55 / 95
第4章 募る想い
52.馴れ初め
しおりを挟む
そっとベルさんの横顔を盗み見ていると、ヨウさんがベルさんの首に絡みつき戯れついてきた。その声もやはり車輪の音に遮られて聞こえない。
そこでふと、以前から聞いてみたかった事をツェティさんに問いかけてみた。
「ツェティさんはどうしてヨウさんと婚約する事になったんですか?」
不躾かもとは思ったけれど、普段から仲睦まじいお二人は見ていて微笑ましい。
時折人目も憚らずイチャつき出すのは目のやり場に困るので考えものだけど。
今まで縁のなかった女子トークをしてみたいという好奇心と、何よりベルさんとまた笑いあえるようになりたかったから、何か掴めないかという打算もあった。
ツェティさんは嫌な顔ひとつせずに微笑みを浮かべ静かに話し出す。
「ヨウ様は竜皇国の北部国境に位置する国防の要の都市のご出身で、お父様同士が懇意になさっていた事からベル兄様の遊び相手としてお一人で竜皇国に滞在しておりましたの。そんなヨウ様と出会ったのは私が三つの頃ですわ。それまでは侍女が遊び相手でしたが、他に歳が近くて身分の見合う同性の遊び相手がいなかった私に、お父様が引き合わせてくださったのがきっかけです」
ツェティさんは懐かしむように遠くを見つめる。
その横顔は同性のわたしでもうっとりする程とても綺麗で儚い。
この人がメイスを振り回してゴブリンを虐殺していたとは到底思えないギャップだった。
「二つ年上のベル兄様と同じ歳でたった一人、親元を離れ竜皇国に身を寄せるヨウ様は幼心にもとても強い方だと感じておりました。でも、その頃はベル兄様も子供らしいヤンチャ盛りでよくヨウ様と一緒に叱られておりましたのよ。上のお兄様方とは歳が離れている事もあって自然と三人で遊ぶようになりました。いろんな事をして遊びましたわ。木登りをしたり、湖で泳いだり、森で獲物を狩ったり。血だらけになって怒られた事もありましたっけ」
そう言ってくすりと笑う。
いや、やっぱりツェティさんは普通のお姫様ではなかった。
貴族に詳しいわけでは無いから分からないけど、男兄弟と遊びまわるお姫様というのは珍しいのではないだろうか。
「そうして一緒に過ごしていくうちに、ヨウ様の逞しさや優しさ、強さに惹かれていきましたわ。私も竜皇の一族として他の同胞より強い力を持ち、ベル兄様程ではないにしても友人には恵まれませんでした。しかし、ヨウ様はそれを些末な事と笑い飛ばしてくれましたの。容易く骨を砕くこの手を取って。ヨウ様も戦闘民族として名高い一族の出でしたが、それでもこの手を取る事は容易ではなかったはずです」
ツェティさんは自分の掌を見つめながら切なそうに呟く。
「でも、いくら化け物じみた力の持ち主でも竜皇一族の一員である事に違いはありません。竜皇一族故の力とも言えますが。初等学舎の高学年になってくると地位を目当てに近寄ってくる殿方もおりました。ヨウ様はその有象無象を蹴散らして私に言ってくださったんです。好きだ。結婚しようと」
ぎゅっと掌を握り胸に抱くと頬を染め、うっとりと目を瞑る。
「その時の眼差しは今でも忘れられません。しっかりと私の目を真っ直ぐに見つめ、臆する事なくはっきりと告白してくださいました。勿論、私も同じ気持ちだとお返事しましたわ」
ひとつ息をつくと、わたしに向き直り極上の笑顔を見せてくれる。
「これがヨウ様と私の馴れ初めですわ。参考になりましたでしょうか」
そう言いつつ意地悪っぽく笑う。
わたしの目論見は見透かされていたようで居心地が悪くなる。
でも。
「すごいですねヨウさんは。力の事を知っても尚、ツェティさんを好きでい続けるなんて……。ベルさんの事も、友人として隣に寄り添って真摯に向き合っている。……わたしもヨウさんのようになれるでしょうか」
小窓からそっとベルさんを見つめ、力なく呟けばツェティさんがわたしの手を取った。
「そうですわね。ベル兄様はその力から幼い頃より戦に出ておられました。そのお側を守り、恐ろしい殺戮を間近にしても臆する事なくベル兄様に接しておいでです。武器を使って手加減する事をご提案されたのもヨウ様だと伺っておりますわ」
わたしはその言葉に違和感を覚えた。
普通、武器を使うのは攻撃力を上げるためじゃないのか?
不思議に思い問いかけるわたしにツェティさんは微笑む。
「ベル兄様は素手が一番お強いのですよ。武器を使うにはそれぞれ扱い方というものがあります。斬り込む角度、振り方、握り方、力加減……。それらを学ぶ事でベル兄様にとっては手加減に繋がったのです。フォークでお豆を食べるのは難しいでしょう? その様なものです。それまでは素手で戦っておいででしたから、最悪敵の残骸すら残らぬ有様でしたのに。今では生け捕りもお手の物ですのよ」
そう言うツェティさんはくすくすと笑った。
声の調子は軽いのに、その内容はかなり残酷なものだ。
「ヨウさんはそんなベルさんを知っててもあんなに仲がいいんですね。羨ましいです」
わたしにもそれだけの勇気があればベルさんを傷つけたりしないのに。済んだ事を今更思い悩んでも意味のない事は分かっているが、やはりどうしても下を向いてしまう。
ヨウさんのように強くなれたら、わたしもベルさんの隣に立てるのかな。
零れ出た呟きにツェティさんは断言した。
「セトアさんはヨウ様のようになる必要はございませんわ」
意外なその言葉にツェティさんの顔を凝視する。
「セトアさんはセトアさんですもの。ヨウ様の真似をする必要はございません。先程も申しました通り、セトアさんらしくベル兄様と向き合えば良いのです。私もヨウ様もセトアさんの味方ですわ。柄にもなく落ち込んでいるベル兄様なんて張り倒せば良いのです」
そう言ってほほほと優雅に笑うツェティさんに苦笑いを零す。
ベルさんを張り倒すなんて無茶苦茶な。
しかし、ツェティさんは至極真面目な顔で言い放つのだ。
「ベル兄様がこんなにも臆病者だとは思っておりませんでしたわ。ヨウ様も呆れておられます。いつもは無敵を謳っておいでなのに、いくらセトアさんに怖がられたからってウジウジ悩んで。まぁ、お気持ちも分からないではありませんが……。これを乗り越えられないようではベル兄様もそれまでです。諦める事がセトアさんのためだなんて見当違いも甚だしい。エルゼ兄様の危惧されていた事が現実味を増してきましたわ。このような事でセトアさんを手放すだなんて……」
最後の方は独り言のようにぶつぶつとした呟きで聞き取れなかったがツェティさんが怒っているのはなんとなく分かった。そしてヨウさんも。
しかし、ベルさんが臆病者とはどういう意味だろう。
ベルさん自身が避けられる事には慣れていると言っていたが、その事だろうか。
ベルさんは自分の事を気味が悪いとも言っていた。
人並外れた化け物だとも。
ツェティさんの話を聞いて、その力はわたしの想像を遥かに超えるものだと感じた。
ヨウさんはそれを知った上でも、ああしてベルさんに気軽に触れている。
長い時間をかけて培ってきた信頼なんだろうな。
小窓を覗くと、まだ戯れあう二人が見えた。
長い時間。
そうだ。わたしはまだベルさんの事を何ひとつ知らない。
ベルさんだってわたしの事を知っているわけじゃない。
お互いを知らなければ歩み寄る事も難しいだろう。
わたしはベルさんの事をもっと知りたい。
怖い所も、優しい所も。
楽しげな二人を見てわたしは気合を入れる。
――そうよ。わたしはまだ一ヶ月しかベルさんと一緒にいないんだし、話だってそんなに深くしてないんだもの。これからよ! これから! まずはベルさんと話す所から始めないと。もう二度とベルさんを傷つけるもんか。わたしがベルさんを守るくらいのつもりでいてやる!
そう意気込みフンスと鼻を鳴らす。
そんなわたしを見てツェティさんはふんわりと頭を撫でてくれた。
「ふふ。元気が出たようですわね。その意気ですわセトアさん。女は度胸です。ベル兄様なんていつも仏頂面で気取っていてもその実、内心ではビクビクしている小心者ですの。尻に敷くぐらいで丁度良いのです」
ツェティさんはツンとすました顔で上品な顔立ちからは似つかわしく無い言葉を口にする。
そのギャップに思わず笑みが零れると、ツェティさんもコロコロと笑った。
この二日間、重苦しかった空気が霧散して清々しい気持ちになる。
竜皇国まで後一ヶ月とちょっと。
それまでにベルさんともっと親密になれるよう頑張ろう!
