。気が付けば隣にいた小梅が怪訝そうな顔でこちらを見ている。
「姫様、いかがなさいましたの? 先ほどから、おかしな行動ばかりなさって」
「いい書き出しが見つからないのよ」
「兵部卿宮様へのお文でございますか」
「ええ」
「いつも通りに返歌をなさればよろしいではありませんか。今日はわたくしに代筆も頼まず、どうなさいましたの?」
「さすがに、この文だけは自分で書かなくてはいけないような気がして。だけど、なんとお伝えすればいいものか…… どう書いたとしても、失礼なことに違いないし」
俯いた私を見て、小梅は何かを悟ったのだろう。
「姫様」と白湯を差し出した。
「一度、お離れになってみてはいかがですか。少しお休みになられた方がよろしいかと思います」
「ええ、そうね。気分転換も必要よね」
とは言いつつも、頭の中は兵部卿宮への文のことでいっぱいだ。
いつものように、頼みの古典文学の知識を引っ張りだしてくる気にはなれなかった。過去の誰かが詠んだ歌を引用したり真似るのではなく、私自身の言葉で兵部卿宮に伝えることが誠意だと思ったからだ。
白湯をすすりながら何かないものかと考えるのだが、やはり思い浮かばない。完全に行き詰ってしまったようだ。
――やはりこのままでは駄目だ。
私がそう強く思ったのは明くる日の朝、五条院から左大臣邸へ戻る車の中でのことだった。
こんな状態のまま、兵部卿宮と繋がっていることはできない。彼に文を書こう。「どれほど待っていただいても結婚はできない」と打ち明けなくてはいけない。
現代に戻るだとか三の君の魂がどうだとか、そういうことはすべて抜きにして考えてみたときに、自分の心は既に答えを出していると思った。私は鷹衛さんが好きだ、その気持ちを誤魔化すことはできない。
そこまでの明確な思いがあるのに、兵部卿宮と何事もなかったように文をやり取りすることはこれ以上できない。だからそう伝えようと、早速、筆と硯、紙を用意したのに、いざ書こうとすると手が止まってしまった。
それが、ここ数日続いている。その間にも、兵部卿宮から、相変わらずの美しく優しい文は届いていた。一刻も早く、言わなくてはいけないのに……
けれど、何といえばいいのだろう。
「結婚はできない」と、それだけ書くにはあまりに失礼だ。かといって、他に惹かれている人がいるからとバカ正直に書くのも違うような気がする。「では今までなぜ私とやり取りをしていたのか」と問われれば、言葉を返せない。
鷹衛さんへの好意にはっきりと気が付いたのは昨夜のことだけれど、それは私の事情であって兵部卿宮には何の関係もないからだ。
何を書いてもあの優しく誠実な人を傷つけるのかと思うと、私の胸も痛んだ。
お会いしたことはなくても、人柄は滲み出ていた。あんなに毎度、丁寧な文をくれてこちらを楽しませ、自分も楽しいと言ってくれていたのに…… これならば、いっそやり取りなどしない方がよかった。こうなると分かっていれば、絶対にしなかった。既に後の祭りだ。
それに、私の慕う相手が、自分に仕える鷹衛さんだと知ったらどれほど苦しむだろうか。鷹衛さんは「何も心配はいらない」だなんて言っていたけれど、そんなはずはない。いくら人のいい兵部卿宮だって、いい気分はしないはずだ。私が彼の立場なら、とんでもない裏切り行為だと激昂するかもしれない。
自分が求婚者した姫と側仕えが恋仲だなんて……
たとえ兵部卿宮の怒りを買ったとしても、私には何の言い逃れもできない。
彼は先帝の皇子、親王だ。ただの貴族とは訳が違う。しかも、この結婚には帝と院の後押しもあったのだ。親王の求婚を断るなど、聞いたことも読んだこともない。
場合によっては、髪をおろして出家しなくてはいけないし、左大臣家にも相当な迷惑がかかるのは必至だ。けれど、兵部卿宮はそれを望まないようにも思えた。彼は本当に優しいのだ。自分の心を痛めたとしても、同じように相手にも痛みを与えるような人では、きっとない。
本当に……鷹衛さんが兵部卿宮ならよかった。
それなら、誰かを傷つけることもなかったのに。
だけど誰を選んだとしても、誰と心を通わせたとしても、一時のこと。
私はいずれは現代に戻り、三の君の魂がこの身体へ宿る。恋をしても、それは続かないし、最後は自分も相手もきっと苦しむだけ。
そう、鷹衛さんとだって……
「兵部卿宮様の求婚をお断りになられるのですね」
「小梅…… ええ、そうよ。私などには勿体ないほど素敵な方だと思うけれど」
「では、そのようにお書きになればよろしいのですわ」
「え?」
「宮様ならきっと分かって下さいます、姫様が悪戯に宮様へのお返事を延ばしたわけではないことを。しっかりとお考えになった上でのご決断ならば、何もおっしゃいませんでしょう。よいではないですか、取り繕ったりはせず、そのままの姫様のお言葉をお伝えになれば」
「そのままの、私の言葉?」
「あれやこれやと仰らず、思っておいでのことを素直にお伝えなさるのが一番よろしいかと存じます」
「……そうね。言い訳がましいことを書き連ねるよりも、その方がよいわね。ありがとう、小梅、なんだか霧が晴れたようよ」
小梅のいうことにも一理ある。
元々私は器用な性格ではない。遠回りするのは、兵部卿宮にとっても、私にとっても、結局よくないのだ。であれば、やはり今の心の内をそのまま伝えるのがいいのだろう。もちろん、鷹衛さんの名前は伏せるけれど。
今度こそ筆をとって紙の上に置いた。
“あなたのお気持ちは嬉しく思いますが、お応えすることはできません
このような返事を書くしかない私をどうかお許しください
さようなら“
これでいい。少し素っ気ないような気もするけれど、そもそも別れの歌なのだから仕方ない。
もうあんな達筆で品のいい優しい文は二度と届かなくなる。そう思うと、すごく淋しく感じられたが、こうするのが一番いい。兵部卿宮の時間をこれ以上私などに使わせてはいけない。彼へ文を送るのはこれが最後だ。
「文使いに渡してちょうだい」
「かしこまりました」
小梅に文を渡した。未だ躊躇う気持ちもあったけれど、鷹衛さんへの思いがある以上、引き返すことはできなかった。
この決断を、父や母へも報告をしなくてはいけない。ただ、両親にもどう説明をすればいいのか。私でさえ、客観的に「兵部卿宮の何が駄目なのだ」と思うくらいなのだから、二人はなおのことだろう。鷹衛さんのことは話せるはずもない。
いい説明が見つからないのなら、父母へ伝えるのは明日以降にしよう。今後の険しい道を思うと頭が痛い。私は思わずこめかみを押さえた。
何度繰り返しただろうか。既に墨は乾き始め、目の前の紙は真っ白なまま。気が付けば隣にいた小梅が怪訝そうな顔でこちらを見ている。
「姫様、いかがなさいましたの? 先ほどから、おかしな行動ばかりなさって」
「いい書き出しが見つからないのよ」
「兵部卿宮様へのお文でございますか」
「ええ」
「いつも通りに返歌をなさればよろしいではありませんか。今日はわたくしに代筆も頼まず、どうなさいましたの?」
「さすがに、この文だけは自分で書かなくてはいけないような気がして。だけど、なんとお伝えすればいいものか…… どう書いたとしても、失礼なことに違いないし」
俯いた私を見て、小梅は何かを悟ったのだろう。
「姫様」と白湯を差し出した。
「一度、お離れになってみてはいかがですか。少しお休みになられた方がよろしいかと思います」
「ええ、そうね。気分転換も必要よね」
とは言いつつも、頭の中は兵部卿宮への文のことでいっぱいだ。
いつものように、頼みの古典文学の知識を引っ張りだしてくる気にはなれなかった。過去の誰かが詠んだ歌を引用したり真似るのではなく、私自身の言葉で兵部卿宮に伝えることが誠意だと思ったからだ。
白湯をすすりながら何かないものかと考えるのだが、やはり思い浮かばない。完全に行き詰ってしまったようだ。
――やはりこのままでは駄目だ。
私がそう強く思ったのは明くる日の朝、五条院から左大臣邸へ戻る車の中でのことだった。
こんな状態のまま、兵部卿宮と繋がっていることはできない。彼に文を書こう。「どれほど待っていただいても結婚はできない」と打ち明けなくてはいけない。
現代に戻るだとか三の君の魂がどうだとか、そういうことはすべて抜きにして考えてみたときに、自分の心は既に答えを出していると思った。私は鷹衛さんが好きだ、その気持ちを誤魔化すことはできない。
そこまでの明確な思いがあるのに、兵部卿宮と何事もなかったように文をやり取りすることはこれ以上できない。だからそう伝えようと、早速、筆と硯、紙を用意したのに、いざ書こうとすると手が止まってしまった。
それが、ここ数日続いている。その間にも、兵部卿宮から、相変わらずの美しく優しい文は届いていた。一刻も早く、言わなくてはいけないのに……
けれど、何といえばいいのだろう。
