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クリスマス…一夜

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本編のミヅキの過去とは関係ありません。

矛盾もありますが、番外編なのであまり気にしないで読んでいただけると助かります( ˊᵕˋ ;)









【シルバ…知ってる?…クリスマスになると…良い子にはサンタさんが来てくれてプレゼントをくれるんだよ…】

ミヅキが何気なくシルバに寄りかかりながら眠そうに語りかける…

【さんた?プレゼント?】

【そう…今度の24日…の夜にこっそり枕元にその子の欲しかったものを置いてくれるの…】

【勝手に入ってくるのか?】

【違う…煙突から入ってくるの…】

ミヅキがウトウトと目を瞑り出すと

【どういう事だ?そいつは必ず来るのか?】

【いい…子にしてれば…】

ミヅキはシルバの毛並みの気持ちよさに抗えずにそのまま眠りについてしまった…

【おい!ミヅキ?そいつはなんでプレゼントなんて置いていくんだ?普通は何かと交換するもんだろ?】

シルバがミヅキの顔を尻尾でパタパタと叩くが気持ちよさそうに尻尾を抱きかかえられてしまった…

【無理じゃない?もうミヅキ夢の中だよ…】

シンクも眠そうにミヅキに寄り添うと…

【ちょっと行ってくる…】

シルバはシンク達にミヅキを任せると、ベイカーの元に向かった…

【おい、話がある!】

シルバが唸ると

「どうした?ミヅキと寝ないのか?」

ベイカーがシルバに話しかけると

【クソ…通じんか…ちょっと来い】

シルバはベイカーの襟足を噛むと引きずりながらどこかに向かって行った…

「な、なんだ?シルバどうしたんだよ!離せ!」

ベイカーが暴れるがシルバは構わずベイカーを引きずっていると1軒の空いてる店の前にベイカーを放り投げると…

「ワァオオオオーン!」

遠吠えをした…少しすると…

【シルバさん!お呼びですか!】

コジローが姿を現した…

「シルバ…酷いやつだな…」

コジローを顎で使うシルバにベイカーは後でミヅキに言ってやろうと考えていた…。

そのまま三人で店に入ると…

【ベイカーに俺の言葉を通訳してくれ、お前も意見があれば言え】

コジローは頷くと

「シルバさんから話があるそうです。そのままベイカーさんに伝えますね」

「悪いなコジロー」

【今日ミヅキが言っていたんだが…今度の24日の夜中にサンタと言う者が家に忍び込むそうだ…】

「えっ…」

コジローが驚き言葉を失っていると、さっさと伝えろとシルバが小突く、コジローが慌ててベイカーに伝えると

「なんだそれは…予告強盗か?」

ベイカーの顔が怒りで歪むと

【いや…枕物に忍び込み…プレゼントを置くらしい】

「はっ?盗むんじゃなくて…置いていくのか?」

【ミヅキが言うにはいい子だった子供の元に必ず来ると…】

「ならミヅキは危なくないな…あいつはいい子だったが…悪い子でもあった!心配ないんじゃないか?」

【馬鹿か!ミヅキはいい子に決まってるだろ!絶対に来る!だが、知らない奴をミヅキに近づける訳には行かん!】

「ま、まぁ…そうだな…」

鼻息荒いシルバにベイカーが若干引くと…

「じゃあどうするんですか?」

コジローが思わず口を挟むと

【そのサンタって奴を捕まえてミヅキに渡すプレゼントを奪い取って中身を確認し、問題無ければ俺が置く!】

「そうか…それなら安心だな…だが本当に来るのか?」

ベイカーが話を疑い出すと…

【ミヅキはもう何回ももらった事があるそうだぞ…】

「なに!俺に黙って知らない奴と…」

ベイカーがショックを受けていると

【一度面を確認してお灸を据えてやらんとな!】

「わかった…じゃあそれとなくミヅキにどんな奴なのか聞いてみよう」

【俺も聞いてみる、コジローも機会があれば聞けよ!】

「わかりました!」

【24日まであと何日も無い…また明日の夜にここに集合だ!わかったな】

「おお!」

「はい!」

三人は話がすむと頼んでいた飲み物を飲み干し店を出ていった…

それを片ずける男が…

「全く…困ったもんだなぁ…」

ベイカー達の後ろ姿を店越しから見つめていた…。
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