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6章

302.検証

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「「それで?」」

セバスさんとベイカーさんが同時に聞く…。

わぁー双子みたいに息ぴったり!

なんて言える雰囲気もなく…ミヅキは鑑定結果を言うと…

「まぁ…レベルアップはいいでしょう…あれだけ戦ったりしてればしょうが無いです。しかし、魔力が七万!それとコハクさんに変なマークが付いてると?」

「はい…」

ミヅキがコハクを抱き上げる

【別に変わった様子は無いよね?】

【クーン】

コハクが可愛らしく首を傾げる

【か、可愛い!もしかして可愛さのレベルアップ!】

【コハクを鑑定してみればいいんじゃないか?】

シルバがつっこむと…

「セバスさんコハク鑑定してみますね、何かあったら心配だし…」

セバスさんが頷くと…

鑑定!

《名前》コハク

《種類》ケイパーフォックス

《レベル》30

《体力》1500

《魔力》5000

《スキル》木魔法 土魔法 風魔法 水魔法 

〈備考〉ミヅキの従魔 

              ※レベルカンスト 進化出来ます


「はっ!コハク、レベルがカンストしてて進化できるって!」

ミヅキがセバスさん達を見ると

「進化?ケイパーフォックスが?聞いた事ありませんよね?」

ベイカーも頷く

「えーでも書いてあるよ?」

【コハク?進化してみる?】

【キャン!】
               
コハクからはしてみたいと言う気持ちが伝わってきた…。

【シルバ…いいかな?】

ミヅキがシルバにも聞くと…

【本人がしたいならいいんじゃないか?】

あんまり関心がない模様…ミヅキはセバスさん達に説明してコハクを進化させて見ることにした…。

コハクを持ち上げ…

「どうやんの?」

首を傾げる…コハクもわからずミヅキの真似をする。

「ミヅキさんが主人ですから…なんかしらの命令をすればよろしいのでは?」

セバスが助け舟を出すと…

【よし!じゃ…コハク】

【キャン!】

コハクと思いを繋げ

【進化してください!】

すると…

ビー…と言う音が脳に響き、鑑定画面の様なものが表示され…

----------------------------------------------------------

進化出来ません。
素材がたまりませんでした。

----------------------------------------------------------

と浮かぶ…。

「なんか…素材が足りなくて進化出来ないって…素材って…何?」

ミヅキが文句をたれると

----------------------------------------------------------

神に捧げる供物

----------------------------------------------------------

またなんか出た…。

「供物?」

神に捧げる供物ってなんだろ?もしかして…あれかな?

ちらっとコハクを見る…モコモコの体に可愛い尻尾…どう見ても子狐…って事は…

「コハクさんの進化はとりあえず置いて次に行きましょうか?」

セバスさんが声をかけると…

「は、はい!」

ミヅキがシャキン!と姿勢を正す。

「では…リバイアサンの従魔の件ですが…」

「待ってください!まだ!従魔ではないです!(仮)になってます!」

ミヅキが慌てて訂正する!

ベイカーは姿勢を正すと

「俺は知りません!聞いたらしてないって言いました!しかもその後に必ず契約するなとも言いました!」

小学生男子か!

まるで先生にチクるみたいに言われてイラッとくる。

「私も契約するつもりなかったです!名前も付けてないし…」

【リバイアって呼んでなかったか?】

シルバがボソッと言うと…

【シッ!】

ミヅキが口に指を当てる…

「どうも…名前が引っかかるんでよね…」

セバスさんが顎に手を当てて考えると…

「もしや…リバイア(さん)なんて呼んでませんよね?」

ギクッ…

ミヅキの顔が強ばる…

字で書かない限り気付かれないと思ったのに…

ミヅキの様子にセバスさんの予感が的中したのが分かった…

「お前…何やってるんだよ…」

ベイカーがガクッと肩を落とす。

「で、でも(仮)って出てますよ?これはどうしてですか?」

「まだ本契約されてないんでしょうね…ミヅキさん、キチンとリバイアサンにお断りしてきなさい!」

「えっ…」

ミヅキがショックとばかりに泣きそうになると…

「そんな顔をしても駄目ですよ、リバイアサンは大きすぎます、それに水場が無ければいけませんし…」

セバスが思わずミヅキから顔を逸らす…

「うっ…わかってます…でも…でも…」

ミヅキの泣きそうな顔にたじろぐと

「ベイカーさん!あなたどうにかしなさい!」

セバスがベイカーを掴むとミヅキの前に座らせる。

「お、俺?」

「ベイカぁーしゃん…」

今にも泣きそうなミヅキを目の前にベイカーが怯むと…

「ほら…やっぱり飼えないし…世話も大変だし…」

「世話なら…できます…」

ボソッっとミヅキが言うと…

【いいんだ…ご主人様、無理を言ってすまない。俺は海で大人しくしているよ】

リバイアサンが口を挟んできた…

【でも…】

【そりゃ青龍様と一緒に従魔になりたいが、よく考えたら俺にはまだ早すぎるようだ…もう少し強くなったら出直すよ】

【……】

ミヅキが寂しそうに下を向いていると、リバイアサンの大きな口から下がベロンと出てきてミヅキを舐める。

【だからそんな悲しそうな顔をするな!ミヅキが俺達ドラゴンの愛し子なのは事実なんだから…従魔で無くても何時でも呼んでくれて構わないんだぜ!水場があれば何処にでも駆けつけてやる】

【リバイアさん…】

【だから次はもっとカッコイイ名前を付けてくれよな】

【はい!】

ミヅキがようやく笑顔になると、セバスもベイカーもホッとする…

「どうにか、上手いことお断りが出来たんですね?」

セバスが確認すると…

「うん…リバイアさんがまだ自分には早いからって…」

ちょっと寂しそうな顔をしていうと

「そうですね…プルシアさんくらいになったらにしましょうね」

「はい!」

ミヅキが答えると…

【青龍様クラス…】

リバイアサンはガックリと首を垂れた…

【だ、大丈夫?リバイアさん?】

ミヅキが心配そうにすると…

【ああ…魔力が少ない所に…ちょっと衝撃が走っただけだから…】

元気なく答えると

「そう言えばみんな元気無いし…寝てるね…」

ミヅキが眠っている海の民達を見ると

「魔力が少なくなり寝て回復しているんですよ…しばらく休めば治りますから」

セバスさんも疲れた様子で答えると…

【私の為にすまなかったなぁ…】

ネーレ様の声が響いてきた!

【ネーレ様!大丈夫ですか?】

一応治ったって天使様から聞いていたが…本人から言葉を聞きたい…

ミヅキが答えを待っていると…

【皆のおかげですっかり穢れが消えたよ…ありがとう】

ネーレ様の嬉しそうな声が聞こえた…

【良かった…】

【だが…しばらくは大人しくしていないとだなぁ…】

【そうなの?また一緒に出かけたりは出来ないの?】

ミヅキが寂しそうに聞くと…

【しばらく休めば大丈夫だ…その時はまた寿司をご馳走してくれ…】

【うん!約束ね!】

【ありがとう…少しだが…みんなから貰った魔力を返そう…皆にもお礼を言っておいてくれ…】

そう言うと…海の木がユラユラと揺れだし…葉が落ちてきた…。

「綺麗…」

ミヅキが葉を掴もうと手を伸ばすと…葉は触れた途端に体に溶け込む…

「コレは…魔力の葉?」

セバスさんが手を差し出し葉を受け止めると…

「どんどん魔力が戻っていきますね…」

周りを見ると葉に触れたもの達が起き上がってきだした…

「ネーレ様が少し魔力を返すって…みんなにお礼を言っといて欲しいって言ってました…」

寂しそうに伝えると…

「よかったな、ミヅキ。みんなの木をちゃんと守れたな」

ベイカーがミヅキを抱き上げる。

ミヅキはニカッと笑うベイカーを見つめると…

「うん…そうだね!よかった」

同じように歯を見せニカッと笑って見せた。
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