156 / 687
番外編【ネタバレ注意】
アランの春7 おわり
しおりを挟む
私達はアランさんに注目すると…
「断る!」
アランさんがそれを拒否した。
「そ、そりゃそうか…こんな騙した夫婦の頼みなんかな…」
旦那さんが肩を落とすと…
「馬鹿野郎!」
アランさんがバッシーン!と旦那さんの頬を叩いた!
「てめぇ隣の女房の顔を見てみろ!そいつが俺と一緒になって幸せになれると思ってんのか!?お前といることを覚悟したその顔をちゃんと見ろ!」
旦那さんはライアさんを見ると…
何かを我慢するようにライアさんは歯をかみ締めていた。
「そいつの事はお前が幸せにしてやんな…餞別がわりにあの金はやる…」
「そんな!頂けません!」
「まぁちょっと遅れた結婚祝だ」
アランさんはそういうとくるっと振り返り二人を見ることなく去っていく。
「ア、アランさん!」
私とベイカーさんは一瞬ポカンとしてしまい慌ててアランさんのあとを追った!
「ありがとうございます…」
「ありがとうございます!」
二人の頭を下げてお礼を言う言葉がずっと背中に聞こえていた。
「アランさん…やるじゃねぇか!すごいかっこよかったぜ!」
「本当に!私アランさんのこと見直しちゃった!」
ベイカーさんと私はアランさんに追いついて笑顔で顔を覗き込むと
「おい、ライアさんは…こっちに来てるか?」
ん?なんか変なことを言われる。
二人で振り返るがライアさん達は二人手を握りあいこちらにまだ頭を下げていた。
「ううん、二人とも頭下げてるよ。手繋いで…」
「な、なに!?こんなはずでは…」
アランさんはおかしいなと首を傾げている。
「どういう事?」
嫌な予感に話を聞いてみた。
「俺かっこよかったよな!?」
必死な顔で聞いてくる。
まぁそれはとうんと頷くと
「おかしい!こんないい男ならあんな旦那捨てて俺のところに飛び込んで来るよな!?」
「はぁ?」
ベイカーさんがわけがわからんと顔をしかめた。
「あんな駄目旦那の前で、かっこよく決めれば…やっぱりアランさんがいいです!…って来ると思ったのに…」
ガックリと肩を落としている。
私とベイカーさんは顔を見合わせると…
「なにそれ!かっこいいって見直したのに!」
「全くだ!俺達の気持ちを返せ!」
ぷんぷんと怒るとアランさんは何を怒っていると戸惑っている。
「もうこうなったらベイカーさん!今日は迷惑かかった分アランさんの奢りで食べに行こう!」
「そうだな!あっ!あの店にしようぜ~」
ベイカーさんがニヤリと笑った。
「な、なんで俺が奢るんだよ!」
アランさんが文句を言うと
「今日の事…全部セバスさんに言いますよ!」
「グッ…それだけは…」
「なら決まり!さぁアランさんすぐそこだから!美味しいステーキ食べてチャラにしてあげます!」
「ス、ステーキ?」
【お!あの美味いやつか?】
シルバ達もピンと来たのか尻尾を振ってヨダレを垂らした。
「え?シルバがなんで喜んでんだ…まさかこいつらのもか!?」
「当たり前でしょ!みんな仲間なんだから!さぁみんな今日はアランさんの奢りだから好きなだけ食べていいよー」
【【【【やった!】】】】プルプル!
【よし!俺はまずは十枚かな!】
【シルバおじさんずるい!ぼくは…とりあえず五まい!】
ありゃ…好きなだけは言いすぎたかな?
いきなり十五枚の注文だ…
その後やけになったアランさんとそれを見て負けるもんかと食べたしたシルバとベイカーさんのおかげで注文数は偉いことになった…
「お会計です。ステーキ五十枚で金貨三十枚になります」
「三、三十枚…」
店員さんから金額を聞いてアランさんの顔色が悪くなっている。
「ご、ご馳走様~」
「アランさん!美味かった!」
【うむ、満足だ!】
私達はアランさんに声をかけてそそくさと店を出ていった。
アランさんの悲痛な叫び声が店の中から微かに聞こえた気がしたが…気のせいかな?
あの声を出してるようじゃアランさんの春は…もう少し先になりそうだ。
「断る!」
アランさんがそれを拒否した。
「そ、そりゃそうか…こんな騙した夫婦の頼みなんかな…」
旦那さんが肩を落とすと…
「馬鹿野郎!」
アランさんがバッシーン!と旦那さんの頬を叩いた!
「てめぇ隣の女房の顔を見てみろ!そいつが俺と一緒になって幸せになれると思ってんのか!?お前といることを覚悟したその顔をちゃんと見ろ!」
旦那さんはライアさんを見ると…
何かを我慢するようにライアさんは歯をかみ締めていた。
「そいつの事はお前が幸せにしてやんな…餞別がわりにあの金はやる…」
「そんな!頂けません!」
「まぁちょっと遅れた結婚祝だ」
アランさんはそういうとくるっと振り返り二人を見ることなく去っていく。
「ア、アランさん!」
私とベイカーさんは一瞬ポカンとしてしまい慌ててアランさんのあとを追った!
「ありがとうございます…」
「ありがとうございます!」
二人の頭を下げてお礼を言う言葉がずっと背中に聞こえていた。
「アランさん…やるじゃねぇか!すごいかっこよかったぜ!」
「本当に!私アランさんのこと見直しちゃった!」
ベイカーさんと私はアランさんに追いついて笑顔で顔を覗き込むと
「おい、ライアさんは…こっちに来てるか?」
ん?なんか変なことを言われる。
二人で振り返るがライアさん達は二人手を握りあいこちらにまだ頭を下げていた。
「ううん、二人とも頭下げてるよ。手繋いで…」
「な、なに!?こんなはずでは…」
アランさんはおかしいなと首を傾げている。
「どういう事?」
嫌な予感に話を聞いてみた。
「俺かっこよかったよな!?」
必死な顔で聞いてくる。
まぁそれはとうんと頷くと
「おかしい!こんないい男ならあんな旦那捨てて俺のところに飛び込んで来るよな!?」
「はぁ?」
ベイカーさんがわけがわからんと顔をしかめた。
「あんな駄目旦那の前で、かっこよく決めれば…やっぱりアランさんがいいです!…って来ると思ったのに…」
ガックリと肩を落としている。
私とベイカーさんは顔を見合わせると…
「なにそれ!かっこいいって見直したのに!」
「全くだ!俺達の気持ちを返せ!」
ぷんぷんと怒るとアランさんは何を怒っていると戸惑っている。
「もうこうなったらベイカーさん!今日は迷惑かかった分アランさんの奢りで食べに行こう!」
「そうだな!あっ!あの店にしようぜ~」
ベイカーさんがニヤリと笑った。
「な、なんで俺が奢るんだよ!」
アランさんが文句を言うと
「今日の事…全部セバスさんに言いますよ!」
「グッ…それだけは…」
「なら決まり!さぁアランさんすぐそこだから!美味しいステーキ食べてチャラにしてあげます!」
「ス、ステーキ?」
【お!あの美味いやつか?】
シルバ達もピンと来たのか尻尾を振ってヨダレを垂らした。
「え?シルバがなんで喜んでんだ…まさかこいつらのもか!?」
「当たり前でしょ!みんな仲間なんだから!さぁみんな今日はアランさんの奢りだから好きなだけ食べていいよー」
【【【【やった!】】】】プルプル!
【よし!俺はまずは十枚かな!】
【シルバおじさんずるい!ぼくは…とりあえず五まい!】
ありゃ…好きなだけは言いすぎたかな?
いきなり十五枚の注文だ…
その後やけになったアランさんとそれを見て負けるもんかと食べたしたシルバとベイカーさんのおかげで注文数は偉いことになった…
「お会計です。ステーキ五十枚で金貨三十枚になります」
「三、三十枚…」
店員さんから金額を聞いてアランさんの顔色が悪くなっている。
「ご、ご馳走様~」
「アランさん!美味かった!」
【うむ、満足だ!】
私達はアランさんに声をかけてそそくさと店を出ていった。
アランさんの悲痛な叫び声が店の中から微かに聞こえた気がしたが…気のせいかな?
あの声を出してるようじゃアランさんの春は…もう少し先になりそうだ。
281
お気に入りに追加
23,178
あなたにおすすめの小説
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい
三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです
無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す!
無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ほっといて下さい(番外編)
三園 七詩
ファンタジー
「ほっといて下さい」のもうひとつのお話です。
本編とは関係ありません。時系列も適当で色々と矛盾がありますが、軽い気持ちで読んで頂けると嬉しいです。
✱【注意】話によってはネタバレになりますので【ほっといて下さい】をお読みになってからの方がいいかと思います。
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。