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「シルビオずるいよ、今日は私がケントと寝るんだからね」

「ご、ごめんよ。昨日は話があってそのまま寝ちゃったんだよ」

シルビオはコソッとイブに謝った。

片付けをしているケントと少し離れて二人だけでコソコソと話していた。

「なんかさ、私って二人とは本当の仲間じゃないんじゃないかと思って不安で…ケントに相談してたんだよ。だからごめん」

シルビオはシュンと肩を落としながらイブに謝った。

イブはそう聞いて首を傾げた。

「本当の仲間って?シルビオ、イブ達嫌いなの?」

「違う!本当に好きだから…でも私は二人に酷いことをしてたから…」

「でもシルビオは謝ったし私たちの事を助けてくれたでしょ?」

「イブはそう思ってくれてもケントはわからなかったから…」

「でもケントもいいって言ったんでしょ?」

「うん…」

シルビオは昨夜の事を思い出してポッと頬を赤らめた。

「ん~!なんかやっぱりずるい!」

イブは何がそんなに気に入らないのかわかんないが胸がムカムカした。

「だからごめんて、もうあんな事はしないよ…でもたまにならいいかな?」

シルビオはイブをチラッと見つめる。

「一緒に寝るの?」

シルビオはコクっと頷いた。

「昨日ケントと寝てなんか今までにない感じがしたんだ…こう、胸がギュッてなって体が熱くて疼いて…でも幸せで…ケントに抱きついてるとなんか幸せなんだよね」

「私もそれわかる」

イブは自分もたまに同じ感じになる事にシルビオに同意した。

「この気持ちが何んなのかわかんないけど…また感じたいって事はわかる」

二人は顔を見合わせて手を握りあった。

「私はケントもシルビオも好き…だから二人が幸せになって欲しい…でもそこに自分も入りたい」

イブは手を握りながら素直に自分の気持ちを伝えた。

「イブ…ありがとう!私もイブが好きだよ。イブが悲しむ事はしたくない。イブとケントと三人で笑える様に頑張ろう!」

「うん!」

二人はその後もずっと話を続けていた。

その様子を賢人は少し離れて見ていた…

荷物をしまい終えて二人を見れば真剣な顔で話し合っていた。

コソコソと小声で話しているので内容は分からないが深刻な内容なのか時折泣きそうな顔をしていた。

話に行こうかと思っていると今度は二人で手を繋ぎ合い何か笑っていた。

「なんだ…喧嘩じゃないみたいだな」

仲の良さそうな様子にホッと胸を撫で下ろした。

二人は話を終えたみたいで手を繋ぎながらこちらに歩いてくる。

やれやれ、ようやく移動出来るかな

賢人は立ち上がってカバンを肩にかけた。

「行くか?」

「「うん!」」

二人は息ぴったりに返事をすると賢人の腕に両側から抱きついた。

「な、何?歩きずらいんだけど」

「いいの!」

「これがみんな平和で一番な歩き方なんだよ」

二人にそう言われて賢人は歩きずらいそうに前に進んだ。

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