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17.お茶会
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次の日グランドさんに用意されたドレスに着替えて私はアーロン様が来るのを待った。
「マリル、可愛いなー」
「こんなに可愛いと心配だよな、変なやつがいたらお兄ちゃんに報告しろよ」
「僕にもね……社会的に抹殺してあげるから」
朝からお兄様達が私を見送る為に集まってくれていた。
そして私の姿を見るなり褒めてくれる。
たまに冗談で物騒なことを言うのにもようやく少し慣れてきた。
「いつも心配してくれてありがとうございます。でも今日はアーロン様も一緒だから大丈夫ですよ」
安心させるように笑うがお兄様達の憂い顔は晴れなかった。
「だから心配なんだよね」
「アーロン様は確かに年の割にしっかりしているが、大切な妹が守れるのか?」
「やっぱり頼りないから僕が!」
カインお兄様がついてくると言いかねないでいた。
「あんた達仕事はどうしたの!マリルちゃんはおばあ様がついて行くから大丈夫よ、安心しなさい」
あ母様の一言にお兄様達も安堵する。
「おばあ様が行くなら大丈夫だな」
「俺達よりも怒らせたら怖い相手だもんなー」
「そういえば噂だけどおばあ様には前国王も頭が上がらないって聞いたんだけど……」
「「まじ?」」
そんな話をしているとちょうどマリエルさんが屋敷にやってきた。
「あなた達まだ居たの?」
お兄様達を見るなり同じように呆れている。
「だってマリルのお茶会だろ?心配で…」
「でもおばあ様が行くって聞いたからおまかせします」
「はいはい、マリルちゃんならあなた達よりしっかりしてるから大丈夫よ」
そう言ってこちらに視線を向けた。
「まぁ…」
そして私の姿をみて絶句する。
「な、なにか変なところがありますか?」
自分の姿を確認するが、綺麗なドレスにメイドさん達がしっかりと髪をセットしてくれていたから大丈夫だと思ったのに…
しかし見る限り変なことろはなさそうだった。
「逆よ!本当に完璧でかわいいわー、アーロン様が見たら…大変かも」
マリエルさんが心配そうにする。
「はい、皆さん良くしてくれて…私にはもったいないほどです」
急激な変化にたまについていけなくなりそうになっていた。
「あなたはそれだけの幸せになる権利があるのよ。それにもうここの家の子なんだから堂々とね!」
マリエルさんにポンッ!と背中を押されると背筋が伸びる。
「はい!」
そうだ、これからは自分が恥をかけば家の皆さんに迷惑がかかる。
アーロン様の側仕えになるのだからアーロン様にも迷惑がかかってしまう。
私は改めて身を引きしめた。
マリエルさんも来て用意を終えるとアーロン様が来るのを待った。
本当なら私がお屋敷に行ってお供するべきだと思ったのだが、アーロン様が迎えに行くと言って聞かなかったらしい。
変なところでまだ子供らしさを発揮していた。
時間になると屋敷の前に馬車が到着した。
ジェイコブ家の従者メイド達で出迎えると馬車からグランドさんが降りてくる。
そして続いてアーロン様が降りてきた。
アーロン様は青い髪と揃えた藍色の服を着こなし颯爽とこちらに向かって歩いてくる。
その顔は幸せそうでお茶会を嫌がっていたアーロン様はどこにもいなかった。
「アーロン様、ごきげんよう」
私はドレスをつまみ軽く会釈をして挨拶をする。
するとアーロン様は私の手を取り唇へと近づけた。
「マリルおはよう、今日は一段と綺麗だ。その服に髪飾り…よく似合ってる」
アーロン様の髪色と同じ青いドレスにアーロン様の瞳同じ金色の髪飾り。
どちらも素敵なデザインで気に入っていた。
着させてくれたメイドさんがずっとニヤニヤが止まらないと呟いていて少し心配になったが似合ってると言ってくれたのでよかった。
「あれ?アーロン様のポケットチーフ…私の髪と同じ色ですね」
アーロン様の胸あたりから見える色に私の色がありなんとなく嬉しくなる。
「あぁマリルの色だからね」
私の髪色は薄いピンクだった。
アーロン様は見た目がいいので女性らしい色でも似合っていた。
「アーロン様は何色でも似合いますね」
褒めたのにアーロン様は眉をひそめてグランドさんになにか耳打ちする。
「グランド、もしかしてマリルは俺が青いドレスを送った意味わかってない?」
