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ギザンの過去

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「お帰りなさいませ、イリーナ様」

 玄関を上がって直ぐの目の前に、背筋をピンと伸ばしたギザンが立ってました。
 まずいです。女神様のお墨付きがあるからと安心して気が緩んでいました。まず、ギザンに連れて来ても大丈夫か確認するべきでした。

 「ただいま、ギザン。そして、勝手にお客様を急に連れて来てごめんなさい」

 「いえ、それには及びません。家にお呼び出来る程のお友達が早速出来たようでよろしゅうございました」

 「うん、ありがとう。女神様が彼らなら大丈夫ってお話していいっていう許可をくれたの。ねえ」

 後ろを振り向くと、なぜかみなさん固まっています。白目を向いている人もいますね。サアラさん、大丈夫でしょうか? ヒャトは・・・、あっ!これは駄目ですね。完全にというのも可笑しいですが、気絶してます。立ったままで気絶なんて器用です。以外にガイは、復帰が早いようです。家の中をきょろきょろ除いてます。さあ、ダイアンさんの反応は・・・、あれれ? なんでギザンをじっと見ているのでしょうか? はっ!!もしかしてダイアンの好みはギザンですか? 

 がーん!!

 よよよよORZ。

 「ちょっといいかな?」

 ダイアンが私に話掛けてくれました。私は貴方に必要とされていますか?
 うる うる(T T)

 「目の前の彼、物語ウサギ族だよね? 500年前にあった世界大戦のおり、強力な回復が可能な魔法使える種族として知られ、そのために乱獲されて奴隷とされ、使い潰されて絶滅したとされている・・・」

 え~!! 何? そのヘビーな内容は!

 私はびっくりしてギザンの顔を凝視です。

 「よく御存じですね。そう云えばそのお顔、どこかデイン・デスクに似ております。もしかして、子孫ですか?」

 「私の名は、ダイアン・デスクといいます。デイン・デスクは、私の曾祖父に当たります」

 ギザンの目が驚きに見開かれ、ふっと優しく窄められました。ああ叔父様の魅了く全開です。素敵すぎてくらくらします。いけないです。私にはダイアンという思い人がいるというのに。

 「私の名は、ギザンと申します。約500年前の大戦のおり、デイン・デスク様に助けられた1人です。彼が居なければ今の私は居りません。感謝してもしきれないものです。長い間私は、閉じられた世界で引きこもっておりましたが、イリーナ様の御蔭で、この現世に戻ってまいることができました。今更かもしれませんが、イリーナ様の冒険の中で、私と同じ種族の仲間に会えることを楽しみにしております」

 「ちょっと、ちょっと。私そんなの聞いていないよ。それなら早く言ってよ。私も探すの協力する」

 詰め寄って、怒りマーク付けて、ゆすってやった。あっ、男が出てる。私は、女の子です。私は、女の子です。女の子は乱暴なことはしません。私の憧れた女の子になれたのだから、前世の男の行動はしません。呪文のように唱えて、これで、O.Kです。

 「物語ウサギ族の1人は、私の館にもいます。お会いしますか?」

 「本当ですか?」
 「本当!!」

 「ああ。ダイアンの家は、物語ウサギ族の保護を積極的にしているから、その関係で、1人執事をしているんだよ」

 いつの間にか復活したヒャトが教えてくれました。

 女神様、それで『家』に招いても大丈夫って仰っていたのね。

 『過剰の評価ありがとう。でも残念ながらたまたまです』

 『えーーーー。そうなんですか?』

 『ええ。ギザンは、デイン・デスクの願いで、私が時の狭間で匿ったのですが、その時彼は5歳でした。大戦が終わって平和になり、何度か現世に戻そうとしたのですが、本人がトラウマになっていたのと、周りがねこ可愛がりして、手放そうとしなかったので、ずるずるとこれまで来たのです。でも、急に現世に戻って、仲間が生きているか探したいといってきたのです。私も行き成りだったので、びっくりしましたが、良いことだと思いました。しかし、1人はさすがに心配だったので、イリーナの執事としてならと許可をだしました。お互いが協力し合えば何かあっても安心かなって。貴方には何も言ってなくて申し訳なかったですが、ギザンのことよろしくね』

 『了解しました。私も、ギザンが居てくれて良かったです』

 「ダイアン、私も、ダイアンの家に行ってもいいですか?」

 「ああ、構わないよ」

 「きゃー!! やった!!」

 私は、サアラに抱きついて喜びました。

 「ところで、この『テント』について、そろそろ教えてもらえるかな?」

 あっ! 忘れていました。
 ヒャトは、どんな時もぶれませんね~。
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