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猫
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「はい、どうぞ…」
藤野さんがオカワリのお茶を入れてきてくれると声を落としてお茶を置いた。
「ありがとうございます」
俺も声を落として答えると寝ている三匹を見ては笑みがこぼれる。
三匹はあの後お互いに慣れたようで追いかけっこをして家中を走り回っていた。
そして疲れたのな三匹で絡み合い丸くなりながら寝てしまったのだ。
「本当に可愛いわね」
藤野さんがしみじみと言うように声を吐き出す。
そして俺の方を向いて真剣な顔で見つめてきた。
「充くん、改めてお礼を言わせて…ありがとう。おもちが来てから家も私も若返ったような気がするの、これも充くんが背中を押してくれたおかげよ」
頭を下げる。
「そ、そんな!頭をあげてくださいよ!俺はこの二人のお礼に…それに猫が好きなのに飼えないのは寂しいですからね」
「そうね、でもこの子が大きくなるまで私も元気でいないと!これから益々健康に気をつけるわ!」
「そうですね…あと…またお邪魔してもいいですか?おもちにこいつらも会いたいと思うので」
「もちろんよ!いつでも来てちょうだい、おもちも私も大歓迎よ」
藤野さんの明るい笑顔に充は胸が熱くなる。
少し年上の猫友達ができてしまった…
充にはこれと言って遊ぶ友達がいなかった、仕事場や学校にも話をする人はいたがバイトや生活の事もありなかなか一緒に遊びに行くのは難しく、気がつけば人から距離を取るようになっていた。
それがふくとまるといるようになって一変した。
その変化に戸惑いながらも悪い気はしなかった。
ふく達がなかなか起きないので藤野さん家のカゴを借りてふくとまるを入れると家を後にする。
「すみません、ゲージ少しお借りしますね」
「いいのよ、うちにはまだもう1つあるから。それにまた会えるきっかけになるものね」
「はい!また遊びにきながらお返しにきます」
藤野さんは楽しみにしていると外まで俺達を送ってくれた。
二人の重みが腕にずっしりと感じるが何だか足取りが軽かった。
帰り道、スキップをしそうな気持ちで歩いていると…前から黒ずくめの男の人が歩いてくる。
充は少し不審に思いながらも気持ち的に明るかったので少しだけ端に避けてすれ違った。
「君…」
するとその人に声をかけられる。
「え?」
俺…だよな
周りを見ればその人と自分だけ…
充は少し警戒を強めて立ち止まった。
「道を聞きたいのだが…」
「あ、ああ道ですか」
道に迷ったのだとわかると警戒が薄れる。
あまり自分もこの土地に慣れてないからわかるか不安だったがいつも行くスーパーの場所だったので途中まで案内する事にした。
「すまないね…」
上から下まで真っ黒なその男の人は真っ暗な黒目で見つめてきた…
藤野さんがオカワリのお茶を入れてきてくれると声を落としてお茶を置いた。
「ありがとうございます」
俺も声を落として答えると寝ている三匹を見ては笑みがこぼれる。
三匹はあの後お互いに慣れたようで追いかけっこをして家中を走り回っていた。
そして疲れたのな三匹で絡み合い丸くなりながら寝てしまったのだ。
「本当に可愛いわね」
藤野さんがしみじみと言うように声を吐き出す。
そして俺の方を向いて真剣な顔で見つめてきた。
「充くん、改めてお礼を言わせて…ありがとう。おもちが来てから家も私も若返ったような気がするの、これも充くんが背中を押してくれたおかげよ」
頭を下げる。
「そ、そんな!頭をあげてくださいよ!俺はこの二人のお礼に…それに猫が好きなのに飼えないのは寂しいですからね」
「そうね、でもこの子が大きくなるまで私も元気でいないと!これから益々健康に気をつけるわ!」
「そうですね…あと…またお邪魔してもいいですか?おもちにこいつらも会いたいと思うので」
「もちろんよ!いつでも来てちょうだい、おもちも私も大歓迎よ」
藤野さんの明るい笑顔に充は胸が熱くなる。
少し年上の猫友達ができてしまった…
充にはこれと言って遊ぶ友達がいなかった、仕事場や学校にも話をする人はいたがバイトや生活の事もありなかなか一緒に遊びに行くのは難しく、気がつけば人から距離を取るようになっていた。
それがふくとまるといるようになって一変した。
その変化に戸惑いながらも悪い気はしなかった。
ふく達がなかなか起きないので藤野さん家のカゴを借りてふくとまるを入れると家を後にする。
「すみません、ゲージ少しお借りしますね」
「いいのよ、うちにはまだもう1つあるから。それにまた会えるきっかけになるものね」
「はい!また遊びにきながらお返しにきます」
藤野さんは楽しみにしていると外まで俺達を送ってくれた。
二人の重みが腕にずっしりと感じるが何だか足取りが軽かった。
帰り道、スキップをしそうな気持ちで歩いていると…前から黒ずくめの男の人が歩いてくる。
充は少し不審に思いながらも気持ち的に明るかったので少しだけ端に避けてすれ違った。
「君…」
するとその人に声をかけられる。
「え?」
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「道を聞きたいのだが…」
「あ、ああ道ですか」
道に迷ったのだとわかると警戒が薄れる。
あまり自分もこの土地に慣れてないからわかるか不安だったがいつも行くスーパーの場所だったので途中まで案内する事にした。
「すまないね…」
上から下まで真っ黒なその男の人は真っ暗な黒目で見つめてきた…
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