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11章
465.コハクうどん
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「何?今のウインク…」
アラン隊長らしからぬ行為に私は首を傾げた。
食事も終わり、国王達も帰っていった事で私とベイカーさんは今後の事で話し合うために家へと向かった。
「それで?これからどうするんだ」
「うーん…とりあえず学校が開校できたしそろそろリリアンさん達が待つ町に帰ろっか?」
私の提案にベイカーさんは好きにしろと笑って頷いた。
その夜に私は約束通りコハクに油揚げの料理を作ってあげることにした。
みんなには見つからないように家に作ったキッチンを使う。
【ミヅキ!なにつくるの?】
コハクが待ちきれずに私の周りをうろちょろしている。
【コハク、危ないから離れてな】
苦笑しながら離れるように言うとシルバがコハクの首根っこをやさしく噛み付いて離してくれる。
私は作ってあった油揚げを取り出すと鍋に入れて甘辛く煮ていく、小麦粉と塩を出して水を入れながらうどんを打つ力が無いので魔法を使って混ぜるとひとかたまりにする。
【シルバ達も手伝ってくれる?】
そう言って振り返るとみんなが待ってましたとばかりにズラっと並んでいた。
【準備万端だね、じゃみんなでこれを踏んで欲しいんだ】
みんなの前にうどんの生地を布で巻いて置くとみんなの脚をよく洗う。
【じゃぼくが!】
コハクがぴょんと乗るが生地は変化無し…
どうやら体重が足らない模様。残念。
という事で比較的重いシルバが踏むことになった、前脚でグイッと押し込むと一回でグッと生地が沈む。
シルバが踏んで私が折り込み何度か繰り返すと生地を綺麗に伸ばして切っていく。
シンクにお湯を沸かしてもらいうどんを茹でる。
プルシアにうどんを茹でてもらいその間に汁を作る。
【ミヅキ、うどんを上げたぞ】
プルシアが器用にうどんをザルにあげると急いで水で洗う。
【ミヅキ!まだか?汁の匂いがして腹が減った】
シルバが覗き込む。
【もうすぐ完成だよ、ベイカーさん呼んできてくれる?】
私はみんなの器を取り出すとうどんを軽く温めてよそうと汁を注いで油揚げを乗せる。
「なんだよ!シルバ服を噛むな!」
シルバがベイカーさんに服を引っ張って連れてくると
「あ、なんだ呼びに来てくれたのか」
伸びた服を戻すとベイカーが側にきた。
「何を作ったんだ?」
「コハクが今回頑張ってくれたからきつねうどん作ったの」
【きつねうどん!?】
コハクがビクッと毛を逆立てる。
【きつねさんが大好きな油揚げが入ってからきつねうどんなんだよ、うちではコハクうどんってところかな】
コハクの前にうどんを置くと、みんなより油揚げが多めに入ったうどんにコハクの目がキラキラと輝く!
【おいしそー!コハクうどん…ぼくのなまえだ!】
待ちきれずにうずうずとおしりと尻尾が動いている。
【もう少し待ってね】
ベイカーさんも手伝ってくれてみんなにうどんを用意すると
【じゃあ今回もみんなたくさん助けてくれてありがとう!いただきます】
【【【【【【いただきます!】】】】】】
「いただきます!」
ベイカーさんもみんなに続いてうどんを食べる。
「肉もいいけど夜はこういうのもいいな…」
ほっこりしながらうどんをすすっている。
【コハクどうかな?】
私がコハクに話しかけるが返事は無い。
コハクは夢中で油揚げを食べていた、その様子からすごく喜んでくれているがわかった。
【夜だからおかわりは一回だけね】
私がみんなに声をかけると
【【【【【【「おかわり!」】】】】】】
もれなく全員おかわりをして大満足でお夜食を終了した。
【ミヅキ、ありがとう!またつくってねコハクうどん!】
コハクが口の周りの揚げの油をペロペロと舐めながら笑顔でお願いしてくる。
【もちろん】
コハクの頭を撫でて次は何を作ろうかと思案した。
次の日朝からチーノさんが出来たての包丁を持ってラウルさんと里に来た。
「ミヅキさん!見てくださいこの仕上がり。私はかなりいいと思うのですが」
ラウルさんが私が指摘した所を直した包丁をみせる。
チーノさんは言われた通りに持ち手の部分を細くして木の取っ手をつけて手触りよくまるびを帯びた形になっていた。
握ってみるとつかみ心地も私の小さい手に合ってちょうどいい。
「チーノさんいいね!」
私がウインクしてグッと手でオッケィサインをすると
「はぁ…よかった」
チーノさんがドサッと尻もちをつく。
「どうしたの!?」
慌てて駆け寄ると
