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クリスマス…二夜
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第二回報告会
【どうだった?】
ミヅキが寝てから昨日の店にシルバ達が集まると…店の奥の席でコソコソと話し合う…
「確かに言っていた…なんでベイカーさんが知ってるのって驚いていたが…有名だからなと言って誤魔化したら納得してたよ…」
ベイカーがコジローを見ると
「ええ…僕が聞いた所によると、従魔を従えた人で沢山の物が入る魔法のバッグを所持しているそうです」
「なに!なら…冒険者なのかもしれないなぁ…」
【あと、赤い服を着ているそうだ!】
「なんだと…そんな目立つ服で来るのか?」
「自分に自信があるのかも知れませんね…」
【許さん…】
シルバが唸っていると
「お代わりはどうですか?」
店の主人がポットを手に笑顔で近づいてきた…
「寒いですからね…ホットワインなんですがよかったら」
どこかほっとする笑顔の主人にベイカーが笑うと
「ありがたい!一杯貰おう!」
空いたコップを差し出した。
【俺も欲しい!】
シルバがバッサバッサと尻尾を振ると…
「君もかな?どうぞ」
主人がシルバの為に皿を用意してついでくれる…
(あれ?今俺訳して無いよな?)
コジローが不思議そうに主人を見ると…
「そちらの方もどうですか?」
ニッコリと微笑むと…
「お、お願いします…」
温かみのある笑顔に思わず微笑み返してしまった…
「昨日も来てくれましたよね、何かの話し合いですか?」
店の主人が三人に話しかけると…
「いや、まぁちょっと問題がありましてね…」
ベイカーが言葉を濁すと…
「そうなんですか…クリスマス前に大変ですね…早く解決するといいですね」
主人が眉毛を下げて笑うと…
【クリスマス…今クリスマスと言ったな!】
シルバがガタンと立ち上がった!
【ミヅキも確かにそう言っていた!お前!クリスマスを知っているのか?もしかしてサンタの事もわかるのか?】
シルバが主人に詰め寄ると…ポカーンと主人がシルバを見つめる…
「お、おい!シルバどうしたんだよ」
ベイカーがシルバを一旦離すと
「すみませんね…興奮したみたいで…シルバ!ほら飲みすぎたのか?もう行くぞ」
ベイカーがシルバを引きずると納得しない様子でコジローとベイカーの後を付いて店を出ようとすると…くるっと振り返る。
店の主人は、振り返る事を知っていたかの様に笑って
「もちろん…知ってますよ…クリスマスもサンタクロースも…ね」
主人はシルバにだけ聞こえるようにそっと答えた。
シルバが驚き目を見開いていると、そこにはウインクして微笑む主人の顔があった…。
コジローと別れてベイカーと家に戻る途中…
「しかし…あの店の酒美味いよなぁ…あれなら飯も美味そうだな!今度は料理も頼んで見ようぜ」
ベイカーがシルバに話しかけると
【やっぱり気になる…先に帰ってろ】
シルバはくるっと向きを変えるとあの店の方に歩き出した…
「どうしたんだよ?先帰るぞー」
ベイカーはシルバの様子に首を傾げると家へと一人戻って行った。
シルバが店につくと、先程まであかりの灯っていた店が真っ暗で静まり返っていた。
シルバが扉を開けると…鍵はかかっていない…
まるで自分を待っているかのようだった。
シルバは音を立てないように店に入ると
「待ってたよ」
先程の主人がカウンター越しに微笑んで立っていた…。
【どうだった?】
ミヅキが寝てから昨日の店にシルバ達が集まると…店の奥の席でコソコソと話し合う…
「確かに言っていた…なんでベイカーさんが知ってるのって驚いていたが…有名だからなと言って誤魔化したら納得してたよ…」
ベイカーがコジローを見ると
「ええ…僕が聞いた所によると、従魔を従えた人で沢山の物が入る魔法のバッグを所持しているそうです」
「なに!なら…冒険者なのかもしれないなぁ…」
【あと、赤い服を着ているそうだ!】
「なんだと…そんな目立つ服で来るのか?」
「自分に自信があるのかも知れませんね…」
【許さん…】
シルバが唸っていると
「お代わりはどうですか?」
店の主人がポットを手に笑顔で近づいてきた…
「寒いですからね…ホットワインなんですがよかったら」
どこかほっとする笑顔の主人にベイカーが笑うと
「ありがたい!一杯貰おう!」
空いたコップを差し出した。
【俺も欲しい!】
シルバがバッサバッサと尻尾を振ると…
「君もかな?どうぞ」
主人がシルバの為に皿を用意してついでくれる…
(あれ?今俺訳して無いよな?)
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「そちらの方もどうですか?」
ニッコリと微笑むと…
「お、お願いします…」
温かみのある笑顔に思わず微笑み返してしまった…
「昨日も来てくれましたよね、何かの話し合いですか?」
店の主人が三人に話しかけると…
「いや、まぁちょっと問題がありましてね…」
ベイカーが言葉を濁すと…
「そうなんですか…クリスマス前に大変ですね…早く解決するといいですね」
主人が眉毛を下げて笑うと…
【クリスマス…今クリスマスと言ったな!】
シルバがガタンと立ち上がった!
【ミヅキも確かにそう言っていた!お前!クリスマスを知っているのか?もしかしてサンタの事もわかるのか?】
シルバが主人に詰め寄ると…ポカーンと主人がシルバを見つめる…
「お、おい!シルバどうしたんだよ」
ベイカーがシルバを一旦離すと
「すみませんね…興奮したみたいで…シルバ!ほら飲みすぎたのか?もう行くぞ」
ベイカーがシルバを引きずると納得しない様子でコジローとベイカーの後を付いて店を出ようとすると…くるっと振り返る。
店の主人は、振り返る事を知っていたかの様に笑って
「もちろん…知ってますよ…クリスマスもサンタクロースも…ね」
主人はシルバにだけ聞こえるようにそっと答えた。
シルバが驚き目を見開いていると、そこにはウインクして微笑む主人の顔があった…。
コジローと別れてベイカーと家に戻る途中…
「しかし…あの店の酒美味いよなぁ…あれなら飯も美味そうだな!今度は料理も頼んで見ようぜ」
ベイカーがシルバに話しかけると
【やっぱり気になる…先に帰ってろ】
シルバはくるっと向きを変えるとあの店の方に歩き出した…
「どうしたんだよ?先帰るぞー」
ベイカーはシルバの様子に首を傾げると家へと一人戻って行った。
シルバが店につくと、先程まであかりの灯っていた店が真っ暗で静まり返っていた。
シルバが扉を開けると…鍵はかかっていない…
まるで自分を待っているかのようだった。
シルバは音を立てないように店に入ると
「待ってたよ」
先程の主人がカウンター越しに微笑んで立っていた…。
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