46 / 98
第44話 切り札
しおりを挟む
「サフィア!?!?!?」
突然目の前に現れたのは、少し前に別れたはずの、あのサフィアだった。
私はどうしてサフィアがこんな所に居るのか理解できず、驚きを隠せずに思わず問いかけた。
「妹さんは??街に戻ったんじゃ無いの!?」
サフィアは妹の病気を治す為、私が渡したエリクサーを持って妹がいるソレントの街に戻ったはず。
なのに、どうしてこんな所に??
「ああ。エトのおかげでマリンも息を吹き返したよ。今まで寝たきりだったのがまるで嘘の様にピンピンしてるぞ。凄いな、あれは。本当に感謝する」
「それは良かった。……ってそうじゃなくて!」
取り敢えず、サファイアの妹さんはエリクサーで完全復活した様だ。
正確には、底をつきかけていた魔力が回復しただけで、魔力欠乏症が治ったわけではないのだろうが、元気になったのならば、それはとても喜ばしいことではある。
が、今私が聞きたいのはそう言うことでは無い。
「まあ、救援要請を受けてな」
「え?」
「俺のデバイスにマチルダから通話連絡が来た。お前がまたやらかしそうだから、用が済んだらすぐに来てくれってな」
「えぇぇ……」
やらかしそうって、何よそれ。
まあ、反論できるかと言われれば、出来ないのだけれども。
「ただ、『とても嫌な予感がする。エトが心配だ』とも言っていた」
「マチルダさん……」
「俺の状況を知っているはずのあの真面目女騎士が、お前の面倒事くらいでわざわざ呼び戻すとは思えない。だから速攻で飛んで来たのだが……まさかこんな事になっているとはな」
「……」
思えば私は、いつも誰かに助けられている。
最初のキングスコーピオン戦ではピンチをトコに助けられ、カラミティの戦いではガルカンとマチルダの援護で命拾いした。
しかもそれは、エルヴィンの命懸けの行動のおかげだ。
そして今度は、トコの体を張った一撃の防御と、マチルダの危機察知によるサフィアの救援。
今度こそ、私一人でケリをつけなきゃ。
私はそう心に決め、抱えていたトコをその場に寝かせると、ゆっくりと立ち上がり、カラミティを睨みつけた。
「ほう、まだやるつもりか」
「やるよ。ここまでしてもらって、後はよろしくってわけには行かないからね。私がちゃんと、やらなくちゃ」
私は自分にそう言い聞かせるように宣言し、カラミティに向けて鋭い視線で睨みつける。
「フン、そんな理由か。やはり人間とは不合理な生き物だ。丸腰のお前に、今さら何が出来る」
「……武器ならまだある。とっておきのが」
「ほう?」
私の言葉にカラミティは眉をピクリと動かし、私の挙動を静観する。
覇斬の剣を失った今、残された私の武器は、3つだけ。
一つ目は、魔力がないと使い物にならない、メッキの魔剣。
二つ目は、本来は生産道具で、武器ですら無い、星砕の槌。
そして最後の三つ目は、恐らくカラミティと同格の性能を持つ、私の造った最高傑作。神剣エターナルだ。
これなら、同じ神剣であるカラミティにも撃ち負けないはず。
問題は、私の左腕が武器喰いにどこまで耐えられるかと言う事だけだ。
「出来ればこれは、使いたくなかったんだけどね」
そう言って私はおもむろに腰のポーチに手を入れる。
カラミティは私の奥の手が気になるらしく、私を見つめたまま動く気配はない。
今さら迷っている暇は無い。
私がカラミティに勝つ為には、もう、これしか残っていない。
そして私が、ポーチの中で神剣エターナルを掴もうとしたその時。
「エト、それはやめておけ。それの使い所は今じゃない」
「サフィア?」
私が覚悟を決めたその瞬間、サファイアが私を制止した。
「奥の手は、見せた時点でお前の負けだ。出すなら切り札を出し切ってからにしろ」
「え、でも、もうこれ以外に切り札なんて……」
そんなものがあればとっくの昔に使っている。
それが無いからこその、最後の手段。神剣エターナルだ。
「無い事ないだろ。お前を救ったこの俺も、切り札とまではいかないまでも、手札くらいにはなると思うが?」
「え……」
サフィアが、私の切り札??
どう言う事??
