ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい！

8章

390.尋問

「おい！起きろ…」

ベイカーは水魔法で男の顔に冷水をかけると…

「はっ！うっ…あ、足が…手が…」

闇ギルドの男は目が覚めた瞬間に手足の激痛が襲ってきた…

(俺は…どうやってやられたんだ…)

記憶を思い出すが…木が襲ってきた事ぐらいしか思い出せなかった…周りを見るが森に荒れた様子は伺えなかった。

チラッと自分の体を確認すると…

(手足は完全に折られてる…他も所々ヒビが入ってるな…)

激痛に耐えながら平静を装っていると…

「よう、目が覚めたなこれからお前に尋問を行う。喋る気になったら言えよ」

ベイカーが軽く言うと…

「何を喋ればいい…リーダーの事か？それとも商人達の事か？」

男が聞くと

「いや、お前の事だ。闇ギルドの場所を教えてくれ」

「べ、ベイカーさん？」

あまりにあっさりと聞くベイカーに戸惑っていると

「なんの事だか？」

男は下を向くと…思いっきり舌を噛みちぎった！

ガキンッ！

が、舌に傷を付けることは出来なかった。

「これは…さっきの…」

「ああ、舌に防御魔法がかかっている。尋問すると直ぐに死のうとするからな先ずは死ぬ方法を除外する、傷もいくぶん楽になっただろ？少しだが回復薬を飲ませてやったからな」

(クソ…)

男は何度か試すが歯が舌まで届かない…

「無駄無駄、この魔法はミッチリ覚えさせられたからな」

「「ああ…」」

デボットとレアルが納得する。

「さぁ、尋問を始めるか…喋りたくなったら何時でも言えよ。そしたら止めてやるからな」

男は口を紡ぐと…

「はい、喋る気は無し…と…よし、じゃあ あれをくれ」

ベイカーがデボットに目線を送ると、デボットが細い３０cm程の枝を持ってきた。

「お前さーあの狙ってた子に手足の骨をボロボロにされただろ？今は木に縛ってるからいいが離せば自力で立つことも出来ない」

(こいつは何を言ってるんだ…当たり前だろうが！)

男はベイカーを睨んだ

「そこで優しい俺がお前の足と手を治してやるよ」

ベイカーは、木の棒を見せると…

「ま、まさか…」

男の顔がサーッと白くなる。

「や、やめろ！」

男が暴れようとするががっちりと木に縛られていて身動きは取れなかった…手足の自由はもちろん効かない。

ベイカーは男のだらんとした足を掴むと…

「うっ…」

男が痛みに顔を歪めた。

「何を痛がっている…痛いのはここからだぞ…」

ベイカーは男の膝に木の棒を押し付けると…

「ふん！」

ズボッと木の棒を足に突き刺した！

「ギャ…………」

男の叫び声はデボットの消音魔法でかき消された…。

「どうだ？喋る気になったか？」

ブンブン！

男は睨みつけながら首振った！

「……、……！……！」

パクパクと口を動かしているが消音で聞こえない。

「なんか言ってるなレアル」

「そうですね、でも絶対に喋る気無いと思いますよ」

レアルがにっこりと笑いかけると…

「じゃあもう一本いっとくか？」

ベイカーが木の棒をもう一本出した。

男は何か叫びながら首を振るがベイカーは構わすに左腕を掴んだ。

左の肩から下に向けて棒を突き刺すと…

「血止めだけはしといてやるからな」

ベイカーが木の棒を刺した腕と足に包帯を巻くと回復薬をかけた。

男を見ると顔を真っ青にして気を失っていた。

「やりすぎたか？」

ベイカーが顔を顰めると

「いえ…喋る気はまだ無いようでした」

「そうか…」

はぁ…

ベイカーはため息をつく…

「ベイカーさん怖かったですね…あれはミヅキに見せられないな」

デボットがベイカーの意外な姿に驚いている。

「一応尋問の仕方はセバスさん直伝で教わってんだよ…好きじゃ無いが仕方ない。闇ギルドは野放しにしておけねぇからな」

「でも喋りますかね？手強そうですよ」

「ふふふ…この後はミヅキのあれの出番だ…これなら絶対に落ちるね…俺なら落ちる！」

「そんな、自信満々に言われても…」

デボットが呆れる…

「まぁ…確かに面白い方法だとは思いますが…」

「よし、じゃあちょっと様子を見に行こうぜ！ついでに俺達も…」

ぐふふ…

ベイカーが気持ち悪く笑うと…

「これがさっきの人と同一人物だとは…」

「こうならないとA級にはなれないって事ですかね？」

スキップしそうな勢いのベイカーの後ろをデボットとレアルがゆっくりと追いかけて行った…。


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ミヅキはベイカーに言われた通りにベイカー達がいる所から風上に向かって歩いって行った。

少し開けた場所を見つけるとそこに土魔法で簡易キッチンを作る。

「じゃあカツ丼作るか…先ずはお肉だね～何があるかなぁ～」

ミヅキが収納をあさっていると…

「あっベイカーさんが狩ったテラタウロスの肉があるね、カツ丼といえばブタだけどビーフもいいかも…」

ミヅキは肉を二種類取り出すと…

「よし、どうせなら二種類作ろう！」

ミヅキは米を出すと何度かに分けて洗うと…

【シンクお米お願いします！】

鍋にセットして後は火を付けるだけにしておくと

【任せてよ】

シンクがフーっと釜に火をつけた。

お米を炊いている間に玉ねぎを薄切りにして置いておく、次に肉を分厚く切ると…

「コハク～コレをトントンって叩いてくれる？」

コハクにお願いすると

「このくらいの力だよ」

ミヅキがコハクに手を添えて強さを教えると…

「うまそう、うまそう、うまそう…」

ヨダレを垂らしながらコハクが肉を叩いている。

「コハク…肉にヨダレ垂らさないでね…」

ミヅキがコハクのヨダレを拭く

「わかった！」

コハクはグッと口を引き締めて肉を叩き出した。

「後は叩いた肉に塩、コショウ小麦粉をまぶして溶き卵に潜らせて、パン粉をまぶす」

ミヅキが歌うようにカツを作っていくと…

[ミヅキ…ご主人様のようです]

レムが興味深そうにミヅキの作る様子を見つめていた。

「雄一郎さんはどんな料理を作ってたの？」

ミヅキが手を動かしながら聞いてみると

[ご主人様はなんでも醤油と味噌を付けて食べていました]

「あーそれも美味しいよね～キュウリに付けたり、お刺身とか～かまぼことか～」

[それとお酒を飲んでました。お酒と言うのは私でいう、魔力のようだと…飲まないといけない物だそうです…ミヅキは飲まないのですか？]

「雄一郎さん…レムに何教えてるんだか…」

ミヅキが手を止めて呆れる。

「いいレム、お酒は確かに美味しいけどあれは大人しか飲めないんだよ、私は料理に使うけどね。そしてここが書き換えだよ！お酒は程々に！飲みすぎ注意！」

[えっ…]

レムが驚いた。

「あれは飲まなくても死にません！レムも飲みすぎてる大人がいたら止めてあげてね」

[お酒注意。飲みすぎ禁止。了解しました]

よしよしとミヅキが頷く。

「おわったー！」

コハクが肉を全て叩き終えた。

「コハクご苦労さま！コハクには特別メニュー用意してあげるからね」

「とくべつ！」

コハクは我慢していたヨダレが一気に出てきてしまった。

ミヅキは残りの肉に全部衣を付けると…

「後は揚げて煮込むだけだね、シンクご飯はどうかな？」

【バッチリだよ！】

シンクが米の蓋を足で掴んで開けてみると…美味しそうに立ったお米が炊けていた。

【さすがシンクだね～火加減完璧！】

お米を混ぜて蒸しておく、次に肉を揚げていると…合間に調味料を混ぜておく。

肉を揚げ終わると…

「よし！後は食べる時に煮ればおっけーだね！」

【ミヅキ…味見をしてみるのはどうだ？】

シルバが提案すると…

【えー？】

どうしようかな…

ミヅキがみんなを見ると…

食べたい…

みんなの瞳が訴えてきた…

【しょ、しょうがないなぁ…】

ミヅキはみんなの分だけ先に作る事にした。