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第1章.檸檬ネコのテト

第006愛.山田製作所、侵入②

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 建物の中へ侵入する方法として。アタイとピンクフクロウは互いに意見を出し合い、いっぱい知恵を絞ったネ。

 その結果、まず2匹でこの建物の外周をぐるり廻る事にしたヨ。こう云う時こそ悩んじゃダメ、楽しい事を考えるのネ。考えて、考えテ……


にゃッ、はっ、にゃッ♪
   ホっ、ひッ、ホっ、へッ♪


 気付いたら、手振り付きで踊ってたのヨ♪ 体躯を左右に振り、リズムを取りながラ。まだ1月の寒空の中、まるで夏の盆踊り大会の様にネ。


にゃッ? つん、つく。


 暫くしてアタイは何かを見付け、手のひらでピンクフクロウを突付いたネ。そう、指す手のひらの先にあったのヨ……航空機部品の搬入口。

 大型部品用の搬入シャッターは閉まったままだけど、その横の搬入ドアなら入れそうネ。

 しかも搬入した直後なのか、搬入ドアは開けっ放しだったヨ。きょろきょろと周りを見渡しながら、人間の不用心さに感謝したのネ。


そろ~り (抜き足) ……
  そろ~り (差し足) ……


 アタイ達、忍び足で建物内に潜入したネ。アタイは後ろを振り向いて、そっと搬入ドアを優しく閉めたのヨ……パタム。



























にゃッ、にゃ……ふぅ。

【はぁーっ、この中ならもう良い・・・・ですネ。ラクぱいせん、普通に喋ってもいいですヨ】


 背中に喰い込んだ爪の跡がヒリヒリするから、アタイはすぐ背中をフーフーしたのヨ。息、届くかナ? ピンクフクロウは、周りを警戒中ネ。


【この建物の中、邪悪な臭いしかしませんカラ】


ほーホ、ホホ……う~んっ!

【んーっ、テトちゃん! どの道アタシ達って、テレパシーの脳内会話よね? 人間達に聞かれる心配無いんじゃ無いの?】


 アタイ達2匹とも、動物のフリして誤魔化すのは此処までと決めたのヨ。にゃーにゃー鳴くの、一旦中止ネ。

 では何故、人間と接している間テレパシーをしなかったかと云うとネ……


【ラクぱいせんはまだ女神になったばかり、まだ知らないと思うケド……異世界の住人には、人間に擬態出来るコも居るのネ】

【もし、テレパシーを感知出来るコが居たとしたら……確かに、隠密行動どころじゃ無いわね】


 だから、地球に降臨してる間は……アタイ達は極力、鳴き声とアイコンタクトだけに留めて居たのヨ。隠密行動だからネ。

 因みにレモンイエローのネコとピンクフクロウは、アタイ達女神の地球での仮の姿ネ。何の動物に変身するかは、女神のきぐるみ毎に違うのヨ。



 じゃあ今回、隠密行動したアタイ達の目的地が山田製作所アイルランド支部だった理由……一体何なのネ?
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