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9.関係
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「違う、そうではないんだ!さっきのはその…なんだか恥ずかしくて…」
チャートは頬を赤くしてじっと見つめてくるクラウディアの瞳から逃れた。
「恥ずかしい?」
「その…俺は今は汗で濡れて…じょ、女性に髪を触られた事など…なかったから…汚いかと」
「そんな事で?」
クラウディアの口調が少し崩れた。
「まぁ確かに…私も汗だくです…こんな姿で触るべきではなかったですね」
クラウディアが言うと
「いや!あなたは…美しい…」
チャートはクラウディアを掴む手に力を込めた。
「美…しい?」
クラウディアは自分の男の様な姿を見つめる。
「チャート様…やはり頭を?」
心配そうに顔を覗き込む。
「大丈夫だ、君からの攻撃は頭には受けてない…がここには受けたようだ…」
先程から痛む胸を抑えた。
「えっ!す、すみません…急所は狙わないようにしていたはずなのに…ちょっと見せて下さい」
クラウディアは真剣な顔でチャートの服を脱ぐように頼むと
「ち、違うんだ…大丈夫…大丈夫だ…」
チャートは落ち着こうと一度クラウディアから離れた…
チャートのおかしな様子にクラウディアは首を傾げてチャートからの反応を待った。
「私はいつもあの時間ここで鍛錬をしている…」
「はい?」
クラウディアが突然話すチャートに聞き返すと
「また、打ち合いをしてくれないか?」
クラウディアの瞳をじっと見つめると
「ええ、また」
クラウディアはにっこりと笑い返した。
それからクラウディアは時間がある時はチャートの鍛錬に付き合っていた…
お互い当たり障りな話しかしないが心惹かれあっていた…そんなある時…いつもの様に剣の打ち合いをしていると
「なぁクラウディア、今度…何処かに出かけてみないか?」
チャートが勇気を持ってクラウディアを誘ってみた。
クラウディアは一旦距離を取って離れると…
「何処か…とは?」
「その…まぁなんだ城下で…デ、デ、デデートでも…」
「……すみません、嬉しいですが私はそんな時間ありませんので…」
「な、ならこの打ち合いをする時間を散歩でも…」
「チャート様はこの鍛錬を休む…という事ですか?」
「いや、鍛錬はその後にちゃんとやる!」
「なら、ここで一緒に打ち合っているだけでもいいのでは?」
「そうだが…」
チャートがしゅんと肩を落とすと…
「隙あり!」
クラウディアがチャートの剣を弾いた!
「では、私から一本取れたら…その話…かんがえます」
「本当か!」
チャートが急いで剣を掴むと
「さぁやろう!」
早速と構えた。
クラウディアは苦笑すると
「さすがにハンデは下さいよ」
「 ハンデ…なら俺は片手だけ、というのはどうだ?」
クラウディアは少し考えるとコクっと頷いた。
「じゃあ一本か参ったと言った方が負け…勝った方が好きな事を頼めると…」
「ええ、それで」
クラウディアは了承すると、チャートは合図を出す!
二人は同時に踏み込むと練習とは思えない剣のぶつかる音がした!
「チャート様本気になりすぎでは!?」
クラウディアがからかうと
「当たり前だ!俺は本気だ…」
チャートが熱い視線をクラウディアに送る。
クラウディアは少し頬を染めると眉を下げて寂しそうに笑った。
チャートは頬を赤くしてじっと見つめてくるクラウディアの瞳から逃れた。
「恥ずかしい?」
「その…俺は今は汗で濡れて…じょ、女性に髪を触られた事など…なかったから…汚いかと」
「そんな事で?」
クラウディアの口調が少し崩れた。
「まぁ確かに…私も汗だくです…こんな姿で触るべきではなかったですね」
クラウディアが言うと
「いや!あなたは…美しい…」
チャートはクラウディアを掴む手に力を込めた。
「美…しい?」
クラウディアは自分の男の様な姿を見つめる。
「チャート様…やはり頭を?」
心配そうに顔を覗き込む。
「大丈夫だ、君からの攻撃は頭には受けてない…がここには受けたようだ…」
先程から痛む胸を抑えた。
「えっ!す、すみません…急所は狙わないようにしていたはずなのに…ちょっと見せて下さい」
クラウディアは真剣な顔でチャートの服を脱ぐように頼むと
「ち、違うんだ…大丈夫…大丈夫だ…」
チャートは落ち着こうと一度クラウディアから離れた…
チャートのおかしな様子にクラウディアは首を傾げてチャートからの反応を待った。
「私はいつもあの時間ここで鍛錬をしている…」
「はい?」
クラウディアが突然話すチャートに聞き返すと
「また、打ち合いをしてくれないか?」
クラウディアの瞳をじっと見つめると
「ええ、また」
クラウディアはにっこりと笑い返した。
それからクラウディアは時間がある時はチャートの鍛錬に付き合っていた…
お互い当たり障りな話しかしないが心惹かれあっていた…そんなある時…いつもの様に剣の打ち合いをしていると
「なぁクラウディア、今度…何処かに出かけてみないか?」
チャートが勇気を持ってクラウディアを誘ってみた。
クラウディアは一旦距離を取って離れると…
「何処か…とは?」
「その…まぁなんだ城下で…デ、デ、デデートでも…」
「……すみません、嬉しいですが私はそんな時間ありませんので…」
「な、ならこの打ち合いをする時間を散歩でも…」
「チャート様はこの鍛錬を休む…という事ですか?」
「いや、鍛錬はその後にちゃんとやる!」
「なら、ここで一緒に打ち合っているだけでもいいのでは?」
「そうだが…」
チャートがしゅんと肩を落とすと…
「隙あり!」
クラウディアがチャートの剣を弾いた!
「では、私から一本取れたら…その話…かんがえます」
「本当か!」
チャートが急いで剣を掴むと
「さぁやろう!」
早速と構えた。
クラウディアは苦笑すると
「さすがにハンデは下さいよ」
「 ハンデ…なら俺は片手だけ、というのはどうだ?」
クラウディアは少し考えるとコクっと頷いた。
「じゃあ一本か参ったと言った方が負け…勝った方が好きな事を頼めると…」
「ええ、それで」
クラウディアは了承すると、チャートは合図を出す!
二人は同時に踏み込むと練習とは思えない剣のぶつかる音がした!
「チャート様本気になりすぎでは!?」
クラウディアがからかうと
「当たり前だ!俺は本気だ…」
チャートが熱い視線をクラウディアに送る。
クラウディアは少し頬を染めると眉を下げて寂しそうに笑った。
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