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8話

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「ふふっ。」

「団長、気持ち悪いです。」

「ああ、リアム。いたのか?」

「います。いましたよ?副官の存在を忘れてしまいましたか?」

「彼女‥‥クレアが可愛いんだ。」

「まさか団長に惚気られる日が来るとは思いもよりませんでした。明日は槍が降ってきそうですね。」

「第二王子殿下、国王陛下からの直筆の手紙です。」

「なに?」

「ーーふむ、指令だ。」

「なんと?」

「シルフォニア王国を落とす。」

「ああ、あの国。やっと動くんですね。」

「ああ、我が国に難民が押し寄せてきている。あそこの王侯貴族からの行動は流石に目に余るからな。」

「他国はどう動きますか?」

「我が国と睨み合っていた国はどうやら大型魔物が出現したらしくそっちにかかりきりだ。」

「なるほど。情報を集めます。」

「頼んだ。」








「ーーより詳しく情報を集めました。こちら報告書です。」

ほう‥‥。王侯貴族が税の限りを尽くし民から税金を搾れるだけ搾り虐げている、と。

逃げ出す国民が多く崩壊も近い。騎士団も碌なものはなく攻略可能。

ん?王族は紫色の瞳を持つ。ーー紫?

そういえばあのルーカスは一瞬だけ紫色だったような?気のせいか?

これはっ?!

シルフォニア王国の国王カリストには2人の妃がいた。正妃であるクレア・シルフォニアは6年前に第二王妃毒殺未遂で国外追放の刑に。

クレア‥‥6年‥‥ルーカスは6歳?

まさか‥‥そうか。そうなのか。

「黙り込んでどうしました?」

「いや、少し1人にしてくれ。」

「かしこまりました。」

クレアが元正妃だとするとあのルーカスはカリストとの間の子供。シルフォニア王家の血を引いているのか‥‥。









ーーーー

コンコンッ

「はーい!」

「クレア‥‥大事な話がある。今夜時間をとってもらえるか?」

「エルネスト?何が‥‥わかりました。」

突然エルネストが訪ねてきた。時間を見つけては訪ねてきてくれるエルネストと私はつい先日恋仲になった。

本当は関わるべきじゃないけれど愛してしまった。それにルーカスも懐いているわ。騎士団に所属しているから彼と共に王都へ行くことも決まっていた。

住民は別れを惜しんでくれ、盛大に送り出してくれるという。

マーユなんかは寂しいと号泣してそれでも私の幸せを願ってくれた。

そんな幸せの絶頂にいるときに深刻な顔をして現れた彼。

話‥‥話って‥‥。

なにかしら?まさかルーカスのこと?

でもこれだけは誰にもバレていないはずよ。いつかは彼に全てを話さなくてはならない。でもたまらなく怖くて何も言えていない。とても不誠実だわ。けど怖い。怖いのよ‥‥。
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