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13章
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みんなが夢中で料理を食べているのを確認して私は外にひとつ料理のお皿を持って出た。
【ミヅキ、何処に行くんだ?】
【あ、シルバ。外で待ってるビャクさんにもあげようかな……って、すごい待たせちゃったし】
そう言うとシルバは渋い顔をする。
元から渋い顔がさらに渋くなっていた。
【あいつはあの男側の男だろ?そんな奴にやらなくていい。それなら俺が食う!】
シルバはそう言うと私の持つお皿を見つめて舌なめずりをした。
【シルバ、そんな事言って食べたいだけなんじゃないのー?】
私がジローっとシルバを見ると少し慌てる。
【そんなことはない!俺はミヅキが心配で……】
【ごめん、わかってるよ。シルバはいつも私の事を心配してくれてるもんね】
【当たり前だ!】
そう言って私のそばに来て頬を擦り寄せた。
(当たり前だ!)
そういえばベイカーさんも言ってたな、当たり前だ……って
ベイカーさん達の顔が頭に浮かぶと鼻の頭がツーンとしてきた。
【ミヅキ?】
【なんでもない!やっぱり私ビャクさんにあげてくる。だってこんな寒い中待たせてたしね】
私は安心させるように笑うと外に小走りで飛び出した。
ビャクさんは建物が見える路地に目立たないようにじっと座り込んでいた。
私が出て来たこともすぐに気がついて立ち上がると体制を整える。
何処かに行くと思ったのか動こうとすると自分の方に歩いて来るので少し驚いているのか目が開いた。
「すみませんお待たせして。ご飯を作ってみんなで食べてて、ビャクさんも良かったらどうぞ」
ビャクさんはじっと差し出したお皿に盛られた料理を見つめている。
なかなか受け取らないビャクさんに私は手が震えてきた。
「すみません、持って貰えます。ずっとこの体勢だと疲れて……」
辛そうな顔をするとビャクさんはようやく受け取ってくれた。
「熱いからか気をつけて下さいね」
ビャクさんはじっと料理を見つめたあとそっと手を動かして料理を口にしようとした。
マントのような羽織で隠れていた口元が見えて舌を出した。
「え…」
私は声が出そうになり慌てて口を押さえた。
幸いビャクさんには聞こえなかったようで料理を食べている。
そんなビャクさんを見上げるように見つめる。
ビャクさんは舌の先が二手に別れていて、それはまるで蛇のような舌だった。
そして羽織で分からなかったが首元に鱗のような物がついている。
私がそれをじっと見ているとその視線に気がついたのか慌てて隠した。
「見たのか?」
ビャクさんの声を初めて聞いた!
そして喋る時あの舌がチョロっと出てしまうようだ。
「見た!バッチリ!」
私はコクコクと頷いた。
するとビャクさんは食べていた料理を私に突き返してきた。
「あれ?美味しくなかった?」
まだ残っている料理を見つめて眉を下げた。
美味しそうに食べていた気がしたのは気のせいだったのか?
「美味かった、でも見られたからもういい……」
ビャクさんは口元を隠して顔を背けた。
「見られたって……なにが??」
私は何を気にしているのか分からずに料理を受け取らなかった。
「料理が美味しかったんなら食べちゃって、そんな食べかけ誰も食べないよ……」
と言いながら食べそうな人達の顔が浮かんできた。
私は慌ててそれを手で払って払拭する。
「お前……俺の容姿が気持ち悪くないのか?」
「あ、それか」
ビャクさんが何を気にしていたのかわかった。
「大丈夫だよ、ビャクさんも人じゃないのかな?私の周りそんな人ばっかりだし」
気にしないと笑うと食べている姿を見てるのも失礼かと私は戻っていると伝えてその場を去った。
少し離れた場所でシルバ達が心配そうに待っていた。
【ミヅキ、大丈夫だったか?】
【大丈夫だって言ったでしょ。それにビャクさんは悪い人には見えないんだよね……あんな男のそばにいるなんてなんか理由があるのかも】
シルバと話しているとビャクさんは空になったお皿を持ってきた。
「美味かった」
ボソッとつぶやき皿を差し出した。
「良かったです。オカワリもありますよ」
ビャクさんはそれはいらないと首を振るとじっと私達を見つめる。
「それを……食べさせたい人がいる……」
小さい声だったが私にはちゃんと聞こえた。
【ミヅキ、何処に行くんだ?】
【あ、シルバ。外で待ってるビャクさんにもあげようかな……って、すごい待たせちゃったし】
そう言うとシルバは渋い顔をする。
元から渋い顔がさらに渋くなっていた。
【あいつはあの男側の男だろ?そんな奴にやらなくていい。それなら俺が食う!】
シルバはそう言うと私の持つお皿を見つめて舌なめずりをした。
【シルバ、そんな事言って食べたいだけなんじゃないのー?】
私がジローっとシルバを見ると少し慌てる。
【そんなことはない!俺はミヅキが心配で……】
【ごめん、わかってるよ。シルバはいつも私の事を心配してくれてるもんね】
【当たり前だ!】
そう言って私のそばに来て頬を擦り寄せた。
(当たり前だ!)
そういえばベイカーさんも言ってたな、当たり前だ……って
ベイカーさん達の顔が頭に浮かぶと鼻の頭がツーンとしてきた。
【ミヅキ?】
【なんでもない!やっぱり私ビャクさんにあげてくる。だってこんな寒い中待たせてたしね】
私は安心させるように笑うと外に小走りで飛び出した。
ビャクさんは建物が見える路地に目立たないようにじっと座り込んでいた。
私が出て来たこともすぐに気がついて立ち上がると体制を整える。
何処かに行くと思ったのか動こうとすると自分の方に歩いて来るので少し驚いているのか目が開いた。
「すみませんお待たせして。ご飯を作ってみんなで食べてて、ビャクさんも良かったらどうぞ」
ビャクさんはじっと差し出したお皿に盛られた料理を見つめている。
なかなか受け取らないビャクさんに私は手が震えてきた。
「すみません、持って貰えます。ずっとこの体勢だと疲れて……」
辛そうな顔をするとビャクさんはようやく受け取ってくれた。
「熱いからか気をつけて下さいね」
ビャクさんはじっと料理を見つめたあとそっと手を動かして料理を口にしようとした。
マントのような羽織で隠れていた口元が見えて舌を出した。
「え…」
私は声が出そうになり慌てて口を押さえた。
幸いビャクさんには聞こえなかったようで料理を食べている。
そんなビャクさんを見上げるように見つめる。
ビャクさんは舌の先が二手に別れていて、それはまるで蛇のような舌だった。
そして羽織で分からなかったが首元に鱗のような物がついている。
私がそれをじっと見ているとその視線に気がついたのか慌てて隠した。
「見たのか?」
ビャクさんの声を初めて聞いた!
そして喋る時あの舌がチョロっと出てしまうようだ。
「見た!バッチリ!」
私はコクコクと頷いた。
するとビャクさんは食べていた料理を私に突き返してきた。
「あれ?美味しくなかった?」
まだ残っている料理を見つめて眉を下げた。
美味しそうに食べていた気がしたのは気のせいだったのか?
「美味かった、でも見られたからもういい……」
ビャクさんは口元を隠して顔を背けた。
「見られたって……なにが??」
私は何を気にしているのか分からずに料理を受け取らなかった。
「料理が美味しかったんなら食べちゃって、そんな食べかけ誰も食べないよ……」
と言いながら食べそうな人達の顔が浮かんできた。
私は慌ててそれを手で払って払拭する。
「お前……俺の容姿が気持ち悪くないのか?」
「あ、それか」
ビャクさんが何を気にしていたのかわかった。
「大丈夫だよ、ビャクさんも人じゃないのかな?私の周りそんな人ばっかりだし」
気にしないと笑うと食べている姿を見てるのも失礼かと私は戻っていると伝えてその場を去った。
少し離れた場所でシルバ達が心配そうに待っていた。
【ミヅキ、大丈夫だったか?】
【大丈夫だって言ったでしょ。それにビャクさんは悪い人には見えないんだよね……あんな男のそばにいるなんてなんか理由があるのかも】
シルバと話しているとビャクさんは空になったお皿を持ってきた。
「美味かった」
ボソッとつぶやき皿を差し出した。
「良かったです。オカワリもありますよ」
ビャクさんはそれはいらないと首を振るとじっと私達を見つめる。
「それを……食べさせたい人がいる……」
小さい声だったが私にはちゃんと聞こえた。
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