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自力で宿題を解いていた関係で、浩司兄ちゃんが指定した時間より少し遅れて、部屋にお邪魔した。
床に座って、持って来ていた教科書類をローテーブルの上に出したのに、浩司兄ちゃんが背後から僕に抱きつく。
「龍とこうしてくっつくの、一週間ぶり?」
「うん、そうかな」
照れ隠しすべく、ぬるい声色で返事をした。捕まえたと言わんばかりの抱擁に、口元が緩んでしまう。
「俺に触れられたくなかった?」
僕に訊ねながら、浩司兄ちゃんの片手が下半身に伸びる。
「くっ!」
「カタチ、変わってる。まだなにもしてないのに」
耳元で告げられる自身の事情に、頬が赤くなるのがわかった。
「されてるよ。浩司兄ちゃんに抱きつかれてる」
恥ずかしさで俯きつつ、なんとか文句を言ってみる。
「でも感じるところには、一切触れてないのに?」
「だって、一週間ぶりだから」
「自分でシなかったのか?」
傍にある端正な顔を横目で見ながら、事実を告げる。これを言ったら、浩司兄ちゃんはどう思うのかな。
「浩司兄ちゃんを思い出すからシてない」
「かわいいことを言うのな」
くすくす笑って、浩司兄ちゃんの顔が僕の顔を覆った。この時点でキスされることがわかったからこそ、近づいた唇に慌てて手を添える。
「ダメだよ、宿題を先にしなきゃ。本当に困ってるんだってば……」
ここに来る前に、自宅で果敢に挑んでみたものの、まったくわからず仕舞いだった。卑猥なことがなし崩し的にはじまってしまったら、宿題なんてそっちのけになるのが、絶対にわかりすぎる!
「カタチの変わった龍のココ、放置するのはかわいそうだろ」
「我慢する、だから触らないで」
「俺にもガマンを強いるんだ?」
僕の腰に、浩司兄ちゃんの大きくなったモノが擦りつけられた。布越しでも伝わってくる、浩司兄ちゃん自身の熱り勃つ状態で、すごく我慢してることがわかったけれど。
「浩司兄ちゃん、僕が困ることばかりしないでほしい」
「困っているというよりも、物欲しそうに俺の目には映ってるけど?」
躰は与えられる気持ちよさを覚えてしまっているので、欲しくないといえば噓になる。
「困ってる感情と、浩司兄ちゃんが欲しい感情のふたつがせめぎ合ってるよ」
「そっか、偉いな龍は。ちゃんと我慢しようとしてるのを、俺も見習わないと」
「ンンっ!」
見習わないとと言ったそばから、僕にキスをした。強く押しつけられる唇と割り込んできた舌が、簡単に僕を翻弄する。
「ぁあっ、こ、おじ兄ちゃ…らめらって」
「キスだけでやめる。こればっかりは、ひとりじゃできないだろう?」
感じさせるように蠢いていた舌を引き抜き、背後から前に移動して、きちんと僕に向き合ってくれる。
「ホントに、キスだけでやめられるの?」
「龍をこれ以上困らせたくない、本当だよ。とりあえず舌を出してみて」
言われたとおりに、唇から舌を半分だけ出した。浩司兄ちゃんは嬉しそうな面持ちでそれを甘噛みしつつ、ちゅっと吸いあげる。
「!!」
まるでアレをするように頭を動かして、僕の舌を浩司兄ちゃんの口内に出し挿れする。じゅぷじゅぷわざと音をたてるそれに、僕自身が反応しちゃって、痛いくらいに張り詰めていく。
「んうっ…あんっ」
力がどんどん抜け落ちていくせいで、浩司兄ちゃんにしなだれかかった瞬間だった。なんの前触れもなく、目の前にある扉が開いた。
「兄貴、悪いけど宿題っ……わっ!」
抱き合う僕らと怜司が相対する形になって、一気に場が凍りつく。咄嗟に浩司兄ちゃんが僕を背中に隠しながら、大きなため息をついた。
自力で宿題を解いていた関係で、浩司兄ちゃんが指定した時間より少し遅れて、部屋にお邪魔した。
床に座って、持って来ていた教科書類をローテーブルの上に出したのに、浩司兄ちゃんが背後から僕に抱きつく。
「龍とこうしてくっつくの、一週間ぶり?」
「うん、そうかな」
照れ隠しすべく、ぬるい声色で返事をした。捕まえたと言わんばかりの抱擁に、口元が緩んでしまう。
「俺に触れられたくなかった?」
僕に訊ねながら、浩司兄ちゃんの片手が下半身に伸びる。
「くっ!」
「カタチ、変わってる。まだなにもしてないのに」
耳元で告げられる自身の事情に、頬が赤くなるのがわかった。
「されてるよ。浩司兄ちゃんに抱きつかれてる」
恥ずかしさで俯きつつ、なんとか文句を言ってみる。
「でも感じるところには、一切触れてないのに?」
「だって、一週間ぶりだから」
「自分でシなかったのか?」
傍にある端正な顔を横目で見ながら、事実を告げる。これを言ったら、浩司兄ちゃんはどう思うのかな。
「浩司兄ちゃんを思い出すからシてない」
「かわいいことを言うのな」
くすくす笑って、浩司兄ちゃんの顔が僕の顔を覆った。この時点でキスされることがわかったからこそ、近づいた唇に慌てて手を添える。
「ダメだよ、宿題を先にしなきゃ。本当に困ってるんだってば……」
ここに来る前に、自宅で果敢に挑んでみたものの、まったくわからず仕舞いだった。卑猥なことがなし崩し的にはじまってしまったら、宿題なんてそっちのけになるのが、絶対にわかりすぎる!
「カタチの変わった龍のココ、放置するのはかわいそうだろ」
「我慢する、だから触らないで」
「俺にもガマンを強いるんだ?」
僕の腰に、浩司兄ちゃんの大きくなったモノが擦りつけられた。布越しでも伝わってくる、浩司兄ちゃん自身の熱り勃つ状態で、すごく我慢してることがわかったけれど。
「浩司兄ちゃん、僕が困ることばかりしないでほしい」
「困っているというよりも、物欲しそうに俺の目には映ってるけど?」
躰は与えられる気持ちよさを覚えてしまっているので、欲しくないといえば噓になる。
「困ってる感情と、浩司兄ちゃんが欲しい感情のふたつがせめぎ合ってるよ」
「そっか、偉いな龍は。ちゃんと我慢しようとしてるのを、俺も見習わないと」
「ンンっ!」
見習わないとと言ったそばから、僕にキスをした。強く押しつけられる唇と割り込んできた舌が、簡単に僕を翻弄する。
「ぁあっ、こ、おじ兄ちゃ…らめらって」
「キスだけでやめる。こればっかりは、ひとりじゃできないだろう?」
感じさせるように蠢いていた舌を引き抜き、背後から前に移動して、きちんと僕に向き合ってくれる。
「ホントに、キスだけでやめられるの?」
「龍をこれ以上困らせたくない、本当だよ。とりあえず舌を出してみて」
言われたとおりに、唇から舌を半分だけ出した。浩司兄ちゃんは嬉しそうな面持ちでそれを甘噛みしつつ、ちゅっと吸いあげる。
「!!」
まるでアレをするように頭を動かして、僕の舌を浩司兄ちゃんの口内に出し挿れする。じゅぷじゅぷわざと音をたてるそれに、僕自身が反応しちゃって、痛いくらいに張り詰めていく。
「んうっ…あんっ」
力がどんどん抜け落ちていくせいで、浩司兄ちゃんにしなだれかかった瞬間だった。なんの前触れもなく、目の前にある扉が開いた。
「兄貴、悪いけど宿題っ……わっ!」
抱き合う僕らと怜司が相対する形になって、一気に場が凍りつく。咄嗟に浩司兄ちゃんが僕を背中に隠しながら、大きなため息をついた。
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