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8章
419.魅了魔法
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「マルコさん!こ、これは違うんです!私は普通に授業をしていただけなのに…」
タニアはマルコさんに駆け寄ると腕を組み豊満な胸をマルコさんに押し付ける。
「この子達ちょっと変ですよ!私の事おばさんおばさんっていじめるんです」
マルコさんに媚びるように目を潤ませて上目遣いに見つめる。
マルコさんはニコッと笑うと…
「離れて貰えますか?私妻一筋なので」
タニアの手を払い除けた。
「えっ…」
「あれ?マルコさんも魅了効かないんですか?」
マルコさんの態度にミヅキが聞くと
「根が素直な方はかかりやすい見たいですね、私は…腹黒いですから」
「自分で言っちゃうんだ…」
ミヅキが苦笑する。
「じゃなきゃ商人なんてやってられませんからね」
マルコさんが笑うと
「事前面接で私はこの方を落とそうとしたのですがギースさん達が絶対に合格だと言っていて…なんかおかしいと思ってたんですよ」
後ろではギースさん達が気まずそうに頭をかいている。
「へぇ~ギースさん達こう言うお姉さんが好みなんだね」
ミヅキがギースさん達をまじまじと見つめる。
「いや!違うぞ全然タイプじゃない!」
ギースの言葉にタニアが顔を顰めると
「何故かあの時はよく見えた…しかし今は…」
じっとタニアを見る。
「まぁそういう魔法だもんしょうがないよね」
ミヅキが笑うと
「ではタニアさん何か弁明はありますか?」
マルコさんが聞くと
「くっ…この子達さえいなければ…ここで働いてあわよくば旦那を見つけようと思ってたのに~」
悔しそうにテオを見ると頭を抱えて髪を握りしめる。
「そんなくだらない理由でここに来ていたんですか!いや…本当に凄い人ですね…」
テオが驚いてタニアを見ていると
「そんな事なら言ってくだされば友人を紹介致しましたのに…」
マルコさんがヤレヤレと首を振る。
「えっ!本当ですか!」
タニアの顔がぱぁーと明るくなる!
「お願いします!もうこんな事いたしませんからそのご友人を紹介してください!私…もう後がないんです!友人達は次々と結婚していき…もう子供もいる子もいるんです!」
縋るようにマルコさんの足を掴む。
「それならベイカーさんなんてどうかな?」
「あっ!いいかもね。歳も近いよね~」
「ベイカーさん今誰もいないもんね!」
子供達がベイカーの名前を出すと
「ベイカー?誰それ!?」
タニアが反応する!
「A級冒険者だよ」
「強い人」
「カッコイイよ」
ミト達がベイカーの事を話していると…
「ダメー!」
叫び声が上がるとみんなが静まり返りミヅキを見つめる。
「あっ…」
ミヅキが口元を抑えると…
「ベイカーさんは…ほら!ガサツだし!よく食べるし!デリカシーないから!」
「あら、そのくらい大丈夫よ。顔もよくて収入もいいならそのくらい全然許せるわ」
タニアが答えると、ミヅキがおろおろと慌てる。
「べ、ベイカーさんは忙しいし…ダメなの!」
やっぱり嫌だとミヅキが言うと
「何が駄目なんだ?」
ベイカーがタイミングよく教室に入ってきた。
「ベイカーさん!」
ミヅキがベイカーを見ると
「この人がベイカーさん?やだすごくタイプ…」
タニアがベイカーを見て頬を赤くする。
その様子にミヅキが慌てて
「なんでベイカーさん来たの!?」
「なんでって…この後防具買いに行くんだろ?授業終わる頃だと思って迎えに来たんだよ」
ミヅキの様子が変な事に首を傾げながら答えると…タニアがベイカーに近づいてきた。
「は、初めまして…私タニアと申します。もし今彼女とかいないなら…私とデートしてくれませんか?」
タニアは腕で胸をギュッと挟むと谷間を強調する。
「あっ…」
タニアと見つめ合うベイカーにミヅキは不安になると
「いや…彼女はいないが大切な人がいるんですまんな」
ベイカーはタニアに謝るとミヅキに目を向ける。
するとミヅキの顔を見て
