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239.マデリンの日記

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「わかった。ではダミアンお前の罰は後で追って知らせる。今はこの者について行き今の言葉を文書にしたためよ」

「はい」

ダミアンは頷くと頭を下げ、クリスをチラッと見て笑うと頭を下げ、従者に連れられて部屋を出ていった。

「……では続いて、ハルジオンさんです」

クリスはダミアンさんを見送ると気持ちを切り替えてハルジオンを前にそっと誘導する…怯えるハルジオンに大丈夫と笑いかけると

「ではハルジオン、発言を許そう」

「は、はい!」

ハルジオンの声が裏返ると

「そう緊張するな、先程のダミアンの告白を聞いたな?同じように嘘はないと誓えるか?」

「は、はい!」

ハルジオンはふーはーふーはーと息を吸うと…

「わ、私はジュリア様のメイドとして雇われました…もう首になりましたが…そして母はずっとマデリン様に仕えていたそうです…ジュリア様が生まれる前から…」

そう言うと胸元の服の間から何かを出そうとすると、兵士が剣を構える!

「ひっ…」

ハルジオンが固まって手を上にあげると…ボトン…と何か日記の様な物が落ちてきた。

「下がれ」

レインは兵士に引くように声をかけると

「拾いなさい」

優しくハルジオンに声をかけた。

ハルジオンは少しほっとすると本を拾ってパタパタとホコリを取る…そしてチラッとクリスを見るとコクリと頷かれる。

「こ、これを…母がレスター様に渡すようにと…」

ハルジオンは本を国王に差し出すと、国王はレスターを見て頷いた。

レスターはハルジオンからその本を受け取ると…

「これは…マデリンの字だな…」

レスターは中をパラパラと見て顔を顰める、そして国王に持っていくと

「どうやらマデリンの日記ですね…その日の出来事が細かく書いてあります…これは私と出会う前ですね……」

日付けを見てレスターは目を見開いた…

「これは…私の妻が亡くなった日だ…日記には…計画通り…コレであの人の心は隙だらけ…付け込むなら今しかない…」

レスターは慌てて他のページをめくると…

「あの糞アマが…」

ギュッと本を握りしめ、レスターらしくない暴言を吐く。

「どうかしたのか?」

レインが聞くと…

「ここに…私の妻が亡くなった日にマデリンが薬を飲ませたと書いてあります…確かにおかしいと思った…あんなに元気だったアメリアが急に心臓病で死ぬなど…」

悔しいそうな顔を見せると

「あの女が殺したんだ…」

ギリッと歯を噛み締める…

「私はなんと愚かな事か…最愛の妻を殺した相手を妻として迎えていたんて…」

レスターはやりきれない思いでいっぱいとなると…本を持つ手をダランと落とした。

「レイン様…やはり私には…」

レスターは弱々しい顔でレインを見ると

「ならん!もし罰を受けたいと申すなら国の為に死ぬ気で働け!それが間抜けなお前への罰だ!」

レインの言葉にレスターは小さく頷いた…

「それよりも今はマデリンだな…」

「それが部屋には居なくて…今兵士達に王宮中を探させています。見つけ次第すぐに連れてくるように言ってありますが…」

そう言って扉を見ると、外が騒がしくなる…扉をノックする音に兵士が開くとそこには兵士に連れてこられたジュリアがいた…
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