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10章

557.新たなスキル

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「はい!お待たせしました!蜂蜜たっぷり甘辛スペアリブです」

セバスさんが大量に皿に盛られたスペアリブを運んでくれる。

「蜂蜜…これってお肉ですか?」

オリビアが山のような肉のタワーを見上げる。

「うん、オリビアはお肉食べれる?アルフノーヴァさんは食べてたよね?」

「だ、大丈夫です…獣臭いのは苦手ですが…」

ミヅキが作ったものならと手を伸ばす。

「他にもガーリックライスとサラダがあるよ。サラダは茹でたとり肉を乗せて蜂蜜ドレッシングで食べてね」

「じゃあ先にサラダから…」

オリビアがサラダを食べると

「ん!酸っぱい…でも甘みもあって美味しい!」

頬を紅葉させる!

「よかった~蜂蜜とレモン汁でドレッシングにしたんだ」

「おお!脂っこい濃い味の肉によく合うな!」

アランさんが肉とライス、サラダを順番にトライアングルのように食べている。

「うん…健康的な食べ方だね…」

ミヅキが笑うと

「アラン…よかったらこれも食べていいですよ」

セバスさんがさらに追加の肉を持ってくると、アランの手が止まった…

「な、何企んでんだよ…」

アランがセバスを見ると

「企んでなどおりません。先程は少しやりすぎたと思って…お詫びのしるしです」

セバスさんがにっこりと笑うと、ミヅキは驚いて顔が固まる…

あれほどしれっと嘘をつくセバスさんに驚愕した!

【どうした?ミヅキ】

シルバがミヅキの様子に話しかけると…

【いやね…セバスさん、どうせなら嫌になるくらい肉を食わせてみるって言ってたんだよ…】

【あーだからあんなに笑顔でアランに肉をやっているのか】

【うん…でもお詫びだって渡して食べさせてる】

【まぁいつも通りだろ、セバスにとって嘘など標準装備のようなものみたいだしな】

【まぁセバスさんの表情は読みずらいけど…私セバスさんの嘘見破れる自信ないなぁ~】

ニコニコとアランさんに肉を食わせるセバスさんをみつめてそんな事を考える。

【ミヅキなら大丈夫だろ?相手の瞳をじっと見てちゃんと聞けば相手が答える】

【えー!そうかな?私そんなスキル持ってたっけ?】

鑑定をしてみるがそんな項目はない

【それもミヅキの標準装備だ】

シルバが頷くと…ミヅキはシルバの顔を掴んでギュッとじっと見つめる。

【な、なんだ?】

シルバはミヅキの目を見つめると…

【さっき…様子変だったよね?何かあったの?私…心配だよ…大丈夫?】

真剣なミヅキの瞳がシルバを見つめる…ミヅキの瞳の中には唖然とする自分の姿が写った…

【ミ、ミヅキ…】

【シルバが何も言わないのは私の為だって分かってる…だから何も聞かないけど無理だけはしないでね】

ミヅキの言葉に動揺していた自分が落ち着いていくのがわかる…そしてミヅキの目を見てしっかりと頷き

【分かった】

シルバはしっかりと頷いた。

シルバの真剣な顔を見るとミヅキはニコッと笑顔になる。

【確かにシルバが慌てる感じとか判ったね!これは使えそうだ!】

ミヅキは笑うと

【次はコジローさんにでもやってみようかな!】

ターゲットをコジローに絞ったミヅキは笑ってコジローの元に駆け寄った!

【あーあ、犠牲者が増えるよ…シルバのせいだよあんな技教えて】

シンクがシルバの頭に乗るとため息をつく。

二人の前でミヅキはコジローさんの顔を掴むと顔を近づけじっと見つめていた。

コジローは耳を赤くして固まってしまっている。

何を言われたのかあからさまに動揺するとミヅキが満足そうに笑っていた…

【しょうがない…被害が出ないように今度は僕が受けてくるか…】

シンクは笑いながらミヅキのそばに降り立った。

【ミヅキ~次は僕にもやってよ】

シンクがミヅキに話しかけると

【シンクに?シンクにも無理かな…】

ミヅキの言葉にシンクがなんでと首を傾げると

【だってシンクは私に嘘なんてつかないもん…まぁ言うならみんなそうだけどね】

【もう…ミヅキってずるい!】

シンクは文句を言いながらも嬉しそうにミヅキの肩に止まった。

【でもね、その技あんまり多様しない方がいいよ】

シンクがアドバイスすると

【えっ!なんで?】

【あんまり使うと効果が薄れてきたりするからね】

【へー回数制限がある感じなのかな…】

ミヅキはうーんと考えると

【確かにそれならいざって時がいいね!】

ミヅキはわかったと素直に頷いた。


「コジロー…大丈夫か?」

ベイカーはHPをげっそりと削られたコジローの隣に座るとうつ伏せて突っ伏しているコジローに声をかけた。

「べ、ベイカーさん…俺…だ、駄目です」

力なく答えると

「ミヅキも酷いよな、コジローにあんな質問…分かってやってんだか分かってないんだか…」

労うように肩を叩くと

「あんな間近で!しかも可愛い顔で何か隠してる事ないって…俺なんて答えるのが正解だったんですかね!?」

「し、知らん…俺に聞くな」

「ミヅキを想ってる気持ちですか?それともミヅキに助けて貰ったこの感謝の思いですか?それともいつも転ばないように後ろからついて行ってる気持ち悪い俺の行動ですか!」

コジローがベイカーに詰め寄ると

「よ、よく喋るな…」

ベイカーが落ち着けと一旦座らせると近くにあった水を渡す。

「ほら、これでも飲んで落ち着け…」

コジローは水を受け取るとグイッと一気に飲み干した。

「おかわりいるか?」

もう一つと手を伸ばそうとすると…

「ヒックッ!」

コジローから変な声が漏れる…

「えっ?」

ベイカーは振り返ってコジローを見ると…そこには目がトロンとなり顔を赤くするコジローがいた…
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