6 / 38
第一章 始まりの場所
猫と熊
しおりを挟む
『……あの、旦那様? 今から山に登るんですか?』
「あ、ヤキ! 今までどこ行ってたの?」
今朝から一度も姿を見せなかったヤキだったが、ここで漸く僕達の前へと現われた。てっきり成仏したかと思ったのに。
『……いーだっ! 絶対成仏なんてしませんからねーっだ! 未来永劫つきまとってやるんだからっ!』
「フッ、一体なんの話をしていたのかは知らないけど、三河君も厄介なストーカーに……」
『……おい、黙らんと祟り殺すぞ?』
「奴隷とお呼びくださいヤキ様」
ヤキを認識しているモッチーでも、僕の心の声までは届かない。これはヤキにだけある特異な力。そう簡単に誰でも心を読まれてたまるか!
「?」
しかしここに一人、不思議ちゃん全開の顔をしている者が居た。青ジョリである。
「あの、モッチーの兄貴。三河さんはどこか具合でも悪いんでっか? ブツブツ独り言を……」
「あれ? 青ジョリってヤキ見えないの? 乗り移られたからてっきり見えるもんだと思ってたよ」
「ヤキ? それは一体どんな動物でっか?」
「なーいしょ! きっと青ジョリもそのうち見える様になるよ」
「はぁ?」
それよりも先程ヤキが心配そうに声を掛けて来たのが気になるな。 それに何処へ行っていたのかも聞きたいし。
『……ちゃんと話しますよ旦那様。本当に心配性なんですから』
「ちぇっ」
まったく……彼女の前では何も考えられないな。早いところ無我の境地を極めなければ。出家でもして……っつーか、今この状態が修行と何ら変わんないし。……あーもうっ! なんとかしてっ!
『……フフフ。いえ、あのですね、今朝から昨日の場所を少し調べて回っていたんですよ。この山は危険ですよ! 野生動物がワラワラいますもん』
「それって僕達の知ってる動物?」
『……いえ、少なくとも私が知っているのは一匹たりとていませんでした。問題なのは、彼等顔を合わせると殺し合いを始めるんです。昨日ここにくるまで出会わなかったのは幸運の一言ですよ?」
「マジ!?」
この後青ジョリにも確かめたが、同じことを口にした。野生界では生存競争が激しく、常に弱者は強者の糧になるんだと。青ジョリ自体も腕っぷしにはそこそこ自信があるとはいえ、やはり周り全て敵だと生き残るのは難しいらしく、渋々麓に根を張っているのだそうだ。
『……後ですね、あの場所に白黒の猫が一匹居座ってるんですよ。不思議とその周りには野生動物も近寄らないみたいみたいで』
「猫? クマじゃなくって猫?」
白黒の猫? なんとなーく覚えがあるような無い様な? 知っている様な知らない様な? ハテ?
「まーさ、ここでグダグダやってても仕方がないから一回行ってみようよ。で、陽の高いうちに帰ってこよう。最悪の場合は……ヤキ、頼んだよ!」
『……は、はい! 旦那様の為に命をはって頑張りますっ!』
「いや、ヤキさんもう死んでるじゃないですか」
『……ホントに一回地獄にくるかキモッチー? その気があるならいつでも連れてってやるぞあぁんっ!?』
「ヒ、ヒィッ!」
ヤキはいつの間にかボロ皮バージョンとなっていた。そりゃモッチーも縮こまるでしょ。……でも、そんな姿のユーはあまり見たくないよ。ヤメテ! ボロ皮! ダメ! 髑髏!
『……後は……これはいいかな。然程重要と思えないですし」
この間ずっと口を開けたままこちらを見ている青ジョリ。そりゃヤキが見えなければそうなりますわ。僕達を裏切らないよう、釘を刺す意味でも少しだけ教えておくとしよう。
「ハハハ、不思議そうな顔してるね青ジョリ。実はこの場に僕とモッチーしか見えない第三の人物がいるんだよね。だから青ジョリがなんか悪い事しようと考えても全部筒抜けだよ。イザとなったら乗り移ることも出来るしね。青ジョリには身に覚えがあるんと違う?」
「!」
昨日の出来事を思い出したようだな。モッチーに抑えられた後、全身に力が入らなくなったあの瞬間を。
「そうだ! 山を案内してよ青ジョリ」
「へぇ……えぇっ!?」
「だって青ジョリ強そうじゃん。僕達はまだこの世界をあまり知らないし、遭遇するであろう動物達や植物の危険性も分かんないしね」
「はぁ? まぁ、案内ぐらいなら別にいいでさぁけど……」
「よしじゃあ決まりっ! 早速準備を整えよう! 急げモッチー!」
「サーィェッサアァァァァァッ!」
『……なんだそりゃ? シネッ!』
こうして僕達は青ジョリに教えを請い、山へと向かうのであった。
「それにしてもさぁ、こんなナイフ……いる?」
「ははぁーん、ビビりまくりやがりましたね三河君? そいつは最低限の護身用武器ですよ? まぁ僕としてはアナタが食い殺されようが腸を引きずり出されようが、あろうことか八つ裂きにされてハンバーグにされようが関係ないですしね」
「……ちぇっ、分かったよ。でもコイツは最後の手段だな。出来る限りこのこん棒で……」
「お、撲殺ですか? さすが三河君、分かってますね? そいつでジワジワと弱って行く様を見ながら殴り倒すんですね? あー! 考えただけでもゾクゾクするぅっ!」
モッチーはマジ最低だな。もしこれらの道具を使う事があるとするならば、一番最初はお前が餌食となるだろうよ。
『……旦那様は危機感が足らなさすぎです。もし死んでしまったらどうするんですか? あ……そうなれば霊となって……』
「よし、ナイフの準備オッケーッ! なんでもかかってこいやぁ―――――っ!」
「これから君を追い込むときはヤキさんに頼みますか。ねぇ三河君?」
「…………チッ!」
こんな会話をしながらも、僕達はどんどん山の中へと進んでいく。目的地点が一合目中ほどだったのが幸いした形となり、数十分ほどで到着。
「ハァ……ハァ……あ、青ジョリ速いって……ぉぇっ」
「へぇ、これでもアッシは気を使っていつもより遅く歩きましたが?」
「それ以上言うんじゃないブルー! 三河君にこれ以上恥をかかせるな! いくら体力がそこらの田舎アイドルより少なくても、あの鬼婆ですらひれ伏すという邪念のこもったチンチンがあれば……」
「だまれ!」
{ガスッ}
「ぎゃあぁっ!」
お前の方が余程僕に恥をかかせているではないかモッチー! この踵落としでヤキにあの世まで連れていかれろや!
『……お断りします。私にも選ぶ権利があるんですからね!』
「あぁっ! なんか聞こえた! アッシにも聞こえましたぜ三河さんっ! 女性の声で……」
やはり青ジョリもヤキの存在に近づいたと見える。そりゃ体を乗っ取られたり、これだけ僕達と接すれば……ねぇ。
『……ほほぅ、ヌシはわらわの声が聞えたと言うのかえ? となれば祟られたのであろう』
「えぇっ!?」
『……まず最初に何処から頂こうよな? その青みのかかった眼玉など美味そうじゃの? いやいや、それとも青い皮をはいでその下にある筋ばった肉を骨ごとしゃぶりつくすのもありかな?』
ヤキにしては珍しく悪乗り。とはいえ、その冗談がやけに怖いんだけど。リアリティー在りまくりなんだけども!?
「お許しおぉぉぉぉっ! ア、アッシはこれから三河様の為に尽くしますんでどうかお命だけはあぁぁぁぁっ!」
『……よう言った! もしその方が裏切る素振りを見せようもんならば即祟り殺してやるから心しておけ! とは言え、三河様ならば学ぶことも多いじゃろうて。必ずその見返りがくると、わらわが保障してやろうぞ』
「ははぁぁぁぁぁぁっ!」
バカかよ? 永遠に〝劇団ヤキ〟をやってろ! 次は〝青ジョリキング〟を練習しとけや! まったくもう!
良いのか悪いのか、ヤキの卑劣な手口によって僕はこの世界でもモッチーみたいなヤツを手に入れたのだった。
「あ、ヤキ! 今までどこ行ってたの?」
今朝から一度も姿を見せなかったヤキだったが、ここで漸く僕達の前へと現われた。てっきり成仏したかと思ったのに。
『……いーだっ! 絶対成仏なんてしませんからねーっだ! 未来永劫つきまとってやるんだからっ!』
「フッ、一体なんの話をしていたのかは知らないけど、三河君も厄介なストーカーに……」
『……おい、黙らんと祟り殺すぞ?』
「奴隷とお呼びくださいヤキ様」
ヤキを認識しているモッチーでも、僕の心の声までは届かない。これはヤキにだけある特異な力。そう簡単に誰でも心を読まれてたまるか!
「?」
しかしここに一人、不思議ちゃん全開の顔をしている者が居た。青ジョリである。
「あの、モッチーの兄貴。三河さんはどこか具合でも悪いんでっか? ブツブツ独り言を……」
「あれ? 青ジョリってヤキ見えないの? 乗り移られたからてっきり見えるもんだと思ってたよ」
「ヤキ? それは一体どんな動物でっか?」
「なーいしょ! きっと青ジョリもそのうち見える様になるよ」
「はぁ?」
それよりも先程ヤキが心配そうに声を掛けて来たのが気になるな。 それに何処へ行っていたのかも聞きたいし。
『……ちゃんと話しますよ旦那様。本当に心配性なんですから』
「ちぇっ」
まったく……彼女の前では何も考えられないな。早いところ無我の境地を極めなければ。出家でもして……っつーか、今この状態が修行と何ら変わんないし。……あーもうっ! なんとかしてっ!
『……フフフ。いえ、あのですね、今朝から昨日の場所を少し調べて回っていたんですよ。この山は危険ですよ! 野生動物がワラワラいますもん』
「それって僕達の知ってる動物?」
『……いえ、少なくとも私が知っているのは一匹たりとていませんでした。問題なのは、彼等顔を合わせると殺し合いを始めるんです。昨日ここにくるまで出会わなかったのは幸運の一言ですよ?」
「マジ!?」
この後青ジョリにも確かめたが、同じことを口にした。野生界では生存競争が激しく、常に弱者は強者の糧になるんだと。青ジョリ自体も腕っぷしにはそこそこ自信があるとはいえ、やはり周り全て敵だと生き残るのは難しいらしく、渋々麓に根を張っているのだそうだ。
『……後ですね、あの場所に白黒の猫が一匹居座ってるんですよ。不思議とその周りには野生動物も近寄らないみたいみたいで』
「猫? クマじゃなくって猫?」
白黒の猫? なんとなーく覚えがあるような無い様な? 知っている様な知らない様な? ハテ?
「まーさ、ここでグダグダやってても仕方がないから一回行ってみようよ。で、陽の高いうちに帰ってこよう。最悪の場合は……ヤキ、頼んだよ!」
『……は、はい! 旦那様の為に命をはって頑張りますっ!』
「いや、ヤキさんもう死んでるじゃないですか」
『……ホントに一回地獄にくるかキモッチー? その気があるならいつでも連れてってやるぞあぁんっ!?』
「ヒ、ヒィッ!」
ヤキはいつの間にかボロ皮バージョンとなっていた。そりゃモッチーも縮こまるでしょ。……でも、そんな姿のユーはあまり見たくないよ。ヤメテ! ボロ皮! ダメ! 髑髏!
『……後は……これはいいかな。然程重要と思えないですし」
この間ずっと口を開けたままこちらを見ている青ジョリ。そりゃヤキが見えなければそうなりますわ。僕達を裏切らないよう、釘を刺す意味でも少しだけ教えておくとしよう。
「ハハハ、不思議そうな顔してるね青ジョリ。実はこの場に僕とモッチーしか見えない第三の人物がいるんだよね。だから青ジョリがなんか悪い事しようと考えても全部筒抜けだよ。イザとなったら乗り移ることも出来るしね。青ジョリには身に覚えがあるんと違う?」
「!」
昨日の出来事を思い出したようだな。モッチーに抑えられた後、全身に力が入らなくなったあの瞬間を。
「そうだ! 山を案内してよ青ジョリ」
「へぇ……えぇっ!?」
「だって青ジョリ強そうじゃん。僕達はまだこの世界をあまり知らないし、遭遇するであろう動物達や植物の危険性も分かんないしね」
「はぁ? まぁ、案内ぐらいなら別にいいでさぁけど……」
「よしじゃあ決まりっ! 早速準備を整えよう! 急げモッチー!」
「サーィェッサアァァァァァッ!」
『……なんだそりゃ? シネッ!』
こうして僕達は青ジョリに教えを請い、山へと向かうのであった。
「それにしてもさぁ、こんなナイフ……いる?」
「ははぁーん、ビビりまくりやがりましたね三河君? そいつは最低限の護身用武器ですよ? まぁ僕としてはアナタが食い殺されようが腸を引きずり出されようが、あろうことか八つ裂きにされてハンバーグにされようが関係ないですしね」
「……ちぇっ、分かったよ。でもコイツは最後の手段だな。出来る限りこのこん棒で……」
「お、撲殺ですか? さすが三河君、分かってますね? そいつでジワジワと弱って行く様を見ながら殴り倒すんですね? あー! 考えただけでもゾクゾクするぅっ!」
モッチーはマジ最低だな。もしこれらの道具を使う事があるとするならば、一番最初はお前が餌食となるだろうよ。
『……旦那様は危機感が足らなさすぎです。もし死んでしまったらどうするんですか? あ……そうなれば霊となって……』
「よし、ナイフの準備オッケーッ! なんでもかかってこいやぁ―――――っ!」
「これから君を追い込むときはヤキさんに頼みますか。ねぇ三河君?」
「…………チッ!」
こんな会話をしながらも、僕達はどんどん山の中へと進んでいく。目的地点が一合目中ほどだったのが幸いした形となり、数十分ほどで到着。
「ハァ……ハァ……あ、青ジョリ速いって……ぉぇっ」
「へぇ、これでもアッシは気を使っていつもより遅く歩きましたが?」
「それ以上言うんじゃないブルー! 三河君にこれ以上恥をかかせるな! いくら体力がそこらの田舎アイドルより少なくても、あの鬼婆ですらひれ伏すという邪念のこもったチンチンがあれば……」
「だまれ!」
{ガスッ}
「ぎゃあぁっ!」
お前の方が余程僕に恥をかかせているではないかモッチー! この踵落としでヤキにあの世まで連れていかれろや!
『……お断りします。私にも選ぶ権利があるんですからね!』
「あぁっ! なんか聞こえた! アッシにも聞こえましたぜ三河さんっ! 女性の声で……」
やはり青ジョリもヤキの存在に近づいたと見える。そりゃ体を乗っ取られたり、これだけ僕達と接すれば……ねぇ。
『……ほほぅ、ヌシはわらわの声が聞えたと言うのかえ? となれば祟られたのであろう』
「えぇっ!?」
『……まず最初に何処から頂こうよな? その青みのかかった眼玉など美味そうじゃの? いやいや、それとも青い皮をはいでその下にある筋ばった肉を骨ごとしゃぶりつくすのもありかな?』
ヤキにしては珍しく悪乗り。とはいえ、その冗談がやけに怖いんだけど。リアリティー在りまくりなんだけども!?
「お許しおぉぉぉぉっ! ア、アッシはこれから三河様の為に尽くしますんでどうかお命だけはあぁぁぁぁっ!」
『……よう言った! もしその方が裏切る素振りを見せようもんならば即祟り殺してやるから心しておけ! とは言え、三河様ならば学ぶことも多いじゃろうて。必ずその見返りがくると、わらわが保障してやろうぞ』
「ははぁぁぁぁぁぁっ!」
バカかよ? 永遠に〝劇団ヤキ〟をやってろ! 次は〝青ジョリキング〟を練習しとけや! まったくもう!
良いのか悪いのか、ヤキの卑劣な手口によって僕はこの世界でもモッチーみたいなヤツを手に入れたのだった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる