上 下
29 / 38
週刊なにがしインターナショナル

  キャプテン翼ユニバース

しおりを挟む
「俺さぁ」
「はい」
「キャプテン翼ってちゃんと読んだことないんだけどさぁ」
「読んだ事ないのかよ」
「まったく読んだことない訳じゃないから」
 佐々木が手を振る。
「ボールは友達」
「ボールは友達」
 ハハハハッと吉田が笑う。
「いかにもほとんど読んだことがない奴が、とりあえず言う台詞」

「まぁまぁあんまり読んだ事ないから分かんないけど、その国内のさぁインターハイを勝ち上がって、その後、そのライバルたちとワールドカップ行くみたいな話じゃん」
「そうですね、ワールドカップじゃなくて、ユースってやつですけどね、あと高校生じゃなくて中学生の話ですけどね」
「あっ、そうなの?」
 はい、と吉田は頷く。
「正しくいうと、小学生編と中学生編とそのユースってやつですよ」
「そうなんだ・・・・・」
「確かね・・・・・まぁ俺も何度も読んでないから知らんけど、確かそうですよ」

「なぁとにかく」
「はい、とにかく」
「それまでのライバルたちが集まって、新たな世界の強豪と戦うみたいなの繰り返すんだろ」
「まぁそうですよ」
「それが面白い訳じゃん」
「はい」

「で、そのワールドカップだがユースだかで世界の強豪たちが出て来てさぁ」
「はい」
「その人たちの、三十年後なわけ」
「ハハハハッ、暖簾分けのやつは」
「そうそう」

「もちろん主人公じゃないよ」
「はい、そうですね」
「その・・・・分かんないけどブラジルの選手がいて、そいつが三十年経って監督になって、そこの選手」
「はいはい」
「或いは息子みたいなね」

「そのキャプテン翼のキャラクターたちが三十年経って、おじさんになって出てきて、そこで若者たちが活躍する話」
「まぁ確かにそれだったら面白そうだし、その国の人も面白いでしょうねぇ」

「でね、俺が考えた画期的なシステム」
「はい?」
「ブラジルとイタリアと二つさぁ、暖簾分けして描かせるのね」
「はい」
「で、その二つの漫画で、共に主人公たちがワールドカップまで進むのね」
「えっ?」
 吉田が首を捻る。
「まったく同じ世界って事ですか?」
「そうそう同じ世界って事」
 ほぉと吉田が声を上げる。
「同じ世界のブラジルとイタリアの話」

「それでブラジルのチームとイタリアのチームが決勝戦で当たる」
「当たるんだ」
「で、どっちが勝つかは、読者の入れたポイントで決まるの」
 ハハハハハッと吉田は笑う。

「まったく同じ試合なんすか?」
「まったく同じ試合」
 佐々木が頷く。
「まったく同じ試合を、それぞれの側から、ブラジル側とイタリア側から描くの」
「どんな漫画だよ」

「負けた方、納得しないですよ」
「そんなもん、ポイントが少ないだから諦めろ」
「いや・・・そうですけど・・・・いや」
「打ち切りにならないだけマシだ」
 えええっと吉田が声を上げる。

「とにかくね」
「はい、とにかく」
「キャプテン翼をどんどん暖簾分けしていくのね」
「暖簾分けって言葉、改めて聞くと笑えますね」
「まぁ、今時の言葉で言うと、フランチャイズ?」
「フランチャイズか?あと今時の言葉じゃないし」

「まぁとにかうね」
「はいとにかく」
「そうやってキャプテン翼を世界に広めていってね」
「広まってはいます」
「だから・・・・・キャプテン翼の世界を広げていくの」
「広げていって」
 笑いながら吉田が頷く。
「キャプテン翼ユニバースを作るわけよ」
 ハハハハハッと吉田が笑う。
「マーベルのような?」
「そうそうそうマーベルの様な、言うなればアベンジャーズを作るわけよ」

 ハハハハハッと笑った後、
「それならドラゴンボールの方がよくないですか?」
と吉田が言う。
「そうだな・・・・まぁどっちでもいいけど」
 佐々木がが答える。
「ドラゴンボールでもガンダムでもいいけど」
「ユニバースを作る」
「そうユニバースを作るの」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

色々な人のくすぐり体験談(小説化)

かふぇいん
大衆娯楽
色々な人から聞いたくすぐり体験談を元にした小説を書いていきます。

連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る

マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。 思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。 だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。 「ああ、抱きたい・・・」

6年生になっても

ryo
大衆娯楽
おもらしが治らない女の子が集団生活に苦戦するお話です。

美しいお母さんだ…担任の教師が家庭訪問に来て私を見つめる…手を握られたその後に

マッキーの世界
大衆娯楽
小学校2年生になる息子の担任の教師が家庭訪問にくることになった。 「はい、では16日の午後13時ですね。了解しました」 電話を切った後、ドキドキする気持ちを静めるために、私は計算した。 息子の担任の教師は、俳優の吉○亮に激似。 そんな教師が

能力実験者になったので思う存分趣味(注おもらし)に注ぎ込みたいと思います

砂糖味醂
大衆娯楽
能力実験者に抜擢された、綾川優 すごい能力ばかりだが、優が使ったのは、おもらしを見るため! うまく行くのかどうなのか...... でも、実験者になったからには、自分の欲しい能力使わせてもらいます!

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

処理中です...