サフィアはサフィアであって、別に私の手駒という訳じゃ……。
「そうだ。サフィアの言う通りだぞ」
「!?」
その時、またしても私の後ろから誰かの声が聞こえてきた。
先程から続く、予想外の展開の連続に、私は思わず振り返り、そして驚きのあまり、目を見開いて言葉を漏らす。
「……マチルダさん!!」
「うむ。サファイア同様、私もお前の手札くらいにはなれるつもりだぞ」
そこにいたのはマチルダだった。
カラミティの召喚したキングスコーピオンを倒して、こちらに駆けつけて来てくれたようだ。
「ったく!グダグダ悩まず使えるもんは使っときゃいいんだよ!」
「!?くm……ガルカンも!」
「って、おいテメェ!今、熊って言いかけたな!?」
「あ、いや、つい……って、え!?」
思わず溢れた失言を慌てて取り繕うとしたその時、マチルダとガルカンのずっと後ろの方に、見知った面々の姿がある事に気が付いた。
「みんな……」
「アイツらと俺たちがお前の切り札だ。なにやらヤバめな奥の手もあるみたいだが、それは俺との戦いまで取っておけ」
私はガルカンの言葉を受け、後ろに控える面々を改めて見渡す。
そこにいたのは大勢の冒険者達。
その大半を占めるのはガルカンのクラン、獰猛獣の牙のクランメンバー達。
そこには、魔力が尽きて動けないはずの回復術師のシーラさんの元気そうな姿も確認できた。
そしてその隣には、桃源郷メンバーのアランさんや、他のハーレムメンバー達。
ただ、そこには私の見覚えのない、私と同じ年頃の栗色の髪をした一人の少女が混じっていた。
「ん?あの子は……」
「あれは俺の妹、マリンだ。アイツもお前の力になりたいらしい」
「……そう」
私の疑問にサフィアが答え、私は再度その面々の姿を見渡した後、くるりと前に向き直る。
そんな私の動きとリンクするように、サフィア、マチルダ、ガルカンの3人が、私の横に並び立つ。
カラミティはまだ動かない。
それを確認して、私はカラミティを見つめたまま、隣のマチルダに声をかける。
「ねえ、マチルダさん」
「ん?なんだ」
「……いや、やっぱりいい。みんな来てくれてありがとう」
私はマチルダに、ある事を聞こうとしたが、今はやめておくことにした。
今それを聞いても、事態が何か変わるわけではない。
「エト。お前の言いたい事はわかるが、今は戦いに集中しろ」
「……うん」
どうやらマチルダは、私が何を聞こうとしたのかわかっているようだ。
だが、その上での、この返答。
恐らく、答えられないのではなく、答えたくないのだろう。
駆けつけてくれた人達の中に、どうしてエルヴィンの姿がないのかを。
もはや、聞くまでもない。間に合わなかったという事だ。
「……くそっ」
ここはもう、ゲームの中ではない。現実なのだ。
それを改めて思い知った瞬間だった。
頭ではわかっていたはずなのに、やはり何処か楽観していたような気がする。
今ならわかる。
今の私なら、さっきみたいな、神剣であるカラミティ相手に、無手の肉弾戦で挑もうなんて無謀な事は、怖すぎて絶対に出来ない。
あの時の私は、まだ何処か、現実感の薄いゲーム気分だったと言う事だ。
そう考えると、こんな所に駆けつけて来てくれたマチルダさんも、ガルカンもサフィアも、そして他の冒険者達も、私なんかよりもずっと強い覚悟をもって、文字通り命をかけて、この戦いに挑んでいる。
だったら私も、ヘタレている場合じゃない。
私だって冒険者だ。
今度はちゃんとした覚悟の上で、みんなと一緒に、命懸けをやる!
「ほう。仲間が来て顔つきが変わったな。だが、そんな寄せ集めで何が出来る。奥の手があるのなら、さっさと出せば良いと思うが」
「安心して。そのうちちゃんと使うから」
エターナルは最後の手段だ。
しかし、カラミティを倒すには、恐らくエターナルでないと無理だろう。
でも、サフィアの言う通り、それはまだ使う時じゃない。
使い所は、もう決めている。
「そうか。ならば良い。お前がそれを使った時が、全ての決着がつく時だ」
「もちろん、私たちの勝利で決着するけどね」
「出来るものならやって見ろ」
「言われなくても!みんな、行くよ!!!」
私はカラミティと言葉を交わし、そして私の掛け声をきっかけに、最後の戦いの火蓋が今、切って落とされた。
突然目の前に現れたのは、少し前に別れたはずの、あのサフィアだった。
私はどうしてサフィアがこんな所に居るのか理解できず、驚きを隠せずに思わず問いかけた。
「妹さんは??街に戻ったんじゃ無いの!?」
サフィアは妹の病気を治す為、私が渡したエリクサーを持って妹がいるソレントの街に戻ったはず。
なのに、どうしてこんな所に??