「結婚はできない」と、それだけ書くにはあまりに失礼だ。かといって、他に惹かれている人がいるからとバカ正直に書くのも違うような気がする。「では今までなぜ私とやり取りをしていたのか」と問われれば、言葉を返せない。
鷹衛さんへの好意にはっきりと気が付いたのは昨夜のことだけれど、それは私の事情であって兵部卿宮には何の関係もないからだ。
何を書いてもあの優しく誠実な人を傷つけるのかと思うと、私の胸も痛んだ。
お会いしたことはなくても、人柄は滲み出ていた。あんなに毎度、丁寧な文をくれてこちらを楽しませ、自分も楽しいと言ってくれていたのに…… これならば、いっそやり取りなどしない方がよかった。こうなると分かっていれば、絶対にしなかった。既に後の祭りだ。
それに、私の慕う相手が、自分に仕える鷹衛さんだと知ったらどれほど苦しむだろうか。鷹衛さんは「何も心配はいらない」だなんて言っていたけれど、そんなはずはない。いくら人のいい兵部卿宮だって、いい気分はしないはずだ。私が彼の立場なら、とんでもない裏切り行為だと激昂するかもしれない。
自分が求婚者した姫と側仕えが恋仲だなんて……
たとえ兵部卿宮の怒りを買ったとしても、私には何の言い逃れもできない。
彼は先帝の皇子、親王だ。ただの貴族とは訳が違う。しかも、この結婚には帝と院の後押しもあったのだ。親王の求婚を断るなど、聞いたことも読んだこともない。
場合によっては、髪をおろして出家しなくてはいけないし、左大臣家にも相当な迷惑がかかるのは必至だ。けれど、兵部卿宮はそれを望まないようにも思えた。彼は本当に優しいのだ。自分の心を痛めたとしても、同じように相手にも痛みを与えるような人では、きっとない。
本当に……鷹衛さんが兵部卿宮ならよかった。
それなら、誰かを傷つけることもなかったのに。
だけど誰を選んだとしても、誰と心を通わせたとしても、一時のこと。
私はいずれは現代に戻り、三の君の魂がこの身体へ宿る。恋をしても、それは続かないし、最後は自分も相手もきっと苦しむだけ。
そう、鷹衛さんとだって……
「兵部卿宮様の求婚をお断りになられるのですね」
「小梅…… ええ、そうよ。私などには勿体ないほど素敵な方だと思うけれど」
「では、そのようにお書きになればよろしいのですわ」
「え?」
「宮様ならきっと分かって下さいます、姫様が悪戯に宮様へのお返事を延ばしたわけではないことを。しっかりとお考えになった上でのご決断ならば、何もおっしゃいませんでしょう。よいではないですか、取り繕ったりはせず、そのままの姫様のお言葉をお伝えになれば」
「そのままの、私の言葉?」
「あれやこれやと仰らず、思っておいでのことを素直にお伝えなさるのが一番よろしいかと存じます」
「……そうね。言い訳がましいことを書き連ねるよりも、その方がよいわね。ありがとう、小梅、なんだか霧が晴れたようよ」
小梅のいうことにも一理ある。
元々私は器用な性格ではない。遠回りするのは、兵部卿宮にとっても、私にとっても、結局よくないのだ。であれば、やはり今の心の内をそのまま伝えるのがいいのだろう。もちろん、鷹衛さんの名前は伏せるけれど。
今度こそ筆をとって紙の上に置いた。
“あなたのお気持ちは嬉しく思いますが、お応えすることはできません
このような返事を書くしかない私をどうかお許しください
さようなら“
これでいい。少し素っ気ないような気もするけれど、そもそも別れの歌なのだから仕方ない。
もうあんな達筆で品のいい優しい文は二度と届かなくなる。そう思うと、すごく淋しく感じられたが、こうするのが一番いい。兵部卿宮の時間をこれ以上私などに使わせてはいけない。彼へ文を送るのはこれが最後だ。
「文使いに渡してちょうだい」
「かしこまりました」
小梅に文を渡した。未だ躊躇う気持ちもあったけれど、鷹衛さんへの思いがある以上、引き返すことはできなかった。
この決断を、父や母へも報告をしなくてはいけない。ただ、両親にもどう説明をすればいいのか。私でさえ、客観的に「兵部卿宮の何が駄目なのだ」と思うくらいなのだから、二人はなおのことだろう。鷹衛さんのことは話せるはずもない。
いい説明が見つからないのなら、父母へ伝えるのは明日以降にしよう。今後の険しい道を思うと頭が痛い。私は思わずこめかみを押さえた。
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