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週刊なにがしインターナショナル

  チャンプを継ぐ者編

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「でね」
「あっ、まだ続けるんだ」
「主人公の方は彼女が居て、彼女は妊娠してるのね、でもそれを主人公は知らないのね」
「はいはい、彼女が言って無い」
 そうそう、と佐々木が頷く。

「それで最後の試合をする訳だと」
「はい」
「で主人公が勝って、死ぬのね」
「あっ、主人公が死ぬんすか?」
「そうそう、主人公が力石」
「ハハハハッ、主人公が力石って・・・」

「でね、十数年経ってね」
「はい」
「ライバルの方は、山でも海でもどっちでもいいけど世捨て人になって、一人で静かに暮らしてるのね」
「はいはい、リングで人を殺したから」
「そうそうそう、それを悔いてというか、責任を感じてというか」
「はい」
「そこに、その主人公の息子が訪ねてくる訳だよ」
「ハハハハハッ」
「それでその主人公の息子が、僕にボクシングを教えてください、って言うわけだよ」
「父のライバルに」
「そうそう」
「父を殺した男に」
「そうだよ」

「もちろんライバルは最初、断るわけじゃん」
「はい」
「君のとって僕がなんだか分かっているのかと」
「そう言うわけですね」
「そしたら主人公の息子が言うのね」
「はい」
「あなたは僕から父を奪った」
 手を振りながら、佐々木が熱弁を振るう。
「だからあなたは僕に、ボクシングを教える義務があるんだ、責任があるんだ」
「ハハハハハッ、あるか?」

「でね、ライバルが教えるわけだよ、ボクシングを」
「はい」
「つまり何か」
「何か?」
「第二部、クリード、チャンプを継ぐ者編だよ」
 ハハハハハハハハハハハッと吉田は大爆笑する。

「先輩」
「あん?」
「この世に存在しない漫画の、第二部を作らないで下さい」
「なんだよ」
 佐々木が首を振る。
「この世に存在しない漫画の、第二部を作っていけないって言う法律があるのかよ」
「法律はないけど・・・」
 手を振りながら吉田が言う。
「常識でね」
「常識でね」
 佐々木が頷く。

「まぁ、中学生ならオッケー」
「四十過ぎたら駄目?」
「駄目ですねぇ」
 腕を組んで、佐々木がチェッと舌打ちをする。
「なんで駄目なんだよ」
 
「中学生って・・・・・いいなぁ」
 佐々木の呟きに、吉田がハハハハハッと笑う。
「好きなだけ、漫画を空想することが出来るだなんて」
「戻りたい?」
「戻りたい・・・・・いや別にいいか」
「いいんかい」
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