盗賊と領主の娘

倉くらの

文字の大きさ
上 下
48 / 58
第13章 ゲームの行方

しおりを挟む
 1

 ゲームの終わりまであと5日。
 その数字は確実にレイピアを焦らせていた。
 今、レイピアの心にあるのは最後の決着をつける――ダイヤを取り戻すことだ。そして、一刻も早くスキルの元から離れること。それだけだった。


「シア、教えて欲しいの。スキルの弱点を何でもいいから」

 ひどく追い詰められたような、沈痛な面持ちのレイピアにシアは怪訝な表情で眉をひそめる。

「レイピア……?」

「何でそんなこと聞くんだよ」

 シアのすぐ側にいて木の枝に腰掛け、足をぶらぶらさせていたブレンもまた怪訝な表情をして口を挟んでくる。「それは…」と言ったきり黙りこんでしまったレイピアを見かねたシアが口を開く。

「私はあまりそういうこと知らないんだけど、ブレンは知ってる?」

「何で俺がそんなこと言わなきゃいけねえんだよ。ははん、ダイヤか。スキルの弱点をついてダイヤを奪うって作戦だな」

「お願い、どうしても知りたいの」

 自分の親友の弱点を何で教えてやらなくちゃいけないんだ、とブレンは思ったのだが懇願するようなレイピアの瞳に見つめられ少々たじろいだ。彼女がこんな風に自分に頼みごとをしてきたことなど1度もなかったから。
 一時期レイピアに酷いこともしていたブレンだったが、今は改心しているし根は悪くない性格をしているのでこうした頼みごとに弱かったりする。それにレイピアに対して悪いことをしてしまったという負い目もある。

「う、そうだな……。朝が弱いことかなぁ。あいつ寝起きの胃にコーヒーを流し込まないと完全に目が覚めるってことがないんだ」

「朝……」

 レイピアは口元に手を当て、何やら難しい表情で考え込んだ。

「それを聞いたところでどうすんだよ。まさか寝込みでも襲おうってんじゃ……」

「あーもう、あんたはうるさいっ! デリカシー0男がぁ!」

 バシ、とシアは手にしていたタオルを鞭のようにしならせて木の上のブレンを叩く。叩かれた本人は痛いと言いながら文句をたれるが、無視している。

「使えないわねぇ。他には何かないの? もっと、すぐに使えるような犬が嫌いだとか、刃物を見ると恐怖ですくみあがるとか……そういうの」
「ねーよ。そんなもん。あいつには基本的に弱点なんてないんだよ」
「そう……」

 期待したような収穫がなく、レイピアはうなだれるように肩を落とした。

「ね、レイピア。どうしちゃったの? まだ時間はあるわ。元気を出して」

 気遣わしげなシアのその問いかけにレイピアは力なく首を横に振った。
 ここ最近レイピアの元気がないと思っていたが、今日はいっそうそれが激しい。シアには思い当たる節が1つあった。というよりそれしか思いつくことができなかった。

 スキルが団長就任したパーティーの夜。
 あの日が原因ではないかと考えている。2人の間で何かがあったのだ。だがそれを考えてみたところで今、目の前にいる落ち込んだ様子の彼女にあれこれと追求するのは気が引けた。
 こんな時、力になってあげることができない自分がひどく歯痒い。


***


 パーティーの夜以降、スキルの姿を見るたびに怯えたように脱兎のごとく逃げ出していたレイピアだったが、今日は違った。
 テントの外を歩くスキルの姿を見つけると逃げ出すこともなく、目を逸らせることもなく、真っ直ぐ見据え唇を引き締めた。

「今日こそダイヤを返してもらうわ!」

 スキルの対しての宣言というより、まるで自分自身に言い聞かせるための言葉のように思えた。
 スキルはそのレイピアの様子がこれまでのものと違うことに驚く。殺気立っていて、ひどく追い詰められた表情をしている。

「どうかしたのか……?」

 気遣わしげにレイピアの顔を覗き込もうとしてくる。
 しかし―――。

「べつにどうもしない! あなたには関係ないっ」

 スキルがこれ以上言葉を紡がないように。鋭く言葉を放つことで強引に振り払う。

「レイピア」

「言うなっ!」

 もう何も聞きたくない。
 これ以上彼の言葉を聞いたら自分の感情を押さえ込む自信がなかった。一滴の水を落としただけで決壊してしまう器のように心がギリギリの場所にある。

「くだらないこと言って、これ以上私の心を乱さないで!」

 言い終えると同時に地面を蹴り上げた。
 レイピアの手には武器も何も握られていない。ただ狙うのはピンクダイヤモンドのみ。
 このまま闇雲にスキルの懐に手を伸ばしても避けられることは目に見えている。すばやさでいうとスキルの方がはるかに上なのだから。
 何とか地面に引き倒し逃げ場を無くさなくてはならない。これまでに何度も繰り返してきた攻防戦でレイピアが学んだことだった。

 懐に飛び込み、身を屈めるとスキルの足を払った。スキルは若干体勢を崩したものの、倒れこむということはなくすぐに体勢を立て直してレイピアと距離を取った。
 彼は崩れたバランスを即座に立て直すことができる。サーカスで幼い頃から鍛えられているためできる芸当なのだろう。

 だがレイピアにとってはこんな時ですら風のように避けるスキルがたまらなく憎らしかった。
 この気迫が伝わっているならダイヤを返してくれたらいいのに。
 ピンクダイヤモンドなど、今まで彼が盗んできた宝物に比べたら価値が低いものだろうに。
 どうして返してくれないの、とレイピアの心は焦れるばかりだった。

「どうして返してくれないのよっ!」

 悲痛な声を上げる。
 その瞬間、動きに隙が生じてしまった。スキルはそれをついてレイピアの手首を掴んだ。

「……あッ!」

 弾かれるようにレイピアは体を仰け反らせた。咄嗟にスキルから逃げようとして、足がもつれ体勢が崩れる。
 視界が反転して―――転げてしまった。
 頭を打たないようにスキルによって抱え込まれていて。しかしすぐにその体は離れて行き同時に掴まれていた手も離れる。砂埃が上がって白い頬を汚す。

 地面に倒れこんだままの自分の目の前にスキルの手が差し伸べられた。息一つ乱していない。その手を叩くようにして振り払う。汚れのついた顔を手の甲でぐいっと拭い、涙で滲む瞳で睨みつける。
 一瞬、スキルが怯むのが分かった。

「泥棒っ!」

 感情のままに叫ぶ。

「返してよ、返してっ……。私の……っ」

 ピンクダイヤモンドと、私の心を―――。
 喉を詰まらせ、最後の方は言葉にはならなかった。



 ブレンとシアに頼み込んでスキルの弱点を聞き出そうとした。弱点をついてダイヤを取り戻そうと考えたのだ。けれど期待したようなスキルの弱点はなく、やむなくいつも通り正攻法でダイヤを奪い返そうとした。
 だが、結果はあのとおり。

 完全に負けた、と思った。

 結局のところ敵わなかった。
 もうどうあってもダイヤは取り戻せそうになくて。
 戦意は完全に消えてしまった。
 けれども胸にうずまいている熱だけはどうしても消えてくれそうになかった。スキルから離れて、自分のテントへ戻って来た今この時ですら。

 もう駄目だ、もう……駄目。

 自分自身の体を抱き締めて身を震わせる。
 苦しかった。
 だんだんと病魔に蝕まれていくように、強くなっていくその思いはレイピアの心を締め付ける。
 楽になりたかった。
 苦しみを無くしてしまいたかった。

 その苦しみを取る方法―――それは……。

 1つの考えがレイピアの脳裏をよぎった。
 そしてその方法以外楽になる術を知らなかった。その方法を使うことによって後々この心はさらに苦しみを深めるかもしれない。
 だが一時だけでも苦しみを消すことができる。その一時の安らぎが今のレイピアには必要なものだった。

 吐き出してしまおうと思った。
 胸にうずまいている思いを……全部。


 のろのろとひどく億劫そうな足取りで向かった先――それはスキルのテントだった。

 湿り気を帯びた風がレイピアの頬を撫でる。
 この1ヵ月ほどで吹く風の温度はだいぶ変わってしまった。
 あの時はまだ吹く風も冷たかったというのに。サーカスに来た初めの頃の夜――スキルのテントを訪れたときは。
 あれ以来、夜にスキルのテントを訪れることはしなかった。
 あの時の夜に彼が言った言葉は冗談に過ぎないものだったのだろう。けれども用心するにこしたことはないし、団員達の目も痛かったことも加えて、自然と足を赴けることは控えていた。

 スキルのテントの前まで来て、レイピアは足を止めた。
 テントから明かりが漏れている。まだ眠っていないのだろう。浅くため息をつくと覚悟を決め、幕を開いた。


***


 正直、今のレイピアを見ているのは辛かった。

 ひどく追い詰められた表情でダイヤを返せと叫んだ姿が目に焼き付いて離れない。彼女をあそこまで追い詰めてしまったのはまぎれもなく自分だ。

 スキルはピンクダイヤモンドを懐から取り出した。鎖の部分がシャラリと音を立てて手のひらに収まる。

 このダイヤがレイピアの母親の形見の品であることを知ったのはつい先日のことだった。
 だから自分の危険も顧みずたった1人で追いかけてきて、ダイヤを取り返そうと必死になっていたのだ―――それを知ったとき、もちろん罪悪感は生まれた。だがそれ以上に彼女を離したくないという思いの方が強かった。
 たとえそれが彼女の思いを無視していたとしても。

 レイピアがダイヤを取り返すために向かってくるときはいつだって本気で相手をしていた。その中に多少のからかいはあったけれども。
 最初の頃は仲間達と自分自身を守るため。

 そして今ではその思いも変わり、レイピアを帰さないために必死になってダイヤを守っている。
 ダイヤを取り戻した時点でレイピアの目的は達成され、彼女の性格からいって絶対に帰ろうとするだろうから。冒険者をしている彼女がそのまま旅立ってしまったら、もう2度と会えないかもしれない。
 そんなのは嫌だと思う。

 レイピアの腕はなかなか筋がいい。
 油断しているとあっという間に取り返されてしまうだろう。表情では平静を装っていたものの、何度かひやりとさせられたこともあった。自然体でいるようでいて、実は常に気を張っていた。

 だが、それも今日までのこと。
 スキルは明日にでもダイヤを返そうと決意した。
 あくまでもダイヤを返すだけであってレイピアを帰す気はない。
 明日になったら改めて自分の思いを伝えようと思った。

 好きだと言ったことは冗談ではなく本気だということを。
 自分の側から離れないで欲しいということを。

 拒まれることは目に見えているけれど……それでもかまわない。

 初めて心から好きになった女性を諦めるつもりはないから。


 パサ、とテントの幕が開く音がした。
 もうすでに夜更けともいえる時間だというのに。一体誰が? そう思って顔を上げると昼間の時と同様にひどく追い詰められた表情のレイピアが立っていた。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。

石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。 そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。 新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。 初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。 ハッピーエンドです。 この作品は、別サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

子ども扱いしないでください! 幼女化しちゃった完璧淑女は、騎士団長に甘やかされる

佐崎咲
恋愛
旧題:完璧すぎる君は一人でも生きていけると婚約破棄されたけど、騎士団長が即日プロポーズに来た上に甘やかしてきます 「君は完璧だ。一人でも生きていける。でも、彼女には私が必要なんだ」 なんだか聞いたことのある台詞だけれど、まさか現実で、しかも貴族社会に生きる人間からそれを聞くことになるとは思ってもいなかった。 彼の言う通り、私ロゼ=リンゼンハイムは『完璧な淑女』などと称されているけれど、それは努力のたまものであって、本質ではない。 私は幼い時に我儘な姉に追い出され、開き直って自然溢れる領地でそれはもうのびのびと、野を駆け山を駆け回っていたのだから。 それが、今度は跡継ぎ教育に嫌気がさした姉が自称病弱設定を作り出し、代わりに私がこの家を継ぐことになったから、王都に移って血反吐を吐くような努力を重ねたのだ。 そして今度は腐れ縁ともいうべき幼馴染みの友人に婚約者を横取りされたわけだけれど、それはまあ別にどうぞ差し上げますよというところなのだが。 ただ。 婚約破棄を告げられたばかりの私をその日訪ねた人が、もう一人いた。 切れ長の紺色の瞳に、長い金髪を一つに束ね、男女問わず目をひく美しい彼は、『微笑みの貴公子』と呼ばれる第二騎士団長のユアン=クラディス様。 彼はいつもとは違う、改まった口調で言った。 「どうか、私と結婚してください」 「お返事は急ぎません。先程リンゼンハイム伯爵には手紙を出させていただきました。許可が得られましたらまた改めさせていただきますが、まずはロゼ嬢に私の気持ちを知っておいていただきたかったのです」 私の戸惑いたるや、婚約破棄を告げられた時の比ではなかった。 彼のことはよく知っている。 彼もまた、私のことをよく知っている。 でも彼は『それ』が私だとは知らない。 まったくの別人に見えているはずなのだから。 なのに、何故私にプロポーズを? しかもやたらと甘やかそうとしてくるんですけど。 どういうこと? ============ 番外編は思いついたら追加していく予定です。 <レジーナ公式サイト番外編> 「番外編 相変わらずな日常」 レジーナ公式サイトにてアンケートに答えていただくと、書き下ろしweb番外編をお読みいただけます。 いつも攻め込まれてばかりのロゼが居眠り中のユアンを見つけ、この機会に……という話です。   ※転載・複写はお断りいたします。

【完結】フェリシアの誤算

伽羅
恋愛
前世の記憶を持つフェリシアはルームメイトのジェシカと細々と暮らしていた。流行り病でジェシカを亡くしたフェリシアは、彼女を探しに来た人物に彼女と間違えられたのをいい事にジェシカになりすましてついて行くが、なんと彼女は公爵家の孫だった。 正体を明かして迷惑料としてお金をせびろうと考えていたフェリシアだったが、それを言い出す事も出来ないままズルズルと公爵家で暮らしていく事になり…。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

処理中です...