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俺はしばらく家で甲斐甲斐しくマリアに世話をされていたがそろそろ動き出したくてうずうずとしていた。

そこでルークが冒険者に登録している事を聞いたので早速冒険者として仕事をしようと考えていた。

ルークの体では前のように戦えないのでしばらくは体力作りと簡単な仕事をこなすことにした。

今日はそのためにギルドの様子を見に行くことにしていた。

ルークの部屋を漁ってみると簡単な防具とナイフを見つける。

「こんなボロを使っているのか?」

草もまともに切れなそうなナイフに眉をひそめた。

誰もアドバイスとかしてやらないのか?

まぁこれからは冒険者としての知識を使ってルークをB級冒険者ぐらいまでにはしようと考えていた。

「えっと今のランクはって最低ランクかよ」

ギルドカードを見つけてため息をもらす。

マリアが言うには冒険者になって半年は経つのにまだ最悪ランクなんてどうなっているんだ?

普通にそれなりに仕事をすればすぐにFランクに上がれるのに……

そこら辺も調べた方がいいのかな。

あと最も大事な事、ルークの記憶を無くす程の事故のことだ。

ギルドでの事故ならそれなりの補償もありそうなのにマリアは何ももらってないと言った。

マリアは冒険者の事には詳しくないらしく何も思ってないらしいが……

俺は何となく嫌な予感にギルドに向かうことにした。

「ルーク、本当に行くの?」

マリアは心配そうに俺が行くのを家の前で見送っている。

「大丈夫、もう危ないことはしないよ」

安心させるように笑えばマリアは少しだけ笑い返した。

「美味しいご飯作って待ってるからね」

「ああ!行ってくる」

俺は片手をあげて返事を返すとギルドに向かった。

マリアはそんな俺を見えなくなるまで見つめていた。

「なんか、行く姿まであの人に似てきたな……」

心配そうに息子の背中を見送った。




「さてと……」

俺は早速ギルドにつくと扉を開けて堂々と入る。

すると俺の顔を見た途端にギルドないの人達がこちらをみて言葉を失った。

「なんで……」

「生きてたのか……」

聞こえないような声で呟くが俺の耳にはしっかりと届いた。

生きてた……ねぇ。やはりルークの怪我には何かあるようだ。

ちらっと受付を見ると受付の女性がサッと目を逸らした。

俺は一番手前の受付に向かった。

「すみません」

「は、はい」

声をかけると慌てて引きつった笑顔を向けた。

「俺ルークって言うんですけど、ここで最後に受けた依頼の細かな内容を教えてください」

ギルドカードを出して受付の女性をじっと見つめる。

「お、お待ちください」

女性は俺の視線に負けたのか目をそらすとカードを持って裏に言ってしまう。

少しギルド内がざわついているが気にせずに待っていた。

少しして偉そうな男が出てきた。
そして俺を見るなり嫌そうな顔をして近づいてくる。

「ルークよく生きてたな。それで依頼内容を見せて欲しいだと?」

「ああ、ところであんた誰?」

俺は偉そうな男に顎で指し示した。

「こ、こいつ……私はこのギルドのマスターだ。まさか事故で記憶でも無くしたのか?」

バカにするように鼻で笑っている。

「ああそうなんだ。今までの事をすっかり忘れてね……で生まれ変わったみたいでさ」

ギルマスの視線から決して目をそらさずに話を続ける。

「お前……本当にルークか?」

ギルマスは信じられなそうに俺を見つめ返した。

「生まれ変わったって言っただろ、それよりも依頼内容を見せろ、まさか隠してるわけじゃないよな」

そういうとギルマスは仕方なさそうに書類を投げつけてきた。

俺はそれをパラパラとめくり内容を確かめる。

「なるほどね……」

内容をみて納得するとギルマスを睨みつけた。

「まず聞きたい、なぜ最低ランクの俺がBランクの依頼を受けたんだ?」

「そこにもあるように他のランクのチームと合同での依頼だった。お前は荷物持ちでどうしても行きたいと入ったんだ」

「俺は単独でチームは組んでないよな。それなのにBランクの依頼を受けるのに了承したのか?」

「それは……本人にやる気があったから……それにBランクチームが面倒見ると……」

その依頼を受注したらしい受付嬢が後ろから説明する。

「受付嬢は冒険者達の力量を把握して受付しなければならない。ってギルドの受付ルールに書いてあるよな?」

受付嬢を睨むと青ざめて下を向く。

「これはどう見てもギルド側に過失があると思う。正式にギルドに抗議させてもらう」

「な、なんだと!」

「なんだよ。冒険者は命をかける代わりにこういう制度が補償されてるだろ?俺が何か間違った事言ってるか」

「いや……わかった。すまないが裏に来てくれゆっくりと話そう」

ギルマスは裏の応接室に俺を連れていった。

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