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煌めくルビーに魅せられて番外編 吸血鬼の執愛

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 瑞稀と逢えるまであと少し。そう思ったら、居てもたってもいられなくなった。それで、思いきったことすることにした。

『瑞稀、お願いがある』というLINEを、金曜日の夜に送った。すぐに既読になったのは、バイトの休憩時間を見計らって送信したから。確実に返事がほしかったのもある!

『マサさんからのお願いって、俺が叶えることができるものですか?』

『ああ、大丈夫!土曜日のバイトが終わったら、俺のマンションに帰ればいいだけだから』

 流れるように願いを打ち込み、さっさと送信する。

『土曜日、お泊まりということですか?』

『少しでも瑞稀と一緒にいたい』

 重いヤツと思われたらとどうしようなど、寸前までアレコレ考えたのだが、瑞稀に早く逢いたい気待ちが勝り、お願い事をしてしまった。

『君と少しでも長い時間一緒にいたいだけであって、変なことをしたいとか血が欲しいとか、そういうのではないから安心してくれ』

『変なことって?』

(――ここで瑞稀からのツッコミがぶちかまされるとは!)

『変なことというのは、俺が君に手を出さないということだ。土曜の夜は添い寝するだけ。次の日のデートのために、ゆっくり寝なければいけないね!』

 文字数が増えるごとに、信ぴょう性がどんどん減っていく気がする。

『本当に添い寝だけですか?』

『勿論、そうするつもりだよ。次の日のデートが楽しみだからね』

『本当になにもしない?』

『しないよ、大丈夫!』

 まるで、自分に言い聞かせる言葉に感じてしまう。

『わかりました。お泊まりの用意しなきゃですね。それじゃまた』

 バイトの休憩時間が終わったらしく、あっけなく瑞稀とのLINEのやり取りが途絶えた。

「添い寝だけとか、生殺し状態になるのが目に浮かぶ……」

 自分の首を絞めてしまう言葉を打ち込んでしまったことに、深く後悔したが時すでに遅しだった。
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