「ああ。エトのおかげでマリンも息を吹き返したよ。今まで寝たきりだったのがまるで嘘の様にピンピンしてるぞ。凄いな、あれは。本当に感謝する」
「それは良かった。……ってそうじゃなくて!」
取り敢えず、サファイアの妹さんはエリクサーで完全復活した様だ。
正確には、底をつきかけていた魔力が回復しただけで、魔力欠乏症が治ったわけではないのだろうが、元気になったのならば、それはとても喜ばしいことではある。
が、今私が聞きたいのはそう言うことでは無い。
「まあ、救援要請を受けてな」
「え?」
「俺のデバイスにマチルダから通話連絡が来た。お前がまたやらかしそうだから、用が済んだらすぐに来てくれってな」
「えぇぇ……」
やらかしそうって、何よそれ。
まあ、反論できるかと言われれば、出来ないのだけれども。
「ただ、『とても嫌な予感がする。エトが心配だ』とも言っていた」
「マチルダさん……」
「俺の状況を知っているはずのあの真面目女騎士が、お前の面倒事くらいでわざわざ呼び戻すとは思えない。だから速攻で飛んで来たのだが……まさかこんな事になっているとはな」
「……」
思えば私は、いつも誰かに助けられている。
最初のキングスコーピオン戦ではピンチをトコに助けられ、カラミティの戦いではガルカンとマチルダの援護で命拾いした。
しかもそれは、エルヴィンの命懸けの行動のおかげだ。
そして今度は、トコの体を張った一撃の防御と、マチルダの危機察知によるサフィアの救援。
今度こそ、私一人でケリをつけなきゃ。
私はそう心に決め、抱えていたトコをその場に寝かせると、ゆっくりと立ち上がり、カラミティを睨みつけた。
「ほう、まだやるつもりか」
「やるよ。ここまでしてもらって、後はよろしくってわけには行かないからね。私がちゃんと、やらなくちゃ」
私は自分にそう言い聞かせるように宣言し、カラミティに向けて鋭い視線で睨みつける。
「フン、そんな理由か。やはり人間とは不合理な生き物だ。丸腰のお前に、今さら何が出来る」
「……武器ならまだある。とっておきのが」
「ほう?」
私の言葉にカラミティは眉をピクリと動かし、私の挙動を静観する。
覇斬の剣を失った今、残された私の武器は、3つだけ。
一つ目は、魔力がないと使い物にならない、メッキの魔剣。
二つ目は、本来は生産道具で、武器ですら無い、星砕の槌。
そして最後の三つ目は、恐らくカラミティと同格の性能を持つ、私の造った最高傑作。神剣エターナルだ。
これなら、同じ神剣であるカラミティにも撃ち負けないはず。
問題は、私の左腕が武器喰いにどこまで耐えられるかと言う事だけだ。
「出来ればこれは、使いたくなかったんだけどね」
そう言って私はおもむろに腰のポーチに手を入れる。
カラミティは私の奥の手が気になるらしく、私を見つめたまま動く気配はない。
今さら迷っている暇は無い。
私がカラミティに勝つ為には、もう、これしか残っていない。
そして私が、ポーチの中で神剣エターナルを掴もうとしたその時。
「エト、それはやめておけ。それの使い所は今じゃない」
「サフィア?」
私が覚悟を決めたその瞬間、サファイアが私を制止した。
「奥の手は、見せた時点でお前の負けだ。出すなら切り札を出し切ってからにしろ」
「え、でも、もうこれ以外に切り札なんて……」
そんなものがあればとっくの昔に使っている。
それが無いからこその、最後の手段。神剣エターナルだ。
「無い事ないだろ。お前を救ったこの俺も、切り札とまではいかないまでも、手札くらいにはなると思うが?」
「え……」
サフィアが、私の切り札??
どう言う事??