「どうしたんだ!ミヅキ!」
ミヅキの元に行こうとすると
「待ってください!一度でいいからチャンスを…」
タニアがベイカーの手を掴んで引き止めた。
「おい!離してくれ」
ベイカーが手を振り払おうとするがタニアは必死にしがみつき離そうとしない。
「ベイカーさん…」
何だか楽しそうな様子の二人を見てミヅキは
「ベイカーさん…防具買いにその人と行っていいよ…」
そう言うととぼとぼと教室を出ていった…
「ミヅキ様!」
「ミヅキ!」
「ベイカーさん…酷いです」
イチカ達は慌ててミヅキの後を追いかける。
リュカ達もベイカーさんに冷たい目を向けてミヅキの後を追いかけて出ていってしまった…
「なんなんだ?」
みんなの態度にベイカーは訳がわからず立ち尽くす…
「やだ…みんな気を使ってくれたのね。なんていい子達なのかしら」
タニアが嬉しそうにベイカーに腕を絡めると
「どうでしょう…このままデートなんて」
恥ずかしそうに頬を染めてベイカーに目を向ける。
しかしベイカーはタニアの目線に気がつく様子はない…
「なんであんな泣きそうな顔をしてたんだよ」
ベイカーは先程のミヅキの顔が気になって仕方なかった。
ハッとしてミヅキを追いかけようとすると
「待ってください!聞いてます?私の話?」
タニアが反応がないベイカーの前にたって手を広げた!
「あの子にはたくさんの子がついて行ったから大丈夫です!それよりも私と…」
タニアが話していると…ベイカーの顔がみるみると険しくなる。
「ひっ!」
タニアが顔をこわばらせる…
「誰だか知らんが…女だからって調子に乗るなよ…」
ギロっと睨まれるとへにゃへにゃ~と座り込んでしまった…
ベイカーはそんなタニアに目もくれずミヅキを追いかける。
「ミヅキー!」
ベイカーがミヅキを見つけて声をかける。
「あら?ベイカーさんさっきの女性は?」
イチカがミヅキを隠すようにジロッと睨むと
「いやあんな女知らねぇよ!いきなり詰め寄られていい迷惑だ!」
心底嫌そうな顔をすると
「本当?」
ミヅキがイチカの後ろからひょこっと顔を出して聞く。
「もちろんだ、それよりも俺はミヅキと防具を見に行く方が楽しみだし大切な用事なんだよ…だから行こうぜ」
ベイカーがミヅキに言うとミヅキはホッとしたように笑って頷いた。
心配するイチカ達と別れてミヅキとベイカーは防具に向かっていると…
「なんでさっき泣きそうな顔をしてたんだ?」
ベイカーが気になって聞く。
「別に…なんか嫌だなぁって思って」
ミヅキが曖昧に答えるとベイカーは先を歩いてたミヅキを後ろから捕まえて抱き上げる。
「おい!顔を見て答えろ」
ベイカーはミヅキを自分の方に向けるとミヅキはボソボソと話し出した。
「だって…あの人魅了の魔法使う人で…ベイカーさんがあの人の魔法にかかっちゃたんじゃないかと…」
「魅了?そんなのかかる訳ないだろあの女と実力差がどれだけあると思ってるんだ」
「えっ…それだとかからないの?」
「ミヅキだってかからなかっただろ?お前の魔力の量は異常だからな」
「でもマルコさんは素直な人はかかりやすいって…」
「確かにそれもあるな」
ベイカーは頷くと
「魅了だって魔法だからな魔力差があればかからんさ」
「なるほど…」
ミヅキが頷くと
「で?それがなんであんな顔になる?」
「そ、それは…さっきあの人の魔法でイチカとリュカが魅了にかかっちゃったんだよ…」
「あー…まぁ子供はかかりやすいからな」
「その時にリュカ達が知らない人に向けるみたいな視線で私の事見てたから…あんな目をベイカーさんにして欲しくなくて…」
思い出してミヅキの顔が曇ると
「馬鹿だなぁ~俺がミヅキにそんな顔する訳ないだろ」
ベイカーが呆れた様にミヅキを見る。
「本当?」
ミヅキは恐る恐るベイカーを見つめる…
「ああ、セバスさんクラスの魅了魔法が来ない限り大丈夫だ!」
「ふふ…セバスさんの魅了魔法は怖いね、私も無理そうだ」
ミヅキも思わず笑う。
「大丈夫だそんな事でお前を忘れたりしないからな」
「うん!」
ミヅキは嬉しそうにベイカーに抱きついた!