「……かもしれません」
グランドさんが苦笑いするとアーロン様は目に見えてガックリと肩を落としていた。
「マリル、可愛いなー」
「こんなに可愛いと心配だよな、変なやつがいたらお兄ちゃんに報告しろよ」
「僕にもね……社会的に抹殺してあげるから」
朝からお兄様達が私を見送る為に集まってくれていた。
そして私の姿を見るなり褒めてくれる。
たまに冗談で物騒なことを言うのにもようやく少し慣れてきた。
「いつも心配してくれてありがとうございます。でも今日はアーロン様も一緒だから大丈夫ですよ」
安心させるように笑うがお兄様達の憂い顔は晴れなかった。
「だから心配なんだよね」
「アーロン様は確かに年の割にしっかりしているが、大切な妹が守れるのか?」
「やっぱり頼りないから僕が!」
カインお兄様がついてくると言いかねないでいた。
「あんた達仕事はどうしたの!マリルちゃんはおばあ様がついて行くから大丈夫よ、安心しなさい」
あ母様の一言にお兄様達も安堵する。
「おばあ様が行くなら大丈夫だな」
「俺達よりも怒らせたら怖い相手だもんなー」
「そういえば噂だけどおばあ様には前国王も頭が上がらないって聞いたんだけど……」
「「まじ?」」
そんな話をしているとちょうどマリエルさんが屋敷にやってきた。
「あなた達まだ居たの?」
お兄様達を見るなり同じように呆れている。
「だってマリルのお茶会だろ?心配で…」
「でもおばあ様が行くって聞いたからおまかせします」
「はいはい、マリルちゃんならあなた達よりしっかりしてるから大丈夫よ」
そう言ってこちらに視線を向けた。
「まぁ…」
そして私の姿をみて絶句する。
「な、なにか変なところがありますか?」
自分の姿を確認するが、綺麗なドレスにメイドさん達がしっかりと髪をセットしてくれていたから大丈夫だと思ったのに…
しかし見る限り変なことろはなさそうだった。
「逆よ!本当に完璧でかわいいわー、アーロン様が見たら…大変かも」
マリエルさんが心配そうにする。
「はい、皆さん良くしてくれて…私にはもったいないほどです」
急激な変化にたまについていけなくなりそうになっていた。
「あなたはそれだけの幸せになる権利があるのよ。それにもうここの家の子なんだから堂々とね!」
マリエルさんにポンッ!と背中を押されると背筋が伸びる。
「はい!」
そうだ、これからは自分が恥をかけば家の皆さんに迷惑がかかる。
アーロン様の側仕えになるのだからアーロン様にも迷惑がかかってしまう。
私は改めて身を引きしめた。
マリエルさんも来て用意を終えるとアーロン様が来るのを待った。
本当なら私がお屋敷に行ってお供するべきだと思ったのだが、アーロン様が迎えに行くと言って聞かなかったらしい。
変なところでまだ子供らしさを発揮していた。
時間になると屋敷の前に馬車が到着した。
ジェイコブ家の従者メイド達で出迎えると馬車からグランドさんが降りてくる。
そして続いてアーロン様が降りてきた。
アーロン様は青い髪と揃えた藍色の服を着こなし颯爽とこちらに向かって歩いてくる。
その顔は幸せそうでお茶会を嫌がっていたアーロン様はどこにもいなかった。
「アーロン様、ごきげんよう」
私はドレスをつまみ軽く会釈をして挨拶をする。
するとアーロン様は私の手を取り唇へと近づけた。
「マリルおはよう、今日は一段と綺麗だ。その服に髪飾り…よく似合ってる」
アーロン様の髪色と同じ青いドレスにアーロン様の瞳同じ金色の髪飾り。
どちらも素敵なデザインで気に入っていた。
着させてくれたメイドさんがずっとニヤニヤが止まらないと呟いていて少し心配になったが似合ってると言ってくれたのでよかった。
「あれ?アーロン様のポケットチーフ…私の髪と同じ色ですね」
アーロン様の胸あたりから見える色に私の色がありなんとなく嬉しくなる。
「あぁマリルの色だからね」
私の髪色は薄いピンクだった。
アーロン様は見た目がいいので女性らしい色でも似合っていた。
「アーロン様は何色でも似合いますね」
褒めたのにアーロン様は眉をひそめてグランドさんになにか耳打ちする。
「グランド、もしかしてマリルは俺が青いドレスを送った意味わかってない?」
「……かもしれません」
グランドさんが苦笑いするとアーロン様は目に見えてガックリと肩を落としていた。
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