そこでふと、以前から聞いてみたかった事をツェティさんに問いかけてみた。
「ツェティさんはどうしてヨウさんと婚約する事になったんですか?」
不躾かもとは思ったけれど、普段から仲睦まじいお二人は見ていて微笑ましい。
時折人目も憚らずイチャつき出すのは目のやり場に困るので考えものだけど。
今まで縁のなかった女子トークをしてみたいという好奇心と、何よりベルさんとまた笑いあえるようになりたかったから、何か掴めないかという打算もあった。
ツェティさんは嫌な顔ひとつせずに微笑みを浮かべ静かに話し出す。
「ヨウ様は竜皇国の北部国境に位置する国防の要の都市のご出身で、お父様同士が懇意になさっていた事からベル兄様の遊び相手としてお一人で竜皇国に滞在しておりましたの。そんなヨウ様と出会ったのは私が三つの頃ですわ。それまでは侍女が遊び相手でしたが、他に歳が近くて身分の見合う同性の遊び相手がいなかった私に、お父様が引き合わせてくださったのがきっかけです」
ツェティさんは懐かしむように遠くを見つめる。
その横顔は同性のわたしでもうっとりする程とても綺麗で儚い。
この人がメイスを振り回してゴブリンを虐殺していたとは到底思えないギャップだった。
「二つ年上のベル兄様と同じ歳でたった一人、親元を離れ竜皇国に身を寄せるヨウ様は幼心にもとても強い方だと感じておりました。でも、その頃はベル兄様も子供らしいヤンチャ盛りでよくヨウ様と一緒に叱られておりましたのよ。上のお兄様方とは歳が離れている事もあって自然と三人で遊ぶようになりました。いろんな事をして遊びましたわ。木登りをしたり、湖で泳いだり、森で獲物を狩ったり。血だらけになって怒られた事もありましたっけ」
そう言ってくすりと笑う。
いや、やっぱりツェティさんは普通のお姫様ではなかった。
貴族に詳しいわけでは無いから分からないけど、男兄弟と遊びまわるお姫様というのは珍しいのではないだろうか。
「そうして一緒に過ごしていくうちに、ヨウ様の逞しさや優しさ、強さに惹かれていきましたわ。私も竜皇の一族として他の同胞より強い力を持ち、ベル兄様程ではないにしても友人には恵まれませんでした。しかし、ヨウ様はそれを些末な事と笑い飛ばしてくれましたの。容易く骨を砕くこの手を取って。ヨウ様も戦闘民族として名高い一族の出でしたが、それでもこの手を取る事は容易ではなかったはずです」
ツェティさんは自分の掌を見つめながら切なそうに呟く。
「でも、いくら化け物じみた力の持ち主でも竜皇一族の一員である事に違いはありません。竜皇一族故の力とも言えますが。初等学舎の高学年になってくると地位を目当てに近寄ってくる殿方もおりました。ヨウ様はその有象無象を蹴散らして私に言ってくださったんです。好きだ。結婚しようと」
ぎゅっと掌を握り胸に抱くと頬を染め、うっとりと目を瞑る。
「その時の眼差しは今でも忘れられません。しっかりと私の目を真っ直ぐに見つめ、臆する事なくはっきりと告白してくださいました。勿論、私も同じ気持ちだとお返事しましたわ」
ひとつ息をつくと、わたしに向き直り極上の笑顔を見せてくれる。
「これがヨウ様と私の馴れ初めですわ。参考になりましたでしょうか」
そう言いつつ意地悪っぽく笑う。
わたしの目論見は見透かされていたようで居心地が悪くなる。
でも。
「すごいですねヨウさんは。力の事を知っても尚、ツェティさんを好きでい続けるなんて……。ベルさんの事も、友人として隣に寄り添って真摯に向き合っている。……わたしもヨウさんのようになれるでしょうか」
小窓からそっとベルさんを見つめ、力なく呟けばツェティさんがわたしの手を取った。
「そうですわね。ベル兄様はその力から幼い頃より戦に出ておられました。そのお側を守り、恐ろしい殺戮を間近にしても臆する事なくベル兄様に接しておいでです。武器を使って手加減する事をご提案されたのもヨウ様だと伺っておりますわ」
わたしはその言葉に違和感を覚えた。
普通、武器を使うのは攻撃力を上げるためじゃないのか?
不思議に思い問いかけるわたしにツェティさんは微笑む。
「ベル兄様は素手が一番お強いのですよ。武器を使うにはそれぞれ扱い方というものがあります。斬り込む角度、振り方、握り方、力加減……。それらを学ぶ事でベル兄様にとっては手加減に繋がったのです。フォークでお豆を食べるのは難しいでしょう? その様なものです。それまでは素手で戦っておいででしたから、最悪敵の残骸すら残らぬ有様でしたのに。今では生け捕りもお手の物ですのよ」
そう言うツェティさんはくすくすと笑った。
声の調子は軽いのに、その内容はかなり残酷なものだ。
「ヨウさんはそんなベルさんを知っててもあんなに仲がいいんですね。羨ましいです」
わたしにもそれだけの勇気があればベルさんを傷つけたりしないのに。済んだ事を今更思い悩んでも意味のない事は分かっているが、やはりどうしても下を向いてしまう。
ヨウさんのように強くなれたら、わたしもベルさんの隣に立てるのかな。
零れ出た呟きにツェティさんは断言した。
「セトアさんはヨウ様のようになる必要はございませんわ」
意外なその言葉にツェティさんの顔を凝視する。
「セトアさんはセトアさんですもの。ヨウ様の真似をする必要はございません。先程も申しました通り、セトアさんらしくベル兄様と向き合えば良いのです。私もヨウ様もセトアさんの味方ですわ。柄にもなく落ち込んでいるベル兄様なんて張り倒せば良いのです」
そう言ってほほほと優雅に笑うツェティさんに苦笑いを零す。
ベルさんを張り倒すなんて無茶苦茶な。
しかし、ツェティさんは至極真面目な顔で言い放つのだ。
「ベル兄様がこんなにも臆病者だとは思っておりませんでしたわ。ヨウ様も呆れておられます。いつもは無敵を謳っておいでなのに、いくらセトアさんに怖がられたからってウジウジ悩んで。まぁ、お気持ちも分からないではありませんが……。これを乗り越えられないようではベル兄様もそれまでです。諦める事がセトアさんのためだなんて見当違いも甚だしい。エルゼ兄様の危惧されていた事が現実味を増してきましたわ。このような事でセトアさんを手放すだなんて……」
最後の方は独り言のようにぶつぶつとした呟きで聞き取れなかったがツェティさんが怒っているのはなんとなく分かった。そしてヨウさんも。
しかし、ベルさんが臆病者とはどういう意味だろう。
ベルさん自身が避けられる事には慣れていると言っていたが、その事だろうか。
ベルさんは自分の事を気味が悪いとも言っていた。
人並外れた化け物だとも。
ツェティさんの話を聞いて、その力はわたしの想像を遥かに超えるものだと感じた。
ヨウさんはそれを知った上でも、ああしてベルさんに気軽に触れている。
長い時間をかけて培ってきた信頼なんだろうな。
小窓を覗くと、まだ戯れあう二人が見えた。
長い時間。
そうだ。わたしはまだベルさんの事を何ひとつ知らない。
ベルさんだってわたしの事を知っているわけじゃない。
お互いを知らなければ歩み寄る事も難しいだろう。
わたしはベルさんの事をもっと知りたい。
怖い所も、優しい所も。
楽しげな二人を見てわたしは気合を入れる。
――そうよ。わたしはまだ一ヶ月しかベルさんと一緒にいないんだし、話だってそんなに深くしてないんだもの。これからよ! これから! まずはベルさんと話す所から始めないと。もう二度とベルさんを傷つけるもんか。わたしがベルさんを守るくらいのつもりでいてやる!
そう意気込みフンスと鼻を鳴らす。
そんなわたしを見てツェティさんはふんわりと頭を撫でてくれた。
「ふふ。元気が出たようですわね。その意気ですわセトアさん。女は度胸です。ベル兄様なんていつも仏頂面で気取っていてもその実、内心ではビクビクしている小心者ですの。尻に敷くぐらいで丁度良いのです」
ツェティさんはツンとすました顔で上品な顔立ちからは似つかわしく無い言葉を口にする。
そのギャップに思わず笑みが零れると、ツェティさんもコロコロと笑った。
この二日間、重苦しかった空気が霧散して清々しい気持ちになる。
竜皇国まで後一ヶ月とちょっと。
それまでにベルさんともっと親密になれるよう頑張ろう!
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人にそう言われてしまいました。私の心は砕け散ってしまいました。初恋の人が妹を愛していると知った時、妹が死んでしまって、政略結婚でいいから結婚して欲しいと言われた時、そして今。三度もの痛手に私の心は耐えられませんでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる