11 / 28
煌めくルビーに魅せられて番外編 吸血鬼の執愛
3
しおりを挟む
瑞稀と逢えるまであと少し。そう思ったら、居てもたってもいられなくなった。それで、思いきったことすることにした。
『瑞稀、お願いがある』というLINEを、金曜日の夜に送った。すぐに既読になったのは、バイトの休憩時間を見計らって送信したから。確実に返事がほしかったのもある!
『マサさんからのお願いって、俺が叶えることができるものですか?』
『ああ、大丈夫!土曜日のバイトが終わったら、俺のマンションに帰ればいいだけだから』
流れるように願いを打ち込み、さっさと送信する。
『土曜日、お泊まりということですか?』
『少しでも瑞稀と一緒にいたい』
重いヤツと思われたらとどうしようなど、寸前までアレコレ考えたのだが、瑞稀に早く逢いたい気待ちが勝り、お願い事をしてしまった。
『君と少しでも長い時間一緒にいたいだけであって、変なことをしたいとか血が欲しいとか、そういうのではないから安心してくれ』
『変なことって?』
(――ここで瑞稀からのツッコミがぶちかまされるとは!)
『変なことというのは、俺が君に手を出さないということだ。土曜の夜は添い寝するだけ。次の日のデートのために、ゆっくり寝なければいけないね!』
文字数が増えるごとに、信ぴょう性がどんどん減っていく気がする。
『本当に添い寝だけですか?』
『勿論、そうするつもりだよ。次の日のデートが楽しみだからね』
『本当になにもしない?』
『しないよ、大丈夫!』
まるで、自分に言い聞かせる言葉に感じてしまう。
『わかりました。お泊まりの用意しなきゃですね。それじゃまた』
バイトの休憩時間が終わったらしく、あっけなく瑞稀とのLINEのやり取りが途絶えた。
「添い寝だけとか、生殺し状態になるのが目に浮かぶ……」
自分の首を絞めてしまう言葉を打ち込んでしまったことに、深く後悔したが時すでに遅しだった。
『瑞稀、お願いがある』というLINEを、金曜日の夜に送った。すぐに既読になったのは、バイトの休憩時間を見計らって送信したから。確実に返事がほしかったのもある!
『マサさんからのお願いって、俺が叶えることができるものですか?』
『ああ、大丈夫!土曜日のバイトが終わったら、俺のマンションに帰ればいいだけだから』
流れるように願いを打ち込み、さっさと送信する。
『土曜日、お泊まりということですか?』
『少しでも瑞稀と一緒にいたい』
重いヤツと思われたらとどうしようなど、寸前までアレコレ考えたのだが、瑞稀に早く逢いたい気待ちが勝り、お願い事をしてしまった。
『君と少しでも長い時間一緒にいたいだけであって、変なことをしたいとか血が欲しいとか、そういうのではないから安心してくれ』
『変なことって?』
(――ここで瑞稀からのツッコミがぶちかまされるとは!)
『変なことというのは、俺が君に手を出さないということだ。土曜の夜は添い寝するだけ。次の日のデートのために、ゆっくり寝なければいけないね!』
文字数が増えるごとに、信ぴょう性がどんどん減っていく気がする。
『本当に添い寝だけですか?』
『勿論、そうするつもりだよ。次の日のデートが楽しみだからね』
『本当になにもしない?』
『しないよ、大丈夫!』
まるで、自分に言い聞かせる言葉に感じてしまう。
『わかりました。お泊まりの用意しなきゃですね。それじゃまた』
バイトの休憩時間が終わったらしく、あっけなく瑞稀とのLINEのやり取りが途絶えた。
「添い寝だけとか、生殺し状態になるのが目に浮かぶ……」
自分の首を絞めてしまう言葉を打ち込んでしまったことに、深く後悔したが時すでに遅しだった。
10
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
幸せのカタチ
杏西モジコ
BL
幼馴染の須藤祥太に想いを寄せていた唐木幸介。ある日、祥太に呼び出されると結婚の報告をされ、その長年の想いは告げる前に玉砕する。ショックのあまり、その足でやけ酒に溺れた幸介が翌朝目覚めると、そこは見知らぬ青年、福島律也の自宅だった……。
拗れた片想いになかなか決着をつけられないサラリーマンが、新しい幸せに向かうお話。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる