669 / 687
13章
764
しおりを挟む
肉を大量に入れて野菜も全てゴロゴロに大きめに切って敷き詰めると、鍋に水を流した。
【シンクお願いね】
【やっと出番だね】
シンクに火をかけて貰うと鍋に蓋をして隙間を土魔法で埋めた。
【外側も補強するから上からも横からも火力強めでいいからね】
【へー上からも火にかけるって面白いね】
【本当は炭を置いたりしてもいいんだけどシンクがいるからね】
私は頼りにしてるとシンクの頭をヨシヨシと撫でた。
そうするとシンクは気分が上がったのか火力も上がる。
慌てて撫でる手を止めて火の様子を見た。
【焦げないようにだけ火力を調節してね】
【はーい、でもミヅキこの鍋湯気が出ないけど大丈夫なの?】
シンクはいつもならグツグツと沸騰して湯気が立ち上る様子が見えない事を気にしていた。
【これは圧力をかけてるの、そうすれば固いお肉も短時間で柔らかくなるよ】
【へー、まぁミヅキが作るならきっとなんでも美味しいだろうけどね】
【ふふ、ありがとう。期待に添えるように頑張るよ。鍋の中の水分が沸騰しすぎない様にも気をつけて。しばらくしたら余熱で大丈夫だから】
シンクはわかったと頷くとじっと鍋を見つめる。
その様子にここはシンクに任せようと決めた。
火のことは本職に!
ここをシンクに任せると私はロフティさん達の様子を見に行った、すると半分程解体が進んでいるように見えた。
「お疲れ様です!どうですか?」
二人は私に気が付き手を休めた。
「すまない、大きすぎてようやく半分だ。もう体力が無くて…残りは今度でもいいかな?」
手をプラプラと振って痛そうにしている。
「はい、十分です。解体したお肉と残りも預かりますね。お二人はお水でも飲んで休んでてください」
私は少し回復する水を二人に入れてあげた。
「あー、水が美味しい」
「疲れた体に染みるなぁ…ん?なんか気持ち体も軽くなった気がする」
「そうか?」
ロフティさんはわからないと首を傾げながら残りのお水も飲み干した。
「じゃあこれはしまっちゃいますね」
解体済みと残りのお肉をとりあえず収納にしまっておく。
二人の前で一瞬で消すと驚きはしたが何も言われなかった。
「じゃあ私は料理に戻りますからゆっくりしててくださいね」
私の言葉に二人は顔を見合わせる。
「本当に手伝わなくていいのかい?いや、それよりも私達がやった方がいいんじゃ…」
「私がやりたいからいいんですよ」
大丈夫と笑って答えた。
「似てないな…」
「え?」
おじいさんがボソッと呟いた。
「お、親父何を言うんだ」
ロフティさんが慌てておじいさんの口を止めようとするがおじいさんはそのまま話し出した。
「お前に言われて来てみたが、この子はアナテマ様じゃない、似てないぞ」
「私、アナテマに似てないかな?」
「ああ、似てない」
おじいさんにしっかりと頷かれると肩の力が抜けた。
「よかったー、あんなに性格悪い子と一緒なんてやだもんね!」
「顔は似てるがな」
うっ…
それは仕方ないのかな…一応外身は双子の兄妹だしね。
「それにしてもアナテマってみんなにも迷惑かけてるんだね、本当に困った子だな」
はぁーと呆れていると二人が黙ってしまった。
「えっと…あなたは王族の方なんですよね?」
ロフティさんが改めて確認してきた。
「それは…話すと複雑なんですが、私はそのつもりはないです!ですから気にしないで接してください。別にあとから文句なんて言いませんよ」
そうは言ってみてもロフティさんは半信半疑なのか複雑そうな顔をした。
「そうか、じゃお嬢ちゃん名前は?なんて呼べばいい?」
おじいさんは私の言うことを信じてくれたのか急に砕けて話しかけてきた。
「私はミヅキです!ミヅキって呼んでください。あっ、様とかいりませんからね」
前もって注意しておく。
「わかった、ミヅキだな。何か手が必要なら声をかけてくれ」
「うん!おじいさん…ありがとう」
私はなんだか嬉しくておじいさんにお礼をいった。
ここに来て私を普通に扱ってくれる人は久しぶりだった。
おじいさんは微かに笑って頷いた。
【シンクお願いね】
【やっと出番だね】
シンクに火をかけて貰うと鍋に蓋をして隙間を土魔法で埋めた。
【外側も補強するから上からも横からも火力強めでいいからね】
【へー上からも火にかけるって面白いね】
【本当は炭を置いたりしてもいいんだけどシンクがいるからね】
私は頼りにしてるとシンクの頭をヨシヨシと撫でた。
そうするとシンクは気分が上がったのか火力も上がる。
慌てて撫でる手を止めて火の様子を見た。
【焦げないようにだけ火力を調節してね】
【はーい、でもミヅキこの鍋湯気が出ないけど大丈夫なの?】
シンクはいつもならグツグツと沸騰して湯気が立ち上る様子が見えない事を気にしていた。
【これは圧力をかけてるの、そうすれば固いお肉も短時間で柔らかくなるよ】
【へー、まぁミヅキが作るならきっとなんでも美味しいだろうけどね】
【ふふ、ありがとう。期待に添えるように頑張るよ。鍋の中の水分が沸騰しすぎない様にも気をつけて。しばらくしたら余熱で大丈夫だから】
シンクはわかったと頷くとじっと鍋を見つめる。
その様子にここはシンクに任せようと決めた。
火のことは本職に!
