上 下
3 / 3

風雲!魔王城 後編

しおりを挟む




 開いた扉の奥、暗闇の中から現れたのは……これこそ正に魔王とでも言っていいほどの、冷たい美貌と雰囲気を持つ青年だった。魔王様とは桁違いの、居るだけでその場が支配されるような、圧倒的な存在感プレッシャー
 暗闇の中で浮かんだ白髪かと思われた髪は、光に当たると水色がかったプラチナブロンド。魔王様の父親の代から仕えているといっていたので、てっきりお爺さんかと思ったレセアの予想は外れた。
 でも寝起きなだけあって、外はまぶしいらしく眉間には深い皺が刻まれている。
 あ、ロザリアンナ様の美形アンテナが反応してる。けどこの存在感プレッシャーにいつもの黄色い声は出せないようだった。

「宿題は……どうやら終わっていないようですね?
 ずいぶんと、人間の気配がしますが?」
「お、おははははっはよう、ミミミロワールゥゥゥゥ?」

 射るような灰青色はいせいしょくの目に恐怖のためか、いつもより多くカミカミして語尾が不自然に上がっております、魔王様。

「その人間は、奴隷ですか? それとも食料、イケニエでしょうか?」
「!!」
「ずいぶんと、みすぼらしい者と、高貴な者がいるようですが……それとも人質ですか?」

 魔王様が姫様を攫ってくるのは王道だ。
 レセアはただのメイドなので、みすぼらしいといわれても仕方が無い。
 しかも今朝の庭掃除で、エプロンもちょっと汚れている。
 なのに……。

「みすぼらしくなどない!!」

 今までのカミカミはどこへやら、魔王様は大声で激しく反論した。
 こんな堂々とした魔王様は初めてだ。
 めったに見れない真顔で、かっこよく見えるレア顔だった。

「……陛下?」
「レ、レレセアはっ、大事なっ……友人だ。
 いつも優しいし、慰めてくれる、し」
「魔王様……」

 ぎろ、と。
 ますます視線に力を入れたミロワール様に、睨まれて、魔王様はすぐにいつものヘタレに戻ったけれど。レセアの感激は変わらない。

「まだ、そのような甘い事を仰られているのですか? どうやら、宿題は手も付けてない、と」
 ひやりとした冷気が流れ出してくる。雰囲気ではなくて、魔法なのか本当の物理的な冷気。

「…………っ」

 魔王様は打ち捨てられた子犬のように、プルプル震えている。
 この冷気の中、手足が悴みそうだけど、レセアは雛を庇う親鳥のごとく、勇気を出して進み出た。ミロワール様の眉毛が微かに上がる。

「何ですか? 人間の小娘如きが私に何をいいたいのですか」
「ま、魔王様は、魔王様なりに、友達を沢山作ってます!」
「私は陛下に、世界征服のために部下を作りなさいといったはずですが?」
「魔王様には力を貸してくれる、友達が必要だと思います!」
「フッ、貴女のような?」

 勢いで進み出たはいいものの、レセアも彼の雰囲気に飲まれそうになる。
 目を反らしたら、殺される! そんな直感。
 でも、そうは全く見えないが。蟻に慈悲を掛けるかのごとく、彼がレセアに温情を与えていたのを、魔王は分かっていた。いつもの彼なら、すでにレセアも姫も氷で串刺しになっているはずだった。

「証明して見せます」
「どうするというのですか? 聞かせていただきましょうか」

 貴女のその勇気に免じてと。圧倒的な上から目線、たかが小娘如きが何が出来るんですかと、目が語っていた。
 レセアは歯の根の震えを堪えて、思いっきり深呼吸する。
 そして、肺に思いっきり空気を貯めると、両手を口に当てて思い切り叫んだ。


「皆さんーーーー!! 魔王様がピンチですっ!!!!」

 困ったときの勇者様頼み!
 皆来る、きっと来る。
 来てくれる!

