12 / 177
じゅうに
しおりを挟む
「じゃあ行ってくる」
「いってきます」
カズキは笑顔で送り出すナナミに声をかけた。
エイトもカズキの真似をするようにナナミに笑いかける。
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
ナナミはカズキの頬に触れるだけのキスをすると屈んで隣のエイトの頬にもキスをした。
「エイト、カズキから離れないようにね」
「うん」
エイトはカズキの服をギュッと握りしめた。
「よし!エイト行くか!」
カズキはエイトを抱き上げると肩に乗せて肩車をする。
「少し走るぞ、しっかりと捕まっているんだぞ」
「はい」
エイトは頷くとカズキの頭にギュッと抱きついた。
エイトからの心地よい温もりにカズキは微笑むと森に向かって走り出した!
エイトはカズキのあまりの速さにギュッと目瞑る。
風が頬に容赦なく当たった…
「エイト!大丈夫か?」
カズキが声をかけるがエイトから返事がない、カズキは速度を緩めると…
「エイト?」
止まってエイトの事を確認する。
「ぱっ!」
エイトは目と口を開くとカズキが驚いた顔をしてエイトを見つめていた。
「エイト…この頭どうした」
カズキがクックッ…と笑いだす!
エイトの髪はカズキの風圧で上に上がっていた…
「悪い、エイトには速すぎたみたいだな、もう少し速度落とすな」
カズキはエイトを肩からおろして自分の胸の方に向けて抱きしめると
「これなら少しは風の抵抗が少ないだろ」
カズキはエイトを抱えて少し速度を落として走り出した。
しばらく走ると
「エイト、大丈夫か?」
「うん!カズキあったかい」
エイトはカズキの胸に頬をすり寄せる。
「そうか」
カズキは嬉しそうにエイトをしっかりと抱きしめ直した。
「さて今日はここら辺で狩りとするか」
カズキは適当な場所でエイトを降ろすとしゃがんでエイトの顔をじっと見る。
「いいか、俺の姿が見える所にいるんだぞ」
コクコク
エイトが頷く。
エイトはカズキの邪魔にならないようにじっと身を潜める…こういうのは得意だった…。
カズキは大人しく木の影に隠れて息を殺すエイトに近くと
「エイトは本当にいい子だな、俺の邪魔をしないようにしてくれてるんだな」
エイトの頭に手を乗せて撫でるとうんと嬉しそうに頷いた。
「ありがとうな…でも大丈夫。エイトが見える所に居てくれれば何してても大丈夫だ!俺は元勇者だぞ!」
カズキがドンと胸を叩く!
「そうだな…じゃあエイトにはナナミの為に花でも摘んでやってくれ。それをお土産にしたらナナミが悦ぶぞ~」
カズキが笑って教えてやるとエイトは少し考えてナナミの喜ぶ顔を思い浮かべる!
「うん!ぼく、はな、つむ」
エイトが顔を輝かせた!
「よしよし!じゃあこの辺りの花を摘んでるんだぞ、遠くには行くなよ」
エイトは頷くと早速花を探し始めた!
「いってきます」
カズキは笑顔で送り出すナナミに声をかけた。
エイトもカズキの真似をするようにナナミに笑いかける。
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
ナナミはカズキの頬に触れるだけのキスをすると屈んで隣のエイトの頬にもキスをした。
「エイト、カズキから離れないようにね」
「うん」
エイトはカズキの服をギュッと握りしめた。
「よし!エイト行くか!」
カズキはエイトを抱き上げると肩に乗せて肩車をする。
「少し走るぞ、しっかりと捕まっているんだぞ」
「はい」
エイトは頷くとカズキの頭にギュッと抱きついた。
エイトからの心地よい温もりにカズキは微笑むと森に向かって走り出した!
エイトはカズキのあまりの速さにギュッと目瞑る。
風が頬に容赦なく当たった…
「エイト!大丈夫か?」
カズキが声をかけるがエイトから返事がない、カズキは速度を緩めると…
「エイト?」
止まってエイトの事を確認する。
「ぱっ!」
エイトは目と口を開くとカズキが驚いた顔をしてエイトを見つめていた。
「エイト…この頭どうした」
カズキがクックッ…と笑いだす!
エイトの髪はカズキの風圧で上に上がっていた…
「悪い、エイトには速すぎたみたいだな、もう少し速度落とすな」
カズキはエイトを肩からおろして自分の胸の方に向けて抱きしめると
「これなら少しは風の抵抗が少ないだろ」
カズキはエイトを抱えて少し速度を落として走り出した。
しばらく走ると
「エイト、大丈夫か?」
「うん!カズキあったかい」
エイトはカズキの胸に頬をすり寄せる。
「そうか」
カズキは嬉しそうにエイトをしっかりと抱きしめ直した。
「さて今日はここら辺で狩りとするか」
カズキは適当な場所でエイトを降ろすとしゃがんでエイトの顔をじっと見る。
「いいか、俺の姿が見える所にいるんだぞ」
コクコク
エイトが頷く。
エイトはカズキの邪魔にならないようにじっと身を潜める…こういうのは得意だった…。
カズキは大人しく木の影に隠れて息を殺すエイトに近くと
「エイトは本当にいい子だな、俺の邪魔をしないようにしてくれてるんだな」
エイトの頭に手を乗せて撫でるとうんと嬉しそうに頷いた。
「ありがとうな…でも大丈夫。エイトが見える所に居てくれれば何してても大丈夫だ!俺は元勇者だぞ!」
カズキがドンと胸を叩く!
「そうだな…じゃあエイトにはナナミの為に花でも摘んでやってくれ。それをお土産にしたらナナミが悦ぶぞ~」
カズキが笑って教えてやるとエイトは少し考えてナナミの喜ぶ顔を思い浮かべる!
「うん!ぼく、はな、つむ」
エイトが顔を輝かせた!
「よしよし!じゃあこの辺りの花を摘んでるんだぞ、遠くには行くなよ」
エイトは頷くと早速花を探し始めた!
0
お気に入りに追加
2,043
あなたにおすすめの小説
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
最難関ダンジョンで裏切られ切り捨てられたが、スキル【神眼】によってすべてを視ることが出来るようになった冒険者はざまぁする
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【第15回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作】
僕のスキル【神眼】は隠しアイテムや隠し通路、隠しトラップを見破る力がある。
そんな元奴隷の僕をレオナルドたちは冒険者仲間に迎え入れてくれた。
でもダンジョン内でピンチになった時、彼らは僕を追放した。
死に追いやられた僕は世界樹の精に出会い、【神眼】のスキルを極限まで高めてもらう。
そして三年の修行を経て、僕は世界最強へと至るのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる