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リザちゃんは一生懸命にお母さんの背中を洗っていた。
横を向きながら幸せそうに微笑むエミリアさんは私と目が合うと軽く会釈をする。
「じゃあ次はお母様が背中を洗ってあげるね」
エミリアさんはリザちゃんからネットを受け取ると優しく娘の背中を洗った。
「私はもう洗ったんだよ」
「いいの、もう一回洗わせて」
「しょうがないなー」
リザちゃんはそう言いながらも楽しそうに洗われていた。
そのあとは私が教えたようにシャンプーとリンスを教える。
エミリアさんもリンスを気に入ったようでその使用感に満足していた。
髪を自分で束ねるとリザちゃんと手を繋ぎ、湯船へとゆっくりと歩いてきた。
4人で並んでフーっと息を吐く。
私はスっと目を閉じると男湯から笑い声がうっすらと聞こえてきた。
こうして目を閉じて居ると異世界に来たとは思えなかった。
たっぷりと湯に浸かるとリザちゃんが限界を迎えたのでみんなであがる。
エミリアさんはさすがに一人で着替えるのが無理だったのか侍女らしき人が着替えを手伝っていた。
ついでにリザちゃんも着せて貰う。
脱ぐのは簡単だったが着るのは難しそうな服だけに仕方ないのかもしれない。
「今度はあなたも入りましょうね」
着替えをさせてくれた侍女にエミリアさんはにっこり笑ってそういうと「滅相もございません!」侍女は恐縮して気持ちだけど受け取っていた。
さすがに仕える人にはまだまだ壁は厚いのかもしれない。
エミリアさんが着替え終わると先に着替えを終えていたお母さんがコーヒー牛乳とフルーツ牛乳を持ってきてくれた。
「はい、子供からね。どっちがいい?」
お母さんはリザちゃんに説明するとフルーツ牛乳を選んでいた。
「エミリアさんはどうします?」
「イズミのおすすめはどちらかしら?」
「そーねー私はコーヒー牛乳が好きよ」
お母さんはフルーツ牛乳はあまり飲まないでいつもコーヒー牛乳だった。
エミリアさんはなら自分もとコーヒー牛乳を選ぶ、そうなると必然的に私がフルーツ牛乳になった。
まぁどっちも好きだからいいんだけど…
私フルーツ牛乳を受け取るとリザちゃんのそばに寄った。
「開け方教えるね、こうやって蓋を開けるのよ」
ポンッと蓋を開けて蓋の裏をペロッと舐める。
「え!?」
その行為にリザちゃんが驚き目をまん丸にした。
「お姉ちゃん、はしたない」
「あっ!で、でもこれが美味しいのよ!」
私は慌てて言い訳をする、いつもの癖でつい手が動き舐めてしまった。
こうなればリザちゃんを巻き込んだ方が自分にダメージが少ないかも…
私はニヤリと笑ってリザちゃんの蓋を見つめた。
「蓋の裏に付いたのは美味しいよ…背徳的な味がする夜」
「背徳…それってダメなんじゃ」
リザちゃんは怪しんでから舐めるのをやめてしまった。
そして親達が美味しそうに飲むのをみて自分も瓶の口に唇をつけた。
両手にもってチョビっと飲んでグイッともう一口!さらに一口とあっという間に飲み干してしまった。
「美味しかった」
空になった瓶を見て恨めしそうに捨ててしまった蓋を見つめる。
「ほら、舐めた方がよかったでしょ?次からは舐めていいからね」
「そ、そんな事しないわ!」
リザちゃんは慌てて蓋から視線を逸らしてぷいっと横を向いた。
横を向きながら幸せそうに微笑むエミリアさんは私と目が合うと軽く会釈をする。
「じゃあ次はお母様が背中を洗ってあげるね」
エミリアさんはリザちゃんからネットを受け取ると優しく娘の背中を洗った。
「私はもう洗ったんだよ」
「いいの、もう一回洗わせて」
「しょうがないなー」
リザちゃんはそう言いながらも楽しそうに洗われていた。
そのあとは私が教えたようにシャンプーとリンスを教える。
エミリアさんもリンスを気に入ったようでその使用感に満足していた。
髪を自分で束ねるとリザちゃんと手を繋ぎ、湯船へとゆっくりと歩いてきた。
4人で並んでフーっと息を吐く。
私はスっと目を閉じると男湯から笑い声がうっすらと聞こえてきた。
こうして目を閉じて居ると異世界に来たとは思えなかった。
たっぷりと湯に浸かるとリザちゃんが限界を迎えたのでみんなであがる。
エミリアさんはさすがに一人で着替えるのが無理だったのか侍女らしき人が着替えを手伝っていた。
ついでにリザちゃんも着せて貰う。
脱ぐのは簡単だったが着るのは難しそうな服だけに仕方ないのかもしれない。
「今度はあなたも入りましょうね」
着替えをさせてくれた侍女にエミリアさんはにっこり笑ってそういうと「滅相もございません!」侍女は恐縮して気持ちだけど受け取っていた。
さすがに仕える人にはまだまだ壁は厚いのかもしれない。
エミリアさんが着替え終わると先に着替えを終えていたお母さんがコーヒー牛乳とフルーツ牛乳を持ってきてくれた。
「はい、子供からね。どっちがいい?」
お母さんはリザちゃんに説明するとフルーツ牛乳を選んでいた。
「エミリアさんはどうします?」
「イズミのおすすめはどちらかしら?」
「そーねー私はコーヒー牛乳が好きよ」
お母さんはフルーツ牛乳はあまり飲まないでいつもコーヒー牛乳だった。
エミリアさんはなら自分もとコーヒー牛乳を選ぶ、そうなると必然的に私がフルーツ牛乳になった。
まぁどっちも好きだからいいんだけど…
私フルーツ牛乳を受け取るとリザちゃんのそばに寄った。
「開け方教えるね、こうやって蓋を開けるのよ」
ポンッと蓋を開けて蓋の裏をペロッと舐める。
「え!?」
その行為にリザちゃんが驚き目をまん丸にした。
「お姉ちゃん、はしたない」
「あっ!で、でもこれが美味しいのよ!」
私は慌てて言い訳をする、いつもの癖でつい手が動き舐めてしまった。
こうなればリザちゃんを巻き込んだ方が自分にダメージが少ないかも…
私はニヤリと笑ってリザちゃんの蓋を見つめた。
「蓋の裏に付いたのは美味しいよ…背徳的な味がする夜」
「背徳…それってダメなんじゃ」
リザちゃんは怪しんでから舐めるのをやめてしまった。
そして親達が美味しそうに飲むのをみて自分も瓶の口に唇をつけた。
両手にもってチョビっと飲んでグイッともう一口!さらに一口とあっという間に飲み干してしまった。
「美味しかった」
空になった瓶を見て恨めしそうに捨ててしまった蓋を見つめる。
「ほら、舐めた方がよかったでしょ?次からは舐めていいからね」
「そ、そんな事しないわ!」
リザちゃんは慌てて蓋から視線を逸らしてぷいっと横を向いた。
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