 その瞬間、冷気が消える。
 一番初めにやってきたのは、魔法で移動してきた三番目様だった。

「丁度いいところだったんだけど」

 その手には、相変わらず分厚い本を持っているが、レセアが先ほど見た本とは表紙の色が違っていた。

「ふーん、流れる氷の貴族、アリストクラット・デ・ラ・グレール、ミロワールか」
「ほう、私の事を知っているのですか?」
「まぁ城の本やら肖像画やら見たからね、画家は……腕が悪いみたいだね。まぁ無理も無いかアンタの前だと、普通の者なら手が震えるだろうし」

 おお、流石勇者様! ギスギスとしているけれど普通に会話している。
 魔王様は相変わらず、がくがくぶるぶるしてますが。三番目様が来ると、熱い視線を投げかけた。まるで悪戯した子供が父親に起こられている時に、母親に庇ってもらってるの図のように。
 三番目様が薄氷の上を歩くような会話をしている間に、一番目様と二番目様も慌ててやって来る。
 やっぱり、皆来てくれた。きっと四番目様も五番目様も六番目様も七番目様も来てくれるんだろうと思う。

「さて、揃ったけど。
 これ以上魔王をいじめるというのなら、僕達にも戦う意思はあるけど」

 どうやらギスギスした会話は、時間稼ぎだったらしい。

 三番目様を中心に、一番目様と二番目様は、魔王様と私達を守るように立ちはだかった。
 かっこいい……。
 案の上姫様は一番目様にハートを飛ばさんばかりにメロメロだ。

「……そうですね、陛下へのお仕置きは貴方達を倒してから、じっくりやることにしましょうか」
「!!!」
「せいぜい、待っていなさい……」

 そう言うか言わないかの内に、ミロワール様の身体が光り始め、そこだけ風が吹いたように服や髪がたなびく。魔法は全く分からないレセアだが、これは凄い魔法を使おうとしている準備中だと分かったので、三番目様を反射的に見た。どうやら、三番目様にも計り知れない威力のようで、顔は難色を示している。

 どうしよう、私のせいだ!!
 レセアは自分の軽率な行動を後悔したが、ただのメイドで一般人は動くことも出来ない場だ。
 どうしよう、どうしよう……そう心の中が埋め尽くされる。
 そんなレセアの視界の中を、黒い影が、動く。

「や、やめてくれ! ミロワール!!」

 魔王様が、生まれたての子羊のように震える足で、ミロワール様の眼前に進みでる。

「そ、その皆……余の友達でっ……大事な大事な友達でっ!!」

 その声はもう、涙も鼻水もぐちゃぐちゃになっているような悲痛な叫び。

「…………」

 魔王様の泣き落としにはなれているのか、ミロワール様の様子は変わらない。どんどん何かが集まって行き、吸い寄せられるような感覚に襲われる。一番目様も二番目様も剣を構えているのがやっとの体で、三番目様は何かに集中するようにつぶやいている。レセアと姫様は立つことも出来ない有様だった。

「だから、余は、命じる!
 悠久の氷山の一族、エテルネル・フェ・デ・ネージュであり。
 流れる氷の貴族アリストクラット・デ・ラ・グレール。
 ミロワールよ、止めよ!」

 その「止めよ」だけは凛とした声が、室内に響いた。
 シンとなる室内で、どれだけの時間が経ったのだろうか、ミロワール様の様子が静かに変化する。

 もしや、最終形態!?

 ぐっと姫様を庇うようにレセアは抱きしめると、聞こえてきたのは……。

「分かりました、陛下」

 あっさりとした、信じられない言葉だった。
 顔を上げると、命じた魔王様も信じられないようだった。
 そして私達なんて、もっと信じられない。

「え、本当に、本当に?」
「ええ、命令には従うしかありません。
 陛下が私に命じることなんて今まで一度も無かったことですしね……陛下成長いたしましたね。
 まぁ魔族の部下ではないのですが、人間のそれも勇者にここまで見込まれたということも上に立つものとして、少しは成長なさったということでしょう。
 紙一重で合格です」
「っ……!!」
「それにしても、陛下。宿題の件は後でたっぷりと話すことにしますが。私を起こすときは冬にしてくださいと、ご忠告申し上げたはずですが?」
「へ、え? そうだったかな」
「私は寝起きが悪いんですと申し上げたでしょう? このホカホカの陽気、最悪な目覚めですよ」

 どうやら今までのツンツンした態度は……寝起きの悪さの八つ当たりで。先ほどの大技を使うような魔力のうねりは、眠っている間に溜まった魔力の大量消費。ガス抜きをしたおかげで、少し機嫌が直ったらしい。

「私が悪いんです!
 すみません、私に出来ることなら何でもします! だから魔王様と勇者様はお許しください」
 やっとただの人であるレセアが動ける空気になると、レセアは思い切り謝った。
 封印をといたのは、レセアの所為だ。
 ミロワール様曰く人間の小娘風情が、出来ることなんて限られているけれど。
 レセアはそうミロワール様に言うしかない。

