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7章
314.病人
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「止まれ!止まらないと攻撃するぞ!」
サウス国の兵士がプルシアに攻撃体勢をとって警告する。
「攻撃しないでくれ!」
デボットが上から叫ぶと、シルバがプルシアの背から飛び降りた!
「ぎゃー!」
デボットがミヅキをギュッと抱きかかえて目をつぶってしまうと…
スタッ!
シルバが地面に降り立つ。
「な、なんだ!今度はなんだ!」
大きな獣にびっくりしていると
「わ、私達はこの町にいる仲間に用があるだけです!セバスさんとベイカーさんを呼んで下さい!」
デボットがよろめきながらシルバから降りると
「セバス?ベイカー…ってあの冒険者か?」
「そ、そうです!彼らと話を!」
「グウルルル」
【早くしないか!】
シルバがイラついて唸ると
「確認する!それまで近づくな!近づけば攻撃する!」
「わ、分かった…早くしてくれ!病人がいるんだ!」
プルシア達もシルバ達の後ろに降り立つと…
【シルバ!無理しないでよ!ミヅキが乗ってるんだよ】
シンクがデボットの肩に乗ると
「ま、また増えた…」
兵士達が後ずさる…
「とりあえず手が空いてる兵士達を連れてこい…そしてクラウス隊長を…」
「今呼んでいます!」
兵士は人を集めるため急いで駆け出した。
しばらくして
「クラウス隊長が到着致しました!」
兵士達がクラウス隊長の姿を見てホッとすると
「君達は?」
クラウス隊長は剣に手をかけ警戒しながら声をかける。
「私達は先程この町に来たベイカーさん達の連れです!私達の連れに病人が出ました、至急セバスさんを呼んで頂きたい!もしくは町に入らせてくれ!」
「町に入る事は容認出来ない、見たところあなた方の戦力に脅威を感じている…」
後ろにいるプルシア達を見ると…
「しかし…病人だけなら預かろう、私達の医師に見せることはできる」
「なら俺も!」
デボットがミヅキを抱きしめると
【俺もだ!】
シルバが吠えると町に入ろうと近づく…
「そこの従魔は入る事は許さない入れば病人の治療はしない…」
【巫山戯るなよ!デボット!もういい!セバスの所に行くぞ!】
シルバがデボットを見るが
「シルバ大人しくしててくれ…とりあえずミヅキを見せるのが先だろ?」
【ぐうぅ!こんな奴ら蹴散らしてさっさとセバスの所に行けばいいじゃないか!】
シルバの不満そうな様子に
「ミヅキと離れたくないのは分かるが待っててくれよ…」
【くっそ!まともに通じやしない!】
【シルバ…待ってよう…ミヅキが帰って来なかったら…その時は…】
シンクを見ると赤く燃えている。
シルバが不満げに腰を落とすと
「納得してくれたか?」
デボットがシルバをみるとぷいっと横を向いてしまった…。
「では、あなたと病人だけ…とりあえずついてきてくれ」
クラウス隊長が歩き出すと
「じゃ行ってくる。レアル後は頼むぞ」
「デボットさん…ミヅキをお願いします」
デボットは頷くと足早にクラウス隊長の後を追った。
クラウス隊長が一軒の家に入ると
「先生いますか?」
奥に声をかける。
「なんだ」
奥から声と共に白衣を着た男性が出てくると
「病人です、みてくれますか?」
先生と呼ばれた男は
「そこに…」
ベッドを指さす
デボットがミヅキをそっとおろすと
「急に熱が出て…」
デボットが説明すると、先生がミヅキのおでこに手を乗せる。
「結構、熱いなぁ…」
そのまま回復魔法をかけるが…
「回復魔法が…効かない?」
先生が驚いていると
「これはもしかして…王都で流行ってる病ですか?」
「その可能性が高いなぁ…」
先生が困った顔をすると
「ここでは調べようが無い…王都に行けばハッキリするが…」
「どういう事ですか?流行病とは?」
デボットが聞くと
「今、サウス国で子供だけがかかる風邪のような症状の病が流行ってるんだ…」
「子供?風邪?」
「何故か大人にはかからず子供にしか症状が出ない…熱が高く回復魔法が効かないんだよ…そのせいで王都は今大変で…だからここに来るのも遅れてしまったんだ」
「先生…」
クラウスがそれ以上言うなと止めようとするが
「それにミヅキもかかったと?」
デボットは無視して先生に質問する。
「その可能性が高い」
先生が頷くと
「ち、治療法は?」
「今王都でもその原因と治療法を探している所なんだ…まだハッキリとした原因はわかっていなくて…ただ熱は3.4日で引きはするが…その後違う病気になったり周りの子に移ることがわかっています」
「じゃ…ミヅキも熱は下がるんだな!」
「その後…きちんと治るかは保証出来ない」
「なんだよそれ!」
「とりあえず今ある熱を下げる薬を飲ませるが…あまり効果は期待しないでくれ…」
「そんな薬…あっ!エヴァさん!」
デボットがエヴァさんを思い出すと
「あの人薬を作ってるって言ってたな!ちょ!ありがとう、もういいです!」
デボットはミヅキを包んでだき抱えると
「もう行っていいですか?」
「「えっ?」」
「じゃ!」
デボットは構わず皆の所に戻って行った…
「エヴァさん!」
デボットが叫びながら戻ってくると
【どうだった!】
「どうした!」
皆が駆け寄る、デボットがミヅキの症状を説明すると
「サウス国で子供だけが流行る病?」
エヴァが思考していると
「昔に流行ったやつかなぁ…でもあれは確か貴重な薬草がないと作れない…」
「どんな薬草ですか!?」
「高山の岩場に生えてる千龍草だよ」
「聞いた事が無い…」
デボットが首を振ると
「これかな?」
ククノが葉をエヴァに差し出すと
「こ、これです!そうかククノ様なら…でも…」
魔力の心配をすると
「ミヅキがよくなるなら構わないよ」
「すみません!後で私の魔力を差し上げますから」
「いいから、早く薬を作ってあげてくれ」
ククノが微笑むと
「すみません!ちょっと家に行って来る!」
エヴァは門番に頼み込み一人町に入って行った。
デボットを追いかけて、クラウス隊長と先生が現れると
「先程の女性は?」
「彼女は薬師で今この子の為の薬を作りに行きました」
「えっ…治せるのか?この病気が?」
「あっ…いや…それはわかりませんが」
デボットがレアルを見ると二人共気まずそうにする。
「すみませんが、この病気が治るならその治療法を教えて頂きたい!この病で苦しんでる子が国には沢山いるんです!」
先生が必死に頼み込む。
「なら…すみませんがセバスさんとベイカーさんに合わせて下さい…でないとこれ以上はお話出来ません」
デボットが口を閉ざすと…クラウス隊長の態度が変わる。
「それは…困る、治せる可能性があるならこちらも手段を選んではいられない…」
「治らなかったら…?」
「申し訳ありませんが…あなた達を捕まえて王都に連れて帰ります…」
「はっ?なんで…どっちにしろ捕まえる気か?」
デボットが思わぬ事に驚いていると
「この病気を治すことができるかもしれない薬師とその病気を患っている子です…これ以上被害が広がる前に隔離させていただきます」
クラウス隊長が申し訳なさそうに言うと
「必死なのはわかりますが…横暴すぎやしませんか?」
レアルが冷静に問い返すと
「我々も心苦しい…しかし今この病のせいで……すまないこれ以上は…その代わりその薬が効く事と作り方がわかれば直ぐにでも解放して国から報奨金が出されるだろう」
「そんなもん、要らねぇよ…」
デボットとレアルは怒りを必死に抑えていた。
サウス国の兵士がプルシアに攻撃体勢をとって警告する。
「攻撃しないでくれ!」
デボットが上から叫ぶと、シルバがプルシアの背から飛び降りた!
「ぎゃー!」
デボットがミヅキをギュッと抱きかかえて目をつぶってしまうと…
スタッ!
シルバが地面に降り立つ。
「な、なんだ!今度はなんだ!」
大きな獣にびっくりしていると
「わ、私達はこの町にいる仲間に用があるだけです!セバスさんとベイカーさんを呼んで下さい!」
デボットがよろめきながらシルバから降りると
「セバス?ベイカー…ってあの冒険者か?」
「そ、そうです!彼らと話を!」
「グウルルル」
【早くしないか!】
シルバがイラついて唸ると
「確認する!それまで近づくな!近づけば攻撃する!」
「わ、分かった…早くしてくれ!病人がいるんだ!」
プルシア達もシルバ達の後ろに降り立つと…
【シルバ!無理しないでよ!ミヅキが乗ってるんだよ】
シンクがデボットの肩に乗ると
「ま、また増えた…」
兵士達が後ずさる…
「とりあえず手が空いてる兵士達を連れてこい…そしてクラウス隊長を…」
「今呼んでいます!」
兵士は人を集めるため急いで駆け出した。
しばらくして
「クラウス隊長が到着致しました!」
兵士達がクラウス隊長の姿を見てホッとすると
「君達は?」
クラウス隊長は剣に手をかけ警戒しながら声をかける。
「私達は先程この町に来たベイカーさん達の連れです!私達の連れに病人が出ました、至急セバスさんを呼んで頂きたい!もしくは町に入らせてくれ!」
「町に入る事は容認出来ない、見たところあなた方の戦力に脅威を感じている…」
後ろにいるプルシア達を見ると…
「しかし…病人だけなら預かろう、私達の医師に見せることはできる」
「なら俺も!」
デボットがミヅキを抱きしめると
【俺もだ!】
シルバが吠えると町に入ろうと近づく…
「そこの従魔は入る事は許さない入れば病人の治療はしない…」
【巫山戯るなよ!デボット!もういい!セバスの所に行くぞ!】
シルバがデボットを見るが
「シルバ大人しくしててくれ…とりあえずミヅキを見せるのが先だろ?」
【ぐうぅ!こんな奴ら蹴散らしてさっさとセバスの所に行けばいいじゃないか!】
シルバの不満そうな様子に
「ミヅキと離れたくないのは分かるが待っててくれよ…」
【くっそ!まともに通じやしない!】
【シルバ…待ってよう…ミヅキが帰って来なかったら…その時は…】
シンクを見ると赤く燃えている。
シルバが不満げに腰を落とすと
「納得してくれたか?」
デボットがシルバをみるとぷいっと横を向いてしまった…。
「では、あなたと病人だけ…とりあえずついてきてくれ」
クラウス隊長が歩き出すと
「じゃ行ってくる。レアル後は頼むぞ」
「デボットさん…ミヅキをお願いします」
デボットは頷くと足早にクラウス隊長の後を追った。
クラウス隊長が一軒の家に入ると
「先生いますか?」
奥に声をかける。
「なんだ」
奥から声と共に白衣を着た男性が出てくると
「病人です、みてくれますか?」
先生と呼ばれた男は
「そこに…」
ベッドを指さす
デボットがミヅキをそっとおろすと
「急に熱が出て…」
デボットが説明すると、先生がミヅキのおでこに手を乗せる。
「結構、熱いなぁ…」
そのまま回復魔法をかけるが…
「回復魔法が…効かない?」
先生が驚いていると
「これはもしかして…王都で流行ってる病ですか?」
「その可能性が高いなぁ…」
先生が困った顔をすると
「ここでは調べようが無い…王都に行けばハッキリするが…」
「どういう事ですか?流行病とは?」
デボットが聞くと
「今、サウス国で子供だけがかかる風邪のような症状の病が流行ってるんだ…」
「子供?風邪?」
「何故か大人にはかからず子供にしか症状が出ない…熱が高く回復魔法が効かないんだよ…そのせいで王都は今大変で…だからここに来るのも遅れてしまったんだ」
「先生…」
クラウスがそれ以上言うなと止めようとするが
「それにミヅキもかかったと?」
デボットは無視して先生に質問する。
「その可能性が高い」
先生が頷くと
「ち、治療法は?」
「今王都でもその原因と治療法を探している所なんだ…まだハッキリとした原因はわかっていなくて…ただ熱は3.4日で引きはするが…その後違う病気になったり周りの子に移ることがわかっています」
「じゃ…ミヅキも熱は下がるんだな!」
「その後…きちんと治るかは保証出来ない」
「なんだよそれ!」
「とりあえず今ある熱を下げる薬を飲ませるが…あまり効果は期待しないでくれ…」
「そんな薬…あっ!エヴァさん!」
デボットがエヴァさんを思い出すと
「あの人薬を作ってるって言ってたな!ちょ!ありがとう、もういいです!」
デボットはミヅキを包んでだき抱えると
「もう行っていいですか?」
「「えっ?」」
「じゃ!」
デボットは構わず皆の所に戻って行った…
「エヴァさん!」
デボットが叫びながら戻ってくると
【どうだった!】
「どうした!」
皆が駆け寄る、デボットがミヅキの症状を説明すると
「サウス国で子供だけが流行る病?」
エヴァが思考していると
「昔に流行ったやつかなぁ…でもあれは確か貴重な薬草がないと作れない…」
「どんな薬草ですか!?」
「高山の岩場に生えてる千龍草だよ」
「聞いた事が無い…」
デボットが首を振ると
「これかな?」
ククノが葉をエヴァに差し出すと
「こ、これです!そうかククノ様なら…でも…」
魔力の心配をすると
「ミヅキがよくなるなら構わないよ」
「すみません!後で私の魔力を差し上げますから」
「いいから、早く薬を作ってあげてくれ」
ククノが微笑むと
「すみません!ちょっと家に行って来る!」
エヴァは門番に頼み込み一人町に入って行った。
デボットを追いかけて、クラウス隊長と先生が現れると
「先程の女性は?」
「彼女は薬師で今この子の為の薬を作りに行きました」
「えっ…治せるのか?この病気が?」
「あっ…いや…それはわかりませんが」
デボットがレアルを見ると二人共気まずそうにする。
「すみませんが、この病気が治るならその治療法を教えて頂きたい!この病で苦しんでる子が国には沢山いるんです!」
先生が必死に頼み込む。
「なら…すみませんがセバスさんとベイカーさんに合わせて下さい…でないとこれ以上はお話出来ません」
デボットが口を閉ざすと…クラウス隊長の態度が変わる。
「それは…困る、治せる可能性があるならこちらも手段を選んではいられない…」
「治らなかったら…?」
「申し訳ありませんが…あなた達を捕まえて王都に連れて帰ります…」
「はっ?なんで…どっちにしろ捕まえる気か?」
デボットが思わぬ事に驚いていると
「この病気を治すことができるかもしれない薬師とその病気を患っている子です…これ以上被害が広がる前に隔離させていただきます」
クラウス隊長が申し訳なさそうに言うと
「必死なのはわかりますが…横暴すぎやしませんか?」
レアルが冷静に問い返すと
「我々も心苦しい…しかし今この病のせいで……すまないこれ以上は…その代わりその薬が効く事と作り方がわかれば直ぐにでも解放して国から報奨金が出されるだろう」
「そんなもん、要らねぇよ…」
デボットとレアルは怒りを必死に抑えていた。
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