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73.出会い

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「テオドールはいるか!」

朝からしたのホールで何やら大声で話す男がいた…私はその声で目が覚めてぼーっとしながらベッドの上でウトウトとしていた。

「はぁぁ~リアズ…おはよう~なんか騒がしいね…」

のそのそっとベッドから降りて朝の支度のために浴槽へと向かうと

「マリー様おはようございます。何やらお客様がお見えのようですね…今日はそんな予定はなかったはずですが…」

きっちりと起きて支度を手伝ってくれるリアズがおかしいなと首を傾げた。

なんか気になるなぁ…

私は早めに支度を整えてもらって様子を伺いに行くことにした。


しかしその前に 腹ごしらえとリビングに向かうと…

「おっ、また誰か来たな!」

リビングのテーブルに知らない顔が鎮座していた。

誰?

眉をひそめてその顔を見る…歳はお兄様くらいか?金髪のサラサラの髪でまぁまぁいい顔をしているがお兄様やシリルには敵わない。

それに…何処かで見た事あるような…

誰だったかな…と考えていると

「マリー!おはよう」

「マリーおはよう~」

テオドールお兄様とシリルがわざわざ席をたって笑顔で挨拶の為に近づいて来てくれた。

「お兄様、シリルおはよう!」

二人に笑顔を向けると

「なるほど…テオドールの一番ってのはそいつか」

先程の男の子がニヤニヤしながら近づいてきた。

お兄様の名前を知ってるって事はお兄様のお友達?なら挨拶をしないと…

「はじめまして、マリーと申します」

スカートに手をかけて頭を軽く下げると

「ああ、グレイだ。よろしくな」

「グレイ様?」

「グレイでもいいぞ」

なんか偉そうな態度だが気は良さそうだ。テオドールお兄様とは違った頼れるお兄ちゃんって感じがする。

「ふふ、じゃあグレイお兄ちゃんですね」

私はそう言って笑いかけると

「お兄ちゃん…ふーん悪くないね」

満更でもなさそうに笑っている。

「グレイ王子!いい加減にしてください。ただでさえ勝手に訪問してしかもマリーに兄と呼ばれて…兄と言われていいのは私だけです」

お兄様が何を気に入らなかったのか不機嫌そうにグレイさんから私を庇うように隠した。

ん?まって…今聴き逃してはいけない単語が…

グレイ…王子…王子!?この人王子様なの!?

そう言われてじっくりと顔を見ると確かに面影がある!

幼いから一瞬わからなかったが確かに成長して背が高くなってもう少し体ががっちりして、髪が伸びればあの王子になりそうだ。

「グレイ王子…」

まじまじと王子を見つめていると

「なんだ?俺のかっこよさに見惚れたか?」

私がぼーっとしてるのでからかうようにそんなことをいわれた。

「あっいえ、小さくて、ひ弱そうだなと思って」

驚きのあまりつい本音がポロッと出てしまった。
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