めいに縛られているので、もう貴方達と戦うつもりは無いのですが」
 彼は青灰色の目を少し見開くと、レセアのポケットを優美に指差しこう言う。
「では、貴女のそのポケットの中にあるものを、私に差し出しなさい」
「え、ポケットですか?」

 邪険にされると思ったその提案は、あっさりと受け入れられた。
 けれどその指差した先……エプロンのポケットの中には、失敗作のサンドイッチを包んだナプキンが入っている。
 どうみても目の前の魔族の青年が欲しがるものじゃないので、レセアはためらった。

「いいから早く、私はお腹が空いているのです」
「で、ではあの新しい料理を準備させていただきますので」
「私はコレがいいといっているんですよ」

 何年眠っていたのかは知らないが、空腹は最大の調味料って言うけれど。差し出すのには勇気がいった。しかし時間が経つにつれて、ミロワール様の機嫌の雲行きが怪しくなっていくので、おずおずと手渡す。
 信じられないことに、受け取ったミロワール様は、それはもうおいしそうに食べている。

「先ほどから、いい匂いがしていたのです」
「匂いって、そういうことでしたか……」
「後は、トマトソースがあれば完璧ですね」

 立ちながら食べているのはお行儀が悪いようでいて、まるでそれさえも絵の題材のように洗練されている。でも食べている料理は、普通の味覚を持つものなら吐き出すほど。しかも魔王様には、泣くほどの不味さだ。

 こんなに完璧に美しく恐ろしい魔族が、味覚音痴。
 そしてさらにケチャラー……いやケチャッパー? ですか!!

「そうですね、貴女をみすぼらしいといったのは撤回します、このように素晴らしい料理を作れるとは」
「あ、ありがとうございま、す?」

 褒められているんだけど、レセアは素直に喜べない。
 でもみすぼらしい餌から使用人ぐらいにはレベルアップしているようなので、お礼を半疑問系で言ってみる。

「貴女は私のモノになりなさい」

 その台詞で、この場の全員が凍りついた。
 特に、姫様の目力は半端ない何かを訴えている。

 こんな悶絶ものの言葉を、超絶美形にそう熱っぽく言われても、レセアは全然ときめかない。だって、「モノ」って本当に下僕以下の意味で言ってるんだと思うのです、この魔族ヒト

「無理です!」
「だ、駄目だミロワール! レセアは余の友達だ」
「友達でも、私専属のコックにはなれるはずですが」
「いやだ、いやだ!」
「陛下、友情に束縛は見苦しいですよ」

 えーっととりあえず、持ち場に帰っていいかな? という勇者様達の視線の中。
 やっとのことで、一日に一回ミロワール様に食事を作るって事になったのだけど、どうなるんだろう。

 わざと、不味く作るのも……複雑。



 色々とごたごたが片付いた後、勇者の皆さんには謝りに行きました。
 レセアの浅慮で、皆さんを命の危険に晒してしまったのだから、当然のことだったのだけれど。
 すると、皆さん言葉に違いはあれど「呼んでもらって嬉しかったよ」的な内容で褒めていただけました。
 命の危険があったのに、皆さん本当に、いい人たちです。
 そして魔王様に凄く甘いです。

 ……魔王様がちょっと羨ましい。


 そして姫様は、あの一件からか、少しおとなしくなりました。
 でも、いつもの調子に戻るのは時間の問題みたいです。



 そんな感じで国元の皆様ごめんなさい。
 魔王様と七人の勇者様と攫われた姫様と……ついでのメイドは今日も元気です。



しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

人魚に転生した俺は、水と全属性魔法を自在に操り、海や川の生き物たちと悪党どもをやっつける

青の雀
ファンタジー
人魚を釣り上げた俺のスピンオフ 俺の趣味は、魚釣りである。 会社が休みの日、海で魚を釣っていたとき。 その日は、大物が釣れた。1m50㎝ぐらいの長さが釣れた。 いつもは、キャッチ&リリースをする俺だが、その日釣れた魚は鱗が妙に美しく艶めかしい。 俺は、釣り仲間に自慢するため、魚拓にもせず、水槽に入れ持ち帰る。 気が付けば、人魚の息子として転生していた俺は、15歳になった時、海から上がる。 少年だった俺を我が子のように、可愛がってくれた老夫婦が盗賊に殺されたことから、復讐に立ち上がる。 人間世界で苦労しながら、最強王となるべく奮闘する姿を描くつもりです。

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~

御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。 十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。 剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。 十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。 紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。 十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。 自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。 その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。 ※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。

処理中です...