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66.盗み聞き
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「はぁ~思わず飛び出して来ちゃった…どうしよう」
あてもなく歩いていたつもりだったが気がつけば厨房の裏の扉に来ていた…
すると話し声が聞こえて私は思わず生垣に隠れた!
「ブレス…また来てるのか?」
「いいじゃないか、ここが一番落ち着くんだよ」
そこには見習いコックのサムさんとブレス先生がいた。
「はは、無意識でもここにきちゃった…」
自分のBL好きにこの時ばかりは呆れた。
はぁ…とため息をついているとサムさんとブレス先生の会話がさらに聞こえてきた。
「全く…マリー様とシリル様の先生になったんだろ?しっかりしろよ」
「わ、わかってるけど…まさか俺があんなにすごい人数の中選ばれるなんて…」
えっ?そうなんだ…確かに吟味したとは言っていたがそんなに人を集めていたなんて知らなかった。
「しかもジェラート様もトーマスさんも凄い眼光でこっちを睨みつけるように見て面接するんだぜ!殺されるかと思った…」
「あはは!あの二人子供を溺愛してるから」
サムさんが笑うと
「しかもテオドール様まで…なんで俺より年下なのにあんなにオーラがあるんだよ!」
「あー…テオドール様もマリー様達を激可愛がりしてるから…」
「それはここの屋敷に人達全員だろ!」
「ま、まぁ…否定はしない…」
サムさんが顔を逸らした。
うんうん分かる…シリルは可愛いもんね、なんか暗い雰囲気が無くなったら本当に天使みたいになって…
シリルの事を考えて気持ちが温かくなった途端に喧嘩をした事を思い出しガクッと頭を地面に付けた。
「まぁマリー様が生まれてからこの屋敷も変わったからな…でもすぐになれるよ」
サムは自信なさげに肩を落としている幼なじみのブレスを見つめた。
サムとブレスは子供の事からの知り合いでその事をトーマスさんに話したら次の日にはブレスが教師に決まっていた。
きっと俺の知り合いだからと配慮してくれたのだろう。
でもブレスは真面目で頭もいい…生まれが貧しいから中々その才を生かせなかったのが歯がゆかったから仕事を任せてくれたジェラート様とトーマス様には感謝しかないと思っていた。
「大丈夫…マリー様もジェラート様もみんなここの方はお優しい…お前もすぐにわかるよ」
「そうか?なんかそのマリー様なんだが…時折俺の事を微笑みながら見つめてくるんだよな…」
「マリー様はいつもニコニコしてるだろ?」
「いや…なんか…慈愛の満ちた、親?そう、母親みたいな微笑みなんだよなぁ…」
「母親って!お前マリー様いくつだと思ってるんだ」
「いやわかってるんだけど…後ろを向いてると…ゾクッとしたと思ったらマリー様が背中をじっと見つめていたり…」
「え?まさかお前…」
サムがそれは犯罪だとでも言うようにブレスを見つめると
「いや!俺はなんもしてないぞ!」
「どうだか…マリー様可愛いのはわかるけど…妹ぐらいに思っとけよ」
「ばか!生徒だよ!」
ブレスはふざけるなとサムの肩をドンッと叩いて掴んだ!
その瞬間…ガササッ!!近くの生垣から音がした…
あてもなく歩いていたつもりだったが気がつけば厨房の裏の扉に来ていた…
すると話し声が聞こえて私は思わず生垣に隠れた!
「ブレス…また来てるのか?」
「いいじゃないか、ここが一番落ち着くんだよ」
そこには見習いコックのサムさんとブレス先生がいた。
「はは、無意識でもここにきちゃった…」
自分のBL好きにこの時ばかりは呆れた。
はぁ…とため息をついているとサムさんとブレス先生の会話がさらに聞こえてきた。
「全く…マリー様とシリル様の先生になったんだろ?しっかりしろよ」
「わ、わかってるけど…まさか俺があんなにすごい人数の中選ばれるなんて…」
えっ?そうなんだ…確かに吟味したとは言っていたがそんなに人を集めていたなんて知らなかった。
「しかもジェラート様もトーマスさんも凄い眼光でこっちを睨みつけるように見て面接するんだぜ!殺されるかと思った…」
「あはは!あの二人子供を溺愛してるから」
サムさんが笑うと
「しかもテオドール様まで…なんで俺より年下なのにあんなにオーラがあるんだよ!」
「あー…テオドール様もマリー様達を激可愛がりしてるから…」
「それはここの屋敷に人達全員だろ!」
「ま、まぁ…否定はしない…」
サムさんが顔を逸らした。
うんうん分かる…シリルは可愛いもんね、なんか暗い雰囲気が無くなったら本当に天使みたいになって…
シリルの事を考えて気持ちが温かくなった途端に喧嘩をした事を思い出しガクッと頭を地面に付けた。
「まぁマリー様が生まれてからこの屋敷も変わったからな…でもすぐになれるよ」
サムは自信なさげに肩を落としている幼なじみのブレスを見つめた。
サムとブレスは子供の事からの知り合いでその事をトーマスさんに話したら次の日にはブレスが教師に決まっていた。
きっと俺の知り合いだからと配慮してくれたのだろう。
でもブレスは真面目で頭もいい…生まれが貧しいから中々その才を生かせなかったのが歯がゆかったから仕事を任せてくれたジェラート様とトーマス様には感謝しかないと思っていた。
「大丈夫…マリー様もジェラート様もみんなここの方はお優しい…お前もすぐにわかるよ」
「そうか?なんかそのマリー様なんだが…時折俺の事を微笑みながら見つめてくるんだよな…」
「マリー様はいつもニコニコしてるだろ?」
「いや…なんか…慈愛の満ちた、親?そう、母親みたいな微笑みなんだよなぁ…」
「母親って!お前マリー様いくつだと思ってるんだ」
「いやわかってるんだけど…後ろを向いてると…ゾクッとしたと思ったらマリー様が背中をじっと見つめていたり…」
「え?まさかお前…」
サムがそれは犯罪だとでも言うようにブレスを見つめると
「いや!俺はなんもしてないぞ!」
「どうだか…マリー様可愛いのはわかるけど…妹ぐらいに思っとけよ」
「ばか!生徒だよ!」
ブレスはふざけるなとサムの肩をドンッと叩いて掴んだ!
その瞬間…ガササッ!!近くの生垣から音がした…
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