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おはよう

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ぐー!!

「んー!」

メリルはお腹の音と空腹で目が覚めた。

「お腹すいた…」

メリルはぽっこりお腹をさすっていると…

「「「メリル!」」」

「わ!」

メリルが目覚めると目の前には目を真っ赤にしたお父様とお母様それにディーンがいた。

「み、みんなおはよう…」

朝っぱらからなんだろうとみんなの顔をうかがうと皆の瞳から涙がこぼれた。

「え!?え!」

メリルは驚いて立ち上がるとよろっとよろけてしまった。

するとお父様とディーンが慌てて支えてくれた。

「あ、ありがとう。なんか力が入らなくて…」

そのまま、またベッドに寝かされた。

「無理もないメリルは三日間も目覚めなかったんだよ」

「本当に心配したわ、お医者様は何も異常は無いって言うし」

お父様とお母様が本当によかったと抱き合って喜んでいる。

「お姉様、何処か痛い所や変な所など無いですか?」

ディーンも目を赤くして見つめてくる。
どうやらすごく泣いたようだ…

「大丈夫、だからそんな悲しそうな顔をしないで」

メリルはディーンの泣き顔を見てお茶会で嫌な思いをした事を思い出して、痛そうに腫れる目にそっと触れる。

「僕の事はいいんです!それよりもお姉様が寝覚めてよかった…」

「メリルお嬢様、大丈夫ですか?何か欲しいものがあったらおっしゃって下さいませ」

メイドさん達も心配そうに後ろから声をかける。

「あ、ありがとう…」

そんなにも眠っていたとは思わなかった。

だから体が思うように動かないのかもしれない。

「何か召し上がりますか?」

ジョルノさんの声にお腹が返事をする。

「ぐー!」

「すぐに料理の準備を!」

お父様が指示を出すと皆が忙しなく動き出す。

恥ずかしくなってお腹を押さえるとタプタプのお腹の感触にショックを覚えた。

「ま、待って!」

メリルはみんなを止めると鏡を持ってきて欲しいとお願いする。

姿鏡を従者達が運ぶとメリルの前に立てかけてくれた、メリルはそっと顔をあげて鏡を見る。

そこには可愛らしいがぷっくりと頬が膨れて二重アゴの女の子がショックを受けた顔をしていた。

「わ、私ってこんなにも太ってたんだ…」

記憶が戻る前には気が付かなかったが今ならその異常さに気がついた。

「そんな事はない、メリルはそのままで可愛らしいよ」

お父様はきっと本当にそう思って言ってくれているのだろう。

でもこのままでは良くない!ディーンの為にも自分の為にもメリルはダイエットをする事を決意した。

「お父様!私今日から少し料理を減らします、それと野菜を中心のメニューに変えて下さい」

「や、野菜ですか?」

ジョルノが驚いて聞き返す。

「ええ、ジョルノならきっと野菜でも私が満足する料理を作ってくれるって信じてる」

「も、もちろんです!」

ジョルノは急いで厨房へと向かっていった。

「メリル、無理してないかい?」

お父様は突然そんな事を言う私を心配していた。

「大丈夫です。私は自分の健康の為にもそういようって思ったの。だからお父様も協力してくださいね」

「メリルがそう言うならわかったよ」

お父様は優しく了承してくれた。

しかしディーンは考え込む顔でじっとメリルを見つめていた。
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