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「おい!エイト達は何処だ!」

その頃カズキ達のいる拠点は子供達が消えて騒ぎになっていた。

「クイーンも居ない…フールは何処だ!?」

カズキがみんなに聞くが誰も行方を知らなかった。

すると…

「すみません!私の子供を知りませんか!?」

同じように子供を探す家族が現れた。

「勇者様の子供達とご飯を食べさせると聞いてフールさんに預けたのですが帰ってこないんです!」

「うちも…」

「うちの子もだ!」

「何があったんだ…まさか王宮の奴らが?」

住人達がざわつきだす。

「もう我慢できない!子供達にまで手を出すとは…勇者カズキ!このまま王宮に乗り込もう!」

「そうだ!このままにしておいたら子供達が安心して遊ぶ事など出来なくなる」

子供達が居なくなった事で皆の士気が上がった!

「大変だ!王宮に続く部屋に何か争ったそうな形跡が!」

「何処だ!?」

カズキ達はそこに案内してもらうと…

「これは…エイトのバックだ」

自分があげていつも肌身離さず持っていてくれた。

「カズキ…」

ナナミが不安そうにエイトのバックを抱きしめこちらをみた。

「ここから王宮に行けるのか?」

「はい…王宮へと忍び込めるようにと長年かけて掘り進めた道です…まさか逆に使われる事になるとは…巧妙に隠しておいたはずなのに」

「ここに料理がある…子供達がここで飯を食ってるところに襲われたみたいだな…フールもここにいたのか?」

「あいつが居ないのを考えるとその可能性が高いな」

ラルクが頷いた。

「どうする?カズキ」

みんながカズキに注目した。

「行こう、そこにエイトがいるかも知れないなら助けに行かないと!エイトに何かしてみろ…この世の地獄を見せてやる」

カズキはエイトのカバンを掴むと王宮に向けて走り出した!

「よし!先に俺達が向かう!ほかの者達は各支部に連絡してから準備を整え次第向かってくれ!」

ラルクが指示を出すと既に駆け出したカズキの後を追った。

【クイーン、クイーン。聞こえるか?】

ラネットはクイーンに念話を送った。

【……】

返事は無しか…念話が届かないとなると何か妨害されているか余程遠いところにいるか…

「ラネット、クイーンも無事だといいけど…ごめんなさい巻き込んで」

ナナミが走りながら黙っているラネットに謝った。

「ナナミが謝る必要などない、それにクイーンは大丈夫だ。あの子は強い…それにドラゴンだ」

ラネットはナナミに笑いかけた。

「だが注意しろ…何か嫌な予感がする」

ナナミはラネットの言葉にコクリと頷いた。

そういやダレンの姿があれから見えない。

ラルクは走りながらいつものメンバーを見回した。

まぁ見かけたら誰かが伝えてくれるだろう…それよりも今はエイト達だ!

無事でいてくれ…ラルクはエイトを巻き込んでしまったことに後悔していた。

カズキを巻き込んだ俺のせいだ…俺がどうなろうともエイト達だけは守らないと…

ラルクは拳を握りしめた。
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