ここをシンクに任せると私はロフティさん達の様子を見に行った、すると半分程解体が進んでいるように見えた。
「お疲れ様です!どうですか?」
二人は私に気が付き手を休めた。
「すまない、大きすぎてようやく半分だ。もう体力が無くて…残りは今度でもいいかな?」
手をプラプラと振って痛そうにしている。
「はい、十分です。解体したお肉と残りも預かりますね。お二人はお水でも飲んで休んでてください」
私は少し回復する水を二人に入れてあげた。
「あー、水が美味しい」
「疲れた体に染みるなぁ…ん?なんか気持ち体も軽くなった気がする」
「そうか?」
ロフティさんはわからないと首を傾げながら残りのお水も飲み干した。
「じゃあこれはしまっちゃいますね」
解体済みと残りのお肉をとりあえず収納にしまっておく。
二人の前で一瞬で消すと驚きはしたが何も言われなかった。
「じゃあ私は料理に戻りますからゆっくりしててくださいね」
私の言葉に二人は顔を見合わせる。
「本当に手伝わなくていいのかい?いや、それよりも私達がやった方がいいんじゃ…」
「私がやりたいからいいんですよ」
大丈夫と笑って答えた。
「似てないな…」
「え?」
おじいさんがボソッと呟いた。
「お、親父何を言うんだ」
ロフティさんが慌てておじいさんの口を止めようとするがおじいさんはそのまま話し出した。
「お前に言われて来てみたが、この子はアナテマ様じゃない、似てないぞ」
「私、アナテマに似てないかな?」
「ああ、似てない」
おじいさんにしっかりと頷かれると肩の力が抜けた。
「よかったー、あんなに性格悪い子と一緒なんてやだもんね!」
「顔は似てるがな」
うっ…
それは仕方ないのかな…一応外身は双子の兄妹だしね。
「それにしてもアナテマってみんなにも迷惑かけてるんだね、本当に困った子だな」
はぁーと呆れていると二人が黙ってしまった。
「えっと…あなたは王族の方なんですよね?」
ロフティさんが改めて確認してきた。
「それは…話すと複雑なんですが、私はそのつもりはないです!ですから気にしないで接してください。別にあとから文句なんて言いませんよ」
そうは言ってみてもロフティさんは半信半疑なのか複雑そうな顔をした。
「そうか、じゃお嬢ちゃん名前は?なんて呼べばいい?」
おじいさんは私の言うことを信じてくれたのか急に砕けて話しかけてきた。
「私はミヅキです!ミヅキって呼んでください。あっ、様とかいりませんからね」
前もって注意しておく。
「わかった、ミヅキだな。何か手が必要なら声をかけてくれ」
「うん!おじいさん…ありがとう」
私はなんだか嬉しくておじいさんにお礼をいった。
ここに来て私を普通に扱ってくれる人は久しぶりだった。
おじいさんは微かに笑って頷いた。
180
お気に入りに追加
23,178
あなたにおすすめの小説
収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい
三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです
無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す!
無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
★恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
日間総合ランキング2位に入りました!
転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました
ひより のどか
ファンタジー
ただいま女神様に『行ってらっしゃ~い』と、突き落とされ空を落下中の幼女(2歳)です。お腹には可愛いピンクと水色の双子の赤ちゃんドラゴン抱えてます。どうしようと思っていたら妖精さんたちに助けてあげるから契約しようと誘われました。転生初日に一気に妖精さんと赤ちゃんドラゴンと家族になりました。これからまだまだ仲間を増やしてスローライフするぞー!もふもふとも仲良くなるぞー!
初めて小説書いてます。完全な見切り発進です。基本ほのぼのを目指してます。生暖かい目で見て貰えらると嬉しいです。
※主人公、赤ちゃん言葉強めです。通訳役が少ない初めの数話ですが、少しルビを振りました。
※なろう様と、ツギクル様でも投稿始めました。よろしくお願い致します。
※カクヨム様と、ノベルアップ様とでも、投稿始めました。よろしくお願いしますm(_ _)m
追放ですか?それは残念です。最後までワインを作りたかったのですが。 ~新たな地でやり直します~
アールグレイ
ファンタジー
ワイン作りの統括責任者として、城内で勤めていたイラリアだったが、突然のクビ宣告を受けた。この恵まれた大地があれば、誰にでも出来る簡単な仕事だと酷評を受けてしまう。城を追われることになった彼女は、寂寞の思いを胸に新たな旅立ちを決意した。そんな彼女の後任は、まさかのクーラ。美貌だけでこの地位まで上り詰めた、ワイン作りの素人だ。
誰にでも出来る簡単な作業だと高を括っていたが、実のところ、イラリアは自らの研究成果を駆使して、とんでもない作業を行っていたのだ。
彼女が居なくなったことで、国は多大なる損害を被ることになりそうだ。
これは、お酒の神様に愛された女性と、彼女を取り巻く人物の群像劇。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。