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プール③完

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プールで遊び疲れた子供たちが木陰に横になりお昼寝をしていると…

「さぁ、ここからは大人の時間だよ!」

ミヅキがボールを持ってきた。

「水中バレーボールするよ!」

『水中バレーボール…?』

「チームに別れてこのボールを相手陣地に入れたら一点ね!細かいルールはなし!とりあえず持ったりしたら駄目だよ!こう…ポーンて弾く感じね!」

「おー、面白そうだな!」

「適当に別れて~」

ミヅキは中央にネットを張る。

「ここを越えて相手陣地にボールを落とすんだよ!先に10点取った方の勝ちね!負けた方がここの片付けです!」

「よーし!魔法は?」

「もちろんおっけー!だから私も参加しまーす!」

「手加減しないからな!」

「のぞむところだ!魔法がある私を舐めないでよね!」

「ではミヅキチームとベイカーチームですね…じゃ俺はミヅキちゃんの方に…」

パックさんがミヅキの方に来ると…

「あっ…俺も…」

「俺も…」

「僕も…」

「俺は…」

「デボットはこっちだよな!」

ベイカーさんがデボットの肩を掴む。

「いや!俺は棄権ですよ!あんたらバケモンとなんて出来るか!」

そそくさと水から上がる。

「ちょっと…みんなこっちに来たら勝負にならないじゃん!ちゃんとじゃんけんで決めよう!勝ったらこっち、負けたらあっちね」

じゃんけんをしてチームを決めると…

「デボットさん!点数数えててね!」

「おー!分かった!」

「よーし!じゃ行くよー!」

ミヅキチームのパックさんがポーンとボールを打つと

「チャンス!」

ベイカーさんが飛び上がってボールを打ち込む!

「カイト隊長!」

ミヅキが声をかけると

「了解!」

ベイカーさんのアタックをカイト隊長が拾う!

「ミヅキ!」

「はい!」

ミヅキは魔法でボールを浮き上がらせると、

「特大ストーム!」

ボールを回転させながらベイカーさん目掛けてアタックする!

「うおっ!」

バッシャーン!

凄まじい水しぶきが上がる!

「やったー!一点!」

ミヅキがみんなにハイタッチをすると!

「おい!その魔法は卑怯じゃないか!」

「えー?ちゃんと打つのは手でやったじゃん」

「ほぼ力使ってないだろ!」

知らなーい

ミヅキがぷいっと横を向くと

「くっそー!」

ベイカーさんがボールを仲間に渡す。

「行け!」

ボールを打ち込むが拾われてしまった。

しかし…ボールがポーンとベイカーさんの上に落ちる…

「うおりゃー!」

ベイカーさんが渾身の力を込めてボールを叩きつけた!

ビューン!
バッシャーン!!
ドッゴーン!

ベイカーさんの放ったボールは水にぶつかるとそのままプールに当たる…。

「きゃー!プールが壊れたわよ~!」

水が亀裂から流れ出しガラガラとプールが壊れていく。

「やばい!みんなあがれ!」

【ミヅキ!】

シルバが素早くミヅキを咥えて助け出す!

【シルバ!ありがとう!】

「ベイカーさん!やりすぎだ!」

「何やってるのよ!」

「いやぁ~悪ぃ悪ぃ!」

「あーあ…水浸しになっちゃた…」

酷い有様にみんながぼーぜんとしていると…

「一体なんの音ですか?」

「ヒィ!」

ベイカーさんが逃げようとすると…

パチン!

指を鳴らすとベイカーさんの足元が一瞬で凍る。

「ベイカーさん…何処に行くつもりですか?」

「あ…いや…片付けようかと…」

「そうですか…一体なんでこのような事になったのか教えていただけますか?」

ゆっくりと近づいてベイカーの肩を掴む。

「いた!いたた!痛い!わかったわかったから手を離してくれ!」

「ミヅキさん?」

「はい!」

ミヅキがひゅん!とセバスさんの前に行くと

「うっ!」

「うっ?」

「大変可愛らしい姿ですね…いえ…しかし…可愛らしい…」

「へへへ、そうですか?」

ミヅキが嬉しそうに照れる。

「さっきはプールと言うものをすると言ってましたが…こんな危険な物だったのですか?説明ではただの水遊びだと言ってましたが?」

「えーと…ボールを使って遊んでたら…ちょっとエキサイトしてしまって…このような惨状になってしまいました…ごめんなさい!」

ミヅキが先手必勝とばかりに先に謝る。

「全く…少しは大人しくしていて下さい…心配するじゃないですか…」

はい…すみません…

「ベイカーさん!あなたは子供たちの面倒を見る立場でしょう!それをあなたが危険な目に合わせてどうするのですか!」

「面目ない…」

「ベイカーさん…今日はご飯抜きです…」

「はい………えっ?…えー!飯抜き!それだけは!」

「あなたにはそれくらいが丁度いい罰になるでしょう!」

「すみません!セバスさん!もうしませんから!」

ベイカーさんがセバスさんにすがりつきそうなっているのをみんなが見ている…。

「いいか…あんな大人になったら駄目だぞ…」

リュカ達に悪い大人の見本を見せている…

「わかった…」

「はい…」

子供たちはああは、なるまいと呆れて見つめていた…。
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