227 / 318
連載
288.想い
しおりを挟む
「ちょっと馬に水をやって縛ってくる、ここで待ってて」
カイルはハンカチを地面にひくとローズを座らせた。
「すみません…」
ローズは言われた通りに座るとカイルはそれを見て馬を引いて行った。
離れていくカイルを見つめてローズは思いっきり息を吐いた。
「はぁー!な、なんか緊張する…どうしよう!まともに喋れない!あーバルトどうしよう!」
知るか!
なんだがバルトの幻聴が聞こえる。
「だって私あの時の事思い出しちゃった!カイル様とロイ様に言われた事…」
ローズはバルトがいるつもりで話し出す、そうしないと緊張で変な事を言ってしまいそうになる!
カイル様がいないうちに吐き出してしまいたかった。
「ジュリアさんに言われて思い出したはいいけど…私は結構酷い事していたような…あー!本当にやだ!どうしようとりあえずそれを謝って…あとは私の気持ちを伝えないと…」
ローズがうん!と頷くと
「思い出したって本当か?」
すぐ後ろにカイルが立って話しかけてきた。
「えっ!カイル様!早くないですか!」
「え?ああ…ローズを一人にすると心配だから早めに戻ってきた…ってそんな事より思い出したというのは本当?」
カイルはローズの隣に座った。
「は、はい…」
ローズは頬を染めて頷くと…そのまま下を向く。
「それなら今日その返事を貰えるの?」
カイルが聞くと
「わ、分かりません…なんでカイル様が私をす、好きなのか…だって私達友達だったし…カイル様は女性が苦手だと…」
「ああ、今でも女性は苦手だ。でもローズは好きだ」
「あっ!私は女ではないと!」
ローズが納得すると
「どう見てもローズは可愛い女性だろ?ローズだから好きなんだ…それを教えてくれたのは君だよ」
カイルはローズの手をそっと掴んだ。
「君が女性と一括りにせずに一人の人として見てって言ったんだ」
「私そんな事言いましたっけ?」
「言った」
カイルが笑うと
「でも私剣技や馬が得意で令嬢とはかけ離れていますけど…」
「そこも好きだ。好きな人と一緒に剣を打ち合えるなんて最高だったよ」
「あ…うー」
ローズが言葉に詰まると
「なんでも言って、全て答えて返してあげるから」
カイルがニコリと笑うと
「カイル様…ずるいです…全然女性苦手じゃないじゃないですか…」
ローズは追い詰められて涙を浮かべる。
「これもローズのおかげかな…」
カイルは苦笑しながらローズの涙を指で拭った。
「自分なりに何度もアプローチしたつもりだったけど…君には全然伝わらなくてね、それで思ったよもっとはっきりと言わないといけないんだってね」
「はっきり言い過ぎです…」
ローズがじっと見つめてくるカイルから目を逸らした。
「だってここまで言ってやっと通じた…それがこんなにも嬉しいとは…それで?ローズの気持ちは?君がどんな答えでも俺はそれを受け止めるよ」
「そ、それにロイ様にも…」
「ロイの事は今は忘れて…俺を見て」
カイルはそっとローズの顎に手を添えて、優しく自分の方に振り向かせた。
カイルはハンカチを地面にひくとローズを座らせた。
「すみません…」
ローズは言われた通りに座るとカイルはそれを見て馬を引いて行った。
離れていくカイルを見つめてローズは思いっきり息を吐いた。
「はぁー!な、なんか緊張する…どうしよう!まともに喋れない!あーバルトどうしよう!」
知るか!
なんだがバルトの幻聴が聞こえる。
「だって私あの時の事思い出しちゃった!カイル様とロイ様に言われた事…」
ローズはバルトがいるつもりで話し出す、そうしないと緊張で変な事を言ってしまいそうになる!
カイル様がいないうちに吐き出してしまいたかった。
「ジュリアさんに言われて思い出したはいいけど…私は結構酷い事していたような…あー!本当にやだ!どうしようとりあえずそれを謝って…あとは私の気持ちを伝えないと…」
ローズがうん!と頷くと
「思い出したって本当か?」
すぐ後ろにカイルが立って話しかけてきた。
「えっ!カイル様!早くないですか!」
「え?ああ…ローズを一人にすると心配だから早めに戻ってきた…ってそんな事より思い出したというのは本当?」
カイルはローズの隣に座った。
「は、はい…」
ローズは頬を染めて頷くと…そのまま下を向く。
「それなら今日その返事を貰えるの?」
カイルが聞くと
「わ、分かりません…なんでカイル様が私をす、好きなのか…だって私達友達だったし…カイル様は女性が苦手だと…」
「ああ、今でも女性は苦手だ。でもローズは好きだ」
「あっ!私は女ではないと!」
ローズが納得すると
「どう見てもローズは可愛い女性だろ?ローズだから好きなんだ…それを教えてくれたのは君だよ」
カイルはローズの手をそっと掴んだ。
「君が女性と一括りにせずに一人の人として見てって言ったんだ」
「私そんな事言いましたっけ?」
「言った」
カイルが笑うと
「でも私剣技や馬が得意で令嬢とはかけ離れていますけど…」
「そこも好きだ。好きな人と一緒に剣を打ち合えるなんて最高だったよ」
「あ…うー」
ローズが言葉に詰まると
「なんでも言って、全て答えて返してあげるから」
カイルがニコリと笑うと
「カイル様…ずるいです…全然女性苦手じゃないじゃないですか…」
ローズは追い詰められて涙を浮かべる。
「これもローズのおかげかな…」
カイルは苦笑しながらローズの涙を指で拭った。
「自分なりに何度もアプローチしたつもりだったけど…君には全然伝わらなくてね、それで思ったよもっとはっきりと言わないといけないんだってね」
「はっきり言い過ぎです…」
ローズがじっと見つめてくるカイルから目を逸らした。
「だってここまで言ってやっと通じた…それがこんなにも嬉しいとは…それで?ローズの気持ちは?君がどんな答えでも俺はそれを受け止めるよ」
「そ、それにロイ様にも…」
「ロイの事は今は忘れて…俺を見て」
カイルはそっとローズの顎に手を添えて、優しく自分の方に振り向かせた。
214
お気に入りに追加
8,897
あなたにおすすめの小説
お祭 ~エロが常識な世界の人気の祭~
そうな
BL
ある人気のお祭に行った「俺」がとことん「楽しみ」つくす。
備品/見世物扱いされる男性たちと、それを楽しむ客たちの話。
(乳首責め/異物挿入/失禁etc.)
※常識が通じないです
元公女の難儀な復讐
イセヤ レキ
恋愛
家族を殺された公女は、家族を殺した相手から求婚される。
殺意を胸に男と行動を共にする公女だが、徐々にその男に惹かれてしまい──?
ひとりの公女が家族の復讐と男への想いに板ばさみとなり、最終的に選択した復讐とその結末。
全32話、完結済。
※ヒロインがヒーローに対して罵倒するシーンが全編に渡ってあります。苦手な方はUターン下さい。
※シリアスとラブコメ半々です。
カラメリゼの恋慕
片喰 一歌
恋愛
これはとあるサーカスの道化役の男の恋物語――。
二年ぶりに会う恋人と真っ暗な部屋でイチャイチャするだけのお話。微糖(※当社比)。短め予定。
煮詰めて甘く、焦がして苦く。会えないあいだの恋心、貴方/お前さんにどう伝えようか。
主人公受けな催眠もの【短編集】
霧乃ふー
BL
抹茶くず湯名義で書いたBL小説の短編をまとめたものです。
タイトルの通り、主人公受けで催眠ものを集めた短編集になっています。
催眠×近親ものが多めです。
浮気疑惑でオナホ扱い♡
掌
恋愛
穏和系執着高身長男子な「ソレル」が、恋人である無愛想系爆乳低身長女子の「アネモネ」から浮気未遂の報告を聞いてしまい、天然サドのブチギレセックスでとことん体格差わからせスケベに持ち込む話。最後はラブラブです。
コミッションにて執筆させていただいた作品で、キャラクターのお名前は変更しておりますが世界観やキャラ設定の著作はご依頼主様に帰属いたします。ありがとうございました!
・web拍手
http://bit.ly/38kXFb0
・X垢
https://twitter.com/show1write
今ならもれなくもう一本ついてきます!!
丸井まー(旧:まー)
BL
ド淫乱淫魔のアーネは、男狩りが趣味である。ある日、魔王城の訓練場で美味しそうな男達を観察していると、警備隊隊長のリザードマン・ヴィッレに捕まった。訓練場から放り出されたアーネは、ヴィッレを喰おうと決意する。
リザードマン✕淫魔。
※♡喘ぎ、イラマチオ、嘔吐、鼻から精液、男性妊娠、産卵、お漏らし、潮吹き、ヘミペニス、前立腺責め、結腸責め、フィスト、ピアッシング注意。
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
【完結】本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
クソ雑魚新人ウエイターを調教しよう
十鳥ゆげ
BL
カフェ「ピアニッシモ」の新人アルバイト・大津少年は、どんくさく、これまで様々なミスをしてきた。
一度はアイスコーヒーを常連さんの頭からぶちまけたこともある。
今ようやく言えるようになったのは「いらっしゃいませー、お好きな席にどうぞー」のみ。
そんな中、常連の柳さん、他ならぬ、大津が頭からアイスコーヒーをぶちまけた常連客がやってくる。
以前大津と柳さんは映画談義で盛り上がったので、二人でオールで映画鑑賞をしようと誘われる。
マスターの許可も取り、「合意の誘拐」として柳さんの部屋について行く大津くんであったが……?
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。