タニアはマルコさんに駆け寄ると腕を組み豊満な胸をマルコさんに押し付ける。
「この子達ちょっと変ですよ!私の事おばさんおばさんっていじめるんです」
マルコさんに媚びるように目を潤ませて上目遣いに見つめる。
マルコさんはニコッと笑うと…
「離れて貰えますか?私妻一筋なので」
タニアの手を払い除けた。
「えっ…」
「あれ?マルコさんも魅了効かないんですか?」
マルコさんの態度にミヅキが聞くと
「根が素直な方はかかりやすい見たいですね、私は…腹黒いですから」
「自分で言っちゃうんだ…」
ミヅキが苦笑する。
「じゃなきゃ商人なんてやってられませんからね」
マルコさんが笑うと
「事前面接で私はこの方を落とそうとしたのですがギースさん達が絶対に合格だと言っていて…なんかおかしいと思ってたんですよ」
後ろではギースさん達が気まずそうに頭をかいている。
「へぇ~ギースさん達こう言うお姉さんが好みなんだね」
ミヅキがギースさん達をまじまじと見つめる。
「いや!違うぞ全然タイプじゃない!」
ギースの言葉にタニアが顔を顰めると
「何故かあの時はよく見えた…しかし今は…」
じっとタニアを見る。
「まぁそういう魔法だもんしょうがないよね」
ミヅキが笑うと
「ではタニアさん何か弁明はありますか?」
マルコさんが聞くと
「くっ…この子達さえいなければ…ここで働いてあわよくば旦那を見つけようと思ってたのに~」
悔しそうにテオを見ると頭を抱えて髪を握りしめる。
「そんなくだらない理由でここに来ていたんですか!いや…本当に凄い人ですね…」
テオが驚いてタニアを見ていると
「そんな事なら言ってくだされば友人を紹介致しましたのに…」
マルコさんがヤレヤレと首を振る。
「えっ!本当ですか!」
タニアの顔がぱぁーと明るくなる!
「お願いします!もうこんな事いたしませんからそのご友人を紹介してください!私…もう後がないんです!友人達は次々と結婚していき…もう子供もいる子もいるんです!」
縋るようにマルコさんの足を掴む。
「それならベイカーさんなんてどうかな?」
「あっ!いいかもね。歳も近いよね~」
「ベイカーさん今誰もいないもんね!」
子供達がベイカーの名前を出すと
「ベイカー?誰それ!?」
タニアが反応する!
「A級冒険者だよ」
「強い人」
「カッコイイよ」
ミト達がベイカーの事を話していると…
「ダメー!」
叫び声が上がるとみんなが静まり返りミヅキを見つめる。
「あっ…」
ミヅキが口元を抑えると…
「ベイカーさんは…ほら!ガサツだし!よく食べるし!デリカシーないから!」
「あら、そのくらい大丈夫よ。顔もよくて収入もいいならそのくらい全然許せるわ」
タニアが答えると、ミヅキがおろおろと慌てる。
「べ、ベイカーさんは忙しいし…ダメなの!」
やっぱり嫌だとミヅキが言うと
「何が駄目なんだ?」
ベイカーがタイミングよく教室に入ってきた。
「ベイカーさん!」
ミヅキがベイカーを見ると
「この人がベイカーさん?やだすごくタイプ…」
タニアがベイカーを見て頬を赤くする。
その様子にミヅキが慌てて
「なんでベイカーさん来たの!?」
「なんでって…この後防具買いに行くんだろ?授業終わる頃だと思って迎えに来たんだよ」
ミヅキの様子が変な事に首を傾げながら答えると…タニアがベイカーに近づいてきた。
「は、初めまして…私タニアと申します。もし今彼女とかいないなら…私とデートしてくれませんか?」
タニアは腕で胸をギュッと挟むと谷間を強調する。
「あっ…」
タニアと見つめ合うベイカーにミヅキは不安になると
「いや…彼女はいないが大切な人がいるんですまんな」
ベイカーはタニアに謝るとミヅキに目を向ける。
するとミヅキの顔を見て
「どうしたんだ!ミヅキ!」
ミヅキの元に行こうとすると
「待ってください!一度でいいからチャンスを…」
タニアがベイカーの手を掴んで引き止めた。
「おい!離してくれ」
ベイカーが手を振り払おうとするがタニアは必死にしがみつき離そうとしない。
「ベイカーさん…」
何だか楽しそうな様子の二人を見てミヅキは
「ベイカーさん…防具買いにその人と行っていいよ…」
そう言うととぼとぼと教室を出ていった…
「ミヅキ様!」
「ミヅキ!」
「ベイカーさん…酷いです」
イチカ達は慌ててミヅキの後を追いかける。
リュカ達もベイカーさんに冷たい目を向けてミヅキの後を追いかけて出ていってしまった…
「なんなんだ?」
みんなの態度にベイカーは訳がわからず立ち尽くす…
「やだ…みんな気を使ってくれたのね。なんていい子達なのかしら」
タニアが嬉しそうにベイカーに腕を絡めると
「どうでしょう…このままデートなんて」
恥ずかしそうに頬を染めてベイカーに目を向ける。
しかしベイカーはタニアの目線に気がつく様子はない…
「なんであんな泣きそうな顔をしてたんだよ」
ベイカーは先程のミヅキの顔が気になって仕方なかった。
ハッとしてミヅキを追いかけようとすると
「待ってください!聞いてます?私の話?」
タニアが反応がないベイカーの前にたって手を広げた!
「あの子にはたくさんの子がついて行ったから大丈夫です!それよりも私と…」
タニアが話していると…ベイカーの顔がみるみると険しくなる。
「ひっ!」
タニアが顔をこわばらせる…
「誰だか知らんが…女だからって調子に乗るなよ…」
ギロっと睨まれるとへにゃへにゃ~と座り込んでしまった…
ベイカーはそんなタニアに目もくれずミヅキを追いかける。
「ミヅキー!」
ベイカーがミヅキを見つけて声をかける。
「あら?ベイカーさんさっきの女性は?」
イチカがミヅキを隠すようにジロッと睨むと
「いやあんな女知らねぇよ!いきなり詰め寄られていい迷惑だ!」
心底嫌そうな顔をすると
「本当?」
ミヅキがイチカの後ろからひょこっと顔を出して聞く。
「もちろんだ、それよりも俺はミヅキと防具を見に行く方が楽しみだし大切な用事なんだよ…だから行こうぜ」
ベイカーがミヅキに言うとミヅキはホッとしたように笑って頷いた。
心配するイチカ達と別れてミヅキとベイカーは防具に向かっていると…
「なんでさっき泣きそうな顔をしてたんだ?」
ベイカーが気になって聞く。
「別に…なんか嫌だなぁって思って」
ミヅキが曖昧に答えるとベイカーは先を歩いてたミヅキを後ろから捕まえて抱き上げる。
「おい!顔を見て答えろ」
ベイカーはミヅキを自分の方に向けるとミヅキはボソボソと話し出した。
「だって…あの人魅了の魔法使う人で…ベイカーさんがあの人の魔法にかかっちゃたんじゃないかと…」
「魅了?そんなのかかる訳ないだろあの女と実力差がどれだけあると思ってるんだ」
「えっ…それだとかからないの?」
「ミヅキだってかからなかっただろ?お前の魔力の量は異常だからな」
「でもマルコさんは素直な人はかかりやすいって…」
「確かにそれもあるな」
ベイカーは頷くと
「魅了だって魔法だからな魔力差があればかからんさ」
「なるほど…」
ミヅキが頷くと
「で?それがなんであんな顔になる?」
「そ、それは…さっきあの人の魔法でイチカとリュカが魅了にかかっちゃったんだよ…」
「あー…まぁ子供はかかりやすいからな」
「その時にリュカ達が知らない人に向けるみたいな視線で私の事見てたから…あんな目をベイカーさんにして欲しくなくて…」
思い出してミヅキの顔が曇ると
「馬鹿だなぁ~俺がミヅキにそんな顔する訳ないだろ」
ベイカーが呆れた様にミヅキを見る。
「本当?」
ミヅキは恐る恐るベイカーを見つめる…
「ああ、セバスさんクラスの魅了魔法が来ない限り大丈夫だ!」
「ふふ…セバスさんの魅了魔法は怖いね、私も無理そうだ」
ミヅキも思わず笑う。
「大丈夫だそんな事でお前を忘れたりしないからな」
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