サフィアはサフィアであって、別に私の手駒という訳じゃ……。
「そうだ。サフィアの言う通りだぞ」
「!?」
その時、またしても私の後ろから誰かの声が聞こえてきた。
先程から続く、予想外の展開の連続に、私は思わず振り返り、そして驚きのあまり、目を見開いて言葉を漏らす。
「……マチルダさん!!」
「うむ。サファイア同様、私もお前の手札くらいにはなれるつもりだぞ」
そこにいたのはマチルダだった。
カラミティの召喚したキングスコーピオンを倒して、こちらに駆けつけて来てくれたようだ。
「ったく!グダグダ悩まず使えるもんは使っときゃいいんだよ!」
「!?くm……ガルカンも!」
「って、おいテメェ!今、熊って言いかけたな!?」
「あ、いや、つい……って、え!?」
思わず溢れた失言を慌てて取り繕うとしたその時、マチルダとガルカンのずっと後ろの方に、見知った面々の姿がある事に気が付いた。
「みんな……」
「アイツらと俺たちがお前の切り札だ。なにやらヤバめな奥の手もあるみたいだが、それは俺との戦いまで取っておけ」
私はガルカンの言葉を受け、後ろに控える面々を改めて見渡す。
そこにいたのは大勢の冒険者達。
その大半を占めるのはガルカンのクラン、獰猛獣の牙のクランメンバー達。
そこには、魔力が尽きて動けないはずの回復術師のシーラさんの元気そうな姿も確認できた。
そしてその隣には、桃源郷メンバーのアランさんや、他のハーレムメンバー達。
ただ、そこには私の見覚えのない、私と同じ年頃の栗色の髪をした一人の少女が混じっていた。
「ん?あの子は……」
「あれは俺の妹、マリンだ。アイツもお前の力になりたいらしい」
「……そう」
私の疑問にサフィアが答え、私は再度その面々の姿を見渡した後、くるりと前に向き直る。
そんな私の動きとリンクするように、サフィア、マチルダ、ガルカンの3人が、私の横に並び立つ。
カラミティはまだ動かない。
それを確認して、私はカラミティを見つめたまま、隣のマチルダに声をかける。
「ねえ、マチルダさん」
「ん?なんだ」
「……いや、やっぱりいい。みんな来てくれてありがとう」
私はマチルダに、ある事を聞こうとしたが、今はやめておくことにした。
今それを聞いても、事態が何か変わるわけではない。
「エト。お前の言いたい事はわかるが、今は戦いに集中しろ」
「……うん」
どうやらマチルダは、私が何を聞こうとしたのかわかっているようだ。
だが、その上での、この返答。
恐らく、答えられないのではなく、答えたくないのだろう。
駆けつけてくれた人達の中に、どうしてエルヴィンの姿がないのかを。
もはや、聞くまでもない。間に合わなかったという事だ。
「……くそっ」
ここはもう、ゲームの中ではない。現実なのだ。
それを改めて思い知った瞬間だった。
頭ではわかっていたはずなのに、やはり何処か楽観していたような気がする。
今ならわかる。
今の私なら、さっきみたいな、神剣であるカラミティ相手に、無手の肉弾戦で挑もうなんて無謀な事は、怖すぎて絶対に出来ない。
あの時の私は、まだ何処か、現実感の薄いゲーム気分だったと言う事だ。
そう考えると、こんな所に駆けつけて来てくれたマチルダさんも、ガルカンもサフィアも、そして他の冒険者達も、私なんかよりもずっと強い覚悟をもって、文字通り命をかけて、この戦いに挑んでいる。
だったら私も、ヘタレている場合じゃない。
私だって冒険者だ。
今度はちゃんとした覚悟の上で、みんなと一緒に、命懸けをやる!
「ほう。仲間が来て顔つきが変わったな。だが、そんな寄せ集めで何が出来る。奥の手があるのなら、さっさと出せば良いと思うが」
「安心して。そのうちちゃんと使うから」
エターナルは最後の手段だ。
しかし、カラミティを倒すには、恐らくエターナルでないと無理だろう。
でも、サフィアの言う通り、それはまだ使う時じゃない。
使い所は、もう決めている。
「そうか。ならば良い。お前がそれを使った時が、全ての決着がつく時だ」
「もちろん、私たちの勝利で決着するけどね」
「出来るものならやって見ろ」
「言われなくても!みんな、行くよ!!!」
私はカラミティと言葉を交わし、そして私の掛け声をきっかけに、最後の戦いの火蓋が今、切って落とされた。
0
お気に入りに追加
1,154
あなたにおすすめの小説
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる