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316.後片付け

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おばさん達が若いお姉さん達を見送ると…

ドサッ…

盗賊の最後の一人があっさりと地面に突っ伏していた。

「ふー…全然手応えがない…腹の足しにもならん」

チャート様が不満そうに剣を収めていた。



「さてと…この人達どうします?まだ息があるのもいますねぇ…」

みんなで盗賊を寄せ集めて取り囲むと後処理を話し合う。

「森の動物達が結構殺られたようで気がたっています。彼らを餌に置いとくのはどうでしょう」

町の男が提案すると…

「えー!こんなの食べたらお腹壊さないかしら?」

おばさんが動物達を心配する。

「確かに…臭いし寄ってこないかもしれないわね…」

うーんと考え込むと…そうだ!と何か思いつく。

「ちょうど大根があるからすりおろして匂い消しに使いましょ!」

「あっそれいいわね!あっならちょうどジャムがあるから少し塗っておこうかしら!赤いし目立つわね!」

おばさん達が男達の上に大根の搾り汁とジャムを塗りたくる。

「よし!コレでそのうちに熊や狼達が食べに来るでしょ!残りは他の動物達が処理してくれるわ」

「一応二、三日後に確認に来ましょ!」

「「「そうね!」」」

サッとあと片付けをすると…

「では帰りましょうか?」

スチュアートさんが声をかけた。

「「「「はい!」」」」

チャート様とスチュアートさんが馬を引いて、のんびりとみんなで森の中を歩いて帰って行く。

「そういえばチャート様、クリスくんはいつ帰ってくるのかしら?」

「ユリさん!クリスくんはもう様付けないと!」

「ああ!そうね!失礼しました。クリス様ね!」

アハハと笑うと

「クリスは王都の仕事があるからなぁ…もうしばらくは無理かな」

チャート様が寂しそうに答えた。

「チャート様が王都に行って手伝って来てあげて下さいよ!私達もクリス様とハルジオンさんの並ぶ姿が早く見たいわ!」

「そうそう!あの二人がくっつかないとかローズ様も安心できないでしょうからね」

うんうんと頷き合う。

「いや…クリスの仕事は文官系だから俺には…大丈夫あの子は優秀だからすぐに帰ってくるさ!」

「それってチャート様が申請しなかった費用の後処理してるって噂なんですけど…まさかそんな事ありませんよね?」

おばさん達がジロっとチャート様を見つめると

「な、何故それを!!まさかスチュアートか!」

チャートは驚いてスチュアートを見ると

「いえ、その様な事を言ったことはございませんが…」

スチュアートさんが苦笑する。

「チャート様!スチュアート様がそんな事言うわけないじゃ無いですか!」

「カマかけてみたら…チャート様…本当にしっかりしてくださいよ!こんなのクラウディア様がみたら…地の果てまで追いかけられますよ」

「う、うむ…以後気をつける…それに今はそっち関係はスチュアートがしてくれているからな!大丈夫だ!」

チャート様の言葉におばさん達はため息を付いた。

「それにしてもクラウディアに追いかけられるのは懐かしいな…久しぶりにあそこに行ってみるかな…」

チャート様が懐かしそうに丘の上の花畑を思い出すと…

「チャート様!!」

「あそこはダメです!」

「そうそう、今は使用中…じゃなくて風も強いし…ほら盗賊の事を報告しないと!先に仕事をし下さい!」

おばさん達が慌ててチャート様を屋敷の方と向かわせる。

「そ、そうか?」

チャート様が残念そうにしていると…

「チャート様、先程のあれでは消化不良ですよね…宜しければ事務処理の後で私と手合わせなんてどうですか?」

不満気なチャート様にスチュアートさんが笑いかけた。

「おっ!それいいな!よしさっさと終わらせてそうしよう!ついでにカイルも呼んでやるか!」

チャート様が笑うと

「「「ダメですってば!!」」」

チャート様に町の方に近づけささせないようにおばさん達は必死に食い止めた。
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