「いや、ミヅキがそろそろ王都を離れるって聞いたから早めに完成させて見せないとって思ってて…ホッとしたら力が抜けた…」
恥ずかしそうに頭をかいている。
「そんなの気にしなくてもよかったのに…」
苦笑しながらチーノさんに手を差し出す。
チーノさんが私の手を掴んで起き上がると
「まぁこれは私用だから売れないけどね!」
「えっ!?」
チーノさんが驚くと
「大人用はもう少し大きい方がいいと思うよ、私には大きかったから小さくしてもらったんだ。あとはラウルさんと話し合って決めてね」
「これはこれで女性にはいいと思いますけどね」
ラウルが私用の包丁セットを見つめると
「欲しい人はチーノさんに直接オーダーメイドを作って貰うのもいいですね」
「ミヅキさんのようにって事ですね。でもそうすると高くつきそうです」
「高くても自分だけのが欲しい人もいるからね。そこはチーノさんの好きにすればいいんじゃないですか?」
「そうですね…でもとりあえずは実演販売で安く広めて、さらに欲しい人にはチーノさんに直接紹介するって言うのはどうでしょうか?」
ラウルさんがチーノさんに確認すると
「俺はなんでも大丈夫です!でもとりあえず同じものが作れるように頑張ります」
二人は相性も良さそうだしたくさん売れそうだ。
「なら俺もオーダーメイドがいいな」
テリーさんが私が作って貰った包丁セットを眺める。
「早速お客さんが来たね!」
私がチーノさんに笑いかけると嬉しそうにしていた。
テリーさんは本当に欲しいらしくラウルさんとチーノさんと今後の事について話している。
リュカ達は朝の支度が終わると学校に行く準備をする、午前中は学校に行って午後は働くのもいいし、冒険者としてギルドに向かってもいい。
「「「じゃあ行ってくる!」」」
「「「「行ってきまーす!」」」」
リュカ達子供組が学校へと向かって行った…。
「しっかり勉強して来いよ!」
「友達と喧嘩するなよ」
ギースさん達がお見送りをするとみんなが手を振り返す、私もいってらっしゃいと手を振って送り出した!
アラン隊長らしからぬ行為に私は首を傾げた。
食事も終わり、国王達も帰っていった事で私とベイカーさんは今後の事で話し合うために家へと向かった。
「それで?これからどうするんだ」
「うーん…とりあえず学校が開校できたしそろそろリリアンさん達が待つ町に帰ろっか?」
私の提案にベイカーさんは好きにしろと笑って頷いた。
その夜に私は約束通りコハクに油揚げの料理を作ってあげることにした。
みんなには見つからないように家に作ったキッチンを使う。
【ミヅキ!なにつくるの?】
コハクが待ちきれずに私の周りをうろちょろしている。
【コハク、危ないから離れてな】
苦笑しながら離れるように言うとシルバがコハクの首根っこをやさしく噛み付いて離してくれる。
私は作ってあった油揚げを取り出すと鍋に入れて甘辛く煮ていく、小麦粉と塩を出して水を入れながらうどんを打つ力が無いので魔法を使って混ぜるとひとかたまりにする。
【シルバ達も手伝ってくれる?】
そう言って振り返るとみんなが待ってましたとばかりにズラっと並んでいた。
【準備万端だね、じゃみんなでこれを踏んで欲しいんだ】
みんなの前にうどんの生地を布で巻いて置くとみんなの脚をよく洗う。
【じゃぼくが!】
コハクがぴょんと乗るが生地は変化無し…
どうやら体重が足らない模様。残念。
という事で比較的重いシルバが踏むことになった、前脚でグイッと押し込むと一回でグッと生地が沈む。
シルバが踏んで私が折り込み何度か繰り返すと生地を綺麗に伸ばして切っていく。
シンクにお湯を沸かしてもらいうどんを茹でる。
プルシアにうどんを茹でてもらいその間に汁を作る。
【ミヅキ、うどんを上げたぞ】
プルシアが器用にうどんをザルにあげると急いで水で洗う。
【ミヅキ!まだか?汁の匂いがして腹が減った】
シルバが覗き込む。
【もうすぐ完成だよ、ベイカーさん呼んできてくれる?】
私はみんなの器を取り出すとうどんを軽く温めてよそうと汁を注いで油揚げを乗せる。
「なんだよ!シルバ服を噛むな!」
シルバがベイカーさんに服を引っ張って連れてくると
「あ、なんだ呼びに来てくれたのか」
伸びた服を戻すとベイカーが側にきた。
「何を作ったんだ?」
「コハクが今回頑張ってくれたからきつねうどん作ったの」
【きつねうどん!?】
コハクがビクッと毛を逆立てる。
【きつねさんが大好きな油揚げが入ってからきつねうどんなんだよ、うちではコハクうどんってところかな】
コハクの前にうどんを置くと、みんなより油揚げが多めに入ったうどんにコハクの目がキラキラと輝く!
【おいしそー!コハクうどん…ぼくのなまえだ!】
待ちきれずにうずうずとおしりと尻尾が動いている。
【もう少し待ってね】
ベイカーさんも手伝ってくれてみんなにうどんを用意すると
【じゃあ今回もみんなたくさん助けてくれてありがとう!いただきます】
【【【【【【いただきます!】】】】】】
「いただきます!」
ベイカーさんもみんなに続いてうどんを食べる。
「肉もいいけど夜はこういうのもいいな…」
ほっこりしながらうどんをすすっている。
【コハクどうかな?】
私がコハクに話しかけるが返事は無い。
コハクは夢中で油揚げを食べていた、その様子からすごく喜んでくれているがわかった。
【夜だからおかわりは一回だけね】
私がみんなに声をかけると
【【【【【【「おかわり!」】】】】】】
もれなく全員おかわりをして大満足でお夜食を終了した。
【ミヅキ、ありがとう!またつくってねコハクうどん!】
コハクが口の周りの揚げの油をペロペロと舐めながら笑顔でお願いしてくる。
【もちろん】
コハクの頭を撫でて次は何を作ろうかと思案した。
次の日朝からチーノさんが出来たての包丁を持ってラウルさんと里に来た。
「ミヅキさん!見てくださいこの仕上がり。私はかなりいいと思うのですが」
ラウルさんが私が指摘した所を直した包丁をみせる。
チーノさんは言われた通りに持ち手の部分を細くして木の取っ手をつけて手触りよくまるびを帯びた形になっていた。
握ってみるとつかみ心地も私の小さい手に合ってちょうどいい。
「チーノさんいいね!」
私がウインクしてグッと手でオッケィサインをすると
「はぁ…よかった」
チーノさんがドサッと尻もちをつく。
「どうしたの!?」
慌てて駆け寄ると
「いや、ミヅキがそろそろ王都を離れるって聞いたから早めに完成させて見せないとって思ってて…ホッとしたら力が抜けた…」
恥ずかしそうに頭をかいている。
「そんなの気にしなくてもよかったのに…」
苦笑しながらチーノさんに手を差し出す。
チーノさんが私の手を掴んで起き上がると
「まぁこれは私用だから売れないけどね!」
「えっ!?」
チーノさんが驚くと
「大人用はもう少し大きい方がいいと思うよ、私には大きかったから小さくしてもらったんだ。あとはラウルさんと話し合って決めてね」
「これはこれで女性にはいいと思いますけどね」
ラウルが私用の包丁セットを見つめると
「欲しい人はチーノさんに直接オーダーメイドを作って貰うのもいいですね」
「ミヅキさんのようにって事ですね。でもそうすると高くつきそうです」
「高くても自分だけのが欲しい人もいるからね。そこはチーノさんの好きにすればいいんじゃないですか?」
「そうですね…でもとりあえずは実演販売で安く広めて、さらに欲しい人にはチーノさんに直接紹介するって言うのはどうでしょうか?」
ラウルさんがチーノさんに確認すると
「俺はなんでも大丈夫です!でもとりあえず同じものが作れるように頑張ります」
二人は相性も良さそうだしたくさん売れそうだ。
「なら俺もオーダーメイドがいいな」
テリーさんが私が作って貰った包丁セットを眺める。
「早速お客さんが来たね!」
私がチーノさんに笑いかけると嬉しそうにしていた。
テリーさんは本当に欲しいらしくラウルさんとチーノさんと今後の事について話している。
リュカ達は朝の支度が終わると学校に行く準備をする、午前中は学校に行って午後は働くのもいいし、冒険者としてギルドに向かってもいい。
「「「じゃあ行ってくる!」」」
「「「「行ってきまーす!」」」」
リュカ達子供組が学校へと向かって行った…。
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