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53.プレゼント

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私は猫神様の肩を掴むと…

「わかる!わかるよ~あれはいいよね!幼なじみから恋人に変わっていく二人の気持ち…それにあの絵が素敵なんだよ!!もう何度も何度も読み返したなぁ~」

「は、はい!そうなんです!普通の男女の恋愛もいいですが…男性同士もなかなか…」

猫神様が食い気味にウンウンと頷いて同意する。

「かまって下さいも人と獣人の異種間BL…これがなかなか泣かせるんです!」

「はい!私もあれには泣いてしまいました!中々周りに認められない二人…次に世界を作る時は自由恋愛にします!」

猫神様の言葉に大いに同意する。

「猫神様!」

「マリーさん!」

私達は手を固く握りあった!

その後もBL話に花が咲き楽しい時間を過ごしていると…

「ああ大変!つい楽しくて話し込んでしまいました!」

猫神様がしまったと目を見開き髭をピーンと伸ばした。

「もう時間ですか?いやぁ本当に久しぶりにBLを語れて大満足です!猫神様ありがとうございました」

私は深々と頭を下げる。

「いやいや違います!私はBLの話をする為に呼んだ訳では…」

猫神様が仕事を忘れてしまったことで申し訳なさそうな顔をした。

「え?そうなんですか?」

「はい!マリーさん今文字が読めずに戸惑っていますよね…」

「はい…そうなんです。元から頭が良くないからしょうがないですね~」

笑って頭をかいていると

「違うんです!私の方で文字解析の加護をつけ忘れて…すみません!言語はわかるのに文字がわからないなどという矛盾が…」

猫神様がしゅんと頭を下げた。

「あっそうなんですか?」

頭が悪いせいじゃなかったんだ。あっけらかんとしていると

「怒らないのですか?」

猫神が顔をあげて伺う様に見つめてきた。

「そんな!言葉がわかるだけでもありがたいです!じゃなきゃ私みんなの言葉わかりませんでしたもん」

尊い会話が聞こえないなど…考えるだけで恐ろしい!

ぶるっと震える。

「マリーさんは本当に優しいですね…今の世界でも皆さんに愛されるわけです…」

猫神様がボソッと呟いた。

「なんですか?」

私は猫神様の声がよく聞こえなくて聞き返すと…

「いいえ…なんでもありません」

猫神様は苦笑して首を振った。

「ならいいんですけど、猫神様…まさか謝る為にここに呼んだんですか?」

「それもありますし、ほんの少しアレの話したくなったのも…」

チラッとBLの本をみてそんな事で呼んでしまってごめんなさいと項垂れる猫神様に私は顔を輝かせた!

「そんな嬉しいです!是非また話したくなったら呼んで下さいね!」

「は、はい!それとマリーさんに字を覚える為のプレゼントを…」

猫神様が先程話していた、BL本に手をかざすと…パァーっと本が光りその隣に全く同じ本が現れた。

「わぁ!猫神様凄い!」

私が猫神様の能力に驚いて本を凝視すると…あることに気がついた…

「あれ?これ文字が…」

二冊の本を見比べる。

「はい!一つはマリー様の前世の世界の言語です。もう一冊は…」

「なんか…今の世界の文字に見えます…」

「その通りです!マリーさんもこれなら覚えやすいかと思いまして…」

どうかな?と猫神様は様子を伺うように私の顔を覗き込んだ。

「猫神様!天才!」

私は嬉しさに本を